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2019年12月12日

「伝統」「誇り」の力

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生きて行く中で、皆、何かの「誇り」を持っています。解り易いのは出身校です。学生時代、自己紹介で「○○高校出身です。」で終わらず、「○○高校出身。昔の一中です。」「名門○○高校。」と言う人がいました。その人にとって、それが色々な意味で、支えになっています。

今はFAがあり、チームを変わるのに抵抗がありませんが、昔は、巨人の選手は特別な誇りを持っていました。そのため、トレードを拒否し「巨人の選手として、引退したい。」と言って辞めた人もいました。その人は、「自分は、巨人の選手だった。」と言う事を強く誇りにしており、他の道に行っても、その気持ちで頑張ったでしょう。

そして、その誇りの源は伝統の力です。名門校と言われる中には、江戸時代の藩校から続いている学校もありますし、昔ながらの、「質素剛健」「質実剛健」などを掲げ、昔からの日本精神の伝統を感じさせます。歴史があるので、多くの大先輩を輩出しており、その事も誇りに出来ます。学者、政治家がいれば、「自分もなれるかも」と言う可能性を信じ、頑張る力になります。例えなれなくても、力を与えてくれます。

熊本城は、2016年4月16日に起きた熊本地震により、甚大な被害を受けました。僅かに残った石垣が、大天守の崩落を防ぎました。その映像は、熊本から遠く離れた人間にも、力を与えました。熊本で被害を受けられた方にとって、もっと励ましになったでしょう。

そして、天守閣お復旧が最優先され、大天守の外観の復旧の公開が10月5日から始まりました。最優先されたのは、震災直後から、「天守閣がちゃんとなってないと、元気が出ない。」と言う天守閣復旧を願う多くの市民の声があったからです。直接、生活には関係無い様に見えても、堂々とした天守閣を見る事は、市民の力になっていました。

熊本城は、戦国武将の、加藤清正が1607年築いた城です。約400年の歴史。熊本を守るため、戦った人々の重さがあります。それは、無意識の中で市民の励ましになっていたのでしょう。

天守閣の外観の復旧を見た人は「まだ、大変ですが、天守閣の復旧で、自分も頑張ろうと思います。」と言われています。また、「熊本城は私たちの心の支えだったんだ」と気付いた人もいたでしょう。建造物も、普段意識しなくても、心の支えになります。熊本城は市民の誇りになっています。

この様な「誇り」を持っている事は、生きる力になります。

また、失敗し、屈辱も、後々の人生の力になる場合があります。今年引退した、巨人、メジャーで活躍された上原浩治氏は、合格県圏内にあった、大学に失敗し、浪人します。予備校で勉強に頑張ると同時に、ジムに通い体を鍛え、更に、お金を稼ぐため、夜は道路工事もしたそうです。そして、一浪して、大学へ。そして野球部に入ります。約1年半ブランクがあったのに、球速は、146km/hにアップしていました。プロは考えず教師を目指していましたが、球速がアップし、阪神リーグで活躍したので、巨人1位指名されるまでの投手になり、プロで大きく華が開きました。

上原氏にとって、一浪時代が強烈な印象として残っているそうです。この1年の苦しみから、好きな言葉が「雑草魂」です。精神的にも鍛えられた事が、プロの緊張した場面でも冷静に投げる力になったと想像します。失敗と見える経験も、後々、役に立つ自分だけの「誇り」にする事が出来ます。

どんな形でも、自分なりに、心の支えとなる「誇り」を持つ事は、頑張る原動力になります。



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