2015年12月21日
【新宿スワン】出演者・感想・完全ネタバレ
本日の映画紹介。
【新宿スワン】
【出演者】
白鳥龍彦(バースト):綾野剛
南秀吉(ハーレム幹部):山田孝之
アゲハ:沢尻エリカ
山城神(バースト社長):豊原功補
真虎(バースト幹部):伊勢谷友介
関玄介(バースト幹部):深水元基
時政(バースト幹部):村上淳
洋介(バースト):久保田悠来
松方(ハーレム社長):安田顕
葉山豊(ハーレム幹部):金子ノブアキ
毒山(ハーレム):一ノ瀬ワタル
涼子(クラブママ):山田優
栄子(キャバ嬢):真野恵里菜
梨子(関の彼女) - 丸高愛実
天野修善(会長):吉田鋼太郎
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【感想】
面白かった。
時間軸が分かり難いですが、
全ての出演者にスポットを当てるあたりは、
今後もストーリー化・・・を匂わしてますね〜
それぞれにストーリーがあり、
漫画が人気名理由が分かります。
しかし映画に全てを組み込みすぎたのは、
漫画を呼んでいない人からすると・・・
それでもここまで分かりやすい作りにして、
終わりもしっかりさせたあたりはさすがです!
とりあえず漫画読んでみようかな〜
って思ってます。
さすが園子温さんですね〜
【あらすじ】(ネタバレあり)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
俺はその頃は、人生の最下点にいた。
何も考えずに新宿にやって来た。
新宿は底辺からのし上がるには一番の町だ。
残された全財産・・・
帰る電車賃もねえ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
新宿の街を歩く白鳥龍彦。
新宿を徘徊する不良たちに、
「テンパかよ!だっせえ!」
と言われ、すれ違いざまに頭を叩かれた。
それに対して龍彦は怒った。
「おい、お前!」
「今日クソ機嫌わりい。」
そう言って不良たちを殴った龍彦。
しかし多勢に無勢。ボコボコにされる龍彦。
それを見ていた真虎は不良たちに言う。
「もう、いいんじゃないのそこらへんで。」
「こいつは俺のダチだ!」
真虎は新宿でも知られた存在。
不良は躊躇いながらも、ダチなはずないと言うが、
「今からダチになるんだよ。」
そう言って龍彦を引き取った。
その後無一文の龍彦に、ご飯をご馳走した真虎。
見ず知らずの自分に優しくしてくれる真虎に聞いた。
「どうして俺にこんなことしてくれるんですか?」
真虎は答える。
「言っちゃったからね。ダチになるって。」
「行く当てもない。仕事も無い。金もない。」
「人生がなくなりかかって、
プライドなんて言ってられない。」
「そんな奴を探してるんだ。」
「お前スカウトやらない?」
「いい顔している。お前向いてるわ。」
龍彦にスーツを着せた真虎。
クラブのスカウトをやらそうとする。
龍彦は簡単だと言って、
自信があるように女の子に声をかけた。
しかし一向に足を止めない新宿の女性たち。
見かねた真虎は手本を見せると言い、
あっという間に女性は足を止めた。
それを手本に真似をする龍彦だが、
何をやってもうまくいかない。
仕舞いには土下座までして、
「すいません。」
「忙しいの分かってますけど時間下さい。」
龍彦の行動に天を仰いだ真虎だったが、
「いいよ。」
「土下座までされたら、
聞かないわけにはいかないでしょ。」
そう言って女性は足をとめるのだった。
喜ぶ龍彦に真虎は言う。
「ここから先は俺が引き取るよ。」
次は足を止めた女性に真虎は聞いた。
「ヘルスでいいよね?」
そのまま知り合いのヘルスへ連れて行く。
店長は簡単な実技面接をしてから真虎に言う。
「テク普通だけど顔可愛いし、
真虎さんなんでAランクで。」
それを聞いて真虎は龍彦に言った。
「良かったな。」
「Aついたからまずお前にボーナス5万入る。」
「彼女がここで働き続ける限り、
彼女の給料の10%がお前に入る。」
「土下座してみるもんだな〜。」
それを聞いて複雑な気持ちになった龍彦は店を出た。
追いかけた真虎は声をかける。
「大丈夫か?」
その言葉に龍彦は言った。
「俺やっぱこの仕事向いてないです。」
それを聞いた真虎は怒った。
「てめえがビビっただけじゃねえか。」
「お前、あの女を不幸にしたなんて
思ってねえだろうな?」
「風俗で働く女を、
お前が不幸だと思うのは大間違いなんだよ!」
「金稼いで、いい服着て、
美味いもん食って、適当に遊べて、
男も女もみんな楽しみたい。」
「需要と供給。」
「俺たちはこいつらを幸せにして金儲けをする。」
「嫌なら辞めな。止めねえよ。」
そう言って背を真虎に龍彦は言う。
「待ってください。やらせてください。」
「ただ、俺がスカウトした女の子には、
必ず幸せだって言わせます。」
こうして龍彦のスカウトマンとしてが始まった。
新宿の町でスカウトをしていた秀吉。
あっさり女の子の足を止めさせていた。
「俺、秀吉。」
「新宿歩くんだったら
俺の名前覚えておかないとダメだよ。」
秀吉は名のあるスカウトマン。
他のスカウトマンたちには頭を下げられる存在。
そんな秀吉の視線の先には龍彦が立っていた。
龍彦は毎日教育係の洋介とスカウトをしていた。
そんな様子を遠くで見ていた真虎。
真虎は龍彦を連れて事務所に行った。
「洋介の話よりオブザベーションが大事。」
「この窓からの景色だ。」
真虎はそう言うと望遠鏡を龍彦に渡した。
オフィスから見える新宿を歩く女性。
その女性を見て人生を推測する。
「話す前、会う前に相手を一見しただけで見抜く。」
「そうすれば、話し方やり方もスマートになる。」
そう言い龍彦に指南した。
その頃秀吉は新宿のある場所にいた。
「1000万ある。」
「今月かこの分まわしてくれ。」
「今日からルール変えたらいいだろ。」
そう言われた売人はヤクを秀吉に渡した。
「俺が新宿を統一したら
今までの量じゃ足りないからな。」
秀吉が事務所に戻ると、
幹部の葉山に松方社長が怒鳴っていた。
「今月も売上落ちてるぞ。」
「お前バーストに幅効かされすぎなんだよ。」
それを見ていた秀吉は、事務所を出た葉山に言う。
「早く社長を追い出して、
2人でハーレム仕切りましょうよ。」
「今月の売上。1280万です。」
「もう軽く1億は越えているはずですから、
バーストなんていつでも潰せますよ。」
「あんまもたついてるなら俺1人でやっちゃうかな?」
翌日。
スカウトをしていたバーストのスカウトマン。
そのスカウトマンに近づく秀吉と取り巻き達。
「お前どこのもんだ?」
「あのブロックからこっちはバーストの島だ。」
怯えながら反論するバーストスカウトマン。
「ここグレーゾーンなはずじゃ?」
それに対して秀吉は、
「今日からここは、南秀吉の島にする。」
そう言ってスカウトマンの携帯を奪い、潰した。
そして秀吉は取り巻き達に言った。
「ハーレムなめる奴いたら容赦なく潰せ。」
天野会長に一千万を納めたバースト社長山城。
そんな山城に天野は言った。
「はした金だな。無いよりはましだな。」
「もし他社が、
この金の倍盛ってきたらどうなると思う?」
