お義母さんが育児書と一緒に、「82年生まれ、キム・ジヨン」という本も送ってくれました
お義母さんからメールで「日本で明日から映画が公開されるよ」と聞いてはいましたが、最近その映画のニュースも目にしたこともあってさっそく読んでみました️
私も以前この本は本屋さんで見かけたこともあり少し記憶に残っていましたが、世界中のいろんな国で翻訳されるほどのベストセラーとなっていて驚きました
ネタバレになってしまうので、ネタバレが苦手な方はこの記事は読まないで下さい
主人公はタイトルにある通り、キム・ジヨンという女性。
結婚して出産して育児を始めていた女性が、ある時から少しおかしなことを言うようになって病院を訪れるのですが、そのカルテとしてキム・ジヨンの生まれてから現在までの体験が書かれています。
なので題目は
・二〇一五秋
・一九八二〜一九九四年
・一九九五〜二〇〇〇年
・二〇〇一年〜二〇一一年
・二〇一二年〜二〇一五年
・二〇一六年
となっています。
内容は
現在から一年前のキム・ジヨンの異変に夫が気づいた場面
→キム・ジヨンの出生から小学校までの内容と母親や祖母が受けてきた女性としての生きずらさ。妊娠したけれど女の子だとわかって堕胎することを選ぶしかなかった母親の過去。
→ キム・ ジヨンが中学生になり生理が始まってからのことや女学生が学校側から受けてきた差別や今で言うセクハラ。
→大学生になり就職活動を始めるようになって知る、あまりにも男子が優遇される社会や面接でのセクハラ。
→就職してから知った男子優遇の職務内容や妊娠・出産に対して整っていない制度や妊娠・出産の苦しみに対する理解のなさ。子どもを授かるまでの上の世代の親戚からの理解のなさや、夫も理解の追い付いていない実情。
→現在。カルテとして書き記していた精神科医の話。キム・ジヨンの過去を通してただの産後うつや育児うつでない大きな問題を感じとっていながらも、皮肉にもこの精神科医も今までの慣習に浸かっていることが読書に伝わって幕を下ろす。
公園でコーヒーを飲んでいたときにサラリーマンに言われた「ママ虫」という言葉があり、それを聞いたジヨンが夫に気持ちを伝えるシーンは涙が出てきました
本当に全ての国の女性が共感を覚えざるを得ない本書ではないかと思います。
また母親という存在が家事や育児をしていく中で感じる苦痛もありありと書かれていますが、親になることについては父親と母親の両方の役割の重要性がもっと広まってほしいと感じます。
赤ちゃんが大人になった頃には、より男女のあり方が誰にとっても生きやすく幸せを感じやすいものになってほしいです。