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2022年12月14日

介護保険C|特養や老健等公的介護施設利用料の負担明細が一目でわかる!(リニュアル)

介護施設への入所が必要になれば公的施設か民間施設の選択が必要に 

 

自宅での介護よりも施設介護を選ばざるを得なくなった時、選択肢は、介護保険の公的施設である「特別養護老人ホーム」や「介護老人保健施設」に入所するか、民間運営の住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅にするかのいずれかになります。 

 

公的施設は、介護面、費用面で圧倒的に優位だが間口が狭い! 

 

公的施設は、要介護度等の入居基準を満たす必要があり、施設数の制約から簡単に入居できない施設が多くありますが、何と言っても、食事・排泄・入浴などの介護からリハビリなどの医療ケアまで保険適用内で受けることができることが優れています。 

 

一方、民間施設は、入居基準が緩く要介護度にかかわらず入居できるところもたくさんありますが、施設費そのものは個人負担となり、介護サービスについては、入居後に自分で外部の介護事業者と契約し居宅サービスや通所サービスを利用することになります。

 

従って、施設利用料が高くなるばかりか、食事・排泄・入浴などの介護やリハビリなどの医療ケアなどは、保険適用で受けることができず100%負担となります。 

 

これらのことを知って、万一に備えておくべきですね!

 

これら公的施設の利用方法やかかる費用についてご紹介します。

 

 

T.公的介護施設の入居要件と費用

 

1.施設介護が必要になれば公的施設か民間施設かの選択が必要になる

自宅で介護サービスを利用してきたが、「介護度が進み自宅での生活が大変になってきた」、「本人の希望で施設サービスを利用したい」、「家族の負担を軽くしたい」など、いろいろな要因で介護施設の利用を考えざるを得ない場面がくるかも知れません。

 

・民間施設は入居し易いが費用面や介護面で負担が大きい

 

民間運営の有料老人ホームは、施設費は、原則個人負担であり、入居時に大きな一時金が必要となるばかりか、月々の負担もかかります。 

 

介護については、原則、自分で介護サービス契約を結び介護保険の適用を受けることになります。 

 

従って、有料老人ホームは、相当な資金準備がなければ負担が重くなります。 

 

一方、公的施設の場合は、入居時の一時金が要らないばかりか、月々の負担も割安であるため、費用負担も軽く、リハビリ目的の一時的利用も含めて利用しやすいと言えます。

 

2.公的施設にはどんな種類があるか?

 

介護保険サービスが受けられる公的介護保険施設(社会福祉法人や医療法人等が運営)には、以下4施設があります。

 

サービス名称 内容
「特別養護老人ホーム
(略して「特養」)
自宅での生活が難しい高齢者を対象とした施設。自治体や社会福祉法人が運営のため安価
介護老人保健施設
(略して「老健」)
自宅復帰のためのリハビリテーションや医療ケアが中心。入居時の初期費用は一切かからない
介護療養型医療施設
(略して療養病床)
比較的重度の要介護者に医療処置とリハビリを提供する施設。
介護医療院」
(療養病床から移行)
要介護者の長期療養のための医療と日常生活の介護を一体的に提供

 

なお、「地域密着型サービス」にも類似の「地域密着型グループホーム」「域密着型介護老人福祉施設」があります

 

3.「特養」「老健」等施設の特徴と入居基準

 

公的施設サービスは、24時間の介護を受けられるサービスです。 

 

従って、以下の場合は、まず、公的介護保険施設の利用を検討しましょう!