「安心なんて一番無駄なもんだよ。」
そう言って上納金のアップを要請した。
事務所に戻った山城は、
ハーレムが倍の上納金を払ったらと悩んでいた。
その話を聞いて真虎は言った。
「あるでしょ。一気に解決する方法が。」
「ハーレムをうちの参加に入れちゃう。」
「最近ハーレムのスカウトの行儀が悪い。」
「俺は上納金の話も、
ハーレムをまとめるいい話だと思ってます。」
「社長考えておいてくださいよ。」
真虎の提案を聞いて幹部の関も賛同した。
「ハーレムと、もめましょうや。」
何も知らずにスカウトをしていた龍彦は、
町を歩いていた涼子に話しかけていた。
龍彦に興味を持った涼子。一緒に居酒屋に向った。
その居酒屋では別れ話で、もめるカップルがいた。
涼子は、もめるカップルの女性に言った。
「男相手に泣いてるんじゃないよ。」
「さっさと新しい男でも作って見返してやりな。」
「歌舞伎町の女ならね、負けてんじゃないよ。」
「かっこ良く生きな。」
それを聞いてカッコいいと褒める龍彦。
負けじと龍彦も男に言った。
「関わった女全員幸せにしてやんな。」
「俺も同じ男だからよ。」
「男の評価下げてるんじゃねえぞ。」
それを見ていた涼子は龍彦を気に入り言う。
「決めた。」
「うちの店でくすぶっている子のリストあげる。」
「引き抜いて新しい店に入れてあげて。」
クラブママだったことに驚く龍彦。
そんな龍彦に涼子は言った。
「ハンコつこうか?」
そして2人ホテルへ・・・
数日後、真虎は龍彦を連れてクラブにいった。
そこは真虎がスカウトした女性が働いている店。
席につくと、その店のママが挨拶に来た。
そのママは涼子であった。
驚いた龍彦はつい名前を呼んだ。
しかし涼子は知らぬ顔して聞く。
「あれ?どこかでお会いしましたっけ?」
真虎は涼子に言った。
「お前も出世したな。これだから女は怖い。」
澄ました顔で涼子は答える。
「男が10年位かかるところを、
ある日一瞬にして手に入れる。」
「いい女だけが持っている特権よ。」
一方で龍彦に付いていた女の子は聞く。
「ママと会ったんでしょ?」
「ハンコ押された?」
「ママがハンコ押した男何年ぶりだろう!」
「ママがあなたを認めたんだよ。」
「絶対期待に答えなきゃね。」
ある日幹部の関が龍彦に声をかけた。
関に連れられて行った先はハーレムの島。
そこでスカウトするように支持をされた。
当然ハーレムのスカウトマンに絡まれて、
秀吉の下に連れて行かれた。
一部始終を見ていた関は、
助けるどころか笑いながらその場を去った。
秀吉を見た龍彦は、
「あんた誰?」
その言葉に怒った秀吉、
「知らねえ訳ねえだろ!」
そう言って龍彦を殴った秀吉。
龍彦は秀吉と取り巻きに囲まれ、
ボコボコに殴られ蹴られた。
そして最後には秀吉の指示で、
取り巻きたちに指の骨を折られた。
直ぐにバーストでは会議が行なわれた。
真虎は龍彦の話を聞き山城に言う。
「俺話しつけてきます。」
しかし山城は、
「この件、関に任せようじゃねえか。」
その言葉に反論する真虎。
「竜彦は俺の弟子だ。」
「勝手にあいつを使うんじゃねえ。」
それを制するように関は言う。
「バーストの社員だ。誰のものでもねえ。」
「任されたもんは仕方ねえよな。」
反対する真虎も山城が決めた事で、
仕方なく引くしかなかった。
完全に関のシナリオ通りであった。
関は龍彦のもとへ行き声をかけた。
「仕返しに行くぞ。」
「俺が責任を取る。真虎は関係ねえ。」
もちろん龍彦は賛同し、秀吉のもとへ向かった。
多数のハーレムスカウトマンに挑んだ二人。
しかし多勢に無勢。あっという間にボコボコになる。
これも関の思惑通りだった。
龍彦だけではなくて幹部も痛めつけられた。
これをネタにハーレムの社長松方を問い詰める。
松方に山城は言う。
「選択肢は2つに1つ。」
「ハーレムは本日を持って解散、廃業。」
「それが嫌なら、うちの傘下に入れ。」
もちろん条件を飲まない松方。
それに対して別の取引を持ちかける山城。
「金に困っているんだって?」
「買ってやるよハーレム。」
「しかも内緒で・・・」
ゆらぐ松方。しかし下のものに示しがつかない。
この反応も想定内とばかりに山城は言う。
「龍彦やるよ。」
それを聞いていた龍彦は、
「俺をハーレムに売るんですか?」
「あんたら、最初から俺のことを・・・」
「ふざけるなよ。俺は帰るぞ。」
帰ろうとする龍彦を止め殴る幹部の時政。
龍彦はボコボコにされて言う。
「ここで殺せ。今すぐ殺せ〜。」
「あんたらにおもちゃにされるくらいなら、
死んだほうがましだよ。」
「お前みたいな奴らにコケにされてよ〜。」
「脳みそ撒き散らして死んだら、
お前ら迷惑だろ?」
そう言って消火器で自分の頭を叩こうとしたとき、
「バカ何やってるんだ。」
「こんな風にしたら掃除大変だろうが。」
そう言って事務所に入っ龍彦を止めた真虎。
一緒に入ってきたのはハーレム幹部葉山。
真虎は葉山を山城に紹介して、
ハーレムを買っても誰もついて来ないという。
実質ハーレムを仕切っているのは葉山で、
葉山が納得しなければ話は成立しないと。
そしてさっきまでの松方の商談を録音した、
タイムレコーダーを流した。
慌てる松方を尻目に真虎は山城に言う。
「社長商談の話を少し変えるだけです。」
そして葉山も松方に言った。
「松方さんあんたには降りてもらうよ。」
「このたびの件は全てハーレム側の落ち度です。」
「三千万円はいりません。」
「社長を除く全員が無条件で、
今日からバーストの参加に入ります。」
「以後よろしくお願いします。」
それを聞いて喜んだ山城。
この話に納得していなかったのは関だけだった。
「いい話は裏が見えるまでは納得しねえぞ。」
話がまとまり龍彦はハーレムに差し出されずに済んだ。
騙されていた事にショックを受けた龍彦に真虎は、
「まだお前は、
利用されるだけの価値しかなかったって事だよ。」
そう言い龍彦の頭を叩くのだった。
ハーレムの吸収は社長の松方以外、
葉山を筆頭に全ての幹部はグルであった。
理解のできないでいる松方に葉山と秀吉は言う。
「バーストとつるんでバーストでかくするんだよ。」
「金も力もあって、頭のいいやつが、
でかくなったバーストをしきる。」
「誰とも争わず、
血も見ないでバーストそっくり頂くんだよ。」
翌日バーストとハーレムの全社員が集められた。
幹部は真虎と関、葉山と時政。全員が横並び。
そして社長が出した結論は、実力勝負。
1ヶ月トータルで、
最もスカウトを多く成立させた人間を幹部とする。
それを聞いて幹部になれるかも?と喜ぶ龍彦。
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新宿の街を黒服から逃げるアゲハ。
それを助けた秀吉。
アゲハは金庫から5万を抜いて逃げていた。
秀吉は黒服に5万を渡していった。
「俺この子買うよ。」
「どうせ今の店じゃ働けねえだろ?」
そしてアゲハを買った秀吉は、
馴染みのヘルスの店長大林に引き渡した。
秀吉はアゲハには借金を立て替える約束をして、
大林には寝させずに働かせろと伝えた。
龍彦はスカウトをしていて、
