2015年07月29日
【NANA2】出演者・感想・感染ネタバレ
本日の映画紹介。
【NANA2】
【出演者】
大崎ナナ(ナナ:ブラスト):中島美嘉
小松奈々(ハチ):市川由衣
寺島伸夫(ノブ:ブラスト):成宮寛貴
岡崎真一(シン:ブラスト):本郷奏多
高木泰士(ヤス:ブラスト):丸山智己
一ノ瀬巧(タクミ:トラネス):玉山鉄二
本城蓮(レン:トラネス):姜暢雄
芹澤レイラ(レイラ:トラネス):伊藤由奈
藤枝直樹(ナオキ:トラネス):水谷百輔
早乙女淳子:能世あんな
高倉京助:高山猛久
川野高文(プロデューサー):田辺誠一
〜〜〜Sponsords Link〜〜〜
【感想】
う〜ん・・・
おもしろいんだけど・・・
市川ちゃんでもいいんだけど・・・
やっぱり宮崎あおいちゃんが良かった!
ストーリーは良く綺麗に終わらしたな〜
って感じでした。
まだまだ漫画は続いているようですが、
別物と考えるなら良いのでは?
青春と青春の終わり?
大人になっていく中での友人との絆?
そんなのを描いたのが分かります。
しかし元が漫画。
そんな恋愛ってないですよね?
どうしてもリアルじゃないので、
あまり感情移入は出来ません。
ただただ、
キャラクターが生きているので、
それはそれなりに良かったと思います。
【あらすじ】(ネタバレあり)
奈々はタクシーの中渋滞につかまっていた。
タクシーを降りて歩き出す奈々。
向かった先はブラストのライブ。
ライブで歌うナナとメンバーを、
奈々は遠くから見ていた。
〜奈々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今この街にいる何人の人が
ナナの名前を知っているんだろう?
ねえナナ。
私達の出会い覚えている?
ねえナナ。
夢が叶う事と幸せになることになる事、
どうして別物なんだろう?
それはいまだにわからないよ。
あれだけいつも一緒にいたのに、
少しもナナの事わかってさえいなかった。
傷つけている事さえ分からなかった。
ねえナナ。
私を許して・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
3ヶ月前の七夕。
ナナがタクミと会わせてくれてから、
いつもの日常を送っていた奈々。
ブラストメンバーは次のライブに向け、
本格始動中であった。
〜奈々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その夜東京の空は雲に邪魔されて、
天の川は見れなかった。
だけど私達は夜更けまではしゃいだ。
ただ願うだけでは夢は叶わない事くらい、
もう分かっていたけど・・・
あの頃の私は夢が一つ叶うことに、
幸せになっていける気がしていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
七夕ではしゃいだ翌日。
奈々が目を覚ますと昼過ぎ。
あわてて会社に向うが、
上司にクビを宣告された。
会社の帰り道。
落ち込んで帰る奈々の携帯が鳴った。
相手はタクミだった。
「そんなとこで何しているの?」
「おいでよ。2人で飯でも食いに行こうよ。」
〜奈々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あの頃のカラッポの私には
ナナを取り巻く世界の全てが、
みんな眩しく輝いて見えた。
誰でも良かった訳じゃないの。
同じ光の中にいたかったの・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
タクミの車に乗った奈々。
信号待ちで車を止めたタクミは、
奈々にキスをした。
タクミの女癖の悪さはナナから聞いていた。
しかしタクミに付いていく奈々。
連れて行かれたのは、
高級ホテルのスウィートルーム。
「ツアー終わったらさ、
真っ先に会いに行くからまた飯作ってよ。」
そんな言葉をかけるタクミ。
帰りが遅く心配し電話してくるナナ。
しかしナナに嘘をつき泊まる決心をした奈々。
〜奈々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ねえナナ。
本当は私全然大丈夫じゃない。
だけど今更逃げ出すなんて出来ないし。
愛して欲しいなんてとても言えない。
ダメだ。
