2016年12月19日
フレデリク・セペダをWBC代表に キューバでキャンペーンが展開
フレデリク・セペダ
Vanguardia、2016年12月19日、Mayli Estévez Pérez記者
WBC大会、セペダ作戦
2017年のWBC大会代表候補選手からフレデリク・セペダ外野手が除外されたことで、キューバの各メディアでは、セペダを代表候補選手に加えるキャンペーンが展開されている。
国際大会で認められた一人の強打者をキューバチームに加える必要性には、どんな人間であっても異をとなえはしない。キューバは、民族(国境で分けて考えない概念)として、そのような選手を所有している。米大リーグに数名、日本リーグにひとり(アルフレド・デスパイネ)、国内リーグにはごくごくわずか。メジャーリーグの選手たちを検討する選択肢がない状況での、第6回WBC大会に向けての有無を言わせない明白な除外は、多くの野球ファンをサンクティ・スピリトゥスに注目させた。(*ブログ主注:サンクティ・スピリトゥスからは一人も候補選手が選ばれなかった)
もっとも注目を浴びた事例は、サンクティ・スピリトゥスのフレデリク・セペダである。彼は、日本で祖国のために戦うであろう代表チームへの加入条件を、今シーズン開始時から満たしてきた。自身の日本での成績は芳しくなかったものの、日本という国やその試合スタイルを細部まで熟知している。これさえも補足的な利点となる。
「来年のWBC出場を夢見ている。実現すれば、おそらく4回すべてに出場した唯一のキューバ選手になるだろうし、安打、打点、本塁打あるいは得点は自己記録やキューバ記録を更新するだろう」、とセペダは9月にJoel García記者に対して語っている。
「目標はWBCだ。まずは国内シリーズに照準をあわせる。なぜならそこで結果を出さなければその後はないからだ。成績を残し、もちろんキューバ代表に加わるよう努力する。私はただひたすらすべての日々をグラウンドに捧げるようにする。そのことが結果を残してくれるだろう。」、とこれも同じ9月に同記者に語っている。サンクティ・スピリトゥスにとっての今季リーグが終了した時点のことである。彼はこれを、当時二度目の手術をしたばかりのひざのマッサージ治療の最中に、ベッド上からおこなっていた。
「(二次ラウンドに進出する)6チーム以外にもすぐれた選手はたくさんいる。セペダだけについて話してるんじゃないよ、チームが要請した要件を満たしていなかったとしても、彼らは代表候補選手の対象となるべきだ。国内シリーズを戦ったのだから。」、とセペダは11月にエスカンブライ紙のElsa Ramos記者に語っている。リーグ第二次ラウンドが始まり、セペダが健康上の理由により選ばれなかったときのことだ。
しかし、サンクティ・スピリトゥスのような弱小チームで39試合に出場し、打率.373はリーグ9位、長打率.560はリーグ8位、OPS1.045はリーグ6位、さらには22打点、18得点をあげた。セペダは、いまだ本調子ではないにもかかわらず、今回話題になっている代表候補選手50人中でも数番目の位置にいる。このことは、東京ドームの清掃夫でさえよく知っていることだ。
このため、セペダが代表候補に選ばれなかった以降、オペレーション・セペダ(セペダ作戦)とでもいうべき状況が広がっている。セペダを彼がもともといるべきであった場所に配置しろという声である。これは当然のことだ。この一般的反応の熱気におされて、プレーオフ4チームへの補強に選ばれるであろう選手たちの相場一覧が出現した。セペダは、その文字通りの意味ではないにしても、そのリストの先頭にいた。その意味は、この背番号24の選手は準決勝に進出するチームのどれかに補強選手として加わるだろう、というものだ。ビジャ・クララのチームに近い関係者によれば、Heriberto Suárezコミッショナーによるこの召集は決して隠されることなく、コミッショナーの最近のビジャ・クララへの訪問は、このサンクティ・スピリトゥスの強打者の選抜を意図したものだったといわれている。
国内メディアもこのキャンペーンに加わった。執筆媒体、ラジオおよびテレビ媒体は、セペダがWBC代表チームに加わる必要性について論じている。直近では、Liván Peña医師がテレビ放送に登場した。背番号24の男がなぜ手術後の回復を完全に待たずにチームに加入したのか、その献身について触れた医師は、現在すでにセペダがよい状態にあり、2017年の野球界におけるもっとも重要な国際イベントに彼が登場するという夢が実現する願望を語った。
思うに、セペダは、第三回WBCのときの同志アリエル・ペスターノ(Ariel Pestano)のようにはならないだろう。今回は意見すべき人たちがそれをおこなっている。今回は退場に向けての叱責ではなく、不公正さへの叱責がある。もし1月28日に発表される日本行きの代表チームメンバーに、2015年のカリビアン・シリーズMVP選手がいるなら、小さなモーターが大きなモーターを動かしたのだから、多少のことではある。しかし本質的には、キューバで本来選ばれるべき選手たちが誰も現れていないというのも現実である。
Clásico Mundial: Operación Cepeda
http://www.vanguardia.cu/deporte/7954-clasico-mundial-operacion-cepeda
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