ちょうど店を探していた栄子とであった。
風俗で働きたいと言う栄子を説得して、
キャバクラへと連れて行った龍彦。
栄子はリストカット跡が沢山あったが、
顔のよさで店長は受け入れてくれた。
真虎と葉山はビルの屋上で新宿の街を見ていた。
真虎は葉山に言う。
「素性も知れねえ、行き先も見えねえ、
そんな奴等がどっからとも無く集まってくる。」
「人生をかけて、
思いのたけを尽くしてこの街で生きる。」
「だが、誰一人として他所者扱いされねえですむ。」
「それが新宿って街だ。」
そう言ってから葉山の今後のプランを聞いた真虎。
「時の流れるままにですよ。」
そう言って聞き流す葉山。
葉山は関について真虎に聞く。
関の性分を教えた真虎は、
逆に秀吉のことを葉山に聞いた。
しかし葉山は知らないと答えるのみだった。
秀吉の素性を知りたい真虎は、
涼子の紹介で探偵を雇い秀吉を調べる事にした。
秀吉はスカウトを成功したスカウトマンを呼び出し、
スカウトした女性が欲しいと脅しをかけていた。
もちろん多額の金額を積んで買収を始めた。
何もせずに数字を稼ごうとの動きであった。
それを知った関は山城に伝えた。
山城は聞き流すように答えた。
「幹部のほとんどがバーストだ。」
「1人位昇格したからってどうでもねえ。」
アゲハ寝ずに働いていた。
そして店で暴力を振るう大林におびえていた。
店を訪れた秀吉はアゲハに優しくして、
「いいものあげるよ。」
と言ってヤクを渡した。
龍彦は栄子と新宿の街で会い、
栄子の相談に乗ろうとしていた。
しかし笑って誤魔化した栄子。
一緒にとったUFOキャッチャーのぬいぐるみを、
龍彦に渡して言った。
「コレあげる。仕事紹介してくれたお礼ね。」
しかしその翌日栄子は自殺した。
落ち込む龍彦に真虎は言った。
「お前のせいじゃない。」
「行ってお前がスカウトした
女の子たちがいる通り歩いてみろよ。」
「ここまでお前がやって来たことが見えるから。」
落ち込みながら新宿の町を歩いた龍彦。
会う女の子達はみんな笑顔で龍彦に話し掛けた。
優しさに触れた龍彦は泣きながら言う。
「みんな大好きだバカヤロウ!」
関はまたしても計画をたてた。
彼女の梨子をハーレム側にスカウトさせた。
ハーレム側にスカウトされた女性の行く店では、
ヤクが出回っていることを嗅ぎつけた。
アゲハは寝ずに働き続け、
朦朧とする中絵本を読んでいた。
〜「まぼろしの王子さま」〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
親に捨てられて
ずっと奴隷として働いていた家から
王子様は私を見つけ出すと、
手を握り、森に連れ出してくれたんです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そこに大林が来て仕事をお願いする。
休みのはずのアゲハだが、
大林に脅されついには逃げ出した。
ちょうどスカウトした女性を紹介に来ていた龍彦。
アゲハに手を上げていた大林を殴り、
紹介するはずだった女の子に言った。
「こんな店やめよう。別紹介するから。」
そう言ってアゲハの鞄から落ちた絵本を拾った。
するとアゲハは龍彦の手をとって言う。
「一緒に逃げよう。」
言われるままに龍彦はアゲハと
店を出て新宿の町を走った。
〜「まぼろしの王子さま」〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
コレだけ走ったのはいつ以来だろう。
私は嬉しくて楽しくて
王子様は私のために、
木の枝と森の花で家を建ててくれたのです。
王子様は私と森に逃げると
魔法のカーテンを使い追っ手を見事に撹乱したんです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
逃げた2人は、
ゲームセンターのプリクラの中へ逃げ込んだ。
「王子様だ。よろしくね。私の王子様。」
そして龍彦に金を貰い一緒にプリクラを撮った。
しかし我に返るアゲハ。
「店戻んないと。」
そんなアゲハに戻ってはいけないと伝え、
新たな店を紹介した龍彦。
王子様と呼ぶアゲハに由来を聞くと、
「私の好きな絵本があってね。」
「龍彦君その王子様に似ているんだ。」
「なんで優しくしてくれるの?」
「今日会ったばかりなのに?」
龍彦は答えた。
「あんなの見たらほっとけないよ。」
「スカウトマンとしても。」
それを聞いて一瞬落ち込むアゲハ。
「そっか・・・仕事だもんね。」
「商売道具なんだよね私。」
龍彦はアゲハの表情を見て続けた。
「アゲハはアゲハだろ。」
「男の子が女の子を守るの当然でしょ?」
「俺が店を紹介したからには、
アゲハには幸せになってもらうよ。」
〜「まぼろしの王子さま」〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
王子様は私を心から笑顔にしてくれました。
生まれて初めて心から笑いました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
関は彼女を通じて、
秀吉のヤクの売買の事実を突き止めた。
売買の予定とされるボーリング場に向かった関。
しかしそれは秀吉の罠であった。
関は秀吉のヤク売買を漏らすと言うも、
秀吉は関をここから出さないと告げた。
そして関の彼女を人質に取った秀吉。
関は取り押さえられて、
ボーリングのレーンに押さえつけられた。
そして秀吉は関をピンに見立てボーリングを始めた。
関が最後に発した言葉は・・・
「真虎。こいつをぶっ潰せ。」
龍彦はアゲハが持っていたヤクに気がついた。
同時に関が重態になったことを知る。
山城は天野会長にヤクの話を相談しに行った。
すると天野は言う。
「この件解決なしにお前とは向き合うことはない。」
この言葉に秀吉の真相を調べることを決めた。
秀吉はどんどん調子に乗っていた。
涼子の店で暴れる秀吉。
涼子が秀吉のもとに行くと、
「俺のこと知っているよね?南秀吉。」
涼子は澄ました顔で答える。
「存じ上げませんわ。」
「他のお客様のご迷惑になります。」
「お引取り願いますか?」
その言葉に怒った秀吉。
「後悔するぞ。」
「俺はいずれこの町を仕切る男だ。」
それでも負けない涼子は言う。
「あなたが仕切るような町になったら、
私たちのほうから出て行きます。」
アゲハはヤクでおかしくなっていた。
急に店を飛び出したと店長から連絡の入った龍彦。
新宿の町を走り探した。
〜「まぼろしの王子さま」〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
王子様の腕に抱かれた私はね
ゆっくり寝られたよ。
こんなにゆっくり寝られたことは無かった。
目を覚ますとね。
王子様はいなくなっていた。
家も小鳥もいなくなっていた。
そう王子様は幻だったの。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
龍彦はアゲハの以前の店に行った。
そこで見たのは、
店長の大林に抱きつきヤクを打つアゲハ。
大林は龍彦に言った。
「こいつシゃブ漬けだよ。」
