2017年06月28日
第1回超ガチCS 予選第4回戦 ラプト vs ハルキ 迫りくる恐怖の《デス・シュテロン》!《ドギラゴン剣》は如何にして立ち向かうのか?!
「プレイ速度はデッキの熟練度、練習によって短縮できる」という言説がある。
今回フィーチャーテーブルに呼んだふたりは、とにかくドローをしてから行動を起こすまでが早く、デュエル・マスターズというよりまるで卓球の試合を見ているかのようだった。
メモを取るために手元のPCに目を落としている間に気づいたらターンが終わっている、なんて事が頻発した。この場に立つまでにきっと多くの研鑽を積んできたのだろう。
ラプトは本厚木を拠点に精力的に活動するプレイヤーだ。「ラさん」との愛称で親しまれ、数多くの戦績を残してきた。今期も【緑ループ】によって入賞を果たしている。
一方のハルキは弱冠14歳の中学生!
普段は家族やショップのプレイヤーと遊んでおり、CSには最近出始めたようで、これからに期待が持てる、そんなプレイヤーだ。
今回はそんなふたりの洗練された「高速」のデュエルをお届けする。
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先攻はハルキ。
《ガロウズ・ホール》《レティーシャ》《神秘の宝箱》から初動は3ターン目の《神秘の宝箱》!
山札から《アパッチ・ウララー》をマナに置いた。
今大会で多くのプレイヤーが使用している【5色ドギラゴン剣】の理想的な初動を成功させた。
一方のラプトはマナに《地獄門デス・ゲート》《エマージェンシー・タイフーン》をセットし、《オニカマス》をプレイ。続けて《サイバー・チューン》でハンドを入れ替えていく。墓地にはまだ大型クリーチャーは見えない。
【5色ドギラゴン剣】と【墓地退化】。
お互いのデッキが複数枚のカードを使用しビッグアクションを決めるコンボデッキの要素を多分に含んでいる。当然先にパーツを揃えた方が勝ちに近づくし、先攻であるハルキが有利.....なはずだった。
ラプトの場にある《オニカマス》がそれを阻む。
その強烈な効果と自身の場持ちの良さによって、色さえ合えばどんなデッキにも採用が検討できるスペシャルなカードだ。ラプトの操る【墓地退化】も例外ではない。
相手がコスト踏み倒しを基幹戦術とするドギラゴン剣デッキである事がわかるや否やすぐに繰り出してきた。
ラプトが「墓地退化のコンボパーツを揃える」だけで良いのに対して、ハルキは「ドギラゴン剣のコンボパーツを揃えた」上で、「選ばれない《オニカマス》を除去」しなければならないのである。
ラプトは《オニカマス》によって稼いだターンで、《アツト》を《落城》で使いまわしながらデッキを掘り進めていく。一方のハルキは《サイバーダイス・ベガス》を貼るも、《オニカマス》に対処する事が出来ない。
そうこうしているうちにラプトが墓地に《デス・シュテロン》を、手札に《落城》《デスマーチ》を揃え、場に《デス・シュテロン》、残ったマナで《デスマーチ》を送り出す墓地退化コンボを完成させた。
デス・シュテロンの効果でハルキの3枚の手札を全て墓地送りに。
今この瞬間から《デス・シュテロン》が支配する「デュエル・マスターズ」が始まった。
1枚では場を解決できないハルキを横目に、デス・シュテロンを立てたまま、1枚ずつ相手のシールドを剥がしていくラプト。2枚とも《フェアリーライフ》がトリガーしたが、ハルキは徐々に追い詰められていく。
ここで何も出来なければ負けは必至。
返しのターン、ハルキは《ドギラゴン剣》をドロー!
悪くない!すぐさま繰り出し、《オニカマス》を戦闘破壊。
ハルキとしてはデス・シュテロンを巻き込んで場をリセットするのがこの状況を解決する最高の手段だと考えているだろう。ラプトはそれを警戒し、デス・シュテロンは立たせたままにしていたのだ。
そして、デス・シュテロンが自ら動き出す。
全てのシールドを剥がし、デスマーチでとどめ....は刺さずに手札を3枚捨てさせてターンを返した。
ハルキの場に《サイバーダイス・ベガス》が置かれており、Dスイッチからの《ガロウズ・ホール》の線を完全にシャットアウトした。ハルキの3枚の手札が葬られる。
デスマーチがブロッカーになっているため、場に残っているバスターによる戦闘でデス・シュテロンを失うこともない。微に入り細を穿つ、非常に丁寧なプレイングを見せた。
盾も手札も全て失ってしまったハルキ、意地を見せられるか。
ーーー祈るようにドローしたその手には、《ガロウズ・ホール》が握られていた。
これによって《ドギラゴン剣》を戻し、《勝利のガイアール・カイザー》から再び革命チェンジ!効果でマナから《レティーシャ》+《勝利のプリンプリン》を呼び出し、《デスマーチ》を固めて《デス・シュテロン》の撃破に成功!《デス・シュテロン》の破壊効果が発動したが、《レティーシャ》で《勝利のプリンプリン》を庇い、場には《ダイスベガス》と《勝利のプリンプリン》が残った。
首の皮一枚繋がったハルキ。ここから逆転できるかもしれない、そんな希望を見せた。
だが、ラプトは手札を失っても尚攻め手を緩めない。
トップデック、《地獄門デス・ゲート》。
効果で《勝利のプリンプリン》を破壊し、再び《オニカマス》を場に。
先ほど《レティーシャ》で《勝利のプリンプリン》を庇った事が裏目に出てしまった...。
再び追い詰められるハルキ。
《ガイアール:Re》によって《オニカマス》はなんとか返すものの、反撃もこれまで。
続けて登場した《アツト》を処理することは出来なかった。
WIN:ラプト
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〜試合を振り返って〜
11ターンに渡る攻防、文章にすると長くなってしまったが、筆者には一瞬の出来事に感じられた。
ハルキ「《デス・シュテロン》が強かったです...。」
彼は劣勢な状況が続いても、最後まで諦めなかった。
若くしてトーナメント・プレイヤーの資質を十分に備えていると感じさせる立ち振舞いを見せたハルキが、いつかどこかの舞台で結果を出す日はそう遠くないだろう。
ラプト「今夜は焼肉に行きたいですね!」
筆者「いわゆる会(※1)ってやつかな?w」
ラプト「ふふふw どうでしょう。優勝目指して頑張ります!」
さきほどまでクールな表情だったラプトが、少年のような笑顔を見せた。
この男、現時点で4-0。今日もノリにノッている。
この冷静なミスのないプレイングを続ければ、トーナメントの奥の奥まで駆け上がっていくのではないか、そんな胸騒ぎがしていた。
※1 ○○会:喜ばしい出来事が起きた際、普段お世話になっている人にお礼を込めておごること。
(文:りゅーてぃ)
画像は公式からお借りしました。http://dm.takaratomy.co.jp/card/
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