また傷だらけになるかも知れない・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翌日目を覚ました奈々。
しかし既にタクミの姿はなく、
電話番号とメールアドレスだけが残されていた。
数日後のトラネスツアー最終日。
奈々はタクミの言葉を信じて、
料理を作って待っていた。
ナナには誤魔化しながら、
一方でライブ終了後のトラネス。
打ち上げにはノブとシンも顔を出していた。
タクミはサインを頼まれ書いていた。
そこに現われたレン。
「俺にも一枚くれ。」
レンは奈々にあげるためサインを貰おうとした。
それを聞いたタクミ。
「今更要らないんじゃない?」
「この前ヤッたし・・・」
それを聞いたレンは、
「あれは俺の女の大事なダチだ。」
「ちょっとはわきまえろ。」
聞き流して立ち去ろうとしたタクミ。
ノブも怒った。
「ちょっと待てよ。」
そう言ってタクミの胸ぐらをつかむが、
周りにとめられノブはその場を後にした。
ノブのあとを追おうとしたシンは、
帰り際にタクミの顔に水をかけた。
タクミはトラネスのメンバーに言った。
「おかげで大事な用事を思い出した。」
タクミの向った先は奈々のアパート。
来てくれたタクミに抱きつき涙を流す奈々。
それを目撃してしまったナナ。
ナナは家を出てファミレスに向った。
迎えに来たヤスに思いのたけをぶつけた。
「よりによってなんでタクミなの?」
「なんで私の大事なものは、
全部トラネスにとられちゃうんだよ?」
「レンもハチ公も・・・」
ヤスは答えた。
「その続きはレンに聞いてみな。」
一方で家に帰ったノブとシン。
ノブは奈々に好意を抱いていた。
シンはノブに言った。
「取り返しなよ。」
ノブは返す。
「どうしようもないだろ!」
「絶対あの男だけは許せねえ。」
数日後ナナは奈々に言った。
大手レコード会社にスカウトされたと。
喜ぶ奈々。
奈々もナナにあの日のことを話した。
タクミが家に来た日のことを・・・
「ナナが気を使って出て行ったの、
後になってから分かって・・・」
ナナはそれを聞いて奈々に言った。
「別にいいよ。」
「私しばらくレンのとこに行く。」
「トラネスがオフの2週間だけ。」
〜奈々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
次の朝目を覚ますと、もうナナはいなかった。
私はナナのいない2週間、
バイトを休みなく詰め込んだ。
そしてスタジオの練習には欠かさず顔を出した。
その間タクミからの連絡は一度もなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ブラストの練習後はノブが家まで送ってくれた。
そこで見た花火大会のポスター。
みんなで一緒に行こうと約束した2人。
その後ノブは奈々に告白しようとした。
しかし思いとどまってやめようとするノブ。
「太刀打ちできるもの一個のないし。」
「出直すよ。」
ノブの気持ちがわからない奈々は、
「何?相談に乗るよ!」
それに対してノブは言ってしまう。
「いつか絶対に越えてみせる。タクミ。」
その言葉に奈々はノブの気持ちを知るのだった。
数日後のブラストライブ当日。
小さなライブ会場は満席。
どんどん実力を付けていくブラスト。
音楽プロデューサーにまで声をかけられる。
家ではブラストの帰りを待ち、
打ち上げの準備に精を出す奈々。
しかしブラストはプロデューサーに連れられ、
ご飯を食べに行ってしまうことになる。
〜奈々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ナナが私との約束より、
レコード会社との話を優先するのは当然で・・・
私との暮らしより、
レンといることを選ぶのは当然だ。
全部納得がいく。
「でもそれなら私はもういらないじゃない。」
ずっと連絡の来ないタクミに、
時々私はこんな短いメールを送った。
だけど返事が来ることは一度もなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
アパートに帰ったナナ。
奈々の手作りの料理が冷蔵庫の中にはぎっしり。
翌日ナナにブラストメンバーは集められた。
奈々の料理をみんなで食べようと・・・
家に帰った奈々は喜んだ。
しかし飲み物がない。
一緒に買い物に出た奈々とノブ。
ノブはタクミとのことを奈々に聞いた。
すると奈々は話始める。