「アゲハは従順な奴隷だよ〜。」
龍彦は何も言わず大林を殴った。
そしてアゲハを連れて帰ろうとすると、
アタッシュケースを持った秀吉が現れた。
「何しにここに?」
そう聞きあう龍彦と秀吉。
少しの間があり龍彦は気がついた。
秀吉の持っていたアタッシュケースを鞄を奪い取る。
しかし秀吉と大林が取り返そうと必死となる。
揉み合いになる中でアゲハは大林を刺した。
それを見た秀吉は、
「鞄はお前が持ってろ。」
「中身気をつけろ。直ぐに取り返しに行くからな。」
そう言って逃げるように店を出た。
龍彦はアゲハに逃げようと言うも、
アゲハは言う。
「アゲハ行かないほうがいい。」
「私は捕まったほうがいいの。」
「こんな体じゃなくて、
綺麗な体になってまたやり直す。」
「だから、いつか迎えに来てね。」
龍彦は泣きながらアゲハを強く抱きしめた。
アゲハは言った。
「ありがとう龍彦。」
「またね。私の王子様。」
白鳥は命一杯の笑顔で
「またな。」
と言って店を後にしたのだった・・・
真虎は葉山を呼び出していた。
葉山からヤクの出所を聞いた真虎。
同時に龍彦を呼び出した。
店での一軒を情報網で入手した真虎は、
アタッシュケースの行方を聞いた。
しかし秀吉に取られたと嘘をつく龍彦。
そんな龍彦の嘘にも気がついた真虎は、
龍彦の上着にGPSを忍ばせた。
龍彦はアタッシュケースを持ち、
秀吉のもとに向おうとしていた。
そんな龍彦に声をかけた涼子。
「似合わない鞄を持ってどこにお出かけ?」
「あんたの上着の右ポケット。」
そう言ってGPSの存在を教え、
真虎が探偵に調べさせた資料を渡した。
秀吉の本名は違った。
その名前で思い出した龍彦。
龍彦と秀吉は同じ中学校の同級生。
中学生同士の大乱闘で、
秀吉は同級生を刺した経歴を持つ。
資料に目を通した龍彦に涼子は言った。
「行ってきな。」
「あいつうちの店荒らしたから、
その分も殴ってきて。」
秀吉との待ち合わせ場所に着いた龍彦。
隣のビルの屋上に現れた秀吉が言った。
「俺はその鞄が欲しいだけだ。」
「そっから投げてくれればいい。」
龍彦は昔の名前で呼び言う。
「どこまでも腰抜けだね。」
「あの日お前は事件を起こして
学校を出て行ったんだ。」
「殴られてもいじめられても
ヘラヘラしていたお前が、
あの日ビビッて出した答えがナイフだ。」
「何も受け止めてねえんだな。」
「名前を変えて自分の過去も捨てて。」
秀吉は答えた。
「俺は変わったんだよ。あの頃とは違う。」
「お前は喧嘩も強くて仲間もいっぱいいた。」
「俺は1人でずっと孤独だった。」
「お前には分からねえだろ。」
「もういい。早く鞄投げろ。」
「ここに2千万ある。」
「それ投げてくれたら、この鞄投げ返してやるよ。」
龍彦はアタッシュケースを投げた。
中身を確認した秀吉は言った。
「バカだな龍彦。」
「この街で生きていくにはお前は優しすぎるよ。」
「お前がこっちに上がってくる前に俺は消えてるよ。」
「お前はこの街には向かない。じゃあな。」
龍彦は言う。
「お前は生かせない。」
「お前の人生間違いだらけなんだよ。」
そして助走をつけて走り出した白鳥。
「俺が叩きなおしてやる。」
そう言ってビルをジャンプで飛び越えた龍彦。
秀吉の前に立った龍彦は言った。
「今が命の賭け時なんだよバカ。」
秀吉は龍彦に手を組もうと話し近づいた。
間合いに入るとナイフで切りつけた。
気付いていた龍彦はナイフをかわして言う。
「相変わらずナイフ取り出す癖なおらねえな。」
「素手じゃ適わねえぞ。」
そう言うと龍彦と秀吉の殴り会いが始まった。
お互いボロボロになって倒れこんだ2人。
すると秀吉は笑いながら言った。
「お前の惚れてるアゲハさ。」
「俺も2、3発やったけど、
シャブ漬けだからすげえんだよ。」
それを聞いて怒った白鳥。
「心の芯まで腐ってる。」
「俺が目覚まさせてやる。」
そう言って秀吉を再び殴り始めた。
秀吉は泣きながら言った。
「俺があの頃もっと強かったら、
仲間もいっぱいいてもっと楽しかった。」
それを聞いて龍彦も泣きながら答えた。
「てめえは今日から俺のダチだバカヤロウ。」
「また喧嘩しような・・・」
そして秀吉を逃がした白鳥。
山城には逃げられたと嘘をつき謝った。
しかしアタッシュケースを渡しお咎めも無く、
逆にチーフのポジションを与えたれた。
しかし真虎は龍彦の嘘に気付いていた。
「秀吉逃がしただろ?」
「まあ、どっちでもいいけどね。」
「かえって危ないぞ。」
秀吉は1人新宿の町から逃げようとしていた。
しかし凶器を持った男たちに囲まれる。
振りほどこうと殴りかかるも、
離れた場所から撃たれて倒れこむ。
「耐えることねえ。」
「ちょうどいいか。」
そう口ずさんで息絶えた・・・
数日後事件現場を訪れた龍彦と真虎。
真虎は龍彦に言った。
「信じらんねえよな・・・」
「だが人が死ぬときなんてこんなもんだ。」
「秀吉は死んだ。歌舞伎町って町に飲まれた。」
「誰のせいでもねえ。」
龍彦は泣きながら言った。
「あいつバカなんですよね・・・」
「バカなんすよ・・・」
真虎は葉山とビルの屋上にいた。
葉山は真虎に聞く。
「1つ聞いていいですか?」
「真虎さんバースト潰したいんですか?」
「いい加減真虎さんのこと怖くなってきたな〜」
そんな葉山に真虎は聞く。
「秀吉殺しはお前がやったんだろ?」
葉山はとぼけたように返した。
「一体だれの仕業なんでしょうね〜?」
龍彦はいつものように新宿の街を歩いていた。
沢山の人が話しかけてくる。
「テンパーかっこいいっすよ〜。」
龍彦はスカウトを開始した。
「やっしゃ〜。いくぞ〜。」
「俺あなたのこと幸せにしますよ。」
「白鳥龍彦です。今仕事何してるの?」
スカウトをする龍彦の横をアゲハが歩いていった・・・
(終わり)
〜〜 関 連 商 品 〜〜
〜〜RIKUのサブブログ〜〜
・RIKUの映画感想館
・「携帯・スマホゲーム」DORAKENを実際に攻略して・・・
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【新宿スワン】
【出演者】
白鳥龍彦(バースト):綾野剛
南秀吉(ハーレム幹部):山田孝之
アゲハ:沢尻エリカ
山城神(バースト社長):豊原功補
真虎(バースト幹部):伊勢谷友介
関玄介(バースト幹部):深水元基
時政(バースト幹部):村上淳
洋介(バースト):久保田悠来
松方(ハーレム社長):安田顕
葉山豊(ハーレム幹部):金子ノブアキ
毒山(ハーレム):一ノ瀬ワタル
涼子(クラブママ):山田優
栄子(キャバ嬢):真野恵里菜
梨子(関の彼女) - 丸高愛実
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【感想】
面白かった。
時間軸が分かり難いですが、
全ての出演者にスポットを当てるあたりは、
今後もストーリー化・・・を匂わしてますね〜
それぞれにストーリーがあり、
漫画が人気名理由が分かります。
しかし映画に全てを組み込みすぎたのは、
漫画を呼んでいない人からすると・・・
それでもここまで分かりやすい作りにして、
終わりもしっかりさせたあたりはさすがです!
