ネットビジネス修行中

みなさんは量子コンピューターをご存知でしょうか？
20年ほど前から日米を中心に本格的な研究開発が始まり、6年前にカナダのベンシャー企業D-Wave systems社が世界初の商用モデルの販売にこぎつけました。その後も、進化を続けて、いよいよ本格的な普及が始まろうとしています。

私はこの量子コンピューターがアフィリエイトビジネスにも大きな影響を与えるだろうと考えています。


アフィリエイター界隈ではGoogleの検索エンジンのアップデートが行われる度に話題となり、順位の変動に一喜一憂しているわけですが、アップデートの中身についてはソフトウェア(アルゴリズム)の部分ばかりが注目されがちです。

たしかにそこが一番重要ですし、注目を集めるのは真っ当です。
しかし、ソフトウェアを実装しているのはハードウェアです。時としてハードウェアの劇的な進化がソフトウェアの可能性を無限に広げることもあります。
素晴らしいアイデアがあってもそれを実装できるハードがなければ、画期的なプログラムは絵に描いた餅です。
その絵に書いた餅だったプログラムが、量子コンピューターの登場によって実装されようとしているのです。


そもそも量子コンピューターとは一体何でしょうか？
今までのコンピューターとは何が違うのでしょう。

簡単に説明すると、
今までのコンピューターでは物理的に０か１かという二進数の状態しか表現できませんでしたが、
量子コンピューターでは量子力学の「重ね合わせ状態」を応用して1量子ビットという単位で表現し、「０であるのと同時に１である」という状態を表現できます。

量子力学を勉強したことのない方はどういう意味なのか分からないかもしれませんが、
このことがどれほどすごいかというと、
例えば、30ビットの処理を行う場合、従来のコンピューターでは10億通りの組み合わせの計算が必要なところを、量子コンピューターならたった1回の処理で終わります。圧倒的な効率の高さで計算が可能なのです。さらに処理する情報量が多ければ多いほど計算速度に差が生まれます。

実際に、前述したD-Wave systems社の量子コンピューターは従来の高性能コンピューターの1億倍のスピードになることが確認されています。

従来のスーパーコンピューターを使っても何十年もかかる処理があっという間にできてしまう。
そんな未来がすぐそこに来てます。

量子コンピューターは、新薬の研究開発、気象情報処理・宇宙開発、軍事関連など天文学的な情報量の計算が必要な分野で大活躍されることが予想されています。
これらの分野のリーディングカンパニーであるロッキードマーティンやNASAなどの企業が本格的に導入を始めています。また、アメリカは国家プロジェクトとして新型の量子コンピューターの開発を現在進めています。

他の分野ではIT分野、とりわけ検索エンジンにおいて劇的な変化をもたらすと考えられています。
現に、Googleは前述したD-Wave systems社の量子コンピューターを実験的に購入し、自社で新たな量子コンピューターの開発をしていることを発表しました。Googleは「量子コンピューターなしでは人工知能は存在しえない」とまで言っています。検索エンジンも人工知能の一種です。


私はこのブログの中で何度か「検索エンジンのアルゴリズムはある日突然、劇的な変化をする可能性が高い」と言ってきましたが、その理由のひとつが量子コンピューターの実用化です。

Googleは天才集団の集まりで、日々検索エンジンの最適化を研究しています。
検索結果に大きな影響を与える素晴らしいアイデアが日々生まれていますが、その中には情報処理量が桁違いに大きく、ハード面の性能が追い付かないために実装されていないものがたくさんあるはずです。
検索エンジンが「人工知能」として最適な検索結果を検索者に提示するために考えることは山のようにあります。
ひとつひとつのサイトに対する言語処理、文法処理、画像処理、検索者の目的の想定、さらに細かいことまで言えば地域性、各国の法律、情報のトレンドなど無限に情報を処理していかなければなりません。
これまでのような二進数のスーパーコンピューターでは実装したくてもできなかったことが、量子コンピューターでは実装できるようになるでしょう。
Googleが密かに量子コンピューターを実用化したらその瞬間に、世界中のサイトの評価が激変するかもしれません。
特に検索者にとって役に立たない記事や、違法行為(景品表示法、薬機法、著作権侵害など)をしているようなサイトは圏外に飛ばされるでしょう。
ペナとかそんな生ぬるい変動ではありません。飛ばされたサイトを完全に作り変えない限り、二度と上位表示はされないと思います。

アフィリエイターにとって量子コンピューターの登場は歴史に残るエポックメイキングな出来事です。
今日からGoogleが目指す最終的な目標に沿ったサイトを作らないと、明日にも予想もしなかった検索順位を目の当たりにするかもしれません。