「私タクミとのこと誰にも知られたくなかった。」
「そしたら何にもなかったように今まで通りで・・・」
「そんなずるい事ばっかり考えて・・・」
「幻滅したでしょ?」
ノブは応えた。
「俺はお前の事、
どうしたら諦めがつくのかわからないけど・・・」
奈々の目には涙が浮かんでいた。
それを見たノブは言った。
「俺はお前を力ずくで奪うなんて出来ないよ。」
「絶対俺とタクミに板ばさみになって苦しむから。」
「どう頑張ってもタクミに勝てないから。」
「でもお前があいつと分かれて、
俺の女になるって言うなら、
俺は意地でもお前を幸せにしてやる。」
「気持ちにケリがついたら俺のところに着てよ。」
「信じて待ってる。」
満月が2人を照らしていた・・・
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翌日奈々は、
部屋に貼られたトラネスのポスターを外した。
そして話があるとタクミにメールを入れた。
すぐにタクミから電話が来るが、
スケジュールがぎっしりで会えないと言われる。
しかし電話口で深刻そうな奈々のリアクションに、
「まさかガキでも出来た?」
違うよと答えた奈々にタクミは言う。
「違うんだ。良かった。」
「ビビらせるなよ。」
「時間できたら電話するから。」
それに対して奈々は言った。
「しなくていい。もうして来ないで。」
「さようなら。」
奈々は決意をタクミに伝え電話を切った。
すぐにノブのバイト先に会いに行った奈々。
まだ1日しか経っていないのに、
早すぎる奈々の切り替わりに驚くノブ。
そしてすぐにノブと結ばれた・・・
次の日家に帰った奈々。
ナナには全て気付かれていた。
「気が合うでしょ?あんたたち?」
「同じ価値観で話せるでしょ?」
それに対して素直に答えた奈々。
「ノブのことメチャメチャ好きになったみたい。」
その言葉にナナも喜び言う。
「当然じゃない?」
以前約束した花火大会は大雨で中止になったが、
雨の上がった川沿いでみんなで花火をした。
〜ナナ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ハチはうちのバンドにとったら、
マドンナみたいな存在で、
ハチがそこで笑っていることで、
場は華やいで、
スタジオでもライブでもみんな活気づいた。
それはどんな腕達人メンバーが加わる事より、
意味のあることだと思う。
あんたは気付いちゃいないだろうね。
自分の一挙一動が今や台風なみの勢力で
私の気持ちをかき乱している。
私はまるで初めて恋を知った少年のようだった。
そのころ私は、
週の半分をレンの部屋で過ごしていたけど、
会えるのはほんのつかの間で、
お互いの事を話す時間はほとんどなかった。
でもそれでいいと思っていた。
気まずくなる余計な話をしなくて済む。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
奈々が幸せを実感していた頃、
奈々の妊娠が発覚した。
どちらの子供かもわからない状況。
ノブに言えずに悩んでいた奈々。
そんなタイミングで会いにきたのはタクミだった。
「何しに来たの?帰って!」
そう言ってトイレに駆け込んだ奈々。
タクミは奈々の妊娠に気がついた。
何も聞かずにタクミは奈々の携帯を奪い、
そのままノブに電話を架けた。
「奈々に子供が出来た。」
「どっちの子か分からないけど、
奈々が産みたいなら、
俺は認知して面倒見てもいいんだけど。」
「お前はどう思う?」
ノブは何も言えなかった。
ノブの異変に気がついたナナは
ノブから電話をとりタクミに言った。
「人の女の手出してるんじゃないよ!」
タクミは答えた。
「人の女に手出したのはそっちじゃないか。」
そしてタクミから奈々の妊娠を聞いた。
ナナもその事実に動揺した。
冷静に対応できたのはタクミだけだった。
悪阻の酷い奈々をベットへ運んだタクミは、
「寂しいとすぐに飛んで行っちゃうし、
ガキまで出来てどうにもならねえな。」
「父親は誰でも、母親は間違いなくお前なんだ。」
「しっかりしろ。」
そう言って微笑んで手を握ってくれた。
ノブはすぐに駆けつけた。
タクミはノブに言った。
「選ぶのは奈々だ。」
「父親は2人もいらないだろ。」
そう言うと部屋を後にした。
ノブに顔を合わせることが出来きない奈々。
「ごめんなさい。」
と言い泣き続ける奈々にノブは誤解した。
「切れてなかったのかよあいつと。」