とりあえず漫画読んでみようかな〜
って思ってます。
さすが園子温さんですね〜
【あらすじ】(ネタバレあり)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
俺はその頃は、人生の最下点にいた。
何も考えずに新宿にやって来た。
新宿は底辺からのし上がるには一番の町だ。
残された全財産・・・
帰る電車賃もねえ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
新宿の街を歩く白鳥龍彦。
新宿を徘徊する不良たちに、
「テンパかよ!だっせえ!」
と言われ、すれ違いざまに頭を叩かれた。
それに対して龍彦は怒った。
「おい、お前!」
「今日クソ機嫌わりい。」
そう言って不良たちを殴った龍彦。
しかし多勢に無勢。ボコボコにされる龍彦。
それを見ていた真虎は不良たちに言う。
「もう、いいんじゃないのそこらへんで。」
「こいつは俺のダチだ!」
真虎は新宿でも知られた存在。
不良は躊躇いながらも、ダチなはずないと言うが、
「今からダチになるんだよ。」
そう言って龍彦を引き取った。
その後無一文の龍彦に、ご飯をご馳走した真虎。
見ず知らずの自分に優しくしてくれる真虎に聞いた。
「どうして俺にこんなことしてくれるんですか?」
真虎は答える。
「言っちゃったからね。ダチになるって。」
「行く当てもない。仕事も無い。金もない。」
「人生がなくなりかかって、
プライドなんて言ってられない。」
「そんな奴を探してるんだ。」
「お前スカウトやらない?」
「いい顔している。お前向いてるわ。」
龍彦にスーツを着せた真虎。
クラブのスカウトをやらそうとする。
龍彦は簡単だと言って、
自信があるように女の子に声をかけた。
しかし一向に足を止めない新宿の女性たち。
見かねた真虎は手本を見せると言い、
あっという間に女性は足を止めた。
それを手本に真似をする龍彦だが、
何をやってもうまくいかない。
仕舞いには土下座までして、
「すいません。」
「忙しいの分かってますけど時間下さい。」
龍彦の行動に天を仰いだ真虎だったが、
「いいよ。」
「土下座までされたら、
聞かないわけにはいかないでしょ。」
そう言って女性は足をとめるのだった。
喜ぶ龍彦に真虎は言う。
「ここから先は俺が引き取るよ。」
次は足を止めた女性に真虎は聞いた。
「ヘルスでいいよね?」
そのまま知り合いのヘルスへ連れて行く。
店長は簡単な実技面接をしてから真虎に言う。
「テク普通だけど顔可愛いし、
真虎さんなんでAランクで。」
それを聞いて真虎は龍彦に言った。
「良かったな。」
「Aついたからまずお前にボーナス5万入る。」
「彼女がここで働き続ける限り、
彼女の給料の10%がお前に入る。」
「土下座してみるもんだな〜。」
それを聞いて複雑な気持ちになった龍彦は店を出た。
追いかけた真虎は声をかける。
「大丈夫か?」
その言葉に龍彦は言った。
「俺やっぱこの仕事向いてないです。」
それを聞いた真虎は怒った。
「てめえがビビっただけじゃねえか。」
「お前、あの女を不幸にしたなんて
思ってねえだろうな?」
「風俗で働く女を、
お前が不幸だと思うのは大間違いなんだよ!」
「金稼いで、いい服着て、
美味いもん食って、適当に遊べて、
男も女もみんな楽しみたい。」
「需要と供給。」
「俺たちはこいつらを幸せにして金儲けをする。」
「嫌なら辞めな。止めねえよ。」
そう言って背を真虎に龍彦は言う。
「待ってください。やらせてください。」
「ただ、俺がスカウトした女の子には、
必ず幸せだって言わせます。」
こうして龍彦のスカウトマンとしてが始まった。
新宿の町でスカウトをしていた秀吉。
あっさり女の子の足を止めさせていた。
「俺、秀吉。」
「新宿歩くんだったら
俺の名前覚えておかないとダメだよ。」
秀吉は名のあるスカウトマン。
他のスカウトマンたちには頭を下げられる存在。
そんな秀吉の視線の先には龍彦が立っていた。
龍彦は毎日教育係の洋介とスカウトをしていた。
そんな様子を遠くで見ていた真虎。
真虎は龍彦を連れて事務所に行った。
「洋介の話よりオブザベーションが大事。」
「この窓からの景色だ。」
真虎はそう言うと望遠鏡を龍彦に渡した。
オフィスから見える新宿を歩く女性。
その女性を見て人生を推測する。
「話す前、会う前に相手を一見しただけで見抜く。」
「そうすれば、話し方やり方もスマートになる。」
そう言い龍彦に指南した。
その頃秀吉は新宿のある場所にいた。
「1000万ある。」
「今月かこの分まわしてくれ。」
「今日からルール変えたらいいだろ。」
そう言われた売人はヤクを秀吉に渡した。
「俺が新宿を統一したら
今までの量じゃ足りないからな。」
秀吉が事務所に戻ると、
幹部の葉山に松方社長が怒鳴っていた。
「今月も売上落ちてるぞ。」
「お前バーストに幅効かされすぎなんだよ。」
それを見ていた秀吉は、事務所を出た葉山に言う。
「早く社長を追い出して、
2人でハーレム仕切りましょうよ。」
「今月の売上。1280万です。」
「もう軽く1億は越えているはずですから、
バーストなんていつでも潰せますよ。」
「あんまもたついてるなら俺1人でやっちゃうかな?」
翌日。
スカウトをしていたバーストのスカウトマン。
そのスカウトマンに近づく秀吉と取り巻き達。
「お前どこのもんだ?」
「あのブロックからこっちはバーストの島だ。」
怯えながら反論するバーストスカウトマン。
「ここグレーゾーンなはずじゃ?」
それに対して秀吉は、
「今日からここは、南秀吉の島にする。」
そう言ってスカウトマンの携帯を奪い、潰した。
そして秀吉は取り巻き達に言った。
「ハーレムなめる奴いたら容赦なく潰せ。」
天野会長に一千万を納めたバースト社長山城。
そんな山城に天野は言った。
「はした金だな。無いよりはましだな。」
「もし他社が、
この金の倍盛ってきたらどうなると思う?」
「安心なんて一番無駄なもんだよ。」
そう言って上納金のアップを要請した。
事務所に戻った山城は、
ハーレムが倍の上納金を払ったらと悩んでいた。
その話を聞いて真虎は言った。
「あるでしょ。一気に解決する方法が。」
「ハーレムをうちの参加に入れちゃう。」
「最近ハーレムのスカウトの行儀が悪い。」
「俺は上納金の話も、
ハーレムをまとめるいい話だと思ってます。」
「社長考えておいてくださいよ。」
真虎の提案を聞いて幹部の関も賛同した。
「ハーレムと、もめましょうや。」
何も知らずにスカウトをしていた龍彦は、
