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2019年12月23日

挫折と言う栄養剤

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現代は、ストレスを少なくするため動いています。職場でのパワハラ禁止、学校では、先生が手を出せません。叩けば先生が悪いとなります。しかし、叩かれるのは、ある程度認められていた時代の人は、先生に叩かれた事を懐かしく語る人もいます。教師も加減を知っていました。

職場では、今ならパワハラと言われる事も、誰もなんとも思わない時代もありました。無菌室に長くいると、免疫力が落ち、病気に罹りやすくなります。これと同じ事が、精神面で起こっている面は否定出来ません。

ある程度の挫折、ストレスは、精神強化のため必要です。それを殆ど感じず成長すると、大人になってからの、挫折、ストレスを受けた時、回復が遅れます。、子供の頃のある程度の挫折、ストレスは必要です。
野球界は才能の世界です。しかし、日本シリーズなど大試合に強い選手は、ペナントレースで大活躍した選手とは限りません。下積みを経験した地味に見える選手が、勝負強さを発揮します。

例えば、
足立光宏投手(1940〜)。社会人野球の大阪大丸から、1959年阪急ブレーブス(現オリックス)に入団。187勝153敗の成績を残しています。米田、梶本と言う凄い投手がいたので、足立投手は地味な存在でした。しかし、日本シリーズに強く、王、長嶋が元気だった、V9時代の巨人に対しては、阪急は8勝20敗ですが、足立投手は、そのうち、5勝しています。日本シリーズ通算では、9勝5敗の成績を挙げています。
高校時代、肘に軟骨が出て、1年間練習が出来なかったり苦労されています。この中で、精神的にも鍛えられ、大試合でも冷静に対応出来る精神が形成されたと思われます。

巨人の主力投手だった西本 聖氏(1956〜)は、愛媛県松山商業から1974年、巨人にドラフト外で入団します。通算成績165勝128敗です。
高校時代は、1年生の夏、県大会の準決勝で、リリーフ登板しますが、敗退。2年生の夏、準決勝で敗退。3年生の時の夏、準々決勝で敗退。

高校卒業後、1974年に巨人にドラフト外で入ります。プロのレベルに追いつくため、 打撃投手の時も全力投球したり、電車に乗ってつま先立ちをたり、一本歯の下駄を履いたり猛練習します。後に巨人に入った江川とは、球の力の差を感じたと言います。その差を埋める努力を続け、主力投手になります。今年引退した上原浩二投手が「雑草魂」と言われる様に西本聖投手も、「雑草魂」を感じさせました。

しかし、日本シリーズでは、日本ハム、西武ライオンズを相手に、完封勝利したり、日本シリーズ29イニング無失点記録をするなど、大試合に強い投手でした。江川投手の様な剛速球は無かったですが、努力の積み重ねで、主力投手に上がって来た精神的強さがありました。

またバレーボールでも、女子日本代表監督だった柳本晶一氏は、選手選抜の時、協会から「吉原知子、竹下佳江、高橋みゆきは使うな」と言われましたが選抜しました。その理由として、「協会が言うのも解る。扱いにくい面があるから。しかし、選抜したのは、この3人が、挫折を経験して、本当に勝負の辛さとか怖さが身に染みているから。」

挫折を通して、独自の価値観が養われます。そのため、マスコミから褒められても、けなされても、そういう評価に左右されず、「自分の出来る事をするだけ」の心境になります。その結果、大試合になっても落ち着いたプレイをする力になります。

挫折を感じても、そこから這い上がる時、その経験をした人でないと得られない精神的な力が養われます。順調な道を通れなかった事がプラスになっています。



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