「俺とは向き合えないのかよ。」
「弁解してくれよ。」
更に泣き、顔を合わせない奈々。
ノブは話も出来ず家を後にした。
一方でナナはヤスに相談していた。
「こんなとき友達ならどうするの?」
「私ハチと普通の友達になりたいのに・・・」
ヤスは何も答えずにタバコを差し出した。
銘柄は『BLACK STONES』
翌朝目を覚ました奈々。
ベットの隣ではタクミが寝ていた。
〜奈々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私は本当は、
ナナやノブが思っているほど純粋じゃない。
でもタクミだけがこんなどうしょうもない、
カラッポな私を知っている。許してくれる。
自分の子供がお腹にいるんだって分かって、
とにかくしっかりしなきゃって思った。
おろして何事もなかったようになんて絶対したくない。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そして奈々は決意する。
「タクミの子として産んで育てたいと思っている。」
「迷惑じゃなければ。」
タクミの目は真っ直ぐ奈々を見ていた。
そしてタクミは奈々に言った。
「結婚するか。」
予想外のタクミの言葉。
嬉しさとタクミの優しさに奈々は泣いた。
そして2人でナナに報告することにした。
タクミはナナに言った。
「結婚することにしたんだ俺たち。」
「新居見つけて引越しさせるから。」
それに対してナナは強がり言った。
「丁度良かったよ。」
「私もレンのところに引っ越す予定だったから。」
どう対応してよいのか分からないナナ。
1人になったリビングで思いっきり机を叩いた。
その拍子で机から落ち割れるグラス。
それは奈々とナナが、
共同生活の最初に買ったペアのグラス。
ナナは割れたグラスの上に、
もう一つのグラスを落として割った。
〜ナナ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
良かった。
綺麗に重なった。
もう悲しくない。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翌日結婚の話をノブに伝えたナナ。
ノブはナナに言った。
「当事者なのになんで蚊帳の外なのかな?」
「そんなに頼りなかったのかな?」
ナナは言った。
「私はあんたに出会うまで、
人間なんて嫌いだったけど、
あんたに出会って初めて、
世の中捨てたもんじゃないって思ったんだ。」
「あんたは頼りなくなんかないよ。」
泣くのを我慢して強がるノブを、
ナナは泣きながらノブを強く抱きしめた。
その夜ナナが家に帰ると既に奈々はいなかった。
奈々のナナ宛の手紙だけ残して・・・
〜奈々の手紙〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ナナはもう私を許してくれはしないと思うけど、
ナナと暮らした半年間の事、
私は絶対に生涯忘れません。
このままナナに会えなくなるのは寂しいけど、
どうすればいいのか分かりません。
だからせめて一日も早くメジャーデビューして
いっぱいテレビに出て
いっぱい歌う姿を見せてください。
私は誰に恋をしていても
私にとってのヒーローはナナだけだよ。
今でもこれからもずっと・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ナナを心配して現われたレン。
手紙を読み泣き崩れるナナに言った。
「何がそんなに悲しい?」
「これは別れの手紙じゃなくて、
熱烈なラブレターだ。」
「会いに行ってやれ。ハチ公に。」
「泣いて喜ぶ顔が見たいだろ?」
レンに言われて奈々に会いに行ったナナ。
手には新たに買ったペアグラスを持って。
しかしタクミの指示で、
来訪者を受け入れてもらえない。
その日は奈々に会えないまま帰った。
〜ナナ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
明日バイトの帰りにまた来ればいい。
別にこのまま一生会えないわけじゃない。
明日がある。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
数日後。
奈々に電話を入れたシン。
気遣う気持ちを分かった奈々は言う。
「ごめんねシンちゃん。」