町を歩いていた涼子に話しかけていた。
龍彦に興味を持った涼子。一緒に居酒屋に向った。
その居酒屋では別れ話で、もめるカップルがいた。
涼子は、もめるカップルの女性に言った。
「男相手に泣いてるんじゃないよ。」
「さっさと新しい男でも作って見返してやりな。」
「歌舞伎町の女ならね、負けてんじゃないよ。」
「かっこ良く生きな。」
それを聞いてカッコいいと褒める龍彦。
負けじと龍彦も男に言った。
「関わった女全員幸せにしてやんな。」
「俺も同じ男だからよ。」
「男の評価下げてるんじゃねえぞ。」
それを見ていた涼子は龍彦を気に入り言う。
「決めた。」
「うちの店でくすぶっている子のリストあげる。」
「引き抜いて新しい店に入れてあげて。」
クラブママだったことに驚く龍彦。
そんな龍彦に涼子は言った。
「ハンコつこうか?」
そして2人ホテルへ・・・
数日後、真虎は龍彦を連れてクラブにいった。
そこは真虎がスカウトした女性が働いている店。
席につくと、その店のママが挨拶に来た。
そのママは涼子であった。
驚いた龍彦はつい名前を呼んだ。
しかし涼子は知らぬ顔して聞く。
「あれ?どこかでお会いしましたっけ?」
真虎は涼子に言った。
「お前も出世したな。これだから女は怖い。」
澄ました顔で涼子は答える。
「男が10年位かかるところを、
ある日一瞬にして手に入れる。」
「いい女だけが持っている特権よ。」
一方で龍彦に付いていた女の子は聞く。
「ママと会ったんでしょ?」
「ハンコ押された?」
「ママがハンコ押した男何年ぶりだろう!」
「ママがあなたを認めたんだよ。」
「絶対期待に答えなきゃね。」
ある日幹部の関が龍彦に声をかけた。
関に連れられて行った先はハーレムの島。
そこでスカウトするように支持をされた。
当然ハーレムのスカウトマンに絡まれて、
秀吉の下に連れて行かれた。
一部始終を見ていた関は、
助けるどころか笑いながらその場を去った。
秀吉を見た龍彦は、
「あんた誰?」
その言葉に怒った秀吉、
「知らねえ訳ねえだろ!」
そう言って龍彦を殴った秀吉。
龍彦は秀吉と取り巻きに囲まれ、
ボコボコに殴られ蹴られた。
そして最後には秀吉の指示で、
取り巻きたちに指の骨を折られた。
直ぐにバーストでは会議が行なわれた。
真虎は龍彦の話を聞き山城に言う。
「俺話しつけてきます。」
しかし山城は、
「この件、関に任せようじゃねえか。」
その言葉に反論する真虎。
「竜彦は俺の弟子だ。」
「勝手にあいつを使うんじゃねえ。」
それを制するように関は言う。
「バーストの社員だ。誰のものでもねえ。」
「任されたもんは仕方ねえよな。」
反対する真虎も山城が決めた事で、
仕方なく引くしかなかった。
完全に関のシナリオ通りであった。
関は龍彦のもとへ行き声をかけた。
「仕返しに行くぞ。」
「俺が責任を取る。真虎は関係ねえ。」
もちろん龍彦は賛同し、秀吉のもとへ向かった。
多数のハーレムスカウトマンに挑んだ二人。
しかし多勢に無勢。あっという間にボコボコになる。
これも関の思惑通りだった。
龍彦だけではなくて幹部も痛めつけられた。
これをネタにハーレムの社長松方を問い詰める。
松方に山城は言う。
「選択肢は2つに1つ。」
「ハーレムは本日を持って解散、廃業。」
「それが嫌なら、うちの傘下に入れ。」
もちろん条件を飲まない松方。
それに対して別の取引を持ちかける山城。
「金に困っているんだって?」
「買ってやるよハーレム。」
「しかも内緒で・・・」
ゆらぐ松方。しかし下のものに示しがつかない。
この反応も想定内とばかりに山城は言う。
「龍彦やるよ。」
それを聞いていた龍彦は、
「俺をハーレムに売るんですか?」
「あんたら、最初から俺のことを・・・」
「ふざけるなよ。俺は帰るぞ。」
帰ろうとする龍彦を止め殴る幹部の時政。
龍彦はボコボコにされて言う。
「ここで殺せ。今すぐ殺せ〜。」
「あんたらにおもちゃにされるくらいなら、
死んだほうがましだよ。」
「お前みたいな奴らにコケにされてよ〜。」
「脳みそ撒き散らして死んだら、
お前ら迷惑だろ?」
そう言って消火器で自分の頭を叩こうとしたとき、
「バカ何やってるんだ。」
「こんな風にしたら掃除大変だろうが。」
そう言って事務所に入っ龍彦を止めた真虎。
一緒に入ってきたのはハーレム幹部葉山。
真虎は葉山を山城に紹介して、
ハーレムを買っても誰もついて来ないという。
実質ハーレムを仕切っているのは葉山で、
葉山が納得しなければ話は成立しないと。
そしてさっきまでの松方の商談を録音した、
タイムレコーダーを流した。
慌てる松方を尻目に真虎は山城に言う。
「社長商談の話を少し変えるだけです。」
そして葉山も松方に言った。
「松方さんあんたには降りてもらうよ。」
「このたびの件は全てハーレム側の落ち度です。」
「三千万円はいりません。」
「社長を除く全員が無条件で、
今日からバーストの参加に入ります。」
「以後よろしくお願いします。」
それを聞いて喜んだ山城。
この話に納得していなかったのは関だけだった。
「いい話は裏が見えるまでは納得しねえぞ。」
話がまとまり龍彦はハーレムに差し出されずに済んだ。
騙されていた事にショックを受けた龍彦に真虎は、
「まだお前は、
利用されるだけの価値しかなかったって事だよ。」
そう言い龍彦の頭を叩くのだった。
ハーレムの吸収は社長の松方以外、
葉山を筆頭に全ての幹部はグルであった。
理解のできないでいる松方に葉山と秀吉は言う。
「バーストとつるんでバーストでかくするんだよ。」
「金も力もあって、頭のいいやつが、
でかくなったバーストをしきる。」
「誰とも争わず、
血も見ないでバーストそっくり頂くんだよ。」
翌日バーストとハーレムの全社員が集められた。
幹部は真虎と関、葉山と時政。全員が横並び。
そして社長が出した結論は、実力勝負。
1ヶ月トータルで、
最もスカウトを多く成立させた人間を幹部とする。
それを聞いて幹部になれるかも?と喜ぶ龍彦。
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新宿の街を黒服から逃げるアゲハ。
それを助けた秀吉。
アゲハは金庫から5万を抜いて逃げていた。
秀吉は黒服に5万を渡していった。
「俺この子買うよ。」
「どうせ今の店じゃ働けねえだろ?」
そしてアゲハを買った秀吉は、
馴染みのヘルスの店長大林に引き渡した。
秀吉はアゲハには借金を立て替える約束をして、
大林には寝させずに働かせろと伝えた。
龍彦はスカウトをしていて、
