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2018年06月07日

世の中の嘘と現実の嬉しいお話し


 前回突然原発の記事を載せましたが、読んで頂けたでしょうか?

 実は、この記事は私が原発の問題を知ることに為った初めてのものでした。何故世間ではこんなに騒いでいるだろう?と思ってこの記事にブツカッたのです。テレビでは設計者や生産メーカーの技術者が顔を出して色々と解説をして居ますが、実際に現場でものを作り施工している人達の話はナカナカ聞けませんでした。だから特に心深く残ったものでした。
 ご存知の様に前回の記事は、今回の福島第一原発事故のズーッと前のものですから、この方は既にガンでお亡くなりに為り、最後の思いでこの記事を載せたのですが、心よりご冥福をお祈りいたします・・・ありがとうございました。

 東日本大震災で福島の原発が事故を起こし、氏が恐れていた事が全て現実のものと為ってしまいました。今までの全ての安全性の嘘が世の中に知れ渡ったのですが、その後我が国はどの様に変わったのでしょうか?今は数基の原発が再稼働してますが、次々と残りの原発も出番を待っている状況です。
 時たま忘れた様に再稼働した原発の事故が報告されてますが、一体我が国の指導者は「原発は基幹電源の一つだ」と未だに言い続けています。100歩譲って安全だと結論しても構わ無いのですが、最終的に「放射能のゴミ」をどうするのか?何一つ手は付けられていません。そして、福島第一の廃炉の問題も一向に目途も立ちません。その上でこの様な結論しか出せ無いのです。
 新潟知事選で新たに「原発再稼働」の問題がクローズアップされますが、果てして多くの人達はどの様に考えて居るのでしょう・・・

 世界的には「安全性を担保にすると原発は経済性でアウト」との評価です。他の国もナカナカ自国単独での設置に踏み込む勇気は持ち合わせ無く、他国の技術や金融と危険を分かち合わ無くては前に進めません。我が国では、国民の納得を得られ無いと原発の国内新設を諦め海外に販売しようとして居ますが、相当大きな壁が立ちハダカリ前に進まないのは、それだけ安全性と採算性のバランスが取れない様です。
 東芝が社運を賭けてアメリカの原発に挑戦したのですが、危うく会社を潰す処でしたのは周知の通り、誰が原発の国際入札のババを掴むか・・・将来起こり得る事故や廃炉も抱えるのは目に見えて居るのは、単に採算性の問題では無く、既に原発そのものの価値が無い・・・と云うより、存在そのものが最早マイナスでしか在り得無いものだからでは無いでしょうか。

 「多寡がお湯を沸かして蒸気でタービンを回して発電する・・・」そんなものに人間の命を懸けるのは如何なものでしょうか。これから遣るべきは、如何に無害に廃炉し放射能廃棄物を如何に無害に永久的に管理し得るかに懸かって居るのです。その様な事が可能なのかは分かりませんが・・・
 その為にも、原子力工学・放射能工学等の基礎研究を絶やしては為りません。廃炉技術とは行き成り生まれるものでは無く、今までの技術や思想の継承を必要とします。現在稼働している原発の設計者や専門技術者が生き残っている間に、その蓄積された技術と思想を受け継ぎ次に発展させなければ、我が国には51基の原発の残骸が野に捨てられてしまい、人の住め無い国土に為ってしまいます。

 「その内、新たな技術が開発されて廃炉も可能に為るだろう・・・」

 と100年300年先の指導者も希望的観測を述べている様子が目に見えて居ます。既に今の指導者はお墓の下でせせら笑いしてるでしょうか?それとも「俺にはどうしょうも無かった・・・」と愚痴ってるでしようか・・・
 「今更作ったものは仕方無い、誰かが何とかするだろう・・・」
 と考えるのは一つの犯罪です。私達の子孫が受け続ける影響を考えると私達は一日も疎かには出来ないのです。小泉元総理一人に頼っても駄目です、先ずは自分から出来る事をコツコツ始めるしかありません。私もこの様に拙い文章を書いています・・・


 少し以前の話なのですが・・・2017年5月13日(土) 朝日新聞社会32面記事より引用します


 「トットちゃん」中国で1000万部突破 日本での発行800万部超える

 俳優・黒柳徹子さん(83歳)の自伝的物語「窓ぎわのトットちゃん」の中国での発行部数がこの春、1千万部を超えた。日本での発行部数800万部を2015年頃に抜き、その後も年100万部のペースで伸びて居ると云う。