「私裏切り者だからみんなに会わす顔ないの。」
そう言う奈々にシンは返した。
「僕は何があってもハチの見方だよ。」
それから数日後・・・
テレビのワイドショーは、
レンとナナの熱愛を報道していた。
ナナの家には報道陣が集まり、
家から出る事のできないナナ。
ナナを家に迎えに来たのはヤスだった。
ヤスに連れられ家を出たナナ。
報道陣に囲まれたナナはカメラに向って言った。
「ハチ公見てなよ。」
「あんたの望みは絶対叶えてやるから。」
その話題で人気が出たブラスト。
早速レコーディングの話が各社から来た。
それに便乗しようとしたナナとヤス。
「どんな手使っても大物になってやる。」
こうしてデビューの話はトントン拍子に進んだ。
急遽東京5箇所でのゲリラライブも決定した。
デビュー間近のある日。
ナナはノブに言った。
「ごめんね迷惑ばかりかけて。」
「私に関わらなきゃあんたはもっと、
平和な毎日を過ごせたはずなのに。」
それに対してノブは言う。
「いいんだよ。」
「俺はきっとナナという名に、
翻弄される物語で生きているだよ。」
「ちょっと泣ける位、
素敵な音楽が生まれそうな気がするんだ・・・」
一方トラネスはレコーディングでイギリスへ。
家でタクミの帰りを待つ奈々。
満月の夜空を見上げていた。
〜奈々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
たぶんあの満月の夜が、
人生で一番幸せなひと時だったのかもしれない。
でも私が全部自分で決めたんだ。
〜ナナ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ブラストのデビュープロジェクトには、
名前を覚えきれないくらい大勢の人が関わっていたけど、
苦手だった人間関係が全然苦痛じゃなかった。
今ならハチに会っても笑って話せる気がした。
タクミと子供の話にも耳を傾けてあげられる気がした。
だけどそんな時間は微塵もなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ブラストのデビューゲリラライブ当時。
奈々にヤスからメールが入った。
『ナナから伝言。
新宿アルタ前で7時に待ってます。』
それを手にアルタ前に向う奈々。
奈々はタクシーの中渋滞につかまっていた。
タクシーを降りて歩き出す奈々。
向かった先はブラストのゲリラライブ会場。
7時になった瞬間ステージに現われたブラスト。
ブラストのデビューゲリラライブは開演した。
歌うナナとメンバーを奈々は遠くから見ていた。
〜ナナ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ねえハチ。
ちょっと遠いけどさ、そこが一番安全な特等席だよ。
あんたのお腹の子にも私の歌は聞こえるのかな?
どんな逆流にも踏ん張り続けることが、
人生なんだと私は思っていたけど、
流されて生きることはそんなに馬鹿なことじゃないよ。
前に進めるなら。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『あの頃世間を騒がせた、
2大バンドの売り上げは、
今も誰にも破られていない。』
会場から出てきたブラストを囲むファン。
そこに一台の車が止まる。
降りてきたのはレン。
レンはナナの腕をつかみ車に乗せ走り去った。
一方、奈々のお腹の子は成長していた。
奈々はシンにメールを送っていた。
『今夜多摩川で、
夏に台風で流れた花火大会があります。
みんなで過ごしたあの夏の日を、
もう一度取り戻せたらいいなと、
思わずにはいられません。
でもそんなのやっぱり夢だよね。』
そのメールはシンからナナへ転送された。
ナナは奈々へメールを送った。
『夢じゃねえよ。ハチ。』
その日の夜。
奈々は久しぶりにアパートへ行った。
アパートではナナが待っていた。
部屋の窓から見える花火を見て・・・
「ノブはあんたの幸せを思って身を引いたんだ。」
「あんたが幸せじゃなきゃ報われないよ。」
以前のように話してくれるナナに奈々は返す。
「ありがとうナナ。」
「絶対に幸せになって・・・」
そう言って泣き出した奈々をナナは抱きしめた。
〜奈々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ねえナナ。
夢が叶う事と幸せになる事は、
どうして別物なんだろう?
