2018年07月03日
硫黄島 祖父の戦争体験記 その4
祖父の戦争体験記 その4
祖父の戦争体験記 その4
上陸開始
昭和20年2月27日、砲火を浴びてから10日目に敵は日本軍全滅と見て南海岸に上陸を開始した。小舟で近づく米軍を水際まで寄せて置いて、スリバチ山の砲兵は一斉に砲火を浴びせ敵を全滅させた。この戦には勝った。栗林中将は敵が上陸するまで攻撃しては為らぬと命令していたのに、現地の軍は命令を無視して攻撃して全滅せしめたのである。
後が悪い結果と為ったのである。我軍の健在を知った敵は迂闊に上陸しない。南海岸一帯は前にも増して飛行機が群がり爆弾の雨を降らし始めた。砲弾も集中した。ムチャクチャの攻撃である。恐ろしいことだ。しらみつぶしに撃ちまくる。地形が変わってしまった。
現地で指揮する栗林中将
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遂に上陸
今度はムチャクチャ撃って爆弾の雨を降らせ、島を打ち砕いてから上陸を開始した。敵の一部は上陸してしまった。空と海とを捕られている我軍は都合が悪い。兵隊や武器弾薬の補給は出来無い。敵の方は毎日増加するばかり。日本軍は昼間は出られ無い。出ればたちまち空から遣られる。
夜間を利用して斬込作戦に出た。各隊夫々5、6名位で斬込部隊を作り、暗夜に敵の陣地に斬込を掛けるのである。幕舎でも兵器でも何でも好い、敵のものは全部爆破するのだ。
斬込と云うのは刀で斬込むのでは無い。爆弾を持って敵陣に飛び込むのだ。初めのうちは非常に成功したが、敵に知れたので余り成功しなく為った。誰も帰って来なく為った。全部やられるのだ。米軍もマイクを戦場に仕掛けて、我軍が斬込むのを手に捕る如く知り、時期を見て機関銃の一斉射撃を浴びせ全滅させるのである。
マイクの事は我軍も気付か無かった。それで大分遣られたのである。我軍も手を替え品を替え攻撃したが、皆遣られた。敵は毎日増加するばかり、我軍は毎日死んで行くが、それでも斬込より他に勝てる方法が無い。毎夜各隊各様に斬込をかけるのだ。私は神風が吹いて今に日本軍が勝つだろうとも思っていた。
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工兵戦闘
我等工兵は歩兵のように戦闘はせんと思ったら大間違いで、硫黄島のように包囲されては、工兵でも海軍でも砲兵でも軍人である限り戦わなければなら無いのだ。
どの部隊も毎日斬込に行く。工兵は爆薬の取扱いには慣れている専門家だ。20キロの爆弾を自分で作って背中に負い、我が身諸共敵陣に飛込むのを斬込と名付けて実行した。帰る者は無くなった。毎日死んで行く。
私達四国の部隊は半分父島に残り半分が硫黄島に居るので、非常に少ない人数だ。隊長の来代大尉は、敵機が来ると穴の中で震えていたが敵機が去ると穴から出て大きなことばかり言う臆病者だったが、敵の上陸する前、病気と言って師団の命令を貰い、飛行機で内地に引き挙げてしまった。
隊長が内地に帰った後には父島から中尉の人が来ることに為っていた。早く来れば好いと私は思って待っている。ある日工兵が来たとの情報があった。しかし来たのは兵のみである。中尉は父島を出る時船を爆撃されて死んだという。我等の部隊の隣に居った鹿児島の歩兵第145連隊(池田部隊)付の工兵少尉が一人我隊に来た。これで少尉2名、准尉1名、後は下士官と兵のみである。(石坂少尉、宮崎圓少尉)
アメリカ軍の火炎放射器攻撃
第1回斬込
工兵も軍人であるから戦わなければ為らぬ。夜間を利用して敵陣に斬込に行かねば為らぬことに為った。最初に斬込む者が決まった。我等工兵部隊に属していた輜重兵伍長以下特務兵6名である。皆さん直ちに2階級進んだ。班長の佐賀謙好伍長は曹長に為った。特務兵は上等兵や兵長に為った。嬉しそうに新しい階級章を付けて斬込準備をしていた。
