2016年11月23日
アルフレド・デスパイネ ロング・インタビュー われわれには野球の血が流れている
アルフレド・デスパイネ
Granma、2016年11月23日、 Aliet Arzola Lima記者
アルフレド・デスパイネがマルティレス・デ・バルバードス球場のダグアウトから出てくると、観客は熱狂する。歌声と喝采が鳴り響く。キューバ野球最高の強打者である彼は、ホームランでスポットライトを独占し、ファンをひきつけてきた。
彼のウォーミングアップのルーチンは簡素である。ストレッチと軽いランニングに30回から40回の素振りをおこなう。観客席からの歓声のなかで彼のバットはなりひびく。デスパイネは自分がリーダーであることを自覚しているが、チームの同僚たちとも、ファンたちとも、いとも簡単に自由にふさわしくふるまう。ファンたちはこのホームラン王からサインや写真の申し出に対する否定的な返答を決してもらわない。
そのようなレベルの期待は当然である。日本のプロ野球のパシフィック・リーグで戦う千葉ロッテ・マリーンズのユニフォームを着たデスパイネは、2016年の最も優れたラテン系選手のひとりだった。24本塁打、27二塁打、92得点をあげ、打率.280、長打率は.480だった。
さらに、三振の頻度(570打数89三振)は2015年(409打数89三振)と比較して顕著に減少した。一方、四球の数は49から64に増え、出塁率を.352から.361に増加させ、難しい日本の投手陣に対する反応の良さを明確に示した。
彼がキューバに戻ったあとは、その打席ごとに、多くの携帯フラッシュがたかれ、その恐るべき打棒を録画する。球場は彼を見るためだけに満員になる。
- キューバ・リーグへの再加入はどんな感じですか。
少しずつ様子を見ている。まだ試合数が少ないので、トーナメントでの投手陣との対戦機会を多く持とうとしている。彼らは日本リーグとは同じレベルではないから。それほど難しくはないだろうと考えている。スピードは劣るし、球種もすくない。
さらに、打席で5〜6球見れているという事実は私を有利にする。もし彼らがストライクゾーンに投げてきて、1〜2球で打たなければならないとしたら、もっと難しくなるだろう。これまではたくさんの四球をもらってきた。カーブやスライダー、早いストレートや遅いストレートなどを見てきている。たとえ悪いゾーンに投げてきたとしても、私が早く適応するのに役立つ。
- 日本で残した質的な飛躍に満足はしていますか。
もう向こうで3年やって、春のトレーニングの間、3月に費やす時間のおかげで、よいよい状態に落ち着けている。結果が出せて、143試合のトーナメントではよくあることだがケガで何試合かは欠場したものの、とてもよい数字を残せた。
オープン戦の期間が重要なのは、統計は役にたたず、公式戦において対戦するであろうスター選手たちによって自分の調子を測れるからだ。それらの試合は研究に役立つ。たとえば、ボールを打つことなく、いろいろな投手陣との対戦機会が得られる。ただ彼らが投げてくる投球を見るんだ。これは長いシーズンに立ち向かうすべてのプロ選手にとって必要なことだ。
- ジャーナリストのFrancys Romero記者とのインタビューのなかであなたは、WBCにむけての目標は持っていない、と表現していましたね。その点についてなにかコメントできることはありますか。
WBCにむけての目標はなにも持ってない。なぜなら、すべては契約次第だからだ。参加するのに問題はないと思う。でもプロ球団は時には許可を出し、時には許可を出さない。私はただ参加が受け入れられるのを待つだけだ。プレーし続け、準備を続ける。そしてもしその機会がくれば、キューバチームが前進するように最善をつくすよ。
- それでは日本で活動を続けるのですか
3件のとてもよいオファーがきていて、そのうちのどれに決まるのか待っているところだ。まずはそれらすべての球団と会談を持ち、そのあと正しい決定をしなければならない。
- それらのオファーはどれも多くの要求が予想されますね・・・
もちろん、それらの球団はすべて、ロッテ・マリーンズを含めて、リーグの中のとても強いチームだ。それに中日ドラゴンズはとても競争力があるし、福岡ソフトバンク・ホークスは昨年まで二年連続の王者であり、今季は勝てなかったが、もっとも優れた選手たちが所属している。間違いなくトーナメントで最も強いチームだ。
- WBCで日本野球と再度戦うことは、キューバにとってひとつの挑戦となりますね・・・
日本の投手陣は剛速球をたくさん投げてくる。大半は手がつけられない。だからバッターボックスではとても忍耐が必要となる。打撃は、以前のようにヒットを打ち、走り、ボールをミートし、といった形ではない。いまはものすごく力強さがあり、ホームランダービーのトップ選手たちは年間30本、35本、44本の本塁打を打つ。その面は強化されている。
- その厳しい大会に直面するわが国の野球についての見通しはどうですか
キューバ野球は少し元気がなくなってきている。海外への亡命や流出によりレベルが下がっているのは誰の目にも明らかなことだ。しかし、われわれにはもともと野球の血が流れているし、WBCでは若者とベテランをミックスして立ち向かうことになる。前進しながら、完璧な成績を残すために戦うことだろう。
Despaigne al bate
http://www.granma.cu/deportes/2016-11-23/despaigne-al-bate-23-11-2016-14-11-11
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