それは未だに分からないよ。
でもあの夜誓った思いは今もこの胸にあるよ。
私達が描いていた夢も輝きも忘れない。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜 一色 〜〜
また一片 花びらが千切れる
風を止める力はない
向こう岸で泣き崩れる君に
せめてもの餞になれ
あの日の約束は忘れていいよ
ただ一足乗り過ごした愛が
何故こんなに全て引き裂く
また一筋星屑が流れる
時を止める力なんてないから
祈りを捧げなよ一つでいいよ
自分の幸せを願えばいいよ
同じ色の痛みを許し合って
違う色の過ちを責めた
同じ色の明かりを灯し合って
違う色の扉を隠した
今君の為に色褪せた花が散る
今君の為に色褪せた星が散る
その夢の中でおやすみ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(終わり)
〜〜 関 連 商 品 〜〜
〜〜RIKUのサブブログ〜〜
・RIKUの映画感想館
・「携帯・スマホゲーム」DORAKENを実際に攻略して・・・
〜〜〜Sponsords Link〜〜〜
【NANA2】
【出演者】
大崎ナナ(ナナ:ブラスト):中島美嘉
小松奈々(ハチ):市川由衣
寺島伸夫(ノブ:ブラスト):成宮寛貴
岡崎真一(シン:ブラスト):本郷奏多
高木泰士(ヤス:ブラスト):丸山智己
一ノ瀬巧(タクミ:トラネス):玉山鉄二
本城蓮(レン:トラネス):姜暢雄
芹澤レイラ(レイラ:トラネス):伊藤由奈
藤枝直樹(ナオキ:トラネス):水谷百輔
早乙女淳子:能世あんな
高倉京助:高山猛久
川野高文(プロデューサー):田辺誠一
〜〜〜Sponsords Link〜〜〜
【感想】
う〜ん・・・
おもしろいんだけど・・・
市川ちゃんでもいいんだけど・・・
やっぱり宮崎あおいちゃんが良かった!
ストーリーは良く綺麗に終わらしたな〜
って感じでした。
まだまだ漫画は続いているようですが、
別物と考えるなら良いのでは?
青春と青春の終わり?
大人になっていく中での友人との絆?
そんなのを描いたのが分かります。
しかし元が漫画。
そんな恋愛ってないですよね?
どうしてもリアルじゃないので、
あまり感情移入は出来ません。
ただただ、
キャラクターが生きているので、
それはそれなりに良かったと思います。
【あらすじ】(ネタバレあり)
奈々はタクシーの中渋滞につかまっていた。
タクシーを降りて歩き出す奈々。
向かった先はブラストのライブ。
ライブで歌うナナとメンバーを、
奈々は遠くから見ていた。
〜奈々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今この街にいる何人の人が
ナナの名前を知っているんだろう?
ねえナナ。
私達の出会い覚えている?
ねえナナ。
夢が叶う事と幸せになることになる事、
どうして別物なんだろう?
それはいまだにわからないよ。
あれだけいつも一緒にいたのに、
少しもナナの事わかってさえいなかった。
傷つけている事さえ分からなかった。
ねえナナ。
私を許して・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
3ヶ月前の七夕。
ナナがタクミと会わせてくれてから、
いつもの日常を送っていた奈々。
ブラストメンバーは次のライブに向け、
本格始動中であった。
〜奈々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その夜東京の空は雲に邪魔されて、
天の川は見れなかった。
だけど私達は夜更けまではしゃいだ。
ただ願うだけでは夢は叶わない事くらい、
もう分かっていたけど・・・
あの頃の私は夢が一つ叶うことに、
幸せになっていける気がしていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
七夕ではしゃいだ翌日。
奈々が目を覚ますと昼過ぎ。
あわてて会社に向うが、
上司にクビを宣告された。
会社の帰り道。
落ち込んで帰る奈々の携帯が鳴った。
相手はタクミだった。
「そんなとこで何しているの?」
「おいでよ。2人で飯でも食いに行こうよ。」
〜奈々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あの頃のカラッポの私には
ナナを取り巻く世界の全てが、
みんな眩しく輝いて見えた。
誰でも良かった訳じゃないの。
