2016年06月07日
よしの9ヒロシマのオバマえんぜつ
よしの9ヒロシマのオバマえんぜつ
とても すばらしい えんぜつで げんだいてき だと おもいましたが、げんばくの ひさんさ むごたらしさ みたいなものが かんじられなかったなあ とも おもいました。。
http://mainichi.jp/articles/20160606/dde/012/030/005000c?fm=mnm
スピーチライターがみた「リーダーの言葉力」 胸打つオバマ演説
毎日新聞2016年6月6日 東京夕刊
ローズ大統領副補佐官のブログに掲載された、オバマ米大統領が書き直した跡が残る演説の手書き原稿の冒頭部分。4行目、「人類が自ら破滅させる能力」という表現を線で消し、「能力」を「手段」という単語に修正している。
オバマ米大統領が5月27日、広島市の平和記念公園で行った演説は、17分におよぶ格調高いものだった。文学的ですらあった。なぜ、オバマ演説は胸を打つのか? スピーチライターに読み解いてもらいながら、考えた。【鈴木琢磨】
広島に来た意味を自問/主語は米国でなく「We」
なんだろう、これ? オバマ大統領が広島入りした夕方、東京都内をマイカーで移動中だった慶応大教授の松井孝治さん(56)はラジオから流れる演説の冒頭にはっとして、車を止めた。「71年前、雲一つない晴天の朝、空から死が降ってきて、世界が変わりました……」。しばらく聴き入った。「すごいと思いました。普通だったら、犠牲者への哀悼を表するところから入るじゃないですか。それが鮮烈な原爆投下シーンから入ったんですから。そうくるのか、と感心しました」
世界が注目したオバマ演説だが、元参院議員の松井さんがリーダーの演説にこだわるのは理由がある。2009年に歴史的な政権交代で誕生した鳩山由紀夫政権の内閣官房副長官として、首相のスピーチライターを務めていたからだ。「人間のなかに潜む好戦性などの業を見つめ、核なき世界を訴えている。ややもすれば第三者、評論家っぽいスピーチになりがちなのにそうはなっていない。常に平凡な市井の人の暮らしを想起しながら、なぜ、広島に来たのかを自らに問いかけている。スピーチ全体にオバマさんの自省的な思いがしみわたっているから感動できるんです」
思えば、鳩山首相の演説もなかなか型破りだった。「ええ。政権発足直後の所信表明は<あの暑い夏の総選挙の日から、すでに2カ月がたとうとしています>という出だしでした。映像から入っている点はオバマ演説と似ているかもしれません。翌年の施政方針演説では<いのちを、守りたい。いのちを守りたいと、願うのです>とキーワードを繰り返しました。手伝ってもらっていた劇作家の平田オリザさんのアイデアでした。スピーチライターは、リーダーのおなかから言葉を引っ張り出してくる作業です。僕は鳩山さんのそばにいて、何に喜び、怒り、ほろっとするかをつぶさに観察し、それを原稿に挟み込んでいきました」
もうひとり、主に企業の経営者らにアドバイスしているスピーチライターの蔭山洋介さん(35)もオバマ演説を高く評価している。「一般に演説は盛り上げていくものですが、このオバマ演説は厳粛さを意識し、非常に抑制されていました。冒頭、米軍が日本に原爆を落としたとせず、空から死が降ってきたとすることで、これから話す共通前提は人類なんだとしたかったのでしょう。そして39回もWeが使われている。Weにすることで、米国が日本に謝罪する構図にならないように細心の工夫がなされている。あの大統領選挙時の『Yes、we can』というスローガンと同じ使い方だと思います」
スピーチライターと聞くと、すぐ筆の立つ人物が浮かぶが、蔭山さんは「違う」と断言する。「ライティング力があればいいというわけではありません。関係者があれこれ言ってくるのをさばく調整力が肝心ですし、それをひとつのストーリーとして破綻させず、つづっていく力が必要になります。大統領ら政治家のケースなら、政策にも秀で、側近としてアドバイスしながら、原稿を一緒に練り上げていく、広い意味での人間力まで求められます」
そんな有能なオバマ大統領のスピーチライターとはだれか? ベン・ローズ大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)である。蔭山さんに教えてもらい、彼を取り上げたニューヨーク・タイムズ日曜版(5月8日)の味わい深い記事を読んだ。1977年生まれのローズ氏はもともと作家を目指していた。だが、ニューヨーク大修士課程2年だった2001年の秋に人生が一変する。9・11の米同時多発テロに遭遇したのだ。マンハッタンの対岸から旅客機がタワービルに激突するのを見た。想像すらしなかった「戦場」を見た。小説でなく、国際問題を書こうと思った。そしてオバマ大統領と政治の道を歩むようになったという。
