2016年05月29日
冤罪物語 連載8
味を創りました。次はどう売るか。どう営業して売り上げにつなげるか。ということを考えなければなりません。私は積極的に営業に回って歩くということは、殆どしなかったのです。
私の奥さんが経理をして、売り上げを誤魔化されてからは、積極的に営業して企業規模を大きくするという方針は諦めました。
積極的に売り上げを伸ばそうとすると、設備資金や材料を買って在庫しますから、資金調達を銀行に頼むことになります。そうやって扱う金額を大きくしていくには、経理が誤魔化すようでは、本当の内容が分からなく
なります。すると手堅い作戦も練れませんし、的確さや正確性を欠いてしまいます。これでは価値がありません。うまくいく可能性も少なくなってしまいます。すべてが徒労に終わることもあり得ます。
私が目指した方向は、扱う金額は減らしても、利益率の好い商品だけにして、確実に利益を生む製品だけにしてしまうということでした。これを一度にすると差し障りがありますから、徐々にしたのです。
減らし過ぎてもダメですから、効率よく生産できる分岐点までで止めたのです。徐々にしているとそれが試算表と資金繰り表で見えます。よく分かるのです。
この過程では、資金も余ってきます。材料確保の運転資金が今までのように必要ありませんから、資金は余って当然です。この過程で今まで銀行から借り入れていた運転資金を全て返済してしまいました。
こうして暫くは、無借金経営でした。ところが、リーマンショック後は様子が変わってきます。リーマンョックの後遺症と重なって、漬物の消費が極端に落ちてくるのでした。
世の中の景気が、明らかに悪くなってきたのです。この頃からまた、私の個人の預金から会社に運転資金を貸すことになります。銀行よりましなので、時々資金を貸していきます。
ということは、売り上げも減少してきました。当たり前ですよね。特別な事情がなくて資金が足りなくなるのは、売り上げの減少によって効率よく製品を製造できる分岐点を、割り込んでいることを表しているのです。
この状態を直すには、効率の好いポイントまで売り上げを上げる。という方法がありますが、漬物の消費量の減少が伴っているので、この方法は容易ではありません。
何故消費量の減少が分かるのか?というと、漬物の業界は「野菜別の作付面積」のデータを取っています。そのデータから分かるのです。
次に考えられる方法は、製造に関わる経費を落とす。ということです。これには、人件費です。社員の人件費でなく、自分たち経営陣の人件費を落とします。これでもまだ、消費の減少は続いています。
そこで私が考えたのは、今の醸造技術を活かして別な分野を手掛けることでした。この大筋だけは描いていました。具体策を考えようとしていた矢先に、とんでもない事態がやってくるのでした。
・・・・続く。
私の奥さんが経理をして、売り上げを誤魔化されてからは、積極的に営業して企業規模を大きくするという方針は諦めました。
積極的に売り上げを伸ばそうとすると、設備資金や材料を買って在庫しますから、資金調達を銀行に頼むことになります。そうやって扱う金額を大きくしていくには、経理が誤魔化すようでは、本当の内容が分からなく
なります。すると手堅い作戦も練れませんし、的確さや正確性を欠いてしまいます。これでは価値がありません。うまくいく可能性も少なくなってしまいます。すべてが徒労に終わることもあり得ます。
私が目指した方向は、扱う金額は減らしても、利益率の好い商品だけにして、確実に利益を生む製品だけにしてしまうということでした。これを一度にすると差し障りがありますから、徐々にしたのです。
減らし過ぎてもダメですから、効率よく生産できる分岐点までで止めたのです。徐々にしているとそれが試算表と資金繰り表で見えます。よく分かるのです。
この過程では、資金も余ってきます。材料確保の運転資金が今までのように必要ありませんから、資金は余って当然です。この過程で今まで銀行から借り入れていた運転資金を全て返済してしまいました。
こうして暫くは、無借金経営でした。ところが、リーマンショック後は様子が変わってきます。リーマンョックの後遺症と重なって、漬物の消費が極端に落ちてくるのでした。
世の中の景気が、明らかに悪くなってきたのです。この頃からまた、私の個人の預金から会社に運転資金を貸すことになります。銀行よりましなので、時々資金を貸していきます。
ということは、売り上げも減少してきました。当たり前ですよね。特別な事情がなくて資金が足りなくなるのは、売り上げの減少によって効率よく製品を製造できる分岐点を、割り込んでいることを表しているのです。
この状態を直すには、効率の好いポイントまで売り上げを上げる。という方法がありますが、漬物の消費量の減少が伴っているので、この方法は容易ではありません。
何故消費量の減少が分かるのか?というと、漬物の業界は「野菜別の作付面積」のデータを取っています。そのデータから分かるのです。
次に考えられる方法は、製造に関わる経費を落とす。ということです。これには、人件費です。社員の人件費でなく、自分たち経営陣の人件費を落とします。これでもまだ、消費の減少は続いています。
そこで私が考えたのは、今の醸造技術を活かして別な分野を手掛けることでした。この大筋だけは描いていました。具体策を考えようとしていた矢先に、とんでもない事態がやってくるのでした。
・・・・続く。
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