借金生活２０００

任意整理をしてから初めて滞納をしてしまった
でも、消費者金融から電話はない
弁護士からも電話はない
早く払ってしまいたい
給料日まではあと11日もある
パチンコをする金もない
所持金1250円
食べる物はラーメンの5袋パックが山ほどあるので心配なかった
ただ、タバコがあと4箱しか買えない
仕事の休憩時間はどうしてもタバコに頼ってしまう
私は仕事の時間よりも無駄に長い休憩時間のほうが嫌いであった
金が無くなると金のありがたさがよくわかる
しかし給料日がくると全て忘れたかのように
たぶんパチンコに行ってしまうであろう
いつから私はパチンコ依存症になったのか？
借金の支払いが多くなるにつれて
本当にパチンコがやめられなくなってしまった

月末の支払いの金が足りない
仕事をしている時も気になってしょうがない
ようするに勝てばいいんだ
勝てば一瞬にして解決する
借金の返済額が給料でやりくりできなくなると
なぜ勝負してしまうんだろう
よくよく考えると
借金をしているところに頭を下げる
本当はそれしか方法はないのだが
ギャンブルで1回でも乗り切ってしまうと
どうしてもその可能性にかけたくなる
余裕がある時にする勝負と追い詰められてする勝負では
追い詰められてする勝負は圧倒的不利であると思う
私は支払い日が近ければ近いほど
負ける可能性が高いような気がする
とにかく勝負しなければ、どうにかしなければという気持ちが
全体的に設定が入ってなさそうでも、釘が悪そうでも
明日を待たずに、店を変えずに
一番マシかなくらいのレベルで勝負してしまう
早く結果を出したい、早く安心したいという焦りなのであろうか
結局パチンコ屋にいってしまい
さらに泥沼化してしまった
早くこの悪循環を断ち切らなければいけない

土曜日の夕方仕事が終わり
また家に帰り、明日はまた何もせずに終わるのだろう
何もしないでただ家にいればいいだけなのに
なぜそれを苦痛に思ってしまうのだろう
Oさん）何時に待ち合わせにするの
職場で人気のあるOさんが楽しそうにしゃべっている
どうやら今日は飲み会らしい
5人くらいでどこに行こうかなどと楽しそうに話している
ああ、私には無関係な事だ
正直うらやましい、さぞかし楽しい事でしょう
うらやましいなあ
いやなんか悔しい、悔しい悔しい
帰ってビールを飲みテレビでも見ればいいのに
なぜかパチンコ屋に一直線
気晴らしに1万円だけ勝負する事にした
どうせ歯止めがきかなくなるだろうに
と思っていたら押忍番長で3千円でかかった
気付けば2800枚出ていた
最高に気分がよかった
飲み会も楽しいだろうが、私はもっと楽しい気分だ
しばらく滞納していたドコモの請求書を家に取りに帰り
コンビ二で支払いビールと弁当とちょっと高めのチーズと
とにかくいっぱい買った久しぶりの贅沢である
所持金8万3千円
ちょっと余裕ができた今月は安心である
翌朝起きてやっぱり暇だったので
1万5千円だけ持って勝負に行った
2時間後には家に帰っていた、金を取りに来たのである
結局6万近く負けた
何回同じ事をやったら気がすむのか
今月の支払いもできない状況になってしまった
なんで昨日の時点でやめなかったんだろう
はっきり言って借金はほぼ全部パチンコで作ったと言っていい
それでもまだパチンコに行ってしまう
負けるではなく使うという事にまだ気付いていないのでした

早く給料日にならないかな
手元にはまだ5万円ある
だが、支払いなどを考えるとギリギリである
審査が柔軟な会社に電話してみた
バルファイナンス、ケンファイナンス
北海道キャネット、ハローハッピーなどなど
任意整理して仕事も変わったばかり
そんな状況で審査は通るわけがなかった
次の給料日までなんとか乗り切るんだ
そう考えながら日曜日を1日中テレビを見て過ごしている
こんな生活楽しくもなんともない
家も無く金もほとんどない生活を2ヶ月もしたのに
まだ全然懲りてないのである
世の中からギャンブルとキャッシングがもし無くなれば
そんな発想も無くなるかもしれないのに
タバコだってそうだ
1箱2000円くらいだったらさすがに買う気も失せるのに
売る場所は病院限定にして難しい書類を書かないと
購入できないようにすればいいのに
いつからこんな弱い人間になったんだろう
積み上げてきた物はギャンブルで
ことごとく破壊してきたからなのかもしれない
1ヶ月頑張って働いた金を一瞬で持っていかれるということは
非常に苦痛で、努力を無意味にしてしまう
たぶんある一定の負け額を超えてしまうと
もう後には引けなくなる
13万の貯金が残り5万になって
就職活動を決意できなかった
生活できなくなる限界ラインを見失ってはいけない