 

・入院後や療養の機能回復のため短期的に施設で介護やリハビリを受けたい
・自宅介護で時々ショートステイを利用しているが、もう少し長期間、施設で介護を受けたい
・自宅介護が難しくなってきたので、しばらく介護施設で介護を受け機能回復に専念したい
・長期的に介護施設で介護を受けたいが有料老人ホームは費用的に無理

 

1)各施設の特徴

 

いずれの施設も、入居要件や入居期間の定めがあります。

「特養」

「特養」は、「永年入居」が可能で、入居時に一時金の必要性がなく、月額利用料も有料老人ホームに比べて割安となっています。 

 

このため、常に満室状況でく待機者が多いのが通常になっています。 

 

従って、急には入居できない可能性が大であることに注意が必要です。

 

「老健」

 

「老健」は、3か月の期間限定ですが、退所後3か月の自宅介護の後、再度受け入れてくれる可能性が高いので、自宅介護で何とか凌げる状況の場合は、過重な家族の負担軽減と本人の自宅願望を叶えるために「老健」の利用をおすすめします。 

 

「老健」により、「特養」や「有料老人ホーム」への転居を凌ぐことができ、自宅での生活ができるだけ永く続けられます。 

 

手続きは少し煩わしいですが、是非活用されることをおすすめします!

 

2)各施設のサービス・入居基準等

 

入居期限 サービス名 入居基準とサービス内容
「終身」 特別養護老人ホーム(特養)
※「介護老人福祉施設」とも言う
・「常に介護が必要で、自宅での介護が困難な方対象」の施設で、食事や入浴などの日常生活の支援や機能訓練、療養上の世話などを受けることができる。
 ・原則として、「要介護度3以上」が入居要件。
但し、要介護度1〜2の方も、やむを得ない理由(世話する家族がいない、一人暮らしの認知症の方等)などで入居できる可能性もある。
「期間限定」 介護老人保健施設(老健) ・「在宅復帰を目指している方を対象とした施設で、医学的な管理の下に医療や介護、リハビリなどが受けられる施設設です。
・3か月が限度。但し、期間を開ければ再入居は可能!(従って、3か月施設利用、3か月自宅でデイサービス等利用、再度施設利用等で繋げていければ家族の負担軽減に繋がる)
・原則として、「要介護度1以上」が入居要件。 「要支援1〜2の方」は利用することができません
「療養期間」   介護療養型医療施設⇒介護医療院へ転換 ・「長期に亘って療養が必要な方」を受け入れる施設です。(普通、入院先病院での療養が長引けば病院で紹介されます?
・必要な医療や介護、リハビリテーションなどを受けることができます。
・ 原則として、「要介護度1以上」が入居要件。
「要支援1〜2の方」は利用することができません
・なお、「介護療養型医療施設」制度は廃止され「介護医療院へ順次移行中。
※補足 「指定有料老人ホーム」 特定の指定を受けた有料老人ホーム ・介護保険適用の施設サービスに該当しません(公的介護保険施設ではありません)。
・但し、自治体から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている有料老人ホームは、「介護付き」と呼ばれ、介護サービスに介護保険が適用され、提供される介護サービスのぽとんどを「定額制(包括報酬)」で受けられる。

 

3)補足:「地域密着型サービス」にも類似の施設がある

 

「地域密着型サービス」は、要介護高齢者や認知症高齢者が、介護度が重くなっても、住み買れた地域でいつまでも生活でさるように創設された介護サービスです。

 

市町村により指定された事業者がサービスを行い、その地域に住む住民が対象となります。 

 

「地域密着型サービス」が非常に充実してきており、こちらのサービスを利用した方が、本人も家族も地域に密着した生活が過ごせるので、是非「地域密着型サービス」も検討されることをおすすめします!

 

<「地域密着サービス」における施設介護サービス>

 

 

類型 サービス名 サービス内容
施設介護サービス類似 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) ・認知症高齢者が5~9人の少人数で利用者が家事を分担するなど共同生活をしながら日常生活の支援や機能訓練のサービスを受ける。
 ・「要支援1」は利用できないが、「要支援2」は、介護予防として利用可能
※補足 特定施設 地域密着型特定施設入居者生活介護 介護保険適用の施設サービスに該当しません(公的介護保険施設ではありません)。
・入居定員が30人未満の軽費老人ホームや有料老人ホームのうち、指定を受けた施設で、日常生活の支援や機能訓練などを受けることができます。
施設介護サービス類似 地域密着型介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)入居者生活介護 ・定員が30人未満の「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」です。
・「特老」と同様に、常に介護が必要な方を受け入れ、日常生活の支援や機能訓練などを行います。

 

 

U.公的各施設の入居費用の目安

 

いずれの施設も入居時に一時金は不要です! 

