借金生活２０００

今日は飲み会である
仕事が終わってから飲み会までまだだいぶ時間があった
職場で一番仲のいいkさんと街をブラブラとしていた
kさん）時間あるからパチンコでも行かね？
私）パチンコ屋はもう絶対いかないって決めたんでマックでも行きませんか？
kさん）あんまり腹減ってないんだよな、じゃあボートピア行かね？
私）ボートピアですか？ボートって競艇でしたっけ？
kさん）そうそう競艇、日本で一番勝てる博打
kさん）スタートして即効勝負決まるんだけど、慣れるとそれがまたいいんだよ
私）スタートして即効勝負決まるんですか？
kさん）即効で8割がた決まるね、あと1から6まで6艇いるんだけど1が圧倒的に有利なんだよ
とりあえずちょっと興味がわいたのと、どうせ行く所がなかったので行くことにした
ボートピアに初めて入ったが
なんというかおっさん、おじいさんばっかりである
場内は閑散としていて一攫千金が出そうな気配は感じられない
モニターにはオッズが表示されていた
1-2 3.5 1-3 6.2 1-4 5.6 1-5 8.3 1-6 17.6
とにかくオッズが安いせっかく当ててもたいしたお金にはならない
レースを見て思ったのはやっぱり圧倒的に1が強い5,6はあまり勝てそうにない
kさんは4や5から買っている
4-1 3千円　　5-1　3千円　　みたいな感じである
2レース終わって1万2千円負けたらしい
私）大丈夫ですか？
kさん）2万負けたら帰るわ
次のレース最初のコーナーを曲がって4が先頭に立った
kさんが来たんじゃね？来たんじゃね？と興奮している
次のコーナーを曲がるとだいぶ差が開いて先頭から4-1-3の順番である
kさんの舟券を見ると4-1　3000 と書いてあるこのまま行くと当たりである
次のコーナーを曲がると3が一瞬抜いたと思ったが大きく後退した
そのまま勝負は決まりkさんは見事的中させた
さっき舟券を買ったところに当たった舟券を戻すと
ガサッと大量の紙幣が出てきた
私）えっ？いくら当たったんですか？
kさん）35倍だから約10万
競艇の一撃はすさまじい・・・・・・
それから飲み会に行きkさんは熱く競艇の話を語り始めた
パチンコとは比べものにならないほど勝てる可能性は高いらしい
競艇のことが相当気になっていた
ギャンブルに手を出すとロクな事にならないとわかっていながら

何か物足りなかった
目標が無くなり節約にもいまいち身がはいらない
残り10万をきった時なんかは
休憩中のジュースやタバコももったいないと思うほど
節約魂に火がついていた
いざ全部返済すると120円くらい節約しなくてもいいじゃないかと思ってしまうようになっていた
缶ジュース1本でも毎日飲んだら43800円
タバコを毎日1箱吸ったら150000円
日々の何気ない節約は1年で考えると効果は絶大であることは身にしみてわかっていた
生活はものすごい楽になった
ちょっとくらい贅沢してもなんて事はない十分金は残る
最近仕事の帰りにコンビニで買い物をするクセがついてきた
酒のつまみにチーズ、からあげ君などついつい買ってしまう
しかし、パチンコに行ったりしないでそれくらいの無駄遣いなら十分金は残る
給料の範囲内でやりくりできるのなら全く問題はないのだが
金銭感覚に対する意識が甘くなっていることが少し気になっていた
金銭感覚を見失えば、給料の範囲内で生活などたちまち出来なくなるに決まっている
なにか目標を見つけなければ

これから私はどうするべきか？
やっと借金を完済してスタート地点に立った
このまま仕事を続ければ順調に貯金は貯まるだろう
1ヶ月5万円なら1年で60万
頑張って1ヶ月8万なら96万円
借金であっという間に50万円という金は作れたが
いざ自分で50万作るというのは途方もなく大変だ
とりあえず仕事をやめても1ヶ月生き延びれる20万円は作ろうと思っても
50万、100万を作ろうと思うとなんだかすごく大変に思えた
今まで貯金グセがないせいであろう
そんなに貯金してどうするんだ？などとも思っていた
今さらそんなに金をいっぱい使って遊びたいとも思わなかったし
だからといって100万も200万も貯金が欲しいとも思っていなかった
なんか目標が無くなって非常にフワフワしている
それと仕事をやめて2、3ヶ月ゆっくりしたいとも思っていた
なんだろう？やはり緊張感がなくなってしまったのか
この状況はあんまりよくない
しかし、いまいち自分でどうしたいのかがわかっていなかった

