健康

忘年会で、今年お世話になった人と楽しく過ごす機会が増えます。しかし、今年、元気で過ごせたのは、自分の内臓のお蔭です。特に肝臓は、「沈黙の臓器」と言われる様に、黙って多くの仕事をしています。栄養を蓄え、必要に応じて血液を通して、体内に放出したり、毒素、老廃物を分解したりして働いています。普段、その働きを意識する事はありまぜん。暴飲暴食した時、疲れた時も黙って働き、健康維持に貢献しています。ですから、肝臓を傷めたら、一挙に体が弱ります。

肝臓は、一番大きな臓器で、体重の約５０分の１くらいの重さで、１ｋｇから１．５ｋｇ重さがあります。心臓と肺と同様肋骨で守られています。肝臓を英語で "Liver" と言いますが、Life（生命）と同じ語源と言われます。昔から、肝臓は「生命」と考えられていました。

その働きは、多く常に、生きるため黙って活動しています。

その働きの内容は
＠物質の代謝
　消化器官で消化・吸収された食物を、何百種類もの酵素の働きで、取り込んだ栄養素の
　分解や再合成します。代謝された栄養素を血中に放出したり、肝臓に蓄えられたりします。
　ブドウ糖の一部はグリコーゲンという形で肝臓に蓄えます。そして、必要に応じて、
　ブドウ糖に戻し、エネルギーとして、体内に放出し、エネルギー補給します。運動中、
　何も食べないでも長時間活動出来るのも、肝臓のお蔭です。また、その放出量によって、
　血糖値も調整しています。またアミノ酸からさまざまなたんぱく質も合成しています。
　また、余ったアミノ酸は分解され、窒素酸化物から、アンモニアに変え、最後、尿素として
　排出します。
＠ビタミンの合成
　油に溶けるビタミンA、Dの合成にも深く関わっています。鮫の肝臓からとった「肝油」には
　ビタミンAが多く含まれています。鶏、豚、牛などのレバーも、多くの種類のビタミンを含んで
　いるので「栄養の宝庫」と言われています。
＠解毒
　肝臓には、門脈を通して栄養素以外に、食品添加物や薬、細菌なども入って来ます。
　肝臓はこれらを分解して解毒します。薬も、不要になった物質が分解され排出されないと
　体に害を与えます。アルコールも肝臓の酵素の働きで、アセトアルデヒドに変え、更に
　酢酸に変え、最終的に、水、二酸化炭素に変え、体外に放出します。お酒を飲んで健康に
　過ごせるのも肝臓のお陰です。他にも老廃物を絶えず処理しています。肝臓は老化予防にも
　貢献しています。
＠胆汁の生成
　肝臓は脂肪の消化・吸収を助ける働きをする胆汁を生成しています。胆汁は、胆管に分泌され、
　胆嚢に溜め濃縮されて、十二指腸で膵液とともに脂肪の分解を助けています。
＠血液の貯蔵
　体の中には体重の１３分の１に相当する量の血液があります。体重６５ｋｇの人なら、
　５リットル程度の血液量となります。肝臓にはこの１０％に相当する０．５リットルの血液が
　含まれます。肝臓は延び縮み出来るので０．５〜１．０リットルの血液を貯めておくことが
　出来ます。そのため、食後に胃腸で血液が必要になった場合や、出血した時に、血液を補給する
　役目をします。

これ以外にも肝臓は元気に生きるため、見えない所で黙々と仕事をしています。普段、意識していませんが、この肝臓の働きは、忘年会の時期、重要になります。仲間に、お世話になった感謝をしますが、自分の内臓、特に「肝臓」にも感謝する時を持つ時も必要です。感情、考えは生き物に影響を与えますから、肝臓に感謝する事は、肝臓の働きに良い影響があるのでは・・と思います。

肝臓を労わる行動は、暴飲暴食を避け、時々休めてやる事です。
忘年会の季節ですが、時々休肝日を設け休ませましょう。



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