2019年12月10日
定年後勉強し、60代で司法試験合格
50歳過ぎると、色々な能力が落ちると考えます。昔は、20歳過ぎると記憶力は低下すると言われ、そう思っていました。
しかし、アメリカの心理学者、トーマス博士は、大学生と60〜70代の人を集め、単語の記憶力テストを行いました。ある単語リストを見せた後、別の単語リストを見せ、どの単語が元のリストにあったかを当ててもらうという実験です。この時、「これは、ただの心理実験です」とだけ説明をしたグループと、「これは記憶実験であり、高齢者のほうが、成績が悪い傾向があります」という説明を受けたグループとでは、成績に差がありました。「ただの心理実験です。」と言ったグループは、大学生と60〜70代のグループ共、正答率は、50%程度で同じでした。
しかし、「高齢者の方が悪い傾向があります。」と言った場合は、高齢者の正答率は、30%程度に下がりました。
考え方で、かなり記憶力に影響する様です。
超難関と言われる司法試験があります。高い偏差値で有名な大学からの合格者が大半です。その学生が、学生時代から、猛勉強しても、合格する平均年齢は28歳を超えます。覚える量も膨大で、若くから始める方が有利です。
しかし、その試験に、58歳から司法試験を目指し65歳で合格した人がいます。吉村 哲夫氏(69)は、元・福岡市職員の方です。九州大学法学部出身の方ですから、法律の素地はある方です。しかし、試験のための勉強は定年2年前から始め、60歳で定年退職してから、京都大学法科大学院で学ばれています。60過ぎてからの司法試験を本格的に学ぶのは大変だったと思います。20歳前に合格する人もいますが、法律の本当の意味は社会経験をしないと解らない面もあります。
吉村氏曰く:「第二の人生で、新しい歩みをしたいと考えました。そして、弁護士を目指し勉強を始めました。京大での勉強は大変でした。そして、丸暗記では無い方法があると気づきます。記憶力は大事ですが、本当に大事なのは、記憶力より、理解力、判断力などの総合力です。
判例や専門用語の一言一句を覚えるだけより、判断力、理解力を自分で培い、養成していく事が必要です。社会で仕事を何年もしていると、問題が起きたときその問題の所在がどこにあるのか、どう解決したらいいのか、だんだん解って来ます。
そういう、判断力、推認力、分析力、応用力などの、総合的な理解力が求められます。その意味で司法試験は社会経験がある人に向いていると思います。弁護士にとって最も必要なのは、この総合的な理解力です。」と言われています。市職員として働いた多くの経験が活かされています。
吉村氏は、法学部出身ですが、朝比奈均氏(69)は、理系出身で67歳で司法試験に合格されています。
静岡県職員で、理科系の大学を卒業され、技術系の職員として仕事をされていました。司法試験を受ける動機は、57歳の時、「ずっと理系で生きて来ましたが、一度きりの人生、何かに挑戦したいと思い、文系にも興味があったので、と行政書士の資格の勉強を始めます。行政法や労働法など様々な法律にふれ、民法と刑法に興味が出ます。
世の中の仕組みを根幹から規定している法律の勉強は、奥深くて新鮮でした。」そして、都内の法科大学院に入学。年下の同級生と机を並べ勉強。記憶力が落ちていると実感しましたが、「量でカバーしよう」と、隙間時間を利用して毎日10時間以上勉強し、法科大学院を卒業後も独学を続け、2年前、合格しました。
有名大学の法学部出身でも合格は難しいと言われる司法試験。定年前から勉強を始め、60代で合格。他にもおられるでしょう。人間の脳力は、考え方で左右されます。
勿論、法学に興味を持てたから出来た事です。法学部に入り、法律の勉強をして、「法律に向いて無い」と感じる人もいます。
自分に興味が持てる分野なら、いつからでも伸びれる参考になります。
24時間使えるレンタルオフィスならBIZcircle(ビズサークル)
スキマ時間を有効活用できる【オンスク.JP】
不要なパソコン・スマートフォンを送料無料で高額買取!
【このカテゴリーの最新記事】
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/9485150
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック