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自作小説5

【同日 14:11 首相官邸】
避難所の何倍もの警護が取り囲んでいる首相官邸。
避難所の一つからの報告を受け、臨時会議が行われていた。
「やはり揺れが原因か。」
「まだ二度目ですが、ほぼ間違い無いでしょう。」
「気象庁では、その揺れを前もって感知出来なかったのですか?」
「ええ、地震とは全く性質が違うようです。と言いますのは、観測されるのが極限定的な地域、この場合は被害地域と言った方がいいですね、そこのみであり、揺れの回数が一回だけなのです。揺れの強さは震度3〜4と報告されています。」
「ますます分からんな。一体この東京に何が起きているというんだ。」
「総理、まだ東京だけと決まった訳ではありません。未だ原因も何も分かってない以上、関東圏だけでなく日本全土に避難令を出すべきでは…。」
「うむ、私もそれは考えていた。幸い米軍と国連軍が警備協力を申し出てくれている。」
「それは心強い。」
「では、各県庁に今すぐ連絡を。」
数人が部屋を出ていき、すぐに騒がしくなった。
「それと、確か報告ではもう一つおかしなものがあったな…。」
「えぇ、襲ってきたAC(Abnormality Creature)が突然全滅した、と。」
「原因は全く分からないのか。」
「いえ、資料映像記録のためのカメラに人と思われるものが映っていました。男女二人と思われます。」
「何?人だと?人だというなら、何故その場に居た者は皆その姿を見ていないのだ!」
「映像を見る限りのことですので、人ではない可能性もあります。というより人とは思えない速さで動いているので、その可能性の方が高いかと。」
「とりあえずその映像を見せてくれ。」
総理は複雑な表情をしながら言った。
「一体何なんだ…。」
それは国民誰もが思っている事である。


【同日 15:02 都内某大学病院】
ACの被害によって亡くなった遺体が収容されたうちの一つ。そこでの検死の結果、礼以外にもう一人同じような外傷の遺体が見つかった。すぐに先程礼の遺体の傷の異常に気づいた自衛官、甲斐谷 晋也と上官が向かう。
「遺品から、栗野善という青年だと思われます。今遺族の方に連絡を取り、確認のために向かって来てもらっています。」
「そうか。これで二名の者が人為的に殺された可能性が高いと分かったな。」
「はい。問題は、あの状況の中で一体どんな奴が何のためにこんな事をしたのか、ということです。」
「うむ。それについては先程渋谷方面の警護をしていた部隊から気になる情報が入ってきている。いきなり化けm…今はACと呼ぶべきか、奴らが全滅し、視覚的には誰も認識出来なかったが、映像には人間とは思えん速さで動きACを仕留めて行っている者が映っていた。」
「なんですって!?」
「映像解析を進めているようだが、未だ確定的な結論の報告は上がってきていない。だが、間違いなくこの二人の死と何らかの関係はあるはずだ。」
「そうですね。しかし、もしそれが人類の敵だった場合、視覚認識が出来ないというのは恐ろしいですね…。」
「あぁ、そうだな。」


【6月19日 5:35 東京・新宿駅前ビル内】
誰も居なくなったビル内部で、代々木第二体育館の援護をした二人は体を休めていた。
「まだ予兆連絡は来ないか?」
「うん…まだ、みたいね。」
「昨日のうちにもう一回位あるかなとは思ってたが、まさか何も無いとは。」
「きっともう私たちのこと感づいてるだろうから、慎重になってるんじゃない?」
話しながら再び出発する準備を始める。そのとき、ピピピ、という電子音が鳴った。
「サラ!!」
「来たわね!」
少女が耳に手を当てる。その顔にすぐに驚愕の表情が浮かんだ。
「どうした?」
「発生予想地点が、二つ…!?」
「なんだって!?」
「一つが地点E、もう一つが地点Kよ!」
「かなり離れてやがるな。クソッ、昨日はこれを仕掛けてたってわけか!迂闊だった!」
「どうするアレン!」
「お前一人で戦えるか?」
「任せて!」
「よし、二手に別れる。俺がEに行くから、お前はOを頼む。すぐに片付けて援護に行くからな。」
「大丈夫よ、私はそんな柔じゃないわ。」