同じ光の中にいたかったの・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
タクミの車に乗った奈々。
信号待ちで車を止めたタクミは、
奈々にキスをした。
タクミの女癖の悪さはナナから聞いていた。
しかしタクミに付いていく奈々。
連れて行かれたのは、
高級ホテルのスウィートルーム。
「ツアー終わったらさ、
真っ先に会いに行くからまた飯作ってよ。」
そんな言葉をかけるタクミ。
帰りが遅く心配し電話してくるナナ。
しかしナナに嘘をつき泊まる決心をした奈々。
〜奈々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ねえナナ。
本当は私全然大丈夫じゃない。
だけど今更逃げ出すなんて出来ないし。
愛して欲しいなんてとても言えない。
ダメだ。
また傷だらけになるかも知れない・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翌日目を覚ました奈々。
しかし既にタクミの姿はなく、
電話番号とメールアドレスだけが残されていた。
数日後のトラネスツアー最終日。
奈々はタクミの言葉を信じて、
料理を作って待っていた。
ナナには誤魔化しながら、
一方でライブ終了後のトラネス。
打ち上げにはノブとシンも顔を出していた。
タクミはサインを頼まれ書いていた。
そこに現われたレン。
「俺にも一枚くれ。」
レンは奈々にあげるためサインを貰おうとした。
それを聞いたタクミ。
「今更要らないんじゃない?」
「この前ヤッたし・・・」
それを聞いたレンは、
「あれは俺の女の大事なダチだ。」
「ちょっとはわきまえろ。」
聞き流して立ち去ろうとしたタクミ。
ノブも怒った。
「ちょっと待てよ。」
そう言ってタクミの胸ぐらをつかむが、
周りにとめられノブはその場を後にした。
ノブのあとを追おうとしたシンは、
帰り際にタクミの顔に水をかけた。
タクミはトラネスのメンバーに言った。
「おかげで大事な用事を思い出した。」
タクミの向った先は奈々のアパート。
来てくれたタクミに抱きつき涙を流す奈々。
それを目撃してしまったナナ。
ナナは家を出てファミレスに向った。
迎えに来たヤスに思いのたけをぶつけた。
「よりによってなんでタクミなの?」
「なんで私の大事なものは、
全部トラネスにとられちゃうんだよ?」
「レンもハチ公も・・・」
ヤスは答えた。
「その続きはレンに聞いてみな。」
一方で家に帰ったノブとシン。
ノブは奈々に好意を抱いていた。
シンはノブに言った。
「取り返しなよ。」
ノブは返す。
「どうしようもないだろ!」
「絶対あの男だけは許せねえ。」
数日後ナナは奈々に言った。
大手レコード会社にスカウトされたと。
喜ぶ奈々。
奈々もナナにあの日のことを話した。
タクミが家に来た日のことを・・・
「ナナが気を使って出て行ったの、
後になってから分かって・・・」
ナナはそれを聞いて奈々に言った。
「別にいいよ。」
「私しばらくレンのとこに行く。」
「トラネスがオフの2週間だけ。」
〜奈々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
次の朝目を覚ますと、もうナナはいなかった。
私はナナのいない2週間、
バイトを休みなく詰め込んだ。
そしてスタジオの練習には欠かさず顔を出した。
その間タクミからの連絡は一度もなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ブラストの練習後はノブが家まで送ってくれた。
そこで見た花火大会のポスター。
みんなで一緒に行こうと約束した2人。
その後ノブは奈々に告白しようとした。
しかし思いとどまってやめようとするノブ。
「太刀打ちできるもの一個のないし。」
「出直すよ。」
ノブの気持ちがわからない奈々は、
「何?相談に乗るよ!」
それに対してノブは言ってしまう。
「いつか絶対に越えてみせる。タクミ。」
その言葉に奈々はノブの気持ちを知るのだった。
数日後のブラストライブ当日。
小さなライブ会場は満席。
どんどん実力を付けていくブラスト。
音楽プロデューサーにまで声をかけられる。
家ではブラストの帰りを待ち、
打ち上げの準備に精を出す奈々。
しかしブラストはプロデューサーに連れられ、
ご飯を食べに行ってしまうことになる。
〜奈々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ナナが私との約束より、
レコード会社との話を優先するのは当然で・・・
私との暮らしより、
