これを終わらせないと、壊滅的な結果になりかねない、とフィデルは警告した
Cubadebate、2020年6月5日、「フィデル思想の戦士」編集チーム
ある重要な生物種が、その自然な生活環境の急速に進行する破壊によって、絶滅の危機にある。人類のことである。
私たちは、それを食い止めるにはほとんど間に合わない今になって、この問題に気づいている。
フィデル(1992年)
ブラジルのリオ・デ・ジャネイロ。1992年の6月。この活気に満ちた混血の都市は、これまでにない最も重要な会議のひとつを開催している。環境と開発に関する国連会議(地球サミット)である。専門家と諸大臣による審議が6月3日に始まり、国家元首や政府首脳による討論が6月12日から14日にかけておこなわれた。
最高司令官フィデル・カストロはキューバの声を届けるためにリオを訪問した。世界各国から116人の指導者たちが集まった。史上最も多く首脳たちが集まった会合となった。会議開始時点からフィデルは注意深く聞いていた。キューバの番になったとき、指導者フィデルの存在感が会場にあふれた。その5分間足らずの演説は、会議中もっとも喝采を浴びたスピーチとなった、と世界のマスコミは例外なく認めた。フィデルの言葉は第三世界諸国の声だった。
この残虐な環境破壊の根本的責任が消費社会にあることを指摘しておくことが必要である。これは、かつての植民地主義権力と帝国主義的政権から生じたものであり、こんにち大多数の人類を苦しめている後進性と貧困をもたらしている。
キューバといくつかの国との間のさまざまな協定の調印は、良好な関係とキューバ国民への共感のさらなるあらわれであった。「これがキューバにとって犠牲を意味するとはだれも考えるべきではない。感謝にすら値しないものである。私たちにとっては当たり前のことであり、兄弟や友人としての義務を果たすだけのことである」
共産主義に由来したとされた脅威が消えうせ、もはや冷戦、軍拡競争と軍事費へのいかなる説明理由もなくなった今、第三世界の開発を促進し、そして、エコロジー的な地球の破滅の脅威と闘うために、かかる資源を速やかに使うことに何を阻むことがあるだろうか。
利己主義を終わらせよ。覇権主義を終焉せしめよ。冷淡、無責任、そして欺瞞は、もう終わりにしようではないか。我々がはるか以前になすべきであったことを行うには、明日では遅すぎるのである。
フィデルによると、環境を優先して緊急に行動することを支持する意識とこのときのサミットによって、不可欠な行動が適時に採られなければ、人類は地球上のすべての生命の破壊を意味しうる不確実な境界にいる、という確信はますます広がっていった。「終わらせなければ壊滅的な結果になりかねない。これは先延ばしできない使命だ」と何度も警告していた。そんなフレーズをいくつか紹介する。
環境に関するフィデルの言葉
ある重要な生物種が、その自然な生活環境の急速に進行する破壊によって、絶滅の危機にある。人類のことである。
フィデル・カストロ(1992年)
待つことは不可能だ、なぜなら明日では遅すぎるからだ。われわれのきょうの決定は空文であってはならない。具体的なフォローアップをおこない、共同作業の効果的手段が作り出されなければならない。
フィデル・カストロ(1995年)
権力者たちは世界の新たな分割の形を議論している。貧者や小国はこれからの数十年間をいかに生き残っていくか模索している。海上数メートルの島であれば、水位が上がったとき何が起きるか、またわれわれを待ち受けている干ばつや台風その他の気象災害に立ち向かえるかどうか自問している。
フィデル・カストロ(1992年)
対外債務にではなく、エコロジーに対してこそ負債を払い、人類ではなく、飢餓こそを消滅させようではないか。
フィデル・カストロ(1992年)
われわれは全力で宣言しなければならない。きれいな空気を吸い、汚染されていない水を飲み、健康的な栄養をとり、教育を受け、病院で診療を受け、ますます富める者がいる一方で貧困を減らす権利を、われわれは持っているということを。
フィデル・カストロ(1996年)
動画:ドキュメンタリー「明日では遅すぎる〜フィデル・カストロ地球サミットの記録」
動画:フィデル・カストロ地球サミット演説
Fidel: “No es posible esperar, pues mañana podría ser demasiado tarde” (+ Fotos)
http://www.cubadebate.cu/especiales/2020/06/05/fidel-no-es-posible-esperar-pues-manana-podria-ser-demasiado-tarde-fotos/#.Xtql5DozbIV