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2015年06月07日

『ホテルジューシー』坂木司

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『シンデレラ・ティース』と対になるお話です。


大家族の長女・浩美は、大学の夏休みに沖縄でホテルのバイトをすることになります。


頼りにしてた先輩は浩美を置き去りにしてさっさと止めちゃうし、
オーナー代理は謎な人物だし・・・


ギャルや骨董品販売の人、秘密を抱えた老夫婦などなど様々な人がホテルジューシーに泊まりに来ますが、
実際のホテルでもいろんな人が泊まりに来るし、それぞれにいろんなドラマがあるんだろうなと感じました。


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posted by Karin at 05:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

2015年06月06日

ショートショート『短劇』坂木司

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ブラック&ファンタジーなショートショートです。


いつもはさわやかな作品を書かれてる坂木さんなので、
余計印象的でした。


「目撃者」や「MM」や「物件案内」、「カフェラテのない日」が好きでした。


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posted by Karin at 11:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

2015年06月05日

第47回江戸川乱歩賞受賞作『13階段』高野和明

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傷害致死の前科を持つ三上と、退職しようと考えている刑務官の南郷が、
強盗殺人の死刑囚である樹原の冤罪を晴らそうとします。


樹原はその日バイク事故に遭い、頭を打っているため、その当時の記憶がありません。

思い出したのは「階段を上っていた」ということ。



死刑を執行する側である、南郷の苦悩が伝わってきて、かわいそうでした。


ぐいぐい引き込まれて、おもしろく読ませていただきましたが、
最後の真相は悲しかったです( p_q)


人が人を裁くとは・・・

死刑制度とは・・・

考えさせられました(・・;)


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posted by Karin at 05:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

2015年06月04日

第51回江戸川乱歩賞受賞作『天使のナイフ』薬丸岳

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少年犯罪をテーマにした作品です。


主人公の桧山は、妻を少年3人に殺害されました。

しかし、少年が13歳だったために、逮捕されず、保護観察処分や更生施設に送られただけで、短期間で社会復帰しました。


ある日、その3人の少年が殺害され、桧山が疑われることになります。。。


次から次へと新たな事件が起こって、事実が分かり、息つく暇もありませんでした。

新人さんが書いたとは思えないほど、おもしろかったです。

張り巡らされていた複線が一つになり、最後のあっと驚く真相にたどり着くまでドキドキしました。


少年犯罪について、被害者側と加害者側との両方の視点から書かれていて、
すごく考えさせられました(^_^;)


少年は今後更生するから、少年の人権を守るべきなのか、
それとも、少年といえど、きちんと罰を受けないといけないのか。。。

難しい問題です。



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posted by Karin at 04:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説

2015年06月03日

本屋さんで起こるミステリー『サイン会はいかが? 成風堂書店事件メモ』大崎梢

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私の大好きな本屋さんで起こるミステリー。
シリーズ三作目です!

本屋さんで起こる謎は、本屋さんが解決するってことで、謎解きするのはバイトの女子大生・多恵です。


今回は『配達あかずきん』と同じように成風堂書店で起こるミステリーの短編集でした。

私はこちらのタイプのが好き。

長編より短編向きの作家さんなのかしら?


5つの短編が収録されていますが、
「君と語る永遠」では、心温まる作品にうるっときてしまいました(ノ_-。)


「ヤギさんの忘れ物」では、書店員さんとお客さんの交流が描かれていましたが、これがとても素敵でした。

私は書店に行っても、ほとんど書店員さんとの絡みはないので、
こんな書店があったらいいなぁと思いました。


雑誌の付録の話で、
パンツを持ち歩く女とパンツで顔を拭く男
という多恵の会話に思わず笑ってしまいました。



また続編を書いてほしいです。


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2015年06月02日

ミステリー『花と流れ星』道尾秀介

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『背の眼』、『骸の爪』の真備、道尾、凛が出てきます。

今回は、5つの短編集になっています。


死んだ妻に会いたい一心で、「霊現象探求所」を設立した真備。

妻の妹であり、真備の助手である凛。

ホラー作家でもある友人の道尾。



「花と氷」という、自分のせいで孫を亡くした老人の話では、
老人の気持ちが伝わってきて印象的でした。


「流れ星の作り方」という、友人の両親を殺した犯人を見つけたい少年の話が一番よかったです。


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2015年06月01日

ミステリー『トーキョー・プリズン』柳広司

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物を持ち込めない、密室状態のプリズン内で毒殺事件が起こります。

