2012年10月17日
中国市場におけるP&Gの浮き沈み(6)
中国市場におけるP&Gの浮き沈み
慶応大学
商学部4年フ組
13期生
李 梅
朱 琲クン
慶応大学
商学部4年フ組
13期生
李 梅
朱 琲クン
1945−1980 新大陸と飛躍的な成長
P&Gはアイボリー以降の最も重要な新商品とされたタイドを、1946年に市場に出した。タイドは市場における他社の商品よりはるかに優秀であったため、短時間で大成功を収めた。この大成功が、一連の新商品の導入だけではなく、世界中の新市場の開発を含めた当社の急速な成長期の資金源として貢献した。
タイド導入後の数年間に、P&Gは数々の新商品を導入した。歯磨商品、トイレットペッパーと紙タオル事業、使い捨てのおむつのカテゴリーを市場に導入した。さらに、当社は既存事業を強化し、新しく食料品と飲料品のカテゴリーへ事業を拡大した。
これにもまして大切なことは、事業の国際化に焦点を絞っていくことであった。新地域の市場で事業を成功させるためには、これらの国々のホームグラウンドでの活動が必要であることを確信したP&Gは、立上げ事業をメキシコでスタートさせ、続いてヨーロッパ、日本という順で発足させていた。P&Gは1980年には、世界23ヶ国での年商が約110億ドルの規模になり、1945年度の35倍以上の収入で事業を展開していた。
1980−1996 グローバル企業へと発展
設立150周年が近づいた1980年になると、P&Gは当社の歴史上かつて見られなかった劇的な成長時期を迎えた。小規模な提携関係から中西部で始まった企業は、国内有数の多国籍大企業に成長した。この劇的な時期に、二つの重要な変化があった。
第一に、1982年のノーウィック・イートン・ファーマステイカルズ買収、1985年のリチャードソン・ビックス買収により、ヘルスケア業界の新規事業者として台頭したことである。また80年代後半と90年代前半のノクセル、マックスファクター、エレンべトリックス等の買収により、新しい化粧品・香水事業に参入した。これらの買収は、当社のグローバル化計画に拍車をかけた。特にリチャードソン・ビックスおよびマックスファクターの買収は、P&Gの国際的な存在価値を劇的に増大した。この新しいグローバルな強みを基盤に研究施設の中心拠点を米国、ヨーロッパ、日本、ラテンアメリカに設立して、全世界の研究開発のネットワークを確立し、世界的なブランド製品となったパンパース、オールウエイズ/ウイスパー、パンティーヌ・プロV、タイド、アリエール、クレスト、ビックス、オイル・オブ・オレ等の商品のリーダー的地位を築き上げた。
過去数年んびわたるP&Gの革新は、タイドがカテゴリーリーダーの地位を維持することと、P&G社内の単独最大規模ブランドを維持するのに貢献した。現在のP&Gは、真の意味でグローバルな会社である。1980年以降の当社ブランドを提供する全世界の消費者数は4倍、50億人となった。現在P&Gは、70ヶ国以上の国で事業を展開し、150ヶ国以上の国で当社の商品を販売し、世界最大規模の消費財メーカー最優良企業の一つとなった。
1997−現在 将来の展望
P&Gは高品質のファブリック及びホームケア、ベビーケア、生理用品、ティシュー及びタオル、ビューティケア、ヘルスケア、食品及び飲料等の商品の開発、販売、マーケティングリーダーとして認識されている。
P&Gは全世界150ヶ国以上で、約50億人の消費者に、およそ250のブランドを提供している。そのブランドにはパンパース、タイド、アリエール、オールウエイズ、ウイスパー、パンティーヌ、バウンティー、プリングルズ、フォルジャーズ、チャーミン、ダウニー、レナー、アイアムズ、オレ、クレスト、ビックス、アクトネルなどがある。
また、P&Gは全世界に11万人以上の社員を雇用し、経済成長の面でも健全性の面でも世界各地でその底力を発揮している。
一世紀以上前のウイリアム・プロクターとジェームス・ギャンブルの精神と同様に、プロクター・アンド・ギャンブルの全社員は将来を展望している。これは世界の消費者に最高の品質と価値ある商品を継続的に提供していくことを意味する。
P&Gの中国進出及び中国市場における浮き沈み
P&Gはグローバル企業へと発展しようとする1980年代初めの頃、中国に関心を持ち始めた。1985年に、現役中東及びアフリカ地域市場調査部の副総裁である呉凯(Berenike Ullmann)は中国で市場調査を行い始めた。中国消費者需要の調査を通して、P&Gはヘアケア商品(シャンプHead & Shoulder)を中国市場進出の初めの商品として決定した。
1988年8月に、P&Gは広州で中国の初めての合資会社―広州宝潔有限会社を設立した。それからP&Gは中国での事業展開を始めた。宝潔中国の本部は広州にあって、北京、上海、成都、天津、東莞、南平などで子会社や工場がある。社員数は六千三百人を超え、中国における投資総額は十億ドルを超えた。
P&Gの中国での発展は1988−1998の成長期、1999−2001のピンチ期、2002−現在の回復期の三つの段階に分けられると思う。
1988−1997年
この時期においては、P&Gは中国で日用品の帝国を築き上げた。しかも、日用品王国の玉座に登った。
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