ちょうど店を探していた栄子とであった。
風俗で働きたいと言う栄子を説得して、
キャバクラへと連れて行った龍彦。
栄子はリストカット跡が沢山あったが、
顔のよさで店長は受け入れてくれた。
真虎と葉山はビルの屋上で新宿の街を見ていた。
真虎は葉山に言う。
「素性も知れねえ、行き先も見えねえ、
そんな奴等がどっからとも無く集まってくる。」
「人生をかけて、
思いのたけを尽くしてこの街で生きる。」
「だが、誰一人として他所者扱いされねえですむ。」
「それが新宿って街だ。」
そう言ってから葉山の今後のプランを聞いた真虎。
「時の流れるままにですよ。」
そう言って聞き流す葉山。
葉山は関について真虎に聞く。
関の性分を教えた真虎は、
逆に秀吉のことを葉山に聞いた。
しかし葉山は知らないと答えるのみだった。
秀吉の素性を知りたい真虎は、
涼子の紹介で探偵を雇い秀吉を調べる事にした。
秀吉はスカウトを成功したスカウトマンを呼び出し、
スカウトした女性が欲しいと脅しをかけていた。
もちろん多額の金額を積んで買収を始めた。
何もせずに数字を稼ごうとの動きであった。
それを知った関は山城に伝えた。
山城は聞き流すように答えた。
「幹部のほとんどがバーストだ。」
「1人位昇格したからってどうでもねえ。」
アゲハ寝ずに働いていた。
そして店で暴力を振るう大林におびえていた。
店を訪れた秀吉はアゲハに優しくして、
「いいものあげるよ。」
と言ってヤクを渡した。
龍彦は栄子と新宿の街で会い、
栄子の相談に乗ろうとしていた。
しかし笑って誤魔化した栄子。
一緒にとったUFOキャッチャーのぬいぐるみを、
龍彦に渡して言った。
「コレあげる。仕事紹介してくれたお礼ね。」
しかしその翌日栄子は自殺した。
落ち込む龍彦に真虎は言った。
「お前のせいじゃない。」
「行ってお前がスカウトした
女の子たちがいる通り歩いてみろよ。」
「ここまでお前がやって来たことが見えるから。」
落ち込みながら新宿の町を歩いた龍彦。
会う女の子達はみんな笑顔で龍彦に話し掛けた。
優しさに触れた龍彦は泣きながら言う。
「みんな大好きだバカヤロウ!」
関はまたしても計画をたてた。
彼女の梨子をハーレム側にスカウトさせた。
ハーレム側にスカウトされた女性の行く店では、
ヤクが出回っていることを嗅ぎつけた。
アゲハは寝ずに働き続け、
朦朧とする中絵本を読んでいた。
〜「まぼろしの王子さま」〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
親に捨てられて
ずっと奴隷として働いていた家から
王子様は私を見つけ出すと、
手を握り、森に連れ出してくれたんです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そこに大林が来て仕事をお願いする。
休みのはずのアゲハだが、
大林に脅されついには逃げ出した。
ちょうどスカウトした女性を紹介に来ていた龍彦。
アゲハに手を上げていた大林を殴り、
紹介するはずだった女の子に言った。
「こんな店やめよう。別紹介するから。」
そう言ってアゲハの鞄から落ちた絵本を拾った。
するとアゲハは龍彦の手をとって言う。
「一緒に逃げよう。」
言われるままに龍彦はアゲハと
店を出て新宿の町を走った。
〜「まぼろしの王子さま」〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
コレだけ走ったのはいつ以来だろう。
私は嬉しくて楽しくて
王子様は私のために、
木の枝と森の花で家を建ててくれたのです。
王子様は私と森に逃げると
魔法のカーテンを使い追っ手を見事に撹乱したんです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
逃げた2人は、
ゲームセンターのプリクラの中へ逃げ込んだ。
「王子様だ。よろしくね。私の王子様。」
そして龍彦に金を貰い一緒にプリクラを撮った。
しかし我に返るアゲハ。
「店戻んないと。」
そんなアゲハに戻ってはいけないと伝え、
新たな店を紹介した龍彦。
王子様と呼ぶアゲハに由来を聞くと、
「私の好きな絵本があってね。」
「龍彦君その王子様に似ているんだ。」
「なんで優しくしてくれるの?」
「今日会ったばかりなのに?」
龍彦は答えた。
「あんなの見たらほっとけないよ。」
「スカウトマンとしても。」
それを聞いて一瞬落ち込むアゲハ。
「そっか・・・仕事だもんね。」
「商売道具なんだよね私。」
龍彦はアゲハの表情を見て続けた。
「アゲハはアゲハだろ。」
「男の子が女の子を守るの当然でしょ?」
「俺が店を紹介したからには、
アゲハには幸せになってもらうよ。」
〜「まぼろしの王子さま」〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
王子様は私を心から笑顔にしてくれました。
生まれて初めて心から笑いました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
関は彼女を通じて、
秀吉のヤクの売買の事実を突き止めた。
売買の予定とされるボーリング場に向かった関。
しかしそれは秀吉の罠であった。
関は秀吉のヤク売買を漏らすと言うも、
秀吉は関をここから出さないと告げた。
そして関の彼女を人質に取った秀吉。
関は取り押さえられて、
ボーリングのレーンに押さえつけられた。
そして秀吉は関をピンに見立てボーリングを始めた。
関が最後に発した言葉は・・・
「真虎。こいつをぶっ潰せ。」
龍彦はアゲハが持っていたヤクに気がついた。
同時に関が重態になったことを知る。
山城は天野会長にヤクの話を相談しに行った。
すると天野は言う。
「この件解決なしにお前とは向き合うことはない。」
この言葉に秀吉の真相を調べることを決めた。
秀吉はどんどん調子に乗っていた。
涼子の店で暴れる秀吉。
涼子が秀吉のもとに行くと、
「俺のこと知っているよね?南秀吉。」
涼子は澄ました顔で答える。
「存じ上げませんわ。」
「他のお客様のご迷惑になります。」
「お引取り願いますか?」
その言葉に怒った秀吉。
「後悔するぞ。」
「俺はいずれこの町を仕切る男だ。」
それでも負けない涼子は言う。
「あなたが仕切るような町になったら、
私たちのほうから出て行きます。」
アゲハはヤクでおかしくなっていた。
急に店を飛び出したと店長から連絡の入った龍彦。
新宿の町を走り探した。
