トラ・ドラ・グル

今回の沖縄旅行では、現地の人の良さに触れた気がした。
都会で暮らす人のようにあくせくした人がいないし、素朴だし、人情があるような気がした。
そんなエピソードを一つお話します。

私たちは、ホテルでは夕食を付けず、外に出て食事をしています。
ホテルの人も心得たもので、「ホテルの近くで美味しいお店はないですか」と尋ねると
嫌な顔一つせず、ホテル近郊のマップを出して、いくつか紹介してくれます。

そこで紹介いただいたお店での話です。（場所は、名護市です）
地元でも人気のお店らしく、店内は混んでいて、入店待ちしているお店でした。
（土曜日ということもあったのかもしれません）
レンタカーで出かけましたが、駐車場が分からずに、嫁さんに車から出てもらって、
お店に聞いてもらいました。
店先は一杯なので、少し離れた所にある駐車場を説明していただいていたところ
食事を終えたお客さん（おじさん）が、「うちがこれから車を出すので。そこに止めたら良いよ」と
声をかけていただきました。
遠くに置く必要がなくなったので、嫁さんがお礼を言いながら、おじさんと一緒にお店から出てきて
おじさんの車の前で待つことになりました。
おじさんは、運転手でなかったようで、「３分で出るよ」といいながら、運転をする家族を待って
います。嫁さんもおじさんの車の隣で待つことになりました。
一方、私は車に乗ったままハザードランプを点けて近くに停車して待ちました。
３分と言われたものの、なかなか運転手が出てきません。待つこと７〜８分したら、
ようやくおじさんの奥さんが出てこられました。
おじさんが、この人（私たち）が車を駐車するので早く出してあげなさいと奥さんに
催促してくれたのですが、奥さんは車のキーは持っていないとのこと。
奥さんが店に戻ってしばらくすると、娘さんと一緒に出てきて、ようやく車を出してもらえる
ことになりました。
おじさんが嫁さんと一緒に待っている時間が長く感じられましたが、途中で「別の所に置きますから
結構です」とも言えず、親切な申し出を受けたのは良かったのですが、少しいらいらしました。
おじさんの奥さんと娘さんがなかなか出て来られなかった理由はわかりません。
店が繁盛していたので、会計の順番待ちだったのか、馴染みの店で店員さんと話し込んでいたのか
今となっては分かる術がありません。
でも、ゆったりしていることと、おじさんの好意は有難く、怨む気は毛頭ありません。

ちなみに、レンタカーを駐車するまでの間、ぞくぞくと他のお客さんが店内に入って行きます。
ファミリーレストランのように、順番待ちの名前を書くシステムではありませんでした。
嫁さんも私も店内で待つことが出来ず、後から来るお客さんに抜かされているのではと
焦りましたが、店の方も良い人で、嫁さんが駐車場の相談をした際に、ちゃんと席を取っていて
いただいていました。（おしぼりまで置いてくれていました）
ここでも、沖縄の人は良い人が多いと感じた場面でした。
（実は、この旅行の前に、伊豆で食事をした際に、順番待ちのリストに名前を記載して待っていたのですが
ちょっと、車に荷物を取りに行ったことで、店先で待ってなかったからといって、順番を抜かされた嫌な
経験がありました。人気店だったようですが、そのことで気分を害し、結局食事をしませんでしたが、
そのことがあっただけに、今回は余計に感激しました。）

さらに、ほのぼのとした光景は続きます。
店内ではカウンター席でした。近くに男性の老人と隣にお母さんと20代と思われる娘さんが座っていました。
男性が気さくにお母さんと話されています。お母さんは敬語で話されているので、親戚関係かなと思っていました。また、娘さんが一向に話に入らないが少し気になっていました。
どういう関係かなと勝手に想像をめぐらしていると、男性が「じゃ」と言って、会計をして出て
行かれました。
まったくの赤の他人で、たまたま席がとなりだったので、男性が話しかけていたようです。
男性とお母さんとの会話は自然だったの関係がある人達だと思っていたら、赤の他人だったというのは
結構笑えました。
ほのぼのとしていると思いませんか。

そんなこんなで都会では味わえない気持ちになりました。