その夜20キロ爆弾を背負って敵陣に斬込んで行った。只の1名も帰って来なかった。戦争とは本当に惨いものである。人の命を紙くずの如く殺すのである。
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第2回斬込
第1回は2階級進級して死んで行った。第2回は進級は無い。私も行かなければ為らなく為った。天皇の為国の為、東洋平和の為死ぬのだが、私は死にたく無かった。しかし喜んで死ぬような顔をしていただけだ。
班長は矢野千郎軍曹、私を入れて5名であったが兵の名前を忘れた。20キロ爆弾を作った。夜に為った。各人が背負った。明朝天山に来る敵の戦車に飛込み戦車諸共我が身も死ぬのである。命令を受けて出発した。走ったり伏せたり止まったりで、要約にして天山に着いた。
横穴に入る。朝まで戦車を待つことにする。泣いても笑っても明朝は死なねば為らぬ。色々と頭に浮かぶ。身内の事、妻や子供の事思い出される。やがて穴の中で朝が来た。今か今かと戦車の来るのを待つ。戦車が来たら命は無いのだが待たねば為らぬ。幾ら待っても戦車が来ん。戦車が来ないのにどうも出来ぬ。一同顔見合わせて待っている。
不思議なことに、私は過去3回の戦争でも絶対に死ぬ筈の時に生き残った。今回も戦車が来んので未だ生きている。母や妻子が神に祈って呉れるお陰かとも思う。幾ら待てども戦車は来ぬ。夕方まで待ったが戦車が来無いので引きあげる事に為った。
皆喜んだ。北部落に引きあげて帰った。腹ぺこだ。昨夜から何にも喰っていない。穴の中では、好くも生きて帰ったナアと皆不思議がり、喜んで呉れた。
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第3回目の斬込
元山飛行場は捕られ、飛行機は只の一機も無い。天山に戦車は必ず来る。どうしても天山で敵を食い止めんことには司令部も危ないのだ。我等は斬込に行って戦車が来ないので飛込まず帰って来たのに、又行けという。一度死に損なった者は生きて帰ってはいかんのかも知れない。今度こそ、行って死なねばならぬ。
分隊長 矢野千郎 軍 曹 高知市○○乙○○
隊 員 高橋利春 伍 長 高知県○○郡○○村○○
隊 員 西森道晴 上等兵 高知県○○郡○○○村○○
隊 員 横山義範 上等兵 高知県○○郡○村○○○
その他6名であったが名前は忘れた。今思い出せ無い。夜になり20キロ爆弾を背負い、銃を持ち残りの兵に見送られ出発した。二度と帰らぬ積りであった。海上から撃って来る。機関砲も物凄い。黄燐弾が落下する。危なかった。
天山の手前に、広島の藤原部隊が居る。歩兵である。この部隊の居るところに来た。各々20キロ火薬を背負っている。天山に斬込に行くと言うと歩兵は非常に喜んで、工兵来て呉れたか、確り頼むぞ、将校まで出てきてありがとう頼むぞと礼を言う。しかし我等は明朝死なねば為らぬのであり、ありがたく無かった。歩兵に別れを言って我等は天山に向かって歩く。海から盛んに弾丸が飛んで来る。要約天山に着いた。
天山着
今夜は我等工兵10名のみ斬込み死ぬものと思って出て来たが、同じ工兵の他の分隊が出て来た。我等の後を追って来たのだ。私は只事では無いぞと直感した。我等が出発した時残っていた分隊も出て来た。全員死ぬ積りだと思った。何れにしても我等工兵は生きては帰れないのだ。戦車が来れば飛込むのだ。我が身と共に散るのだ。死にたく無いが止むを得ん。戦争に勝って内地に帰ることは無いのだ。死ぬのだと思った。
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陣地入る
我等の後から来た佐伯分隊は、天山の横穴陣地に入る。軍医も海軍も砲兵も、憲兵まで来ている。そこへ我等工兵が割込んだので一杯に為る。連日の戦争で穴の中は死体で一杯、入口も出口も中の方も死体は山に為っている。我等は友軍の死体を踏んで出入りする。哀れなれど戦争だから止むを得んのだ。
