法華経第一の方便品に云わく「衆生をして仏知見を開かしめんと欲す」等云々。これ九界所具の仏界なり。
『日蓮大聖人御書全集』新版 125頁(観心本尊抄)
方便・自我偈の勤行において出てこない部分ですね。方便品で読誦するのは十如是までの部分であり、それ以降の部分にこの文があるのですね。
このことから、勤行で読誦するところ以外の文を確認するためにも、方便品のすべての文を読む必要があります。「法華経」そのものを読むという姿勢が求められます。
また、「観心本尊抄」には、仏界にも九界が存在している文証として寿量品の文をあげています。
寿量品に云わく「かくのごとく我は成仏してより已来、はなはだ大いに久遠なり。寿命は無量阿僧祇劫にして、常住にして滅せず。諸の善男子よ。我は本菩薩の道を行じて、成ぜしところの寿命は、今なおいまだ尽きず、また上の数に倍せり」等云々。この経文は仏界所具の九界なり。
『日蓮大聖人御書全集』新版 125頁(観心本尊抄)
これも方便・自我偈の勤行で出てこない部分です。所謂、長行の部分にある文ですね。
寿量品に関しては、自我偈だけでなく、長行の部分を確認しておく必要があります。やはり、「法華経」を読まなければならないのですね。
方便・自我偈の勤行を大切にしながらも、その方便・自我偈に含まれない方便品の文、寿量品の文を大切にしたいものです。「御書」だけでなく、「法華経」もしっかりと読むという信仰が肝要です。
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