2021年02月09日
【ネタバレあり】映画「燃ゆる女の肖像」あらすじ感想―美しすぎる2人の愛の結末とは?―
こんにちはろしです。
今回もいつものように映画を紹介していくよ。
今回は珍しく恋愛映画!「燃ゆる女の肖像」を紹介します。
滅多に見ない恋愛映画。でもめちゃくちゃいい映画だったー^^
それではいきましょう^^
※以下ネタバレを含みます。まだ観てない人は要注意!
18世紀フランス。画家のマリアンヌは女学生たちに絵画を教えていた。ふと学生たちの奥に目をやると自分が過去に描いた絵があることに気づく。名前を「燃ゆる女の肖像」というその絵を見つめマリアンヌは過去のある出来事を思い出す。。。
かつてマリアンヌはある夫人から娘の肖像画を描いてほしいとの依頼を受けた。娘の名前はエロイーズといい、結婚相手の男性に送るための肖像を描いてほしいという依頼。だがエロイーズは結婚を望まず、以前来た画家には絵を描かせないために一度も顔を見せなかったという。母は絵を描くため身分を隠して娘に近づくよう頼み込む。かくして散歩相手として彼女と行動を共にすることになったマリアンヌ。散歩中エロイーズの顔を観察し、部屋に戻っては肖像の作成にあたるという生活が始まった。エロイーズと散歩の時間を通して少しずつ彼女の心に触れていくマリアンヌ。お互いがお互いに対して心を開いていくようになっていく。散歩以外にもトランプや談話を共にするようになった2人。彼女たちの間に特別な感情が生まれ始めていた。製作締め切りが迫る中、肖像画は完成するのだろうか。そして2人の関係はどのように変化していくのだろうか。。。
あらすじに女性しか出てないよ、と思うかもですが恋愛映画です。そういうことです。この映画のキモはマリアンヌとエロイーズの関係。2人は行動を共にすることで徐々にお互いを想うようになっていきます。その過程、2人の愛の深さと結末の絶妙な儚さたるやなんと美しいことか。肖像画を完成させなければならないマリアンヌ。しかし絵の完成は彼女との別れを意味する。彼女の微妙な感情をリアルに描き出したセリーヌ・シアマ監督はホンマ天才やなこれ。特に注目なのは物語中盤に出てくる島の住人たちが集う祭りのシーン。焚火を囲って歌を歌う島の人々。火を挟んでお互いを見つめあうマリアンヌとエロイーズ。絶妙な表情を浮かべるエロイーズの服に火の粉が飛び移りタイトルの「燃ゆる女の肖像」の意味を回収します。歌声や風景の美麗さなんかにも引き込まれます。そしてこのシーンから一気に二人の距離が縮まり…
(C)Lilies Films.
この映画観ると驚くのがBGMという概念がないんです。作中におけるほとんどのシーンは音楽なし。だからこそ聞こえてくる主人公たちの息遣いや炎のパチパチという音。普段は映画館では大迫力のサウンドを楽しむことが醍醐味だと思ってたんですがこの静けさの中で感じる音がたまらない!こんな魅せ方があるのかとただただ感嘆が出るのみ!そして登場する2曲だけの音楽もストーリー上とても重要な意味を持ちます。1つ目は前述の島の祭りでの住人たちの歌声。独特の民謡のような心地よいリズムと音楽が盛り上がっていく様子が主人公たちの恋愛関係と重なり作中屈指のアツいシーンとなっています。そしてもう一曲がヴィヴァルディの「夏」。エロイーズから音楽はできるかと聞かれたマリアンヌはこの曲を演奏してみせます。この曲が好きだといい、一節ずつ意味を説明しながら弾いていく彼女。それを見つめるエロイーズという構図。そしてこれがラストシーンへとつながっていきます。離ればなれになってしまった2人の最後の再会のシーンとして描かれます。コンサートで偶然エロイーズを見かけたマリアンヌ。エロイーズはこの「夏」を聴き、かつての思い出に浸り涙を流していた…。この伏線の回収の仕方もおしゃれでキレイですよねー^^最後の最後終わり方までぬかりありませんね。ホントすごい。
(C)Lilies Films.
主役のマリアンヌをノエミ・メルラン、島の令嬢エロイーズをアデル・エネルが演じます。アデル・エネルと監督のセリーヌ・シアマは実は元パートナー同士という関係。こうした生活も映画のリアルさに反映されているんですかね。主要な人物と言えば主人公2人に加えエロイーズの母親役としてヴァレリア・ゴリノ、使用人のソフィをルアナ・バイラミが演じます。ほとんどこの4人の間で物語が進んでいきます。使用人のソフィに子供ができ堕胎をするシーンもとても印象的です。脇に赤ちゃんがいる中で堕胎を行ったり、エロイーズがマリアンヌに堕胎の様子を模した様子を描かせようとしたりなどなかなかなシーンもあります。彼女たちの何気ない会話などのシーンも絶妙な演技が光ってましたね。。。
さて今回は映画「燃ゆる女の肖像」を紹介しました。ホンットに美しい映画でした。自分にもまだ「美しい」なんて感情を持つことがあるなんてビックリでしたけど^^^;
この作品は世界中の評論家からも絶賛されてるみたいですね。アカデミー賞にはこの年は別の映画が出品されたようですが外国語作品賞もワンチャンあったんちゃうかこれ。。。
まだ2月が始まったばかりですが完全に現時点での今年No.1ですね!