広島演説でオバマ大統領は締めくくりの近く、こう語った。<私たちは、愛する人たちに思いをはせます。朝一番の子供たちの笑顔。食卓での配偶者との優しい触れ合い。親の心地よい抱擁。そうしたことを思い、そうしたかけがえのない瞬間が71年前のここにもあったのだと考えることができます。亡くなった方々は私たちと全く変わらない人たちでした>。
↑ここは ぎゃくたい とかの 問題もあるなあと おもいました。
このくだりを、ローズ氏の9・11体験に裏打ちされていると読むのは、うがちすぎだろうか。
日曜版記事にはこうもあった。<ローズはオバマの外交政策物語の優秀な作者であり、セールスマンである>
くだんのローズ氏は5月31日、自身のブログにオバマ大統領が書き直した広島演説の手書き原稿の一部を掲載した。それによれば、広島訪問に先立ち、ベトナム戦争後の米・ベトナム関係正常化のため訪れたハノイからの道中、何度も草稿に手を入れたという。写真を見ると、なるほどペンで横線を引っ張り、言い回しを改めたりしている。また、今回の歴訪をこんなふうに振り返っている。<日本とベトナムとは20世紀に最も残忍な戦争を経験したが、ベトナムの若者や広島で対面した被爆者のなかに、共通の人間性を見つけるのは決して難しくはなかった> オバマ大統領も同じ心境だっただろうか。日曜版記事には、2人の一体感を示すローズ氏の告白がある。<どこから僕が始まり、どこでオバマが終わるのか、もはや、わからない>
オバマ演説に大いに心を揺さぶられた、かつての首相のスピーチライター、松井さんは演説の夜、ツイッターにこう書き込んだ。<オバマ大統領という政治家は、きっと国内の議会対策など眼中にないに違いない。現職大統領としてよりも、彼が掲げた遠大な、しかし、人類にとってこの上なく重要な課題の解決に向けて、元大統領としてその人生を賭けて取組んでくれるのではないか、そんな、青い期待が膨らんだ今宵であった>
その5日後、永田町で会った松井さんは演説の興奮から冷め、翻って日本の政治に思いを巡らせていた。「僕はローズ氏ほどは一心同体じゃなかったなあ」。ちょっと笑って、そして暗い顔をした。「民主党は迷走の末、こうなってしまった。僕もじくじたる思いです。堂々と理想主義の旗を掲げられる日本の首相、言葉の力を持ったリーダーがいたら、どんなにすばらしいか……」
同じころ、すぐそばの首相官邸では安倍晋三首相が記者会見で、消費増税延期と参院選の争点について声を張り上げていた。「アベノミクスをもっと加速するのか、それとも後戻りするのか……」
とても すばらしい えんぜつで げんだいてき だと おもいましたが、げんばくの ひさんさ むごたらしさ みたいなものが かんじられなかったなあ とも おもいました。。
http://mainichi.jp/articles/20160606/dde/012/030/005000c?fm=mnm
スピーチライターがみた「リーダーの言葉力」 胸打つオバマ演説
毎日新聞2016年6月6日 東京夕刊
ローズ大統領副補佐官のブログに掲載された、オバマ米大統領が書き直した跡が残る演説の手書き原稿の冒頭部分。4行目、「人類が自ら破滅させる能力」という表現を線で消し、「能力」を「手段」という単語に修正している。
オバマ米大統領が5月27日、広島市の平和記念公園で行った演説は、17分におよぶ格調高いものだった。文学的ですらあった。なぜ、オバマ演説は胸を打つのか? スピーチライターに読み解いてもらいながら、考えた。【鈴木琢磨】
広島に来た意味を自問/主語は米国でなく「We」
なんだろう、これ? オバマ大統領が広島入りした夕方、東京都内をマイカーで移動中だった慶応大教授の松井孝治さん(56)はラジオから流れる演説の冒頭にはっとして、車を止めた。「71年前、雲一つない晴天の朝、空から死が降ってきて、世界が変わりました……」。しばらく聴き入った。「すごいと思いました。普通だったら、犠牲者への哀悼を表するところから入るじゃないですか。それが鮮烈な原爆投下シーンから入ったんですから。そうくるのか、と感心しました」
世界が注目したオバマ演説だが、元参院議員の松井さんがリーダーの演説にこだわるのは理由がある。2009年に歴史的な政権交代で誕生した鳩山由紀夫政権の内閣官房副長官として、首相のスピーチライターを務めていたからだ。「人間のなかに潜む好戦性などの業を見つめ、核なき世界を訴えている。ややもすれば第三者、評論家っぽいスピーチになりがちなのにそうはなっていない。常に平凡な市井の人の暮らしを想起しながら、なぜ、広島に来たのかを自らに問いかけている。スピーチ全体にオバマさんの自省的な思いがしみわたっているから感動できるんです」