新しい職場に入って1週間が経った
今のところ仕事も人間関係も良好である
ただもう少しするといろんな人間模様が見えてくるであろうから
気疲れする事になるでしょう
八方美人でもダメ、我が強すぎてもダメ
難しいのである
でもその職場で生き残りたいなら
本当は我が強いフリをした方がきっと有利な気がする
新人の賞味期限はもって2週間であろう
100万くらいあればなあとやっぱり考えてしまう
普通に仕事をして無駄遣いしなければ
2ヶ月後には給料の範囲内で生活できる計算である
ただそれができる自信は無かった
最近部屋を暗くして寝れなくなった
いろいろと考えてしまうのである
なぜ地球ができたのかとか自分は何者なのかとか
単に寂しいだけなのかもしれないけれど
借金をする根本はここにあるのかもしれない
いや、一人で寝る習慣がしばらくなかったから
その反動なのかもしれない
なぜだろうホームレスをして心は強くなったはずなのに
パチスロをしすぎて刺激のない生活は退屈になったのか？
そうかもしれない

ようやく自分の住むとこができた
ホームレスの生活をして2ヶ月が経っていた
10万貯めるというのは相当大変なことであった
電車での生活は1週間が限界で
また漫画喫茶に寝泊りしていたので
交通費なども余計にかかって1日6千円残ればいいほうであった
月々の支払いもしなければいけないし
1週間に1回ビジネスホテルに泊まっていたのも
結構大きな出費だった
2ヶ月もかかってしまったが
住むところがあるというのは本当にありがたい
キッチンがある、風呂がある、貴重品をしまう場所がある
明日から新しい職場なのでさっさとゴハンを済まして寝ることにした
ただ給料はそんなに高くなかった
寮費を差し引くと手取り13か14万くらいである
この手取りでちゃんと生活していかなければならない
たぶん私は仕事が生きがいの人間ではないと思う
給料の範囲内で生活できても
毎日仕事へ行って家に帰っての繰り返しだけでは
絶対嫌だと思ってしまう
あれだけ惨めな思いをしたのに
人間というものはなかなか変わるものではないらしい
彼女でもできればいいのだが
高校で初めて彼女が出来て以来
もう6年くらい彼女がいない
その原因は顔が薄いのと髪がもっさりしているせいであろう
特に髪型には自信がなかった
お世辞にも今風ではなく、昭和のにおいをかもしだしている
美容室なんか行きたくても敷居が高くて行けないのである
ああ、やっぱりお金が欲しいなあ

食っていくために働いている
昔、誰かがそんな事を言っていたような気がする
そんな大げさななんて思っていたが実際はそうである
平和ボケしていたのであろうか
お金を手に入れる手段とは基本働く事だけである
そんな事に今更気付いていた
遊んで暮らす事はできないのである
寮付きの仕事につこうと思い
フルキャストで夜勤の仕事につくことにした
寮付きの仕事は前借は月3万円までらしい
支払いを考えると最低でも10万は必要だ
滋賀県のペットボトルの工場で働いた日給約1万円と結構よかった
そして思わぬところで寝るところを見つけた
帰りの電車でたびたび寝過ごしていた私は
時間が何時間たとうと目的地の駅で降りれば
料金はそのままだという事を知っていた
1週間くらいずっと仕事を終わると電車で寝た
3日に1回は野洲駅のすぐ近くの銭湯で風呂はなんとかなった
1日8500円くらい貯金した
人間やればできるらしい