現地入り
我等は穴の中で少し休んだ。明朝斬込む場所を話し合う。そして決定した。それでは現地に行こうと穴を出る。我軍の死体を沢山踏んで出て行く。グニャグニャする、気持悪い。坂を登って行く。月が出ていた。明朝死ぬなんて思えない静かな夜だった。各人自分の入る穴を掘るのだ。タコツボといって縦に掘るのだ。夢中で掘る。このタコツボから戦車目掛けて飛込むのである。
佐伯軍曹の死
我等が一生懸命に穴を掘っていると、佐伯軍曹が見回って来た。私は軍曹の顔を見て驚いた。月の光で見る顔は青白く、目はつり上がり口は歪み、この世の人とは思えぬ。私は思った。軍曹は死相が出ている。この人は死ぬと直感した。果せるかな、その夜遅く戦死した。一番先に死んだ。人間死ぬ前は人相が変わる事を知った。(佐伯重見軍曹だ)
内海兵長死す
佐伯軍曹の分隊に居る内海光男兵長も、この夜戦死した。銃弾が盛んに飛んで来る、それに当たったのだ。
西森上等兵戦死
我等の分隊は夜通し穴を掘り朝になった。穴は出来たが、フタを作らねば空から飛行機で見られて全滅だ。各自夫々自分の掘った穴にフタをする為、木の枝や草や土のカタマリなど集めて来る。その時、高知県梼原村出身の西森道晴上等兵が、アイタヤラレタと叫んで右手で左手首を押えている。
私が直ぐ隣に居ったので走り寄って見ると、小銃弾で撃ち抜かれている。血が流れている。ホータイを出して縛ってやった。私は西森とは特に親しかったので、矢野軍曹に相談して兵を1名つけて西森を下の横穴陣地に行かせた。そこに軍医も居るから診て貰え、その位の傷では死にはせんと言い聞かせて下がらせた。
西森はスマンと言って下がって行った。間も無く我等は戦車に飛込むのであるが、西森の方が好かったかも知れんのうと話したりした。
フタは済んだ。各自掘った穴に入りフタをする。持っていた握り飯を喰う。直ぐ死ぬ身でも腹は減る。戦車を待つがまだ来ん。そのうち明るくなり日が出た。私は穴の中からフタを少し突き上げて外を覗いて見た。直ぐ下の海には敵の軍艦が沢山居り、陸に向けてドカンドカンと撃ち捲っている。空には小さな飛行機が沢山来てグルグル回って日本軍の行動を見ている。
兵隊の一人でも見ようものなら、地面スレスレまで下りて来て機関銃で掃射する。爆弾を落すから堪らん。私は静かにフタを下ろして又穴の中で座る。戦車の来るのを待つ。そのうち戦車は来ず夜に為った。ヤレヤレと穴から出て背延びする。
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それから穴にはいり座る。外が騒がしいので首を出してみると、味方の兵が交代に来たと言うのだ。我等は申し送って交代する。私は又戦車に飛込まずに助かった。私は死に直面すると必ず何かが起こって必ず助かる。今までも不思議に助かっている。
我等交代して元の横穴に下がって来た。大勢の死体を踏んで陣地内に入る。次の命令を待つ事に為った。私は、朝手を撃たれた西森上等兵を探した。彼は軍医に診て貰ったが手当を受けて死んで居た。腕や足などの傷で死ぬ事は無いが何故か死んでいた。私は看護兵に頼みて後、自分の分隊に帰り報告した。
陸地の3分の1は占領せられ、残る北部落に向けて敵はジリジリ攻めて来るのだ。とても勝てる見込みは無いが、生きている限りは戦わなければ為らぬ。我々の居るこの陣地は山の中を掘り抜いたもので、ナカナカ広い。何れの部隊が使用しても好いのだ。
各部隊は、ここから夫々斬込んで行くのだ。我等も叉、直ぐ歩兵の散兵壕掘りに出された。メクラ弾丸が飛んで来るので危ないこと甚だしい。今日は陸軍記念日なのに戦争に休みは無い。陣地作りばかりさせられる。戦争は辛いものなりと思う。
つづく
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