その真相を、巣鴨プリズンの囚人・貴島に推理させようとする。

貴島は観察眼が鋭く、聡明ですが、戦時中の記憶をなくしています。

戦時中に消息を絶った知人の情報を得るためプリズンを訪れた、元軍人のフェアフィールドに、
貴島の記憶を取り戻す任務が与えられます。

しかし、また毒殺事件が・・・。



貴島の名探偵ぶりが、魅力的でした。

その一方、戦時中貴島が捕虜を虐待し、殺しているという証言があり、
一体貴島は本当はどんな人物なのかと気になりました(-。−;)


戦時中はこんなことがあったのかと怖くなりました。

まだまだ生ぬるいのかもしれないけど・・・。

今も世界のどこかで戦争が起こっていますが、戦争なんてなくなればいいのにと感じずにはいられませんでした。゚(T^T)゚。

読んでいて、戦後の暗い空気の中にどっぷりと漬かってしまいました。



トリックは、なかなか現実には難しいものだろうけど(;^_^A


もっと貴島の謎解きが見たかったのに残念です。



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2015年05月31日

ミステリー『竜神の雨』道尾秀介

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この作品には2つの家族が出てきます。


1つは、再婚した母親が事故死した、フリーターの蓮と中学生の妹楓。

義父に暴力をふるわれる。


もう1つは、心臓の弱い母親が溺れてなくなった、辰也と圭介の兄弟。

父親も再婚後病死し、義母と暮らしている。



このよく似た家庭環境の2組の兄弟が、あることで接点をもち、関わっていくようになります。


義母と辰也の板ばさみ状態の圭介が、かわいかった。


働かずに暴力をふるう父親の本当の姿を知ったときは、
やるせない気持ちになりました。


いつものように、「え〜」って絶叫してしまうほどの大どんでん返しではないですが、
ミスリードがとても上手です。



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2015年05月30日

ミステリー『ファミリーポートレイト』桜庭一樹

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母と娘の濃密なつながりから始まるこの一冊。

母と娘の逃避行といえば、角田光代さんの『八日目の蝉』が思い浮かんだが、
そういう感じではありませんでした。


マコの娘、コマコ。

2人が逃避行を始めたとき、マコは25歳、コマコは5歳。

コマコは口もきけず、発達が遅れており、虐待されている。

しかし、マコのために生きたい、コマコはマコの守り神だと思っている。


山奥の村、海辺の村、養豚場の村、、、など逃げながら旅をする。


第2部では、マコと(おそらく)死別したコマコが小説家となっていく。

でもやっぱり、スムーズにはいかない(・・;)



読んでいて、おもしろい、おもしろくないは別にして、
苦しく、つらくなりました(ノ_-。)


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2015年05月29日

警察物『暴雪圏』佐々木譲

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『制服捜査』の志茂別駐在所巡査部長の川久保が主人公です。

暴力団の組長の家を襲って現金を奪い、組長の妻を殺した2人の強盗。

癌に侵されていると思い込み、妻にも先立たれ、人生に絶望して、職場の金庫からお金を盗んだ西田。

最後に一度だけ会おうと不倫相手の菅原に呼び出された、不倫を清算しようとしている明美。

性的関係を迫る義父から逃れようとする美幸とその美幸を途中でトラックに乗せた山口。

ペンション「グリーフ」の暖房が壊れ修理がくるのを待つ経営者夫婦。

「グリーフ」の宿泊客である老夫婦。


様々な事情を背負う男女が、10年ぶりとう強烈な彼岸荒れのため、
偶然にも「グリーフ」に集まることになる。、


道路は通行止め、
電線は切れ、
そんな状況の中、殺人も行った強盗犯と「グリーフ」に閉じ込められることになる人々。

警察も身動きできない・・・・°・(ノД`)・°・


自然の前では、人間の力ってちっぽけなもの
なすすべありません。


最初はたくさん人物がでてきて大丈夫かなと思いましたが、大丈夫でした。


彼らの今後が気になりますf^_^;



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posted by Karin at 05:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説
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