なんとか1日が終わった
職場へ着いたのは9時10分
日払いが欲しいがために
事情を全て話し土下座して謝ったところ
なんと遅刻扱いにはならなかった
関西の人は情に熱い！
ありがとうございます！
仕事がやっとの事で終わった
とりあえず、ものすごく眠いのと
食事を昨日のマックから食べてなかったので
足が異常に重たかった
眠い、とにかく眠い
明日は仕事を休むので日払いが貰える
今日1日我慢すればいいんだ
とは思ったものも午前1時を回ったくらいで体力が尽きた
眠たくて眠たくて眠たいのである
閉店しているガソリンスタンドがあった
なんか寝れそうな気がして洗車機の陰に横になった
借金をして取って食われるような事はないと思ってたが
今日だけはわからない
とにかく貴重品が不安である
横になったと思ったら朝になっていた
熟睡していた、太陽の光がさわやかである
まだガソリンスタンドには人が来てなかった
すぐにその場を去り、コンビニで時間を潰した
そして、待ちに待った日払いを貰った
今まで6千円なんてと思ってたが
同じ6千円とは思えないくらい嬉しかった
すぐにコンビニに行ってとりあえず麦茶を買った
これがうまい！
なんてうまいんだろう
とにかく漫画喫茶に今日は泊まれるぞ
その夜、漫画喫茶で履歴書を5枚書いた
やっと決意が固まったのでした

漫画喫茶の生活は疲れる
とにかく足を伸ばして寝たかった
風呂にゆっくりとつかりたかった
ビジネスホテルに泊まりたいという欲望が
抑えきれなくなっていた
一度頭によぎってしまうと
私は我慢できるタイプではなかった
仕事の終わる前には
今夜はビジネスホテルに泊まろうと決めていた
所持金は6300円
しかし、日払いなので1万2千円になった
ただ漫画喫茶の1500円に比べると高い
やはり、もったいない気がした
でもどうしても泊まりたいのである
やめておけばいいのに
パチンコ屋へと行ってしまった
わずか20分くらいで終了
所持金530円
午後7時半に街の中で帰るところがないという状況は
かなり絶望的であった
とりあえずマックに行くことにした
午前1時頃まで粘ったが
そういう時に限って寝れないし
周りの目が気になってしょうがなかった
結局朝6時半までコンビニで立ち読みしていた
眠くてしょうがなかった、足が棒である
そして、今から仕事である
昔、お金がなくてわざと刑務所に入る人がいると聞いた事があるが
私も今そんな気持ちだった
ただ悪い事はきらいだったので
電車の自動改札機にキップを入れずにそのまま通過し
捕まえてくれないかと考えたが
しかし、私にそんな勇気はなかった
とにかく仕事に行かなければならない
帰りの電車賃はなかった
日払いの受付時間には絶対間に合わない
という事は今日も野宿である
しかも金はまったくない
しかし、電車に乗り職場へ向かう途中に奇跡が起きた
パチスロで大勝ちしたのである
なぜそんな事が起きたのか？
そう、夢である
うぎゃああああ！
電車で熟睡してしまった
時間は7時40分まず100％間に合わない
どうする？どうする？
おい、どうするんだ！

漫画喫茶の生活は長く続いた
所持金は常に1万円あるかないかくらいだ
やっと毎日仕事がもらえるようになった
フルキャストで象印の工場を紹介してもらった
ただ1日給料6千円くらいで交通費も出ない
毎日漫画喫茶で暮らしていた私には厳しかった
金はぜんぜん貯まらなかった
寮に入れる仕事を探さなければいけないとこだが
象印は私に合っていた、そんなに厳しい職場ではなかった
仕事を変える事を恐れていた
しかし、この生活は疲れる
漫画喫茶がナイトパック受付の時間になるまで
どこかで時間をつぶさなければならない
同じ場所で何時間も時間をつぶすのはものすごいストレスが溜まる
私のお決まりのコースはコンビニで立ち読み
その後にマック次はまた違うコンビニでといった感じである
家がないといろいろと問題があった
まず風呂である
最近の漫画喫茶はシャワーがついているおかげでそれはなんとかなった
下着は靴下以外すべて捨て
シャツとパンツは2日に1回100円ショップで買うことにした
あと貴重品など常に持ち歩くのもストレスであった
紙袋は中身が見えるので
980円のさえないリュックサックを買った
黒と青のセンスのない色使いに英語でNEXT STAGEと書いてある
でも言葉が前向きだったので少し気に入ったのである
仕事に行くときは駅のコインロッカーに預けた
1日300円も毎日だと非常にもったいなく感じる
早くこの生活を抜け出さなければ
自分では全くその気はなかったが
気付けばホームレスになっていた