 

また、基本的には各施設には、ベッドや簡単な家具は備え付けられていますので初期費用は不要です。 

 

従って、施設で負担する費用は、月々の利用料や生活費に相当するもののみとなります。

 

1.「特別養護老人ホーム(特養)の費用目安

1)負担する費目

 

月々に負担する費用は、次の費目等で構成されます。 

・「施設介護サービス費」 

・「同加算(設備や+サービス等に伴うもの。施設によるので算定せず)」 

・「居住費(家賃に相当)」 

・「食費(1日3食)」 

・「日常生活費(理美容、レク代等)」

 

2)各費目の算定基準

 

費用項目 算定基準
施設介護サービス費 24時間体制ケアで受けられる介護サービス費で要介護度、部屋タイプで決められている。
なお、後ほど紹介する「施設介護サービス費」の数値は、「1割負担」の場合の計算値です。
同 加算費 当該施設での特別な設備費や人員体制増強等で付加される負担です。
居住費 家賃に相当、部屋タイプで負担すべき限度額が定められており、超えた分は本人が負担します。
なお、非課税世帯などの低所得者には負担軽減措置が採られている。
食費 1日3食セットの食事代で限度額が定められており、超えた分は保険者が負担します
なお、非課税世帯などの低所得者は負担軽減措置が採られている。
日常生活費 おむつ代は含まれないが、歯ブラシ、石鹸、化粧品、理美容代、電話代等は、原則、実費負担。

 

3)「施設介護サービス費」や「居住費」は、居室タイプで異なる

 

(1)施設の造りから居室は、「従来型タイプ」と「ユニット型タイプ」があります

 

「従来型タイプ」は、各居室(個室や相部屋)が廊下に沿って並べられた造りであるのに対し、「ユニット型タイプ」は、各居室(個室や相部屋)がリビングに接して設置されワンフロア―でユニット(まとまり)が構成される造りとなっています。

 

居室タイプ

施設の造り 部屋人数 内容
従来型タイプ ・個室 個室
・多床室 定員2人以上の相部屋
ユニット型 タイプ ・個室 共用のリビングに接した個室
・多床室 共用のリビングに接した多床個室 (天井との隙間がある仕切り区分)

 

なお、ユニット型は、10名前後の少人数グループごとに職員を配置するなどコミュニケーション重視の運営になっています。 

 

従って、ユニット型の方がファミリー的な雰囲気で生活できるのでそういう雰囲気を好む方にはユニットがおすすめです。 

 

また、ユニット型は個室が多いため居住費が若干高いので入居待ちが少ない傾向にあります。このため、早く入居したい場合は狙い目です。

 

(2)「施設介護サービス費」

 

「施設介護サービス費」は、従来型ホームとユニット型ホーム別に要介護度によって費用負担額が定められています。

 

〈施設介護サービス費用(1割負担の場合)

 

  従来型個室、 従来型多床 ユニット型個室、 ユニット型多床
要介護度 日額 月額(30日) 日額 月額(30日)
要介護1 559円 1万6770円 638円 1万9140円
要介護2 627円 1万8810円 705円 2万1150円
要介護3 697円 2万910円 778円 2万3340円
要介護4 765円 2万2950円 846円 2万5380円
要介護5 832円 2万4960円 913円 2万7390円

 

(3)「住居費」、「食費」

 

住居費、食費については限度額が設けられており、これを上回る部分については介護保険で負担することになり、結局、この限度額が負担すべきMax額となります。 

 

なお、住居費及び食費については、本人を含めて世帯全員が非課税の場合は低減措置が設けられており、本人の所得により下表の通り3ランクに分けて軽減されています。 

 