2009年3月20日私はついに借金を完済した
ものすごく嬉しいというわけでもなかった
来月から今まで返済していたお金を
どう使おうかそれとも貯金しようか迷っていた
いざ借金を返してしまうと少し緊張感が抜けたのかもしれない
20万くらい貯金を作って仕事を辞めてしまおうかなんて思ったりもしていた
しかし借金が0になった事は非常に大きい
来月から支払う物は家賃、携帯、食費くらいのものである
借金100万をきったくらいの時が一番嬉しかったし
そこで絶対返せると確信していた
タバコもパチスロも借金グセも似ているのかもしれない
最初はやめようと思っていても夢でみてしまうほど心に残っている
心のどこかに残っていると
思い出すたびに我慢するのが苦痛になる
これからタバコもパチスロもやめてずーっと退屈な日々を過ごすのか
気が遠くなるほど退屈だ
でもパチスロは確実に金銭感覚をダメにする
財布が空になるまで金を使い、住むとこまで失うことになる
タバコも確実に体をダメにする
胃はムカムカするし、吸いすぎると頭がしびれてくる
最近は寝るときに息苦しくさえなってきた
どんなにパチンコ屋に行きたくなっても、タバコを吸いたくなっても
パチンコ屋にさえ入らなければいい、タバコに火さえつけなければいい
何かしなければいけないわけじゃない、何もしなければいい
簡単ではないが、気持ちがしっかりしていれば誰でも100％できる
何もしなければいいだけである
いつからだろうか興味が薄れてきたのである
他に楽しみはいっぱいある
逆にタバコやパチスロのない生活の方がよっぽど楽しみがいっぱいある

とにかく金というものは油断するとあっという間になくなる
そのくせ貯めるにはものすごい苦労する
いっぱい持っていればものすごい楽しい生活ができる
好きな物を食べ、好きな車を買い、仕事などせず遊べばいい
そんなイメージが強すぎるのだろうか
実際は毎日生きていくために必要な物で
生活していくには何をするにしてもお金がかかる
1万円を机の上に何枚も並べてみると
非常に嬉しい気持ちになる、これが何百枚あればなあ・・・・・
生活に余裕がある人にはなんでもできる魔法の紙だが
家に住むのにも、電車や車でどこかへ移動するのにも必ず必要な紙でもある
やっかいな事にこの紙を手にいれるには働かなければいけない
朝早く起きて、嫌いなやつにわざわざ会いに行き
ものすごい面倒くさい事をやらされて、その上文句まで言われなければならない
生きていくためには基本働かなければいけない
遊んで暮らす事はできないのである
もし働いてないのなら
もしその状態でお金がないのなら
もう自分の力ではどうする事もできない
誰かに助けてもらうしかないのである
100円や200円を貸してくれる人はいるかもしれないが
何万円もの大金を貸してくれる人は
たぶん貸金業者か自分の親くらいである

今考えてみると最初の月の支払いは3千円
それがいつの間にか月7万から8万円
クレジットカードなどの返済がある人はもっと悲惨だろう
借金をする＝一瞬で大金を手にする事ができる
これは魔法であり、一度体験すると
麻薬とまでは言わないがクセになる事は目に見えていた
最初は全然平気であった
月にたった3千円でいいの？
月に2万円か、まあまだ全然大丈夫
月に5万円か、生活切り詰めれば大丈夫だろ
どこかで生活できなくなるかもしれないと感じた時があったはずだ
そこが自分の限界ラインであり
その時点で借金を返すだけの生活をしなければいけない
しかしギャンブルで借金を作ってしまうと
どこからも借りれない、軍資金がない、生活ができない
そういう状況まで行き着かないとやめる事ができないのかもしれない
いつの間にかその月の支払いをどう乗り切るか
そんな事にばかり頭を悩ませる事になる
月の手取りが17万くらいなら借金100万円くらいが限界ラインなのかもしれない
それが月収17万で借金200万円くらいあろうものなら相当な苦労をしなければいけない
もし借金200万円をすんなり返せるなら
その人はたぶんギャンブルをしていない人だと思う
パチンコでは絶対ムリだと思うが
競馬、競輪なら10人に1人や2人は一気にまくって返した人もいるであろう
ただ現実というのは非常に厳しい
でかい額を賭けて負けたら一瞬にして大金を失うのである
自分の予想と結果が近ければ近いほど傷口は大きいのである

