2015年05月27日
落馬防止の最高の“お守り”とは?
騎手時代の話です。
(…あ、一応私「元騎手」です<^^;)
まだデビューして間もない頃、
調教時に騎乗した馬が、
少し興奮気味でバタバタする、
そんな時、
引きつり顔の僕を見て、
あるベテラン厩務員さんは毎回こう言っていました。
「はは、
大丈夫だ、
『上』には落ちねぇから」
・・・
ほうほう、なるほど、
『上』に落ちたら、
そのまま宇宙に行ってしまって?
大変だ、
でも、
下に落ちれば、
ちょっと痛いけど?
地面で止まるから、
大丈夫か。
って納得できるかい!(-o-;
ってそんなノリツッコミも出来ないから、
しかたなく苦笑いを浮かべて、
そのまま渋々、調教コースへと出て行くのでした・・・(^-^;
でも、今考えると、
この
「大丈夫だ、
『上』には落ちねぇから」
って、とても大事だったと思う。
いや、「上に落ちない」事が大事なのではなく、
この
「ちょっとふざけたやり取り=『冗談』」
が大事だったのだと思う。
緊張していたり、
「この馬、次にどんな動きするんだろう…」
と構えていたりすると、
体が硬くなり、
逆に、とっさの動きに反応できなかったりする。
(周囲の出来事にも対応出来なくなったりする。)
でも、
(本当につまらない話しでも(^^;)
「冗談」を言ったり聞いたりする事で、
緊張している気持ちがほぐれる。
気持ちに「ゆとり」が出来ると、
体の硬さもほぐれ、
馬のとっさの動きに対応出来たりする。
(ベテラン厩務員さんは、それを求めていたのだと思う。)
騎乗の際に緊張した時は、
「冗談」を言ったり聞いたりしてみよう。
「冗談」を言ったり聞いたりするためには、
「ゆとり」が必要だし、
「冗談」を言ったり聞いたりすることで、
「ゆとり」が出来て、
馬の動きにも対応出来るようになる。
そして、
出来れば「笑顔」を作ってみると良い。
「苦笑い」でも「作り笑い」でも良いと思う。
「その笑顔、なんか可笑しいよ」
と、周りの人に言われればもっと良いと思う(^-^)
今度馬に乗って少し緊張した時は、
試しに、自分に言い聞かせてみよう。
「大丈夫、
『上』には落ちないから(^-^:」
って。
落馬防止の最高の“お守り”は、
意外とこんな
「くだらない冗談」
なのかもしれないですね(^-^)
タグ:乗馬,落馬
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