例えば、居住費の場合、下表でみると、従来型個室は、課税世帯では35,130円の負担になりますが、非課税世帯で本人所得が80万円以下の場合は、12,600円ですみます。 

 

食費も、課税世帯では41,760円の負担になりますが、非課税世帯で本人所得が80万円以下の場合は、11,700円ですみます。

 

〈住居費、食費〉

 

 

 

(注意:地域区分は東京1級地を適用、従って、ご利用の地域で若干数字が変わります。2020年8月時点)

 

4)特別養護老人ホームの月々の負担費用の目安

 

特別養護老人ホームの月々の負担費用は下表のようになります。 

 

この表でわかりますように、要介護1の方では、従来型多床室(相部屋)で1か月96,600円で利用できます。 

 

要介護5の方では、ユニット型個室の一番高い部屋で1か月141,800円で利用できます。 

 

もちろん食費込みですので、年金でやっていける可能性がありますね。(年金が少ない方は、低減措置適用で、もっと負担額は低くて済みます!)

 

【特別養護老人ホームの負担費用月額目安】

 

(要介護別・居室別)(1割負担の場合)

 

 

 

(注意:地域区分は東京1級地を適用、従って、ご利用の地域で若干数字が変わります。2020年8月時点)

2.介護老人保健施設の費用目安

介護老人保健施設は、「要介護度1以上」が入居要件です。 

 

また、療養及びリハビリ目的ですから入居期間は最長3か月となっています。

 

介護老人保健施設の月々の負担費用

 

下表のようになります。 

 

この表でわかりますように、「要介護1」の方では、従来型多床室(相部屋)で1か月81,320円で利用できます。 

 

「要介護5」の方では、ユニット型個室の一番高い部屋で1か月136,730円で利用できます。 

 

もちろん食費込みですので、年金でやっていける可能性がありますね。(年金が少ない方は、低減措置適用で、もっと負担額は低くて済みます!)

 

【介護老人保健施設の負担費用月額目安】

 

(要介護別・居室別)(1割負担の場合)

 

(注意:地域区分は東京1級地を適用、従って、ご利用の地域で若干数字が変わります。2020年8月時点)  

 

3.介護療養型医療施設の費用目安

 

病院に入院後のケースが多いのですが、長期療養のための施設です。

 

従って、療養の必要性がなくなれば退去しなければなりません。 

 

介護療養型医療施設は、「要介護度1以上」が入居要件です。

 

介護療養型医療施設の月々の負担費用

 

下表のようになります。 

 

この表でわかりますように、「要介護1」の方では、従来型多床室(相部屋)で1か月80,540円で利用できます。 

 

「要介護5」の方では、ユニット型個室の一番高い部屋で1か月145,340円で利用できます。 

 

もちろん食費込みですので、年金でやっていける可能性がありますね。(年金が少ない方は、低減措置適用で、もっと負担額は低くて済みます!)

【介護療養型医療施設の負担費用月額目安】

(要介護別・居室別)(1割負担の場合)

 

(注意:地域区分は東京1級地を適用、従って、ご利用の地域で若干数字が変わります。2020年8月時点)

 

4.介護医療院の費用目安

 

介護療養型医療施設と同様の長期療養施設です。 

 

介護医療院は、「要介護度1以上」が入居要件です。

 

介護医療院の月々の負担費用

 

下表のようになります。 

 

この表でわかりますように、「要介護1」の方では、従来型多床室(相部屋)で1か月80,240円で利用できます。 

 

「要介護5」の方では、ユニット型個室の一番高い部屋で1か月146,210円で利用できます。

 

 もちろん食費込みですので、年金でやっていける可能性がありますね。(年金が少ない方は、低減措置適用で、もっと負担額は低くて済みます!)

