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笑いながら吐きつつ書いたらしい

 先日の桜坂洋についてのブログでなんとなく思い出したので、冲方丁の「マルドゥック・スクランブル」の話。特に共通点があるわけではないが、両者ともいわゆる「ゼロ年代」の作家として扱われている。
 あちこちの出版社に持ち込んでは断られ、ようやくハヤカワ文庫から全三巻で二〇〇三年に発刊されたSFなのだが、ウィリアム・ギブスン(のサイバーパンク)の影響が色濃く見られていて、設定に若干の無茶(ウフコックの存在とか)がありながら最後まで飽きさせずに読ませる秀作である。
 特に作者があとがきで自画自賛(それも絶賛だ)している、カジノでの心理戦のシーンは言うだけのことはあって本当に凄い。あんなにドキドキするシーンを小説で味わったのは他にはちょっと記憶にない。
 二〇〇五年頃にOVAでのアニメ化の話があったと思うのだが(SFマガジンでそんな記事を見た覚えがある)、いつの間にか立ち消えになっていて(どうも制作会社が解散したらしい)、二〇一〇年に別会社から三部作の劇場アニメとして再び話が持ち上がり、今は二部作目が公開されている最中だが、一度興を削がれるハメになったせいか、私は一部作目すら見に行っておらず、故に二部作目を見に行けない状況になっている。
 続編としてまた全三巻で二〇〇六年に刊行されたマルドゥック・ヴェロシティの出来が少し微妙だったせいもあるかも知れない(スクランブルの方が面白過ぎたせいであって、ヴェロシティが詰まらなかったわけでは決してないのだが)。それを引きずってしまい、少し前に出た短編集のマルドゥック・フラグメンツも、雑誌や大森望のアンソロジーでいくつかの短編を半端に読んでいるせいもあってか手を出せずにいる。
 そしてなんとなくGOOGLEで検索してみると、去年あたりから漫画化までされているらしい。これは全く知らなかったが、掲載紙と絵柄を考えると流石に手を出す気にはなれない(別冊少年マガジン掲載で、少女漫画臭さが漂う絵だ。女性漫画家らしいのでなるほど、とは思う)。
 最近ではフラグメンツ(初出は大森望のアンソロジーの方)に収録されている短編を、新人賞受賞の漫画に盗作されたりして変に話題になっているが、検証しているサイトを見て大笑いしてしまった。いくらなんでもこれでバレないとは考えていないだろうから、バレるのを前提で描いたのだと思うのだが、それにしてはその後の対応がお粗末なので何をしたいのか皆目見当がつかない。
 話が逸れたが、劇場公開の一部作目は最近DVDが出たらしいので、それを見て予習をしてから劇場に二部作目を見に行こうなどと考えているのだが。出不精の私にはなかなかに辛い。

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