〜「まぼろしの王子さま」〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
王子様の腕に抱かれた私はね
ゆっくり寝られたよ。
こんなにゆっくり寝られたことは無かった。
目を覚ますとね。
王子様はいなくなっていた。
家も小鳥もいなくなっていた。
そう王子様は幻だったの。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
龍彦はアゲハの以前の店に行った。
そこで見たのは、
店長の大林に抱きつきヤクを打つアゲハ。
大林は龍彦に言った。
「こいつシゃブ漬けだよ。」
「アゲハは従順な奴隷だよ〜。」
龍彦は何も言わず大林を殴った。
そしてアゲハを連れて帰ろうとすると、
アタッシュケースを持った秀吉が現れた。
「何しにここに?」
そう聞きあう龍彦と秀吉。
少しの間があり龍彦は気がついた。
秀吉の持っていたアタッシュケースを鞄を奪い取る。
しかし秀吉と大林が取り返そうと必死となる。
揉み合いになる中でアゲハは大林を刺した。
それを見た秀吉は、
「鞄はお前が持ってろ。」
「中身気をつけろ。直ぐに取り返しに行くからな。」
そう言って逃げるように店を出た。
龍彦はアゲハに逃げようと言うも、
アゲハは言う。
「アゲハ行かないほうがいい。」
「私は捕まったほうがいいの。」
「こんな体じゃなくて、
綺麗な体になってまたやり直す。」
「だから、いつか迎えに来てね。」
龍彦は泣きながらアゲハを強く抱きしめた。
アゲハは言った。
「ありがとう龍彦。」
「またね。私の王子様。」
白鳥は命一杯の笑顔で
「またな。」
と言って店を後にしたのだった・・・
真虎は葉山を呼び出していた。
葉山からヤクの出所を聞いた真虎。
同時に龍彦を呼び出した。
店での一軒を情報網で入手した真虎は、
アタッシュケースの行方を聞いた。
しかし秀吉に取られたと嘘をつく龍彦。
そんな龍彦の嘘にも気がついた真虎は、
龍彦の上着にGPSを忍ばせた。
龍彦はアタッシュケースを持ち、
秀吉のもとに向おうとしていた。
そんな龍彦に声をかけた涼子。
「似合わない鞄を持ってどこにお出かけ?」
「あんたの上着の右ポケット。」
そう言ってGPSの存在を教え、
真虎が探偵に調べさせた資料を渡した。
秀吉の本名は違った。
その名前で思い出した龍彦。
龍彦と秀吉は同じ中学校の同級生。
中学生同士の大乱闘で、
秀吉は同級生を刺した経歴を持つ。
資料に目を通した龍彦に涼子は言った。
「行ってきな。」
「あいつうちの店荒らしたから、
その分も殴ってきて。」
秀吉との待ち合わせ場所に着いた龍彦。
隣のビルの屋上に現れた秀吉が言った。
「俺はその鞄が欲しいだけだ。」
「そっから投げてくれればいい。」
龍彦は昔の名前で呼び言う。
「どこまでも腰抜けだね。」
「あの日お前は事件を起こして
学校を出て行ったんだ。」
「殴られてもいじめられても
ヘラヘラしていたお前が、
あの日ビビッて出した答えがナイフだ。」
「何も受け止めてねえんだな。」
「名前を変えて自分の過去も捨てて。」
秀吉は答えた。
「俺は変わったんだよ。あの頃とは違う。」
「お前は喧嘩も強くて仲間もいっぱいいた。」
「俺は1人でずっと孤独だった。」
「お前には分からねえだろ。」
「もういい。早く鞄投げろ。」
「ここに2千万ある。」
「それ投げてくれたら、この鞄投げ返してやるよ。」
龍彦はアタッシュケースを投げた。
中身を確認した秀吉は言った。
「バカだな龍彦。」
「この街で生きていくにはお前は優しすぎるよ。」
「お前がこっちに上がってくる前に俺は消えてるよ。」
「お前はこの街には向かない。じゃあな。」
龍彦は言う。
「お前は生かせない。」
「お前の人生間違いだらけなんだよ。」
そして助走をつけて走り出した白鳥。
「俺が叩きなおしてやる。」
そう言ってビルをジャンプで飛び越えた龍彦。
秀吉の前に立った龍彦は言った。
「今が命の賭け時なんだよバカ。」
秀吉は龍彦に手を組もうと話し近づいた。
間合いに入るとナイフで切りつけた。
気付いていた龍彦はナイフをかわして言う。
「相変わらずナイフ取り出す癖なおらねえな。」
「素手じゃ適わねえぞ。」
そう言うと龍彦と秀吉の殴り会いが始まった。
お互いボロボロになって倒れこんだ2人。
すると秀吉は笑いながら言った。
「お前の惚れてるアゲハさ。」
「俺も2、3発やったけど、
シャブ漬けだからすげえんだよ。」
それを聞いて怒った白鳥。
「心の芯まで腐ってる。」
「俺が目覚まさせてやる。」
そう言って秀吉を再び殴り始めた。
秀吉は泣きながら言った。
「俺があの頃もっと強かったら、
仲間もいっぱいいてもっと楽しかった。」
それを聞いて龍彦も泣きながら答えた。
「てめえは今日から俺のダチだバカヤロウ。」
「また喧嘩しような・・・」
そして秀吉を逃がした白鳥。
山城には逃げられたと嘘をつき謝った。
しかしアタッシュケースを渡しお咎めも無く、
逆にチーフのポジションを与えたれた。
しかし真虎は龍彦の嘘に気付いていた。
「秀吉逃がしただろ?」
「まあ、どっちでもいいけどね。」
「かえって危ないぞ。」
秀吉は1人新宿の町から逃げようとしていた。
しかし凶器を持った男たちに囲まれる。
振りほどこうと殴りかかるも、
離れた場所から撃たれて倒れこむ。
「耐えることねえ。」
「ちょうどいいか。」
そう口ずさんで息絶えた・・・
数日後事件現場を訪れた龍彦と真虎。
真虎は龍彦に言った。
「信じらんねえよな・・・」
「だが人が死ぬときなんてこんなもんだ。」
「秀吉は死んだ。歌舞伎町って町に飲まれた。」
「誰のせいでもねえ。」
龍彦は泣きながら言った。
「あいつバカなんですよね・・・」
「バカなんすよ・・・」
真虎は葉山とビルの屋上にいた。
葉山は真虎に聞く。
「1つ聞いていいですか?」
「真虎さんバースト潰したいんですか?」
「いい加減真虎さんのこと怖くなってきたな〜」
そんな葉山に真虎は聞く。
「秀吉殺しはお前がやったんだろ?」
葉山はとぼけたように返した。
「一体だれの仕業なんでしょうね〜?」
龍彦はいつものように新宿の街を歩いていた。
沢山の人が話しかけてくる。
「テンパーかっこいいっすよ〜。」
龍彦はスカウトを開始した。
「やっしゃ〜。いくぞ〜。」
「俺あなたのこと幸せにしますよ。」
「白鳥龍彦です。今仕事何してるの?」
スカウトをする龍彦の横をアゲハが歩いていった・・・
(終わり)
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