 

【介護医療院の負担費用月額目安】

 

(要介護別・居室別)(1割負担の場合)

(注意:地域区分は東京1級地を適用、従って、ご利用の地域で若干数字が変わります。2020年8月時点)

 

5.補足@:「地域密着型特別養護老人ホーム」と「グループホーム」の費用目安

 

「地域密着型サービス」にも、長期入居型の介護施設として「地域密着型特別養護老人ホーム」「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」があります。 

 

なお、「地域密着型特別養護老人ホーム」「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」は、市町村より介護保険上の事業者指定を受けた民間事業者が運営する「民間施設」です。

 

1)地域密着型特別養護老人ホームの費用目安

 

入居要件(基本は要介護3以上)等は、上述の「特別養護老人ホーム(特養)とほぼ同じですが、利用できるのは施設と同じ市区町村内の住民に限られます。

 

利用に掛かる費用項目は、特養と同じです。

 

@「施設介護サービス費」及び「同加算費」

 

「地域密着型特別養護老人ホーム」は29人以下の少人数利用施設であるため、ケア充実化から一般的に「施設介護サービス費」及び「同加算費」は、上述の「特別養護老人ホーム」よりも個人負担は若干高く設定されています。

 

また、地域によりかなりばらつきがあります。 

 

厚労省が示す「施設介護サービス費」の基準金額は下記の通りとなっており、地域密着型の方が少し高く設定されています。 

 

「施設サービス加算費」は、厚労省には具体的基準は示されていませんが、実際には、「地域密着型特別養護老人ホーム」では介護体制の充実等から結構個人負担がかかるようです。

 

特別養護老人ホーム
地域密着型特別養護老人ホーム

厚労省が示す日額の基準表ですが、地域密着型特養の方が少し高く設定されています。

 

A居住費や食費

 

部屋タイプや世帯所得状況により決められていますが、「地域密着型養護老人ホーム」の方が高く設定されているようです(市区町村で区々)。 

 

これも少人数による内容の充実等によるものと考えられますが、地域密着事業者の運営に関わる部分のため施設によるばらつきがあるようです。 

 

なお、住居費及び食費については、本人を含めて世帯全員が非課税の場合は低減措置が設けられております。(ここでは割愛します) 

 

(例示)

 

 世帯の住民税の課税状況及び本人の所得状況で居住費と食費に大きな低減措置があります。 

 

例えば、居住費が一般者(第4段階)で月額69000円であった場合に、第3段階では39300円、第2、第1段階では24600円とかなり低減され低所得者対策がとられています。 

 

食費においても、一般者(第4段階)で月額41400円であった場合に、第3段階では19500円、第2段階では11700円、第1段階では9000円と、かなりの低減措置となっています。

 

世帯課税段階 課税所得水準 居住費 食費
一般(第4段階) 住民税課税世帯 69000円 41400円
第3段階 住民税非課税世帯で、合計所得が80万円以下の人 39300円 19500円
第2段階 住民税非課税世帯で、第2段階以外の人 24600円 11700円
第1段階 生活保護受給者相当 9000円

 

➂【地域密着型特別養護老人ホームの月々の負担費用の目安】

 

(1割負担の場合)

 

地域密着型特別養護老人ホーム
特別養護老人ホーム

 

地域密着型特養の方が少し高くなります。 

 

要介護1の方では、月額9万9千円(従来型多床室利用)から13万6千円(ユニット型個室利用)で利用できます。 

 

要介護5の方では、月額10万9千円(従来型多床室利用)から14万6千円(ユニット型個室利用)で利用できます。 

 

もちろん非課税世帯の場合は、低減措置によりもっと負担は低くて済みます。

 

2)認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の費用負担目安

 

グループホームは、介護保険地域密着型サービスの一つで認知症高齢者が地元で生活できるためのケア付き住宅です。 

 

認知症の方5〜9人で1ユニットを組みスタッフから日常生活(食事、排泄、入浴など)の生活支援や機能訓練のサービスを受けて共同生活を送る施設です。 

 

ホームによっては2ユニット以上の施設もあります。 

 

建物の形態には、民家型、アパート型、ミニ施設型などがあります。 

 

入居要件は、施設のある地域住民で「要介護1」以上の方が対象ですが、「要支援2」の方も、介護予防として利用可能です。 

 