思えば、鳩山首相の演説もなかなか型破りだった。「ええ。政権発足直後の所信表明は<あの暑い夏の総選挙の日から、すでに2カ月がたとうとしています>という出だしでした。映像から入っている点はオバマ演説と似ているかもしれません。翌年の施政方針演説では<いのちを、守りたい。いのちを守りたいと、願うのです>とキーワードを繰り返しました。手伝ってもらっていた劇作家の平田オリザさんのアイデアでした。スピーチライターは、リーダーのおなかから言葉を引っ張り出してくる作業です。僕は鳩山さんのそばにいて、何に喜び、怒り、ほろっとするかをつぶさに観察し、それを原稿に挟み込んでいきました」
もうひとり、主に企業の経営者らにアドバイスしているスピーチライターの蔭山洋介さん(35)もオバマ演説を高く評価している。「一般に演説は盛り上げていくものですが、このオバマ演説は厳粛さを意識し、非常に抑制されていました。冒頭、米軍が日本に原爆を落としたとせず、空から死が降ってきたとすることで、これから話す共通前提は人類なんだとしたかったのでしょう。そして39回もWeが使われている。Weにすることで、米国が日本に謝罪する構図にならないように細心の工夫がなされている。あの大統領選挙時の『Yes、we can』というスローガンと同じ使い方だと思います」
スピーチライターと聞くと、すぐ筆の立つ人物が浮かぶが、蔭山さんは「違う」と断言する。「ライティング力があればいいというわけではありません。関係者があれこれ言ってくるのをさばく調整力が肝心ですし、それをひとつのストーリーとして破綻させず、つづっていく力が必要になります。大統領ら政治家のケースなら、政策にも秀で、側近としてアドバイスしながら、原稿を一緒に練り上げていく、広い意味での人間力まで求められます」
そんな有能なオバマ大統領のスピーチライターとはだれか? ベン・ローズ大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)である。蔭山さんに教えてもらい、彼を取り上げたニューヨーク・タイムズ日曜版(5月8日)の味わい深い記事を読んだ。1977年生まれのローズ氏はもともと作家を目指していた。だが、ニューヨーク大修士課程2年だった2001年の秋に人生が一変する。9・11の米同時多発テロに遭遇したのだ。マンハッタンの対岸から旅客機がタワービルに激突するのを見た。想像すらしなかった「戦場」を見た。小説でなく、国際問題を書こうと思った。そしてオバマ大統領と政治の道を歩むようになったという。
広島演説でオバマ大統領は締めくくりの近く、こう語った。<私たちは、愛する人たちに思いをはせます。朝一番の子供たちの笑顔。食卓での配偶者との優しい触れ合い。親の心地よい抱擁。そうしたことを思い、そうしたかけがえのない瞬間が71年前のここにもあったのだと考えることができます。亡くなった方々は私たちと全く変わらない人たちでした>。
↑ここは ぎゃくたい とかの 問題もあるなあと おもいました。
このくだりを、ローズ氏の9・11体験に裏打ちされていると読むのは、うがちすぎだろうか。
日曜版記事にはこうもあった。<ローズはオバマの外交政策物語の優秀な作者であり、セールスマンである>
くだんのローズ氏は5月31日、自身のブログにオバマ大統領が書き直した広島演説の手書き原稿の一部を掲載した。それによれば、広島訪問に先立ち、ベトナム戦争後の米・ベトナム関係正常化のため訪れたハノイからの道中、何度も草稿に手を入れたという。写真を見ると、なるほどペンで横線を引っ張り、言い回しを改めたりしている。また、今回の歴訪をこんなふうに振り返っている。<日本とベトナムとは20世紀に最も残忍な戦争を経験したが、ベトナムの若者や広島で対面した被爆者のなかに、共通の人間性を見つけるのは決して難しくはなかった> オバマ大統領も同じ心境だっただろうか。日曜版記事には、2人の一体感を示すローズ氏の告白がある。<どこから僕が始まり、どこでオバマが終わるのか、もはや、わからない>
オバマ演説に大いに心を揺さぶられた、かつての首相のスピーチライター、松井さんは演説の夜、ツイッターにこう書き込んだ。<オバマ大統領という政治家は、きっと国内の議会対策など眼中にないに違いない。現職大統領としてよりも、彼が掲げた遠大な、しかし、人類にとってこの上なく重要な課題の解決に向けて、元大統領としてその人生を賭けて取組んでくれるのではないか、そんな、青い期待が膨らんだ今宵であった>
その5日後、永田町で会った松井さんは演説の興奮から冷め、翻って日本の政治に思いを巡らせていた。「僕はローズ氏ほどは一心同体じゃなかったなあ」。ちょっと笑って、そして暗い顔をした。「民主党は迷走の末、こうなってしまった。僕もじくじたる思いです。堂々と理想主義の旗を掲げられる日本の首相、言葉の力を持ったリーダーがいたら、どんなにすばらしいか……」
同じころ、すぐそばの首相官邸では安倍晋三首相が記者会見で、消費増税延期と参院選の争点について声を張り上げていた。「アベノミクスをもっと加速するのか、それとも後戻りするのか……」
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