2019年12月01日
AIに敗れ、李セドル九段引退
李 世乭氏(イ・セドル:1983〜)は韓国の囲碁棋士で、国際棋戦でも何回も、優勝している棋士です。1995年入段し、頭角を現し「不敗少年」と呼ばれます。富士通杯世界選手権で2002、2003年と連続優勝し、九段昇段。2007年〜2008年にかけて、トヨタ、デンソー杯、テレビ囲碁アジア選手権、三星火災杯、LG杯と世界戦と4冠を達成しています。
しかし、2016年、コンピュータ囲碁プログラムであるAlphaGoと対局し1勝4敗と敗れ、コンピュータ囲碁ソフトが人間のトップクラスの棋士に追いついたことを示しました。
将棋、囲碁でAIが人間のトッププロに迫って来た時、これから棋界はどうなるかと心配する声が聞こえました。けれど、将棋界は、藤井聡太氏、囲碁界は10歳でプロになった、仲邑菫さんの活躍するなどが話題になり、将棋、囲碁の人気は落ちていません。AIの手を取り入れる事で、視野が広がり、新たな手の開発に使われています。
しかし、李セドル九段は、今年の11月19日、36歳の若さで、プロ棋士を引退しました。
その理由として、「囲碁の第一人者になっても、結局勝てない存在がある」と述べており、AIに敗れた事が引退の理由になった様です。AI相手に、1勝していますが、李セドル氏は、ソフト上の問題と考えています。そこを改善すれば、人間は勝てないと判断されたのでしょう。まだAIに負けないはずと思っていたのに敗れたのでショックも大きかったのでしょうか。その後、ずっと葛藤があったと思われます。これは、李セドル氏の個人の感想なのか、これからこういう人が増えるのか解りません。
レオナルド・ダ・ヴィンチや、ラファエロなど天才的な画家がいます。その人達を弟子にした先生は、弟子の技術に驚き、絵を描くのを辞めたと言う話があります。それに似ています。AIと勝負し敗れた時、引退するか、AIを利用して更に自分の能力アップのため利用するか、で関わり方が違って来ます。
幸い、日本では、AIに勝てないので引退すると考える棋士はいません。各自、どうAIと関わるかを考えながら将棋、囲碁に取り組んでいます。
この様な変化は買い物の世界にも表れています。物をかざせば値段が表示され、支払いを済ませます。そのそばに、説明したり監視するために人がいるだけです。これが、当たり前の光景になるのでしょう。更に進化すれば、どうなるのか予想出来ません。その変化について行けなくなれば、逆に不便な世の中になります。機械化が進み疲れを感じ、田舎暮らしに憧れる人も増えています。
しかし、AIは、どんどん活用され、病院では、レントゲン写真などを大量にチェックする能力はAIの方が優れているため、医師の助けをしています。交通面では、自動運転が進み、タクシーも無人運転の時代が来るでしょう。周りはAI、ロボットだらけと言う時代も来そうです。
最近、スーパーコンピューターで1万年かかる計算を、「量子コンピューター」が3分20秒で解いたと、米グーグルの研究チームが発表しました。信じられない速度アップです。
AIはあらゆる面で急激にレベルアップしそうです。もう人間が勝て無いと考えるか、今までなら考えられ無い手を見れる楽しみが増える、と考えるかで受け入れ方が異なります。
人工知能の権威であるアメリカのレイ・カーツワイル博士は、「2045年頃には、全人類の能力を1台のコンピュータが上回ってしまう」と予測しています。そんなに遠くありません。
他方、今年、ラグビーに日本人が熱狂しました。それは、人間が発する精神的エネルギーを感じるからです。ロボットが戦っていても、あれほどの熱狂はしないはずです。、高校野球に対は、、プロ野球に技術で劣っていても、熱く応援します。人間は人間が熱くなっている姿に共感を覚えます。
最近は、人間との直接的な繋がりを感じられる、寄席に行く若者が増えています。日本には多くの祭りがあり、直接、人間が触れ合う機会があります。
また、デジタル化された音楽を簡単に聴ける時代ですが、レコードも根強い人気があります。デジタルかされた音楽は、人間が聞こえない高音はカットされていますが、レコードは、聞こえない高音の振動も含まれています。
そして、その高音は、脳に良い影響を与えていると言われます。人間は、アナログな世界と繋がっている必要がありそうです。自然界の生物は、昔から同じ生活を続けています。
李セドル氏の引退は、個人の問題なのか、デジタル世界との関わりが行き詰っているのか問われそうです。
まかせて!BOCCO
1冊80円のDMMコミックレンタル!
超実践型プログラミングスクール【.pro】
【このカテゴリーの最新記事】
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/9465811
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック