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日本代表合宿（１３日、南アフリカ・ブルームフォンテーン）金狼に任せた！！　１トップで先発が濃厚なＭＦ本田圭佑（２４）＝ＣＳＫＡモスクワ＝が、１４日の１次リーグＥ組初戦・カメルーン戦（ブルームフォンテーン）で中長距離ＦＫのキッカーを託された。攻撃の核となる１トップに加え、２４歳の誕生日に届いた“攻撃全権”のプレゼント。また、公式会見に臨んだ岡田武史監督（５３）は「勝つなら１−０か２−１」と断言した。

試合前日まで急ピッチで工事が続くフリーステート競技場。公式練習中には、ほこりも漂ったが表情はキリリ。本田が、強烈なモチベーションを得てピッチに飛び出す。

　「まさかここで誕生日を迎えるとはね…」

　決戦前日の１３日は２４歳の誕生日。アフリカ大陸で迎えた記念日に苦笑いしたが、これ以上ない「信頼」のプレゼントが贈られた。

　ともにセットプレーのキッカーを担う遠藤が、本田に大役を任せた。「（長い距離のＦＫは）圭佑にけらせる。ブレるし、多少遠くてもハプニングが起きる」と、中長距離のＦＫは本田に全権委任だ。

　実際にキッカーを務めたのは、直前の強化試合３戦で１度だけ。だが、今回は違う。遠藤の言うハプニングといえば…。今大会の公式球「ジャブラニ」は弾道が不規則に変わると酷評されている。１２日のイングランド−米国戦では米国ＭＦデンプシーが、ミドルから相手ＧＫのファンブルを誘う同点弾。１３日のアルジェリア−スロベニア戦でもスロベニアＭＦコレンの決勝ゴールは、ＧＫの前で不規則にバウンドした弾道がネットを揺らした。

　この２試合は標高１０００メートル以上。日本戦の会場も標高１４００メートル。本田が得意とする“ブレ球弾”の威力は増し、「悪魔の左足」を炸裂（さくれつ）させるには格好の舞台となる。

　ＦＫだけじゃない。Ａマッチ初のぶっつけ１トップ起用が濃厚だ。ボランチ３枚の守備的布陣に方針転換する中、カウンター頼みの攻撃は本田、ＦＷ大久保、ＭＦ松井の３人にかかる比重が大きい。２４日間の直前合宿で、岡田監督から一貫して攻撃の軸に指名された。背番号１０の司令塔を外してまで、自分との心中を選択した指揮官の期待に応える時が来た。

　鳥飼北小時代に所属した摂津ＦＣの卒団アルバムの寄せ書きに「Ｗ杯に出て、世界に通用する選手になる」と書き込んだ。大阪府選抜メンバーにも入れなかった少年の夢を、誰もまともに取り合わなかった。だが、異端児は信念を貫き、ここまでたどり着いた。

　「いよいよ始まるなという感じ。すごくリラックスしているし楽しみですね」

　ブルームフォンテーンはバラの街と呼ばれ、アフリカーンス語で「花の泉」の意。金狼が１日遅れのバースデー弾で、岡田ジャパンにバラ色の未来の道筋を示す。