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2021年02月07日

運営管理 〜工程管理〜




工程管理は生産計画と生産統制からなる。
生産統制

生産統制は、進度管理、現品管理、余力管理、資料管理の4つの機能から構成される。生産計画どおりに生産を実施するように管理する活動である。作業手配として作業計画に基づき作業に必要な図面や道具を準備し作業者に作業指示を行う。作業内容を記述した「作業票」などを使用する。
進度管理/進捗管理

仕事の進行状況を日次単位で把握し、計画通りの工程を維持できるよう進行状況に応じて調整を行う。流動数グラフは前工程からの仕掛品の累積受け入れ数量と次工程への累積払い出し数量を時間経過で比較し、その差から仕掛品の在庫量や停滞期間などを把握して進度管理を行うものである。また、製品工程分析表は、完成品に変化する工程の流れを、加工、運搬、検査および停滞を表す工程図記号で記述し、製品の流れや時間の問題点を発見するものである。
現品管理

「資材、仕掛品、製品などの物について運搬・移動や停滞・保管の状況を管理する活動。(備考)現品の経済的な処理と数量、所在の確実な把握を目的とする。現物管理ともいう。」(JIS Z 8141-4102)と定義されている。
現品管理は、資材、仕掛品、製品などの物について運搬・移動や停滞・保管の状況を管理する活動である。
具体的には、材料や外注品の運搬や移動に関する活動、倉庫に保管されている物品の受け払いに関する活動、納入時における物品の数量の過不足を確認する活動、などが挙げられる。工場内で保有している原材料や部品、製品などの品物の状態を適正に管理することである。現品管理をしっかり行うことで、原材料や部品、製品などの数量を正確に把握できるだけでなく、現品を探す手間の削減や過不足のない資材発注が行える、デッドストックが明確になる等のメリットがある。品質の維持も、現品管理の目的の1つである。生産計画にしたがって、必要な量を必要な場所に的確に管理・維持することで、不要な在庫を保持することが避けられ、材料の腐敗・腐食などによる品質劣化を防止することができる。
余力管理

余力管理とは、工数計画による仕事量と、日程計画による納期までの具体的な仕事量を比較し、バランスのとれた日程計画を作成することである。すなわち、余力管理によって、人員や機械設備の能力と作業負荷のバランスを図り、求められる仕事量と日程計画上の仕事量を比較して、生産能力の過不足状況を把握し対策をとることである。余力とは能力-負荷であり、マイナスの余力は、生産能力の不足を意味する。このため、残業対応、作業員の増強、外注の利用や設備の増強などの対策が必要となる。
資源管理

事後処理

@毎日の生産実績を記録して集計する
A生産実績を生産統制の手段として活用する
B関係部門へ報告する
生産計画

生産計画における要素別計画は、生産に必要な要素を対象とする計画で、「手順計画」、「工数計画」、「日程計画」に分類される。
手順計画

手順計画とは製品を生産するにあたり、その製品の設計情報から必要作業、工程順序、作業条件を決める活動のことで、顧客や設計部門から提示された仕様書や設計図などから、設計仕様、作業方法、治工具などを決める活動のことである。手順計画は、要素別計画において工数計画の前提として先行策定されるものであるため、工数計画の余力管理とは直接関係がない。
工数計画

工数計画とは一定の期間内に生産する製品の納期や生産量から負荷を計算し、それを現有の人員や機械の能力と比較し、余力(=能力-負荷)が最小になるように人員や機械の能力と負荷を調整する活動のことである。
日程計画

日程計画は「生産量と生産時期に関する計画」(JIS Z8141-3302)と定義されており、工場における製品や部品の生産量と生産時期を定める計画である。日程計画は、計画を行う期間別に、大日程計画、中日程計画、小日程計画に分類することができ、大日程計画、中日程計画、小日程計画の順番に生産計画を立案する。

