2019年12月02日
嗅覚と記憶力、認知機能
現代は匂いを嗅ぐ事は減りました。昔は匂いを嗅ぐ事は、生きるため重要な役割をしていました。動物は餌を見つける為、嗅ぐ能力は生きる事に直結します。消費期限の表示が無い時、腐っているかどうか嗅いで判断していました。
現代では、嗅ぐ機会が減りました。しかし、医学の研究により、匂いを嗅ぐ事の効果が報告されています。
@リラックス効果:朝、コーヒーをゆっくり飲むと気分が落ち着きます。コーヒーの香りが脳を刺激する
からです。他の食品でも、匂いを嗅ぐと気分が変わります。心地良い香りを嗅ぐと、唾液中のストレス
ホルモンが減ります。
@認知機能の能力アップ:嗅覚は、意欲や情動、睡眠、自律神経系に直結している感覚です。匂いから、
リラックス効果を得れば、ストレスも減り、脳の働きも活性化します。匂いは、懐かしい思い出を
甦らせたり、感情を刺激してくれます。
日本認知症予防学会理事長の、鳥取大学医学部教授の浦上克哉氏は、香りと認知機能の関係を
研究されています。その結果、比較的軽いアルツハイマー型認知症の患者を対象にして、匂いを
嗅いでもらう、4週間のアロマテラピーを行うと認知機能の数値が改善したと言う報告をされています。
米国Smell & Taste Treatment & Research FoundationのHirsch博士は、匂いの脳を嗅ぐ部分を鍛える
ため、「色々嗅ぐ」事を推奨されています。
嗅覚などの感覚は、年齢と共に衰えると言われますが、香道をしている人は、高齢になっても、嗅覚が衰えていません。ですから、嗅覚は鍛える事が出来ます。
日々、1分間程度でも、意識して匂いを嗅ぐ様に気を付ければ、嗅覚の衰えを防ぐ事が出来ます。筋肉の老化を防ぐため、トレーニングをするのと同じです。
また、匂いが解らないのは、鼻が詰まっていると言うだけでは無く、頭が、「匂いを認識しない」場合もあります。ですから、時々、様々な匂いを嗅ぎ、それは何の匂いか意識する事も大事です。また、何の匂いだったか、思い出す事も頭の刺激になります。
嗅覚は視覚や聴覚とは違い、扁桃体と海馬という記憶と感情を処理する部位に接続されています。海馬は、記憶の出し入れを司る場所です。そのため、直接、海馬に刺激を与えてくれる嗅覚は、記憶力の低下を防いでくれます。その事が認知機能低下予防にも関わります。
何気なく匂いを嗅ぎますが、自分の海馬に刺激を与える為、積極的に匂いを嗅ぐ事です。風呂に入浴剤を入れると、リラックス効果が増します。これも、海馬、扁桃体が、入浴剤の香に刺激されるからでしょう。
匂いによって気分、精神状態は変わります。様々な物の匂いを嗅ぐ事で、頭の活性化に繋がります。記憶する時、何か匂いを嗅ぎながらすれば、その匂いと結びつき、記憶し易くなるかも知れません。そして多くの匂いを嗅ぐ事で、嗅覚細胞は鍛えられ、嗅覚は鋭くなります。何度も音楽を聴いていると、複数の音が聞き分けられる様に、複数の匂いも嗅ぎ分けられる様になります。
自然は、匂いで満ちています。現代は自然からどんどん離れる生活をしていますが、意識すれば、歯磨き粉、香水、石鹸、ジュース、スパイス、果物、コーヒー、茶など匂いで満ちています。それらを嗅ぐ事は、手軽に出来る頭の活性化になります。
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