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2020年05月06日

石田純一容体「アビガンの副作用で血管が詰まりやすい」は正確報道か?

もともと新型コロナ感染者には血流が悪くなる症例が多く出ていると言われている!


事務所が「石田純一氏は、アビガンの副作用で血液サラサラの治療を受けている」と説明したと言う?


今朝のヤフーニュースで報知新聞は、石田純一氏の容体の長引く入院状況に関して下記のような「メド立たず」の記事を配信しています。








入院3週間・石田純一退院のメド立たず…関係者「まだ決まっていません」
5/6(水) 6:00報知新聞社配信
新型コロナウイルス陽性で都内の病院に入院中の俳優・石田純一(66)について退院のメドがたっていないことが5日、分かった。
石田は4月14日に肺炎で入院したが「アビガン」を投与され、4日ほどで平熱に戻った。
入院して3週間となり、事務所担当者は「平熱で食事もしっかり取っています」としながらも「アビガンの副作用で血管が詰まりやすくなるので、サラサラになる薬を処方してもらっています。脳溢血(いっけつ)や脳梗塞(こうそく)になりかねないので慎重に治療をしています」と説明。PCR検査で2度陰性が出れば退院となるが「(入院後は)まだPCR検査は受けていないです」としている。

この報道によると、事務所担当者が、「アビガンの副作用で血管が詰まりやすくなるので、サラサラになる薬を処方してもらっています」と説明したと記されています。

しかしながら、新型コロナは、もともと血管を詰まらせる症状があると言われている

今までの感染者の症状に関する情報では、新型コロナによって血栓関係に持病を抱えている人は注意が必要と言われています。

また、海外では、血流が悪くなり足指に「しもやけ」のような症状が出るとか、その為に足を切断した事例も紹介されています。

これを裏付けるように、感染医療専門家の忽那賢志氏の新型コロナの分析記事「症状、予防、経過と治療… 新型コロナウイルス感染症とは? 現時点で分かっていること」の記事の説明でも新型コロナは血管を詰まらせる症状が出る場合があると指摘されています。







症状、予防、経過と治療… 新型コロナウイルス感染症とは? 現時点で分かっていること(5月1日時点)忽那賢志(感染症専門医。国際感染症センターに勤務)

新型コロナウイルス感染症について現時点で分かっていることについてまとめています(記事の内容は2020年4月25日時点での情報です)。

新型コロナウイルス感染症のその他の症状

新型コロナウイルス感染症患者の一部で脳梗塞を発症する事例が報告されています(DOI: 10.1056/NEJMc2009787)。

新型コロナ患者では凝固系の異常(血液が固まりやすくなる病態)や血管内皮障害が起こることが分かっており、これにより深部静脈血栓症や脳梗塞などが起こるものと推測されています。

また新型コロナウイルスは心血管系にも影響を及ぼし、急性冠症候群(ACS)、心筋炎、不整脈(心房細動など)を引き起こすことがあります。


以上のように、もともと新型コロナ感染により血管を詰まらせる症状が出ることが多いことも判明しています。

従って、この事務担当者が、「アビガンの副作用によって血管が詰まる症状がでた」かのごとく言い切るのは、いくら素人とは言え、果たして適切な発言と言えるでしょうか?

アビガンの投与を首を長くして待っている患者や、アビガンの治療薬承認を新型コロナの脅威を払拭する起爆剤として期待している方々に対して逆なでする如くの軽率な発言と言わざるを得ないと考えます。

この報道もこの記事で一体何を言いたいのかと、いささか疑問に思えてなりません。

この時期、責任ある立場の関係者は、公の場で確証ない無責任な発言は誤った認識をまき散らすことを自覚すべきではないでしょうか?



下記の新型肺炎・コロナ関連記事もご覧いただければ幸いです。
新型肺炎


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