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2016年06月12日

暗闇に差す光はぬくもり

「ダイヤログ・イン・ザ・ダーク」という、照度ゼロの世界。
視覚をすべて奪われたとき、人はどのように行動するのだろうか。

ドイツ発祥のダイヤログ・イン・ザ・ダークは、ゼロベースの人間関係から見えてくる、人の本質を浮き彫りにする。
視覚以外の感覚が自然と研ぎ澄まされ、暗闇の中にあっても、視覚的世界を想像できるようになってくるのだから不思議だ。
香りで葉の形を、音で水の柔らかさを、踏みしめる足下からは、冷たい石の感覚とふかふかの芝生の境界線を感じ取る。
見えていることに甘えていた自分自身と向き合う時間。

そんな暗闇の中で、心の支えとなるのが「ぬくもり」だった。

ダイヤログ・イン・ザ・ダークでは、視覚障害者が誘導してくれる。
彼らは目が見えないはずなのに、暗闇の中では、まるで目が見えているかのような動き。
不安がる我々をやさしく誘ってくれるのだ。
彼らの感覚の鋭さ、我々が視覚に頼り切っている感覚を、他の感覚で補う。
その鍛えられた感覚の、能力の高さに感嘆してしまうのだ。

そんな視覚障害者も、暗闇に恐れおののくことはあるのだろうか。
彼らの指針となってくれる者は・・・。
それは、きっと「盲導犬」だ。
盲導犬は視覚障害者にとっての「目」であるだけでなく、「ぬくもり」を与えてくれる「相棒」。

暗闇体験は自分にとって、そんな盲導犬の存在の大きさを感じる体験だった。

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