ノルヘ・カルロス・ベラ、会心のリーグデビューを飾る
Granma、2018年9月6日、Aliet Arzola Lima記者
ノルヘ・カルロス・ベラは父が投げるのを見たことは覚えていないが、彼の脳裏には、キューバ野球史上もっとも精密で華麗な投手のひとりによる正確な投球で爆発寸前のギジェルモン・モンカダ球場のイメージがある。
「僕は小さかったけど、サンティアゴの勝利でひとびとはグラウンドに駆け出していった」、とサンティアゴの若き有望投手は回想する。彼は、自身の父、往年のスター右腕ノルヘ・ルイス・ベラの冷静沈着さと支配力が思い起こされているなか、第58期キューバ野球リーグのチームに加わった。
しかし、われわれが想像しうることとは反対に、ノルヘ・カルロスは家族の影響ではなく、自らの志で野球にたどり着いた。投手としてスタートしたのも同じだ。「僕が8歳のときに、野球をやる子どもたちを探している先生たちがやってきたんだ。そこで僕は登録することに決めて、あとから両親にそのことを伝えた」
「はじめは遊撃手としてプレーしていて、そのあと身長から一塁手に移されて、U15に入るときに投手のチャンスを与えられた。時間がたった今は、打つことが懐かしいけど、投球のときがベストに感じる」、と若き右腕は説明した。彼のスポーツ経験のはじまりは、水泳と卓球だ。
「いまでもラケットには何か愛着がある。反射的になる。卓球台を見つけたらどこでもプレーするし、結構なレベルでできるよ」、と18歳のサンティアゴ投手は笑みをうかべて話す。彼は今季すでに4回登板し、そのうち3回はバヤモ、ラティーノアメリカーノ、ビクトリア・デ・ヒロンといった難しい球場で投げた。
「ひじょうにしっかり準備はしていたけど、これほど決定的なパフォーマンスを持てるとは予想してなかった。鍵は、それぞれの打者に対してよく考えることであり、誰も過小評価はしないこと、しっかり落ち着いて、つねに前向きな思考をすることだ」、と解き明かすノルヘ・カルロスは、マウンドでのすぐれた集中力がまさに抜きん出ている。
「僕はうまれつき落ち着いているんだ。プレッシャーは感じていないし、それを父によく似ていると言う人もいるけど、実際のところ、そういうふうになるように父から教わったことは何もないし、それはむしろ自分の性格からきている。投げているときは最大の集中を目指して、相手打者が自分よりもすぐれているとは決して考えない。結局われわれは同じ条件にいる二人の人間であって、みな勝利のために戦っている」、とベラは語る。
現在まで、彼の哲学は、グランマ、ビジャ・クララ、インドゥストゥリアレス、マタンサスといった難しいライバルチームに対する初登板で結果を出しており、相手打線を打率.233、長打率.314に抑えている。これらの登板で彼は22回2/3を投げ、防御率2.78を記録しているが、1試合平均得点2.38の貧困な打線から支援を得られてはいない。
ネガティブなデータとしては、1試合平均5.16の与四球数があり、制球の困難さを示す重要な指標である1与四球に対する奪三振率は0.92と、とても低いままである。
「投手陣にとって不可欠なその面を改善したい。以前はフォームの欠陥で非常に多くの問題を抱えていたけど、時間をかけていくつかの点について完成していった。たとえば、つねに球を配置したいところを見ること、顔の前で球を放すこと、捕手のフレームを観察すること、大きなステップで、脚をあげ、流れる動きを達成すること、に取り組んできた」、とノルヘ・カルロスは説明する。
これらの指摘やアドバイスの多くはまさに自身の父から伝えられている。彼の父は遠くから、一挙手一投足を見逃さない。「父は自分の登板を気にかけていて、たとえ結果がよくても、おかしかったところを修正するためにいつも話してくれる」、と若き投手は説明する。彼の最大の望みは、自身の功績によって勝利することだ。
「僕はいつも父を引き合いに出されるけど、僕の物語を書く責任者は僕自身なんだ。いま僕は歴史的に最高のチームのひとつに在籍する大きな機会を得ている。われわれは第一線に戻ることを目指している。具体的には、ギジェルモン（球場）をまた満杯にしたい」
グランマTVによる別のインタビュー映像（2018年8月13日）
Quisiera volver a llenar el Guillermón
http://www.granma.cu/deportes/2018-09-06/quisiera-volver-a-llenar-el-guillermon-06-09-2018-19-09-17
