よしのひかるこ

よしの976ナポレオン・ビーズリーさん。

『なぜ君は絶望と闘えたのか　本村洋の3300日』
156ページから

ビーズリーさんは　18さいで　68さいの　はくじん　だんせいを　射殺して、しけいしゅう。
―
かれは　学級委員をいつもまかされるほど　せいせき　ゆうしゅう　で
アメリカン・フットボールの　スターせんしゅ。

こくじんが　あまりいかない　レベルの　高い　はくじん　ちゅうしんの　こうこうに　かよつていた。

そのため　こくじん　なかまから「はくじんに　しりおを　ふっている」と　いわれた。

こくじんの　ともだちに　みとめられたいと　いう　おもいがあった。

すこし　わるぶって　ビーズリーは　あるとき　こくじんなかまと　いっしょに　くるまを　ぬすむことになつた。

ねらいを　さだめた　ところに　いったら　とつぜん　ガレージに　ひとが　でてきた。
アメリカは　じゅうしゃかいである。

ビーズリーは　さきに　うった。
はくじんが　しんだ。　67さいの　ろうじんだった。

ひとりを　射殺して　しけいはんけつを　うけたのは　ひがいしゃの　むすこが　けんじ　だったからとも　じんしゅさべつが　げんいんとも　きかされた。

しけいはんけつを　うけて　「しけいしっこうを　まつばかり」という　その　せいねんに　本村さんは　テレビのリポーターとして　あって　はなしを　きいてみられました。

ポランスキーけいむしょ　です。

ビーズリーは　めのやさしい　こくじん　だつた。
ちてきな　ふんいきをもち　せいせき　ゆうしゅうだったというのが　よくわかる。

かれは　こういった。

「りゆうは　ひとつだけではなく　たくさんあります。
十代の頃　ぼくは　おおくの　まちがいを　してしまいました。
それが　こんな　けっかと　なつてしまつたのです。
でも　けっして　ころすつもりは　ありませんでした」

―じけんを　おこすときに　ひとを　ころして　しまつたら「しけいになる」ということは　わかっていましたか。

「いいえ　まさか　しけいになるとは　おもっていませんでした」

―しけい　という　はんけつを　きいて　じぶんの　なかに　なにか　しんきょうの　へんかは　ありましたか。

「いままでの　じぶんの　じんせいについて　よく　かんがえるように　なりました。ひがいしゃと　その　かぞくには　まいにち　あやまり　つづけています。ぼくが　しけいしゅうと　なつたのは　もう　かわれない　と　はんだん　されたからです。でも　ぼくは　かわりました」

―あなたは　すごく　じけんに　たいして　しんしに　はんせいしていることを　かんじます。
くにが　あなたに　しけいという　けいばつを　くだしたわけですけど　もし　それが　くにじゃなくて　たとえば　ひがいしゃの　かたが　あなたを　しけいにしてほしい　と　ねがえば　あなたは　なっとくしますか。

「ぼくの　かぞくは　むすこを　いかしてください、たすけて　ください　と　いっています。

ひがいしゃの　かぞくは　
こいつを　ころせ　しけいにしろ　と　いいました。

そこで　さいばんしょが　りょうほうを　みたうえで　はんだんしたのです。

ただ　ぼくは　じぶんが　しけいになることで　すべてが　かいけつされるとは　おもっていません」

ビーズリーは　さびしげな　ひょうじょうを　うかべると　そう　かたった。

―むずかしい　ところですね。ビーズリーさんは　じぶんが　しけいになることは　あまり　いみを　もたないと　いうふうに　かんがえている　ということですか。

「ぼくの　いのちと　引き換えに　かれの　いのちが　もどってくるということなら　とっくに　ぼくの　いのちを　ささげています」

―それは　しけい　という　けいばつを　かせられて　はじめて　いのちについて　ふかく　かんがえたから　でてきたことでしょうか。

「そうですね。ぼくが　しけいしゅうになって　かぞくが　なきました。
じぶんが　しけいはんけつを　うけたとき　かあさんが　なきくずれた　すがたを　みて　はじめて　
いぞくのひとに　こんな　かなしみを　じぶんが　あたえてしまったことに　きづきました。　ははの　すがたをみて　ひとの　命がいかに　たいせつかを　しつたんです」