コンビニで買う120円のジュースが
ホームセンターで買うと78円
スーパーで普段売っている380円の弁当が
9時を回ると190円
節約になれてくるともっともっと得をしたくなる
ギャンブルをしている時は1日に何万と勝ったり負けたりしていたので
そんな事は無意味にさえ感じていたが
今は1日の出費を減らして少しでも多く借金を返す
それがものすごく楽しく感じるようになっていた
先月の私の食費は33680円
大好きな酒も飲んでいるのにだいぶ安く収まった事に大満足していた
最近パチンコに行きたいとも思わなくなってきた
普段の生活で満足できるようになっていた
たまに物足りないと思う時もあるが
私は毎日の金トレによって
昔だったら誘惑されてお金を使ってしまいそうな事でも
頑丈なボディーでブロックできるようになった
あともう少しである
今は借金が増える気は全くしなかった
それより1ヶ月でも早く返してしまいたい
この時私は借金を返すのが一番の生きがいであった
毎日がものすごい充実していた

ついに借金残り100万円をきった
ここまでくると気持ちもだいぶ楽になっていた
任意整理をしたおかげで新しい借金ができなくなった事と
利息を払わず元金だけ減っていくのが非常に大きかった
三和ファイナンスは全て返済してしまった
レイクも残り12万円になったので
余裕ができたお金は全てレイクの返済にあてている
借金が順調に減るにつれて早く0にしたいという思いも強くなっていった
ギャンブルさえしなければ
普通に生活して借金をかえしていく事はそんなに難しい事ではない
最初は嫌で嫌で仕方なかったけど
人間不思議と慣れるものである
時間はかかるし苦痛だったが、元の生活レベルに戻っていた
ただギャンブルにまた手を出せばあっという間に
楽な生活に慣れてしまうであろう
お金はもちろん大事だが
それを左右する金銭感覚が一番大事だと思う
陸上選手が毎日走ったり、筋トレをしたりするのと一緒で
練習をしないと能力は低下してしまう
金銭感覚は常に鍛えておかなければならない
私の場合コンビニで買うのはタバコだけ
その他の物は苦手なスーパーで必ず買うと決めている
1年経って、それもすっかり当たり前になってしまった
これも私にとっては金銭感覚を鍛える大事な金トレである

ギャンブルさえしなければ
月の給料で生活するのは大変ではない
借金完済への出口が見え始めていた
ギャンブルをやめてもう1年経っていた
最初の頃は自分で作った借金のくせに
毎月なんでこんなに苦しまなければいけないんだと本気で思っていた
債務整理すると新たに借金できないため
借金グセがある私はどこからも借りれない事に絶望した
基本金を手にいれる手段は働くことだけである
支払いが数万足りない時にパチンコでたまたま乗り切ってしまうと
2、3万足りなくてもなんとかなるかもしれないという感覚がどこかに残ってしまう
翌月ピンチの時にパチンコへ行ってしまい
残り数千円になったところで、もうどうにもならないと知ることになる
パチンコでは勝ち負けがあるが
仕事にでれば必ず勝つ
必ず毎日数千円勝つ
社会人になってこんな状態になるまで気付かなかったが
所持金が残りほんのわずかになると
もうどうにもならないのである
でも毎日メシを食い、支払いもしていかなければいけない
この世の中で生きていくためには毎日必ずお金が必要である
1万円なんてすぐになくなるが
使いようによってはすぐになくならない
パチンコのコインサンドに入れると玉貸ボタンに100と表示される
それは80になり、50になり、あっという間に5になり、消えてしまう
なんだこれは大金持ちの遊びじゃないか？
となぜ最初に気付かなかったんだろう
今はその1万円で毎晩吉野家でメシを食べている
吉野家でメシを食べて増える事は絶対ないが
あっという間に5にもなることも絶対ない

仕事をつい休んでしまった
毎日仕事に欠かさず出ていたので不本意である
どこの職場に行っても嫌いなやつは必ずいる
仕事をしている以上厳しい事もいっぱい言われる
そんな事はわかっていたつもりだが
なんか疲れてしまった
フラフラと街へ出て、吉野屋で昼飯を食べ
行き着いた所はやはりパチンコ屋
見えない力が私を店の中へと引きずり込む
とりあえず押忍番長に座ってタバコでも・・・・・
押忍番長がない？？吉宗もない
全体的に知ってる台がほとんどない
不思議に思い近い店へ移動してみた
そこにも番長も吉宗もなかった
吉宗は人気が以前より落ちていたからわからなくもないが
なぜ番長が撤去されたのだろう？
不思議でしょうがなかったが
パチスロを打つ気が失せ家へと帰った
後から知ったのだが規制により古い台は再検定が認められなくなったらしい
これが私がパチスロをやめるきっかけとなった