『一度死んだ』
と思いましょう。
なぜなら、
一度死んだと思えば、
今、生きていることへの感謝の念が湧いてくるからです。
『私は今、生きている、幸せ。』
『生きてるだけで丸儲け』
と思えるようになります。
これに関して、
『お寺の掲示板』(著者 江田智昭 新潮社)
の中に、こう書いてあります。
「日本のお笑いBIG3の一人、
明石家さんまさんを知らない人はいないでしょう。
彼の座右の銘で、
色紙にもよく記していたという言葉が、
この『生きてるだけで丸儲け』です。
丸儲けというと、
『坊主丸儲け』のように揶揄する言葉にも聞こえますが、
さんまさんはなぜこの言葉を座右の銘としたのでしょうか。
1985年に日本航空123便が墜落事故を起こし、
五百二十名が犠牲になりました。
この便にさんまさんも搭乗予定だったそうですが、
収録が早く終わり、
一便早めたため、
同便に乗らずに済んだそうです。
『生きてるだけで丸儲け』という言葉には、
さんまさんが心の底から感じている気持ちがあらわれているのでしょう。
大竹しのぶさんとの間に生まれた『いまる(芸名IMALU)』さんの名前もこの言葉から取られているそうです。
誰しも人生の中でうまくいくこと、
うまくいかないこと、
さまざまなことを経験します。
さんまさんは『生きてるだけで丸儲け』という言葉を何万回とファンのために書き続けることによって自分自身への暗示をかけていたのではないかと思います。
この考え方が自分の身体の中に完全に浸透すれば、
すべてのことが当たり前でなくなります。
このことにより、
どんな状況に置かれても幸せな気持ちで生きていくことができるのです。
さんまさんは、
若手の頃の経済的に恵まれていなかった時代を自虐的なネタにすることがあります。
彼の名言に、
『人間生まれてきたときは裸。
死ぬ時にパンツ一つはいてたら勝ちやないか』
というのがあります。
禅には『本来無一物』という言葉があり、
相国寺(京都)の有馬頼底老師が、
以前あるテレビ番組で『本来無一物』を説明する際に、
このようにおっしゃっておられました。
『本来自分のものだと、
【おれが】とか、
【これは私のものだ】という執着心、
これがさまざまな形で人間を阻害しております。
本来何一つ持って生まれたわけではなく、
何一つ持って死ぬわけじゃない。
これさえしっかり胸におさめておれば、
ほんとに素晴らしい生き方ができるんじゃないか。
これが禅の生き方なんですね。』
この言葉を踏まえると、
さんまさんの二つの言葉はまさに禅的な雰囲気を帯びていると言えるのではないでしょうか。
『命一つ、パンツ一つでも』
という彼の幸せへの目線の低さが、
四十年近く続く人気の秘密なのかも知れません。
(中略)
本当に心豊かな人間は、
どんなに小さなことに対しても感謝の気持ちを覚えるものです。
幸せになるための人生哲学を語り、
自分でも実践し、
人々を笑いの渦に巻き込む。
明石家さんまさんは、
やはり天才だと思います。」(79頁〜80頁)
『本来無一物』
裸一貫で生まれ、
裸一貫で死んでいく。
人間、本来無一物。
生きてるだけで丸儲け️
悩まず・悶えず・煩わず️
死んだ気になってやれば出来ないわけはない。
『山川の 末に流るる栃殻も 身を捨ててこそ 浮かぶ瀬もあれ』(空也上人)
(推薦図書)
『お寺の掲示板』
(著者 江田智昭 新潮社)
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