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2017年10月06日

精神科で役立つフィジカルアセスメント・フィジカルイグザミネーションの研修レポート

以前に精神科看護協会主催の精神科で役立つフィジカルアセスメントとフィジカルイグザミネーションの研修に参加しました。

フィジカルアセスメントは確かな知識が必要であり、エビデンスも理解する必要があります。

身体的なデータを収集、査定する事で「対象の健康レベル、健康問題の反応を見て、健康状態を判断(査定)し、看護の必要性を見出し、対象に適切な看護を提供するためにある。」

さらに、心理、社会的アセスメントを含めたものをヘルスアセスメントと言います。

人は“見る”という事を自然に行っていますが、そこには“意識をもってみているか”が伴っていないと真実は見えません。

まず、見るものに対して関心を持てば、全体像なり何かが見えてきます。

少なくとも見ようとします。

次に重要なのは「何をみるか」がわかっていることです。

更にこうではないかという「仮説」を立てれば更にはっきり見えるようになります。

患者さんを見る(診る)場合に、看護師が記録に右肺に雑音があると記載しました。

この場合は、右肺のどこが、どのくらいの強弱か診えていません。

腹部症状なしの場合は、記載している看護師のスキルによって何を診てなしなのか異なってきます。

そのため腹部症状なしの場合は最低5つ観察して、異常がなければなしと記載する必要があります。

実際に腹部症状なしと記載した場合に、どこを観察したのか聞くと人により見る場所が少なく、異なる場合もあります。

そのため、異常のある場合はどこが、どの様になのか詳細に記載する必要があります。

次にフィジカルイグザミネーションの順番、根拠、何を見るかのを考え、順番は侵襲の少ないものからであり、視診、聴診、触診、打診となります

刺激が強い観察から行うと痛みにより正確な結果が得られないためです。

まず、視診では「何かがおかしい。いつもと違う」と感じ、患者の表情や顔貌、意識状態、姿勢や動作、皮膚状態などを観察します。

呼吸状態では、正常時は横隔膜と肋骨筋のみであるが努力呼吸(下顎、肩、鼻翼呼吸)をしていないか。臥位時では、頸静脈は観察できるが座位時で怒張していないか。

その場合は中心静脈圧が上昇している事が予測されます。

聴診では聴診器の正しい持ち方をし、ダイヤフラムを皮膚に密着させます。

呼吸音は三つの正常音である気管呼吸音、気管支呼吸音、肺胞呼吸を理解していなければ異常音を判断できません。

また、聴取する部位が体のどの部位なのかの理解も必要があります。

鎖骨の下に触れるのは第二肋骨になり気管音。

また、左右の第二肋骨の連なる骨は胸骨角であり、第五頸椎でもあるため気管支の分岐点になります。

第三肋間は気管支肺胞音で第四肋間は肺胞音です。

異常な呼吸音の
連続性副雑音は「ヒュー」など伸びる連続音。

断続性副雑音は「パリパリ」と断続的に聴取される。


それぞれの異常音の違いにより疾患が予測されます。
前者の場合は気管、気管支の問題で閉塞性の気管支喘息、肺気腫があります

後者では、肺の問題で拘束性の肺炎、肺水腫があります。

肺は右で三葉、左で二葉ですが、下葉は後背部にあるため第八肋間の後背部で聴取します。

肺の音は空気の音が伝わりにくいため、正常な程、音は小さいです。
腹部の腸蠕動音では臍周囲に膜型を軽く15秒ほど当てます。

正常では15秒に1〜3回聴取できます。

また、イレウスは昨今、閉塞的なものを腸閉塞と呼び、以外のものをイレウスと区別する方向になっています。

次に触診です。

マックバーニー圧痛点である臍から腸骨棘の2/3の位置を押して痛みがあれば急性虫垂炎の可能性。

マーフィー徴候の右季肋部を深い吸気で押して疼痛が悪化し、吸気が途絶すると胆嚢炎の可能性

ホーマンズ兆候は下肢の静脈の循環を確認するもので、下腿三頭筋の痛みを調べます。

痛みがある場合は深部静脈血栓症の疑い。

以上の事は毎回行うのではなく、予測される疾患の判別のために必要なものです。

最後に打診です。

腹部の打診部は9区分に分けて行い小腸領域で鼓音がない場合は正常で腹部の広範囲で鼓音を聴取する場合はイレウスの可能性。

大腸領域で鼓音を認める場合は正常で聴取しない場合は下痢などの大腸の蠕動運動亢進が予測されるます。


実際の知識を他者と患者、看護師役を交代に行い実践する事も出来ました。

他にも脳、神経についても学びました。

精神科では精神状態の治療を主に行うため、身体的異変を見逃してしまう可能性があります。

実際に胸をたぬきが噛んでいると肺塞栓症であった事とお腹の中でネズミが暴れていると胆嚢内結石であった事もある様です。

これは体感幻覚の訴えです。

身体的な妄想を訴える場合は、妄想と判断するのではなく、身体状態も観察する必要があります。


また、向精神病薬の影響で知覚異常、特に痛覚、味覚の閾値は上昇しています。

そのため必ずしも痛みを訴えない事もあるため、観察、検査データは重要性が高いです。
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この記事へのコメント
勉強になりました!
Posted by at 2019年12月19日 08:40
勉強になりました!!
Posted by at 2019年12月19日 08:40
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小学校:応援団長(優勝) 中学校:駅伝大会参加。サッカー部キャプテン  高校:部活と遊びと仕事。 ㊟看護師の法律的義務として秘密保持があります。 現場の話しがありますが、患者さんを特定する内容は控え患者はA氏と記載。 一つの事例としてお考えてください。
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