素晴らしい映画でした!まだ観てない方はぜひ!
それでは皆さんさよならー
今回もいつものように映画を紹介していくよ。
今回は珍しく恋愛映画!「燃ゆる女の肖像」を紹介します。
滅多に見ない恋愛映画。でもめちゃくちゃいい映画だったー^^
それではいきましょう^^
※以下ネタバレを含みます。まだ観てない人は要注意!
あらすじ
18世紀フランス。画家のマリアンヌは女学生たちに絵画を教えていた。ふと学生たちの奥に目をやると自分が過去に描いた絵があることに気づく。名前を「燃ゆる女の肖像」というその絵を見つめマリアンヌは過去のある出来事を思い出す。。。
かつてマリアンヌはある夫人から娘の肖像画を描いてほしいとの依頼を受けた。娘の名前はエロイーズといい、結婚相手の男性に送るための肖像を描いてほしいという依頼。だがエロイーズは結婚を望まず、以前来た画家には絵を描かせないために一度も顔を見せなかったという。母は絵を描くため身分を隠して娘に近づくよう頼み込む。かくして散歩相手として彼女と行動を共にすることになったマリアンヌ。散歩中エロイーズの顔を観察し、部屋に戻っては肖像の作成にあたるという生活が始まった。エロイーズと散歩の時間を通して少しずつ彼女の心に触れていくマリアンヌ。お互いがお互いに対して心を開いていくようになっていく。散歩以外にもトランプや談話を共にするようになった2人。彼女たちの間に特別な感情が生まれ始めていた。製作締め切りが迫る中、肖像画は完成するのだろうか。そして2人の関係はどのように変化していくのだろうか。。。
バリバリの恋愛映画です。はい。
あらすじに女性しか出てないよ、と思うかもですが恋愛映画です。そういうことです。この映画のキモはマリアンヌとエロイーズの関係。2人は行動を共にすることで徐々にお互いを想うようになっていきます。その過程、2人の愛の深さと結末の絶妙な儚さたるやなんと美しいことか。肖像画を完成させなければならないマリアンヌ。しかし絵の完成は彼女との別れを意味する。彼女の微妙な感情をリアルに描き出したセリーヌ・シアマ監督はホンマ天才やなこれ。特に注目なのは物語中盤に出てくる島の住人たちが集う祭りのシーン。焚火を囲って歌を歌う島の人々。火を挟んでお互いを見つめあうマリアンヌとエロイーズ。絶妙な表情を浮かべるエロイーズの服に火の粉が飛び移りタイトルの「燃ゆる女の肖像」の意味を回収します。歌声や風景の美麗さなんかにも引き込まれます。そしてこのシーンから一気に二人の距離が縮まり…
(C)Lilies Films.
音楽がないからこそ聞こえるもの
この映画観ると驚くのがBGMという概念がないんです。作中におけるほとんどのシーンは音楽なし。だからこそ聞こえてくる主人公たちの息遣いや炎のパチパチという音。普段は映画館では大迫力のサウンドを楽しむことが醍醐味だと思ってたんですがこの静けさの中で感じる音がたまらない!こんな魅せ方があるのかとただただ感嘆が出るのみ!そして登場する2曲だけの音楽もストーリー上とても重要な意味を持ちます。1つ目は前述の島の祭りでの住人たちの歌声。独特の民謡のような心地よいリズムと音楽が盛り上がっていく様子が主人公たちの恋愛関係と重なり作中屈指のアツいシーンとなっています。そしてもう一曲がヴィヴァルディの「夏」。エロイーズから音楽はできるかと聞かれたマリアンヌはこの曲を演奏してみせます。この曲が好きだといい、一節ずつ意味を説明しながら弾いていく彼女。それを見つめるエロイーズという構図。そしてこれがラストシーンへとつながっていきます。離ればなれになってしまった2人の最後の再会のシーンとして描かれます。コンサートで偶然エロイーズを見かけたマリアンヌ。エロイーズはこの「夏」を聴き、かつての思い出に浸り涙を流していた…。この伏線の回収の仕方もおしゃれでキレイですよねー^^最後の最後終わり方までぬかりありませんね。ホントすごい。
(C)Lilies Films.
登場人物は少なく実力派で固めている
主役のマリアンヌをノエミ・メルラン、島の令嬢エロイーズをアデル・エネルが演じます。アデル・エネルと監督のセリーヌ・シアマは実は元パートナー同士という関係。こうした生活も映画のリアルさに反映されているんですかね。主要な人物と言えば主人公2人に加えエロイーズの母親役としてヴァレリア・ゴリノ、使用人のソフィをルアナ・バイラミが演じます。ほとんどこの4人の間で物語が進んでいきます。使用人のソフィに子供ができ堕胎をするシーンもとても印象的です。脇に赤ちゃんがいる中で堕胎を行ったり、エロイーズがマリアンヌに堕胎の様子を模した様子を描かせようとしたりなどなかなかなシーンもあります。彼女たちの何気ない会話などのシーンも絶妙な演技が光ってましたね。。。
さて今回は映画「燃ゆる女の肖像」を紹介しました。ホンットに美しい映画でした。
この作品は世界中の評論家からも絶賛されてるみたいですね。アカデミー賞にはこの年は別の映画が出品されたようですが外国語作品賞もワンチャンあったんちゃうかこれ。。。
まだ2月が始まったばかりですが完全に現時点での今年No.1ですね!
素晴らしい映画でした!まだ観てない方はぜひ!
それでは皆さんさよならー
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