<小日程計画>
作業者や機械などの稼働率の最大化、仕掛在庫量の最小化、生産リードタイムの最小化、納期遅れの最小化などの目的を達成するために作成される。小日程計画は、1日、1週間、10日など直近の期間を対象とし、中日程計画を踏まえつつ、生産量・受注量の確定した個別の製品・部品に対し、それぞれをいつ、どの工程のどの機械で、だれが加工・処理するのかを、時間単位など、具体的にかつ詳細にスケジュールする。

<中日程計画>
月度生産計画とも呼ばれ、大日程計画で示された月別の生産計画を週単位の部門別の生産計画に展開するなど、各製品・部品をいつ、どれだけ生産するかを定めるものである。中日程計画によって、材料や部品の所要量やその期間が明らかとなり、必要とされる作業者数や設備使用計画などを確定させることができる。

<大日程計画>
将来必要とされる設備能力、作業者数、資材量などを算定するために作成される。大日程計画は、比較的長期間、例えば半年や1年を対象とし、経営の方向性やマスタープラン、長期的な販売・受注予測、設備生産能力、人員計画などを考慮に入れたうえで、月別の生産量を大まかに決めるものである。
生産管理用語

スループット

スループットは、システムに入ってから出るまでにかかる「量」のことである。
生産性

生産性は投入する量に対する産出量の比で、産出量÷投入量で表す。通常、分子には生産量、生産金額または付加価値を用いる。また、分母には労働量を用いることが多いが、投下資本・設備・原材料などの諸量を用いることもある。
工数

工数とは「仕事量の全体を表す尺度で、仕事を1人の作業者で遂行するのに要する時間」のことをいう。また、作業時間とは「各ステーションに割り付けられた要素時間の総和(JIS Z 8141-1229)」のことであり、作業量とは「作業密度と作業時間の積(JIS Z 8141-5310)」のことである。生産に関する負荷の単位の1つである「工数」は、人・時や人・日などの単位で記述される。一般には仕事量に要する人数と時間の積で表す。作業能力を表すために用いることもある。このため、仕事量や生産能力を算定する原単位として作業時間や作業量が用いられる。
歩留り

歩留りは投入された主原材料の量と、その主原材料から実際に産出された品物の量との比率で、算出された品物の量÷投入された主原料の量×100(%)で表す。収率と呼ぶこともある。
稼働率

人または機械における有効稼働時間を、就業時間または拘束時間で除したものである。
生産リードタイム

生産の着手時期から完了時期に至るまでの期間である。
顧客リードタイム(納品リードタイム・注文リードタイム)

顧客が注文してからその製品を手にするまでの時間である。
直行率

初工程から最終工程まで、手直しや手戻りなどがなく順調に通過した品物の生産数量を、工程に投入した品物の数量で除したものである。
MTTR(MeanTimeToRepair)

平均修理時間のことであり、故障が生じたときに修理して稼働を再開するまでにどのくらいの時間がかかるかを表す。したがって、MTTRの値が小さいほど保守が良好に行われていることになる。
MTBF(Mean Time Between Failures)

平均故障間隔のことであり、何時間に1度故障するかを表す。したがって、MTBFの値が大きいことは故障が生じにくいことになり信頼性が高いことになる。
生産計画の緩衝機能

物による緩衝

@資材在庫:納品遅れや納品不良、納品不足の発生による変動を吸収する
A製品在庫:需要変動によって在庫不足を生ずる損失を防ぐ
B仕掛在庫:加工不良、納品不良などの変動を吸収する
能力による緩衝

@追加工:生産数の変更、加工不良が出た場合に備える
A余力の能力:機械の故障などが発生した場合に備える
B余力のスペース:保管スペース不足に対応する
C残業・外注などによる余力能力:工程能力をオーバーする負荷量を吸収し、受注量変動を次工程に影響させない
D作業域の余裕:各工程の加工時間の変動を吸収する
時間による緩衝

@納期余裕:資材納入において納入遅れの変動がある場合に対応する
Aリードタイムや計画期間の長さの変化:個別生産で品種変動や納期変動を吸収する
B計画余裕:実施計画通り作業完了が可能となるようにする
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