福田孝行(現在大月)さんは　おかあさんの　ところに　いきたいと　おもつたかもしれません。おとうさんは　ないてあると　おもいます。
―
ビーズリーさんは　さいごの　ばんさんを　おえ　けいじょうに　むかう　ちょくぜんに　さいしん　てつづきが　みとめられた　けいけんがあるという。

そんな　どたんばに　もういちど　しんりを　やりなおすところが　アメリカらしい。

しかし　しけいという　けつろんは　かわらなかった。

せいじんのような　ビーズリーの　おだやかな　ひょうじょうは　すでに　いちど「しんだ」ことに　よるものだったのかもしれない。

と　ありますが　福田孝行(現在大月)さんも　しけいはんけつのあと　ちょしゃが　めんかいにいくと　おだやかな　ひょうじょうで　ほうていのときとちがい　ほそいめが　にゅうわだった　そうです。
―
わたしも　死刑の　ひとではないですが　こうちしょに　めんかいにいくと　みなさん　にゅうわです。
―
ビーズリーさんが　やくぶつちゅうしゃによって　しけいを　しっこうされたのは　本村さんが　めんかいして　4かげつごの　2002ねん　5がつだったそうです。
ビーズリーさんは
「じぶんは　しけいという　はんけつをうけてから　すべてが　かわった。　そこから　いのちについて　ふかく　かんがえるようになった」と　いわれました。

しけいは　ひとを　ころした　にんげんにとって　はんせいする　きっかけを　あたえるものだと　本村さんは　おもいました。

そして　ビーズリーさんの　のこしたことば
「ぼくは　しけいはんけつが　くだされて　すべてが　かわった。　でも　ぼくは　もう　しぬことしかないから　なにも　できない。それは　おかしい」
―

http://michelt.blog118.fc2.com/blog-entry-6.html

テキサス州の死刑囚は最後に言葉を残す機会が与えられていて、ビーズリーのstatementも彼の死後公表されたもの。1982年以降の死刑囚のlast statementはテキサス州刑事司法局のウェブサイトに載っています。
　
　一部抜粋してみる。
　「私をここに至らしめた行動は、凶悪であっただけでなく、愚かなものでした。しかし、あんなことをした人間はもうここにはいません。ここにいるのは別の私です。」
　「公平で正しいことを守り支持するはずのシステムが、これと同じ恥ずべき罪を犯したときの私にそっくりであることに失望しています。」
「今夜私たちは世界に告げるのです。法律の世界には、やり直すチャンスはないのだということを。」
　「今夜勝者は一人もいません。気持ちに区切りをつけることができる人は一人もいません。勝ち誇って帰っていく人は一人もいません。」 No one wins tonight. No one gets closure. No one walks away victorious.

ビーズリーのstatementの原文はこちらで見れます。ビーズリーのexecution numberは270番です。Beasley　Last Statement
これを読むといつも悲しい気持ちになります。
―
http://73842.diarynote.jp/200608270026060000/
死刑囚ナポレオン・ビーズリー最後の言葉。


「私をここに至らしめた自身の行為は、非道であったばかりか、無差別でした。
今夜、世界に宣言します。正義はやり直しの機会を与えてくれない、と。
今夜、次の世代に伝えます。時には、死を与えることが正しいのだ、と」
↑これは　どういう　いみなのか?
つぎの　せだいで　くりかえす　し に　ついての　ぎゃくせつなのか?ちがうかな?
ジェシカ・ウィリアムズ著
『世界を見る目が変わる50の事実』
世界の死刑執行の8　1％はわずか3カ国に集中している。中国、イラン、アメリカである　より