2020年04月18日
【ネタバレあり】映画『ミッドサマー感想』明るさと恐怖が共存している・・・
前作「へレディタリー継承」で世界に衝撃を与えた、アリ・アスター監督の長編2作目。(続編ではないよ)
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観終わった後にじっとりとイヤ〜な感じのする映画でした。もちろんほめてます!
へレディタリー継承とは直接関係はないのですが、監督の世界観や毛色はどうしても通ずるものがあるので見ておくといいかもですね。
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先に言っておくと、心霊要素ありません。でも分類的にはホラーだと思います。
物語には、宗教・セクシャル・グロなど、さまざまな要素が混在し、主人公一味が訪れた閉ざされた小村での「夏至祭」と村の風習を時間を使ってじっくりと描いています。
あらすじ
舞台はスウェーデンのとある村、そこでは古くから独特な風習があるようで。はじめは自然の中で穏やかに暮らす平和な民族の感じ(まあここはどこのホラーやミステリーでも同じですよね笑)。しかし村の年老いた二人の男女の死から様子は一変します。村では一定年齢を迎えると自ら命を絶ち、新たに新生児として生まれ変わると信じられており、死に対し普通ではない価値観を持っているようです。一気に「ヤバいとこじゃん…」と思い始めた主人公たちを待ち受けたのは…
明るい怖さ
劇中でキーワードとなる「夏至祭」。文字通り夏至なのでなかなか日が暮れません。基本的に明るい中で描かれる恐怖がこの映画の醍醐味です。「ホラー映画では怖い出来事は夜に起こる」という固定観念は通じません。昼間なのに怖い。昼間だから怖い!
そして村の文化や宗教観など、作りこまれた世界観ももちろん見ものなんですが、何といっても映像がすごい。説明が難しいけど、常に酔っぱらっている感じというかなんというか。もわもわしてる^^
物語終盤に出てくる花の描写はホントに必見です。まるで花が生きているような感じがかなり気持ち悪い!見ていると自分まで「狂ってきたんか?」と思うほど不可思議な映像でした。観る人は気を確かに!
世界観がすごい
小学生並の感想。
しかし本当に世界観の作りこみはすごいと思います。前述の映像だけでなく、村の雰囲気や細かい演出においても、それが垣間見えます。
例えばですが、、、
・ラブストーリーのタペストリー:好意を持った女性が相手の男性に自分の陰毛を食べ物に混ぜて食べさせることで結ばれる。という物語のイラスト。(鬼ヤバ4コマ漫画ですな)←これは主人公の恋人クリスチャンの後々にかかわる伏線でもありました。
・村のルール:村では72歳になると次の人生に生まれ変わるため、自分で崖から飛び降り死亡します。この手の描写だとよくあるのは着地の際の映像は映さずに音だけとかなんでしょうけど、この映画ではおもっくそ写ってます。その後死に損なった老人をハンマーで、、、続きは映画館で!
・実は開幕でネタバレしていた:開幕のよく分かんない絵だなーとおもってみてた一枚絵が実は物語のすべてを語っていました。画像はあえて貼りませんが気になった方は調べてみてね。
ほかにもところどころに熊が出てきたり、作りこまれたルーン文字など一度見ただけではわからない要素がめっちゃあります。挙げてくとキリがないです。。。
この映画って
ラストのシーンは、「狂った方が幸せかも、むしろ『狂ってる』という状態こそが人間にとって当たり前の状態なのかも。」とかちょっと考えました。ホントの自分を解放するとかちょっと宗教色強めですけどそんな感じなんでしょうか。そこに美的な色合いを取り入れて描いた作品なのかなーとか思ったり。まあそこまで深く考えなくても十分すごい映画だと思いましたけどね。
映画としてはかなりおすすめなんですが、周りの人に安直に「これよかったよ!」とかいうと観た人からドン引きされかねないキケン?な映画でした。おススメする相手をよく選ぼう!
価格:2,200円 |
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