天晴地明。識法華者可得世法歟。
天晴れぬれば地明らかなり。法華を識る者は世法を得可きか。
観心本尊抄の御文ですね。
太陽が昇れば、地が照らされ、地にあるものが明らかになり、見通すことができます。
これと同様に、法華経を識る者は、世法、世間のことを識ることができるというわけですね。
御書、遺文を読みますと、日蓮が仏教だけでなく、世法についても博学であることが窺い知れます。
どの宗教であれ、自宗のことだけしか知らないとおぼしき人がいますが、信仰者の姿勢としては間違っていると断じてよいでしょう。
少なくとも、日蓮の仏教を信仰するならば、上記の本尊抄の御文の通り、世法、世間の事柄についても博学であるべきですね。
もちろん、世間の事柄すべてについて知るのは不可能ですから、一般教養的な事柄については、薄くとも幅広く知識を得ておくことですね。
そして、それぞれ、人には専門といえる分野があるものですから、その分野については、狭くとも深い知識を得るということですね。
バランスよく世法、世間の事柄を知るのが信仰者のあり方といえましょう。