人間がとりうるなによりも賢い態度の一つは、相手に対して脅かすような言辞を吐いたり、侮辱するような言葉を決して口にせぬようにつつしむことだと思う。
『マキァヴェッリ全集』第2巻 永井三明訳 筑摩書房 262頁
言葉には強い力があります。
特に、脅し文句や侮辱などは、マイナスのエネルギーが充満しています。
刃物や銃よりも危険といってよいでしょう。
しかし、人は、安易に脅しの言葉や侮辱の言葉を発します。
極めて由々しきことですね。
マキァヴェッリも、脅し文句や侮辱を口にするな、慎めと教えています。
我々としては、脅かすような言辞、侮辱するような言葉を使わないよう、細心の注意を払うことですね。
ただ、瞋りの感情が出た時が一番危険です。
瞋ったにしても、すぐに冷静さを取り戻すようにしなければなりません。そうしませんと、脅かすような言辞、侮辱するような言葉がスルスルと出てきます。
単に、脅かすような言辞、侮辱するような言葉を言うなといっても、それだけでは上手く行かないですね。
瞋りの状態になった時であっても、脅かすような言辞、侮辱するような言葉を出さないという強い心掛けが必要です。
とにかく、我々としては、言ってはダメであるということを徹底するしかありません。
それこそ、仏のように落ち着きながら、瞋りの状態をコントロールするほどの人間にならなければなりません。
これが賢明な態度といえます。