 小学1年生で退学に為った活発な少女トットちゃんが自主性を尊重する「トモエ学園」に転入し、生き生きと学園生活を送る。第二次世界大戦中の物語だ。 
 講談社から1981年に刊行され35ヶ国以上で出版された。中国版「窓辺的小豆豆」は2003年に発行され、中国の出版社か販売を手掛ける。学校の推薦図書と為った6〜7年程前から人気に火が付いた。日本より売れたのは中国だけだと云う。
 講談社の劉岳・中国事業部長(55歳)は「中国では厳しい受験競争が繰り広げられて居て、トモエ学園の伸び伸びとした教育方針が共感を呼んで居るのだろう」と話して居る。(塩原賢) 以上

 何となく嬉しい記事だ。日本の800万部も凄いのだが、中国での1000万部がどの程度に評価されるのか私には判ら無いが、兎に角、日本人以上の人々が購入し読まれた事には違い無い。
 学校の推薦図書と為ったからには、中国の教育機関の様な公的機関も含まれるのだろうが、何れにせよ多くの人々が興味を持ち、そして感動もした事だと受け止めたい。何故か日本では嫌中感情が強く、何事も中国には批判的な感覚で受け止め勝ちなのだが、この記事を読むと「何かホーッとする」感情が沸いて来る。

 朝鮮半島と中国と日本・・・何処の世界でも近隣同士の国は仲が好く無いのが常であるが、日本も朝鮮を植民地にしたり、相手の領土に満州国を勝手に建国し更に中国本土を侵略した過去は何時まで経っても忘れられ無い過去である。特に被害を受けた側では子々孫々にその恨みを伝えるだろうし、身に染みた苦しさは簡単には拭い去れ無いだろう。
 しかし、今でも満州国や中国本土を侵略した事を否定し、あれはアジア解放の為の聖戦だった、日本は莫大な投資をして敗戦で全て相手に渡して来たのだ・・・と大真面目に語る人達も少なく無い。確かにそう云う事が全て嘘だとは断定出来無いにしろ、ソロソロ好い加減にして欲しい。国民を代表する議員が口から泡を飛ばして語る言葉では無い。そんな人達が居る事だけで、日本人として恥ずかしい思いがする。
 中国残留孤児・・・当時貧しい中国人が私達の同胞が残して来た孤児を育てて呉れた事は、戦争とは言え心から感謝すべきであり、その恩を忘れては為ら無い。彼等はそれを敢えて口には出さないのだ・・・同じ人間同士、話し合えば何時かは判り合える時が来ないとも限らない。

 最近は経済的に中国に追い越されてしまったので、特に中国に対する批判が多くてウンザリする。日本の何倍もの人口と領土を抱える中国に負けたって好いじゃないか・・・と私は思うのだ。日本には日本の好さがあればそれで好い。
 「今まで経済的にも苦しく一党独裁で自由も無く大変だったネ、これからはもう少し民主的な国に為って個人的にも自由に為って欲しい・・・」とエールを贈る位の度量を持って欲しい。中国やタイやフィリピン・ベトナム等で作られたものが安く輸入され私達はとても有難く思っている。この文章を書いているPC関連の部品の多くもそれである。更に100円ショップの品揃えには全くビックリする「こんなものが?」と思うものが一杯だ。
 中国は「一帯一路」との掛け声でモンゴル帝国の再来の様に、陸続きである中央アジアからフランス・スペインそして地中海からアフリカへとシルクロードの再編を夢に見ている。EU統合に躓くヨーロッパを席巻して新たなチャイナ・ドリームを目指したら好い。私達が嫌でも数年後にはアメリカを追い抜き世界一と為る中国であり、世界の5人に一人は中国人・・・なのだそうだ。

 トランプ氏に対してゴルフでご機嫌を取ったり、ポチの様に尾を振っても得れるものは期待出来ない。我が国は小国として堅実な国造りを目指せば好い。小さなアメリカを目指しても駄目だし、小さな中国を目指しても不可能なのだから、背伸びせず我が国は器量に似合った事を確りと遣るべきだろう。

 以上





 


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