施設利用に掛かる費用項目は、特養とほぼ同じで、介護サービスを受ける基本料金と個人別に受ける各種サービスの加算料金のほかに家賃等に相当する居住費及び食費や日常生活費からなります。

 

@基本料金(施設介護サービス費)及び同加算料金(各種付加サービス費)

 

基本料金については、下記の基準額が厚労省のホームページで示されています。

 

 

A居住費や食費

 

住居費、食費等の基準については、厚労省のホームページでは何も示されていません。

 

これらは、地域や環境によって大きな物価等の違いがあるためと思われます。 

 

従って、居住費や食費等は各地区でかなりばらつきがありますので、必要であればその施設のホームページでご確認願います。 

 

居住費と食費合わせれば、平均的には、月額13万から15万円ぐらいかかるようです。

 

➂「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」の月々の負担費用の目安(1割負担の場合)

 

要介護の状況及び施設のユニット数等により月々の負担費用は下表のような金額が相場となっています。

 

月々の費用負担は、介護費、居住費、食費、その他を含めて総額16万4千円から18万7千円の範囲となっています。
費目的にみると、介護サービス費は、地域や、要介護度、ユニット数等による費用のばらつきは大きくないのですが、居住費や食費には地域や施設・設備によるばらつきが大きくなっています。
従って、施設の検討には当該施設のホームページで確認する必要があります。

 

6.補足A:特別養護老人ホームには3種類ある!

 

元々ある「特別養護老人ホーム」は、29人以上の大規模施設で他府県からでも入居可能であるため「広域型特別養護老人ホーム」と呼びます。 

 

しかし、地域限定でないため希望者が多く入居待ち状態が定着しなかなか入居できないので問題になっています。 

 

2025年問題を控え、高齢化の中で住み慣れた地域で最後まで生活できるための地域包括システム(住まい、医療、介護、介護予防、生活支援を一体として提供できる仕組み)構築の一環で、地域住民だけが利用できる「地域密着型特別養護老人ホーム」の整備が進められています。 

 

地域住民だけが入居できる29人以下の小規模施設「地域密着型特別養護老人ホーム」が整備されています。 

 

また、自宅介護者を24時間体制で見守りサポートする施設「地域サポート型特別養護老人ホーム」の整備も進められています。 

 

「地域密着型特別養護老人ホーム」には、「単独型」と「サテライト型」がある。

 

3種類の特別養護老人ホームの違い

 

特別養護老人ホームの種類

定員 入居可能地域 介護体制
(1)広域広域型特別養護老人ホーム 30人以上 問わず 単独介護体制
(2)地域密着型特別養護老人ホーム サテライト(設立)型 29人以下 地元住民のみ利用可能 本体と共同介護体制
単独(設立)型 29人以下 単独介護体制
(3)地域サポート型特別養護老人ホーム 24時間見守り

 

V.最後に

 

以上のように、介護保険では、自宅での在宅介護が難しくなった場合、介護保険の公的施設である「特別養護老人ホーム」や「介護老人保健施設」か、民間運営の住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に入所して介護サービスを受けて介護生活が続ける道があります。 

 

民間施設は、入居基準がさほどきつくなく入居できますが、施設費として大きな一時金を必要とする上、介護サービスは自ら契約して居宅介護を受けなければなりません。 

 

一方、公的施設は、要介護度等の入居基準を満たす必要があり、施設数の制約から簡単に入居できない制約がありますが、施設費の一時金負担はなく月々の居住費や食費等の発生費用負担のみで済み、24時間、施設で介護サービスの提供が受けらることができます。

 

従って、万一に備えて、公的施設への入居基準や費用がどの程度掛かるかを知っておくことが重要です。 

 

なお、施設入居の場合は、一旦入居すると簡単に変更はできないので、施設決定に際しては直接施設に赴いてスタッフと面会し、施設の状況やスタッフの対応、施設の立地、自宅からの距離等を勘案して、他と比較して決定されることをおすすめします! 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

ーーーーーーーーーーー 完  ーーーーーーーーーー

 

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