2019年12月24日
便で、健康診断
宴会の季節。色々な食事をし、体調の変化も大きくなります。自分では、意識していなくても体調は変化しています。それは、便の硬さ、形、色に現れます。
毎日、見ていれば、ある程度の腸の健康状態は解ります。
@硬さ
*硬い:水分は60%程度で、食べ物が腸内に長い間留まり、水分が余計に吸収され、硬くなります。
悪玉菌が優位と思われます。食物繊維を多く含む食物、水分の摂取が必要です。硬くなると、
排便時に痛みを感じるため、トイレに行くのが億劫になり、便秘し易くなります。
*コロコロ型:ストレスなどの腸の緊張が考えられます。リラックスする時間が必要です。
*ベチャベチャ型:水分は90%以上で、悪玉菌が優位な下痢です。暴飲暴食、ストレス、感染症などが
原因です。消化不良を起こしやすい脂肪分を多く含む食べ物を避けるべきです。
*バナナ型:水分70〜80%程度の適度な硬さです。善玉菌が優位で健康的な腸の状態です。
臭いも強くありません。黄色のバナナ型です。
@色
*黒:海苔、ひじきを等を多く食べた時や、錠剤に含まれる鉄分が酸化され便が黒くなる場合が
あります。食道や胃、十二指腸、小腸などの消化器官の上部で出血した血液が酸化され黒く
なった場合があります。黒いタール状の便が続く場合は、診断が必要です。
*白:白っぽい便が出る時、一時的な場合は、暴飲暴食です。暴飲暴食により肝臓が疲れ、便の色の
主成分であるビリルビンの分泌が不足するため、白い便になります。また、肝臓や胆のう
(胆汁をためておく臓器)に炎症がある時も、胆汁の分泌が不足するため、白い便になります。
その時、手のひらや白目の部分が黄色くなっている場合には、ビリルビンが胆汁となって
体外へ排泄されず、血液中のビリルビン濃度が高くなっていることが考えらます。
またウイルス性腸炎や、コレラなどの疑いがありますから、いずれの場合も、消化器系の
専門医に診てもらう必要があります。
*赤:鮮紅色、暗赤色の血液が混じった「血便」です。ほとんどが大腸の病気による出血で、
水様性の便は食中毒や赤痢、潰瘍性大腸炎などです。
一番多いのは、痔です。いずれの場合も受診が必要です。
*黄:ビリルビンは、血液中の寿命が来たヘモグロビンが、肝臓で分解されたもので、胆汁と
いう消化液の主成分です。食べた物は十二指腸で胆汁と混ざり便となって排出されます。
ビリルビンは、酸性の時、黄色、茶色に、アルカリ性の時、黒っぽくなります。腸内は、
善玉細菌が優位なら、弱酸性ですから、黄色、茶色の便になります。ですから、黄色、茶色の
便なら、腸、肝臓の状態は良い事になります。
@臭い
便の臭いは、食べ物と関係しています。ニラ、ニンニクを食べた時は、臭いにおいになります。
それ以外でも、悪臭がする場合があります。その原因は、インドール、スカトールなどの、
蛋白質が、腸内細菌によって、分解された時生じる物質によります。肉など、蛋白質を多く
含んだ物を食べる人の便は臭くなります。便が臭くなったと感じる時は、食生活を考えたら
原因が解るはずです。日本人の食事は、洋風化し、高蛋白、高脂質の食品を摂る様になったので、
臭くなっていると言われます。
健康状態が良い時は、内臓の調子も良いため、黄色のバナナ状の便で、臭いも少ないです。善玉菌が優位な健康的な腸の状態です。色、硬さ、臭いは常に変化します。
日々、その便の状態を見ていると、自分の腸の状態、最近の食事傾向などが、ある程度、見えてきます。健康状態を教えてくれる診断書になります。
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