【同日 5:57 武道館(地点E)】
AC出現予兆の揺れが襲う。自衛隊員達はすぐさま臨戦態勢に入る。雄叫びと共にACの群れが向かってくる。
「来たぞ!撃てェ!!!」
一斉に銃火器が火を噴く。しかし奴らは怯まない。しかも、数が多すぎる。
「だ、ダメだ!このままでは!」
「全員撃つのを止めろォ!」
突然の声に銃声が止む。その一瞬の間に、またもACは息絶えていた。
「またか、代々木に続きここでも…。」
「待て、まだ向かってくるぞ!」
「何!?」


少し離れた所で少年、アレンは舌打ちをした。
「なんでこんな時に限って!」


【同日 同時刻 東京・杉並区 荻窪体育館(地点K)】
こちらも揺れとともに臨戦態勢をとった。しかし、いきなり現れたおかしな姿の少女に戸惑う事となった。
「私は敵ではありません。そして、あなた達は戦う必要はありません。」
「いや、君は何を言っているんだね!?危険だ、すぐ中に避難しなさい!」
「ま、そうなるでしょうね。でも、見ていれば分かります。」
そういうと、少女は姿を消した。自衛隊員達は呆然となったが、すぐにACの事を思い出し銃を構える。
が、すでにACは全て息絶えていた。
「さっきの子がこれを…?」
驚いている自衛隊員の前に先程の少女が現れた。手には金色の剣を持っている。
「終わりました。ご安心ください、もう奴らはこの付近には居ません。」
「そ、そうですか。感謝致します。しかし、君は一体何者なんだい?」
「それは…申し訳ありませんが、お話する事は出来ません。」
「何を言って…。」
「失礼します。」
「ちょっと待t」
「ガァッ!」
「「!?」」
立ち去ろうとする少女を呼び止めようとする後ろで突然呻き声がした。少女、サラとその隊員が同時に振り返る。
そこには、胸から血を流している隊員の姿があった。
「ど、どうした!!!!!?」
「い…いきなり…。……。」
息絶えてしまったようだ。全員が少女に疑いの視線を向けたが、少女の眼は既に別の方を見ていた。
顔は鬼の形相になっている。
「君…?」
「…この…クソッたれが…。」
「!?」
「セナ、出てきなさい!」
意味が分からない、なんなんだこいつは。
全員が得体の知れないその少女に恐怖を感じ始めそうになっていた。が
「サラ、まさか君たちがこっちに来てるとは思わなかったよ。」
全員の目の前に少年が現れる。格好はサラと対照的、鎧を纏った、ゲームで言う騎士のような見た目である。
「久しぶりね、セナ。」
「久しぶり?三日前に会ったばかりじゃないか。」
「私達にとっては一月ぶりよ。」
「あぁ、そういうことか。」
「そんなことはどうでもいい。セナ、あなた自分が何をしているか分かっているの?」
「別に、この世界を僕のものにしようと思ってるだけだよ。」
「そんなくだらない事のためにこんな酷い事を!」
「くだらない?くだらないことをしてるのは君たちの方じゃないか。」
「なんですって?」
「君たちはこの世界の人々を救おうとしてるんだろ?」
「当たり前じゃない!」
「ウルファスへの対処すら手こずる奴らを守ろうとするなんて馬鹿らしい。こんな屑どもに生きてる価値なんてない…」
言い終わらないうちにサラが斬り掛かっていた。抜剣し、受け止めるセナ。
「おっと怖い。」
「あんたは私が殺す、絶対に!」



続く



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