健康

使う言葉で思考は左右され、心の状態も影響を受けています。京都弁を使うと何となく態度も柔らかくなります。柔らかい言葉を使うと争い事になりにくいです。しかし、荒い言葉うを使うと、それだけで、お互い感情的になります。

人間は、言葉の影響を大きく受けています。現代は、スマホでのやりとりが増えたので、言葉がどんどん簡略化されています。その事自体が、思考の簡略化に繋がります。そのため、色々自分なりに考える前に、感覚で反応し易くなっています。本も漢字が減り、読みやすい本が増えました。昔の文庫本を読もうとすると、漢字の多さ、文体の複雑さでなかなか読めません。昔の人はこんな本を普通に読んでいた事を考えると、思考力は落ちているのだと思います。そのためか、明治の頃の人の写真をみると大人っぽく見えます。

巨人の監督だった川上哲治氏（１９２０〜２０１３）は、巨人軍の監督になったのは、１９６０年ですから４０歳の時です。そして１９７４迄、監督を務め、V９など偉大な成績をのこしました。その他の名監督も、３０代、４０代でした。その写真を見るとやはり大人っぽい顔です。思考も違っていたのかも、と思う事があります。

中学の教師をしている人が「生徒の会話が、非常に簡略化されているのに接すると、日本が壊れて行っているのを感じる時がある。」と言われた人がいました。

略語、絵記号を使ってやりとりしていれば、考える力が落ちます。地名も、平仮名になったり、簡単化する動きがあります。

昔は、人の名前の付け方も、今より複雑でした。
戦国武将の名前も長いです。武士階級の苗字は、自らの支配する荘園の名称を一族の家族名として使い勝手に名乗ります。
織田、羽柴、徳川など
諱（いなみ）
諱で呼びかけることは親や主君などに許されます。それ以外の人間が諱で呼びかけることは極めて無礼であると考えられています。
信長、家康、秀吉、
通称
字ともよばれ、通常はこちらの通称で呼びかけることがほとんど。
三郎、藤吉郎、次郎など
氏
苗字とは別物で、天皇からもらい公称を許されたもののみ使う。
源、平、橘、藤原、豊臣など
姓
氏の格式を表したものである。
真人（まひと）、朝臣（あそん）、宿禰（すくね）など。
官職
朝廷より受領した官職名。
関白、右大臣、左大臣、内大臣、上総介など。

織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と呼んでいますが、正式の名前は、

織田信長の場合：織田三郎右大臣平朝臣信長
豊臣秀吉の場合：羽柴藤吉郎関白豊臣朝臣秀吉
徳川家康の場合：徳川次郎三郎内大臣源朝臣家康
（呼び方の順番は異なる事がある様です）

など、今より複雑です。めんどくさく思いますが、難しい言葉を、使っていれば、たいていの言葉は簡単に思えて、覚えるのも楽になります。名前以外、他の言葉も、現代より、複雑な物があったと思われます。昔の文章に接すると、その表現の豊かさを感じます。複雑な言葉を多く使える事は複雑な思考をする事にも繋がります。雪国では、雪に関する多くの言葉があります。語彙が少ないと、雪の質を違いは表現出来ません。

逆に、スマホで簡単なやりとりばかりしていると、自分の脳が持つ機能、能力を遊ばす事になり、勿体無いです。ですから、時々、敢えて、難しいと思われる文章に触れたり、難しい語彙を増やす努力が必要です。「スマホに頼り過ぎ、記憶力が衰えたりする人が増えている。」と警告を発している医師もいます。便利さは、人間の脳力を低下させる面があります。時代は、簡略化、便利さを追求しています。

落ち込み易い人は、「白か黒か」「〜しなければならない」と言う考えに捉われる人が多いと言われます。白黒以外に、灰色もあり、色々な考えがあると、思考を広げれば精神的負担は減るはずです。単純化せず複雑な思考、難解な文章に、時々接する事は、心身の健康のためにも意味があるはずです。


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