2017年08月19日
よしの166村野四郎さんの詩
よしの166村野四郎さんの詩
昨日図書館で借りてみました。
なぜか佐藤春夫さんの詩の本とこの本だけ茶色の西市民センターのバーコードがついていて市民センター図書室蔵書です。あとの本は福岡市西図書館のバーコードです。
―
村野四郎さんは明治34年1901年生まれです。
―
夏蚕の終わった桑畑が切り払われて、その跡にに白い空が眉のない顔のように味気なく覗く。
そして家の周囲の樹々はもはや茂るばかりだ。
古里は花なき樹々の茂りたる
―
↑『珊瑚の鞭』の巻尾におさめられている四篇の「故園非調」の最初の一遍
自分の生まれた武蔵野の家や墓や田園をかわいた抒情をこめて、精神風土といった雰囲気で描いている。
『珊瑚の鞭』(1944年)
終戦前です。
―
―
四
体操
僕には愛がない
僕は権力を持たぬ
白い襯衣の中の個だ
僕は解体し、構成する
地平線ができて僕に交叉(まじわ)る
僕は周囲を無視する
しかも外界は整列するのだ
僕の咽頭は笛だ
僕の命令は音だ
僕は柔い拳をひるがえし
深呼吸する
このとき
僕の形へ插される一輪の薔薇
―
↑第二詩集『体操詩集』(昭和14年)の冒頭におかれたもの。
戦争直前くらいです。
―
―
亡羊記 拾遺
二月のゆめ
霜どけの
とある郊外で道をきくと
その人は失語症であった
けれども 彼の指さす方角は
いちめんの枯草ぼうぼう
道などありはしなかった
道がないから
村もなかった
わたしは枯草の中をあるいた
疲れていたが懐かしかった
色彩のないことが
やさしくて
死とは
こういうものかと思った
わたしは足もとに
シドミの実をみつけた
野ざらしの芭蕉の
頭蓋のミニアチュアであった
―
↑『亡羊記』政治公論社『無限』編集部(1959年)
シドミ↓
https://kotobank.jp/word/%E3%82%B7%E3%83%89%E3%83%9F-164665
世界大百科事典内のシドミの言及
【モミジガサ】より
…【小山 博滋】 モミジガサの仲間は,植物体がやわらかく香気があり,春に萌芽した若芽が食用とされる種が多い。東北地方ではモミジガサはシドケ,シドミと,ヨブスマソウはボウナ,ボンナと呼ばれ,山菜として営利栽培も行われている。【堀田 満】。…
※「シドミ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
―
芭蕉↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A6
バショウ(芭蕉・学名:Musa basjoo)はバショウ科の多年草。英名をジャパニーズ・バナナと言うが、中国が原産といわれている。高さは2〜3mで更に1〜1.5m・幅50cm程の大きな葉をつける。花や果実はバナナとよく似ている。熱帯を中心に分布しているが耐寒性に富み、関東地方以南では露地植えも可能である。
主に観賞用として用いられる。花序は夏から秋にかけて形成される。実がなることはあまりないがバナナ状になり、一見食べられそうにも見えるが、種子が大きく多く実も綿のようで、タンニン分を多く含む種株もあるため、その多くは食用には不適である(ただし追熟させればバナナ同様食用になりうる実をつける)。琉球諸島では、昔から葉鞘の繊維で芭蕉布を織り、衣料などに利用していた。沖縄県では現在もバショウの繊維を利用した工芸品が作られている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%AD%E8%95%89
芭蕉(ばしょう)
• 背の高いバショウ科の多年草。バショウを参照。
o 実芭蕉 - バナナの漢字表記。バナナはバショウ科の植物で実がなる芭蕉として漢字が充てられた。
• 芭蕉梶木 - 魚類のカジキの一種のバショウカジキの漢字表記。バショウカジキを参照。
• 江戸時代の俳諧師。松尾芭蕉を参照。
o 芭蕉塚 - 松尾芭蕉が立ち寄った日本各地にあり、後世にそれを記念して建てられた塚。詳しくは塚を参照。
• 能の演目。三番目物の精天仙物。芭蕉 (能)を参照。
• 芭蕉湾 - 香蕉湾とも表記。台湾最南端にある湾のひとつで日本統治時代は日本最南端の捕鯨基地でもあった。詳しくは墾丁国家公園を参照。
• 芭蕉鎮 - 中国四川省達州市宣漢県の鎮。
• 芭蕉郷 (儀隴県) - 中国四川省南充市儀隴県の郷。
• 芭蕉郷 (会理県) - 中国四川省涼山イ族自治州会理県の郷。
• 芭蕉郷 (桐梓県) - 中国貴州省遵義市桐梓県の郷。
昨日図書館で借りてみました。
なぜか佐藤春夫さんの詩の本とこの本だけ茶色の西市民センターのバーコードがついていて市民センター図書室蔵書です。あとの本は福岡市西図書館のバーコードです。
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村野四郎さんは明治34年1901年生まれです。
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夏蚕の終わった桑畑が切り払われて、その跡にに白い空が眉のない顔のように味気なく覗く。
そして家の周囲の樹々はもはや茂るばかりだ。
古里は花なき樹々の茂りたる
―
↑『珊瑚の鞭』の巻尾におさめられている四篇の「故園非調」の最初の一遍
自分の生まれた武蔵野の家や墓や田園をかわいた抒情をこめて、精神風土といった雰囲気で描いている。
『珊瑚の鞭』(1944年)
終戦前です。
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四
体操
僕には愛がない
僕は権力を持たぬ
白い襯衣の中の個だ
僕は解体し、構成する
地平線ができて僕に交叉(まじわ)る
僕は周囲を無視する
しかも外界は整列するのだ
僕の咽頭は笛だ
僕の命令は音だ
僕は柔い拳をひるがえし
深呼吸する
このとき
僕の形へ插される一輪の薔薇
―
↑第二詩集『体操詩集』(昭和14年)の冒頭におかれたもの。
戦争直前くらいです。
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亡羊記 拾遺
二月のゆめ
霜どけの
とある郊外で道をきくと
その人は失語症であった
けれども 彼の指さす方角は
いちめんの枯草ぼうぼう
道などありはしなかった
道がないから
村もなかった
わたしは枯草の中をあるいた
疲れていたが懐かしかった
色彩のないことが
やさしくて
死とは
こういうものかと思った
わたしは足もとに
シドミの実をみつけた
野ざらしの芭蕉の
頭蓋のミニアチュアであった
―
↑『亡羊記』政治公論社『無限』編集部(1959年)
シドミ↓
https://kotobank.jp/word/%E3%82%B7%E3%83%89%E3%83%9F-164665
世界大百科事典内のシドミの言及
【モミジガサ】より
…【小山 博滋】 モミジガサの仲間は,植物体がやわらかく香気があり,春に萌芽した若芽が食用とされる種が多い。東北地方ではモミジガサはシドケ,シドミと,ヨブスマソウはボウナ,ボンナと呼ばれ,山菜として営利栽培も行われている。【堀田 満】。…
※「シドミ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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芭蕉↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A6
バショウ(芭蕉・学名:Musa basjoo)はバショウ科の多年草。英名をジャパニーズ・バナナと言うが、中国が原産といわれている。高さは2〜3mで更に1〜1.5m・幅50cm程の大きな葉をつける。花や果実はバナナとよく似ている。熱帯を中心に分布しているが耐寒性に富み、関東地方以南では露地植えも可能である。
主に観賞用として用いられる。花序は夏から秋にかけて形成される。実がなることはあまりないがバナナ状になり、一見食べられそうにも見えるが、種子が大きく多く実も綿のようで、タンニン分を多く含む種株もあるため、その多くは食用には不適である(ただし追熟させればバナナ同様食用になりうる実をつける)。琉球諸島では、昔から葉鞘の繊維で芭蕉布を織り、衣料などに利用していた。沖縄県では現在もバショウの繊維を利用した工芸品が作られている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%AD%E8%95%89
芭蕉(ばしょう)
• 背の高いバショウ科の多年草。バショウを参照。
o 実芭蕉 - バナナの漢字表記。バナナはバショウ科の植物で実がなる芭蕉として漢字が充てられた。
• 芭蕉梶木 - 魚類のカジキの一種のバショウカジキの漢字表記。バショウカジキを参照。
• 江戸時代の俳諧師。松尾芭蕉を参照。
o 芭蕉塚 - 松尾芭蕉が立ち寄った日本各地にあり、後世にそれを記念して建てられた塚。詳しくは塚を参照。
• 能の演目。三番目物の精天仙物。芭蕉 (能)を参照。
• 芭蕉湾 - 香蕉湾とも表記。台湾最南端にある湾のひとつで日本統治時代は日本最南端の捕鯨基地でもあった。詳しくは墾丁国家公園を参照。
• 芭蕉鎮 - 中国四川省達州市宣漢県の鎮。
• 芭蕉郷 (儀隴県) - 中国四川省南充市儀隴県の郷。
• 芭蕉郷 (会理県) - 中国四川省涼山イ族自治州会理県の郷。
• 芭蕉郷 (桐梓県) - 中国貴州省遵義市桐梓県の郷。
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