レンといることを選ぶのは当然だ。
全部納得がいく。
「でもそれなら私はもういらないじゃない。」
ずっと連絡の来ないタクミに、
時々私はこんな短いメールを送った。
だけど返事が来ることは一度もなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
アパートに帰ったナナ。
奈々の手作りの料理が冷蔵庫の中にはぎっしり。
翌日ナナにブラストメンバーは集められた。
奈々の料理をみんなで食べようと・・・
家に帰った奈々は喜んだ。
しかし飲み物がない。
一緒に買い物に出た奈々とノブ。
ノブはタクミとのことを奈々に聞いた。
すると奈々は話始める。
「私タクミとのこと誰にも知られたくなかった。」
「そしたら何にもなかったように今まで通りで・・・」
「そんなずるい事ばっかり考えて・・・」
「幻滅したでしょ?」
ノブは応えた。
「俺はお前の事、
どうしたら諦めがつくのかわからないけど・・・」
奈々の目には涙が浮かんでいた。
それを見たノブは言った。
「俺はお前を力ずくで奪うなんて出来ないよ。」
「絶対俺とタクミに板ばさみになって苦しむから。」
「どう頑張ってもタクミに勝てないから。」
「でもお前があいつと分かれて、
俺の女になるって言うなら、
俺は意地でもお前を幸せにしてやる。」
「気持ちにケリがついたら俺のところに着てよ。」
「信じて待ってる。」
満月が2人を照らしていた・・・
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翌日奈々は、
部屋に貼られたトラネスのポスターを外した。
そして話があるとタクミにメールを入れた。
すぐにタクミから電話が来るが、
スケジュールがぎっしりで会えないと言われる。
しかし電話口で深刻そうな奈々のリアクションに、
「まさかガキでも出来た?」
違うよと答えた奈々にタクミは言う。
「違うんだ。良かった。」
「ビビらせるなよ。」
「時間できたら電話するから。」
それに対して奈々は言った。
「しなくていい。もうして来ないで。」
「さようなら。」
奈々は決意をタクミに伝え電話を切った。
すぐにノブのバイト先に会いに行った奈々。
まだ1日しか経っていないのに、
早すぎる奈々の切り替わりに驚くノブ。
そしてすぐにノブと結ばれた・・・
次の日家に帰った奈々。
ナナには全て気付かれていた。
「気が合うでしょ?あんたたち?」
「同じ価値観で話せるでしょ?」
それに対して素直に答えた奈々。
「ノブのことメチャメチャ好きになったみたい。」
その言葉にナナも喜び言う。
「当然じゃない?」
以前約束した花火大会は大雨で中止になったが、
雨の上がった川沿いでみんなで花火をした。
〜ナナ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ハチはうちのバンドにとったら、
マドンナみたいな存在で、
ハチがそこで笑っていることで、
場は華やいで、
スタジオでもライブでもみんな活気づいた。
それはどんな腕達人メンバーが加わる事より、
意味のあることだと思う。
あんたは気付いちゃいないだろうね。
自分の一挙一動が今や台風なみの勢力で
私の気持ちをかき乱している。
私はまるで初めて恋を知った少年のようだった。
そのころ私は、
週の半分をレンの部屋で過ごしていたけど、
会えるのはほんのつかの間で、
お互いの事を話す時間はほとんどなかった。
でもそれでいいと思っていた。
気まずくなる余計な話をしなくて済む。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
奈々が幸せを実感していた頃、
奈々の妊娠が発覚した。
どちらの子供かもわからない状況。
ノブに言えずに悩んでいた奈々。
そんなタイミングで会いにきたのはタクミだった。
「何しに来たの?帰って!」
そう言ってトイレに駆け込んだ奈々。
タクミは奈々の妊娠に気がついた。
何も聞かずにタクミは奈々の携帯を奪い、
そのままノブに電話を架けた。
「奈々に子供が出来た。」
「どっちの子か分からないけど、
奈々が産みたいなら、
俺は認知して面倒見てもいいんだけど。」
「お前はどう思う?」
ノブは何も言えなかった。
ノブの異変に気がついたナナは
ノブから電話をとりタクミに言った。
「人の女の手出してるんじゃないよ!」
タクミは答えた。
「人の女に手出したのはそっちじゃないか。」
そしてタクミから奈々の妊娠を聞いた。
ナナもその事実に動揺した。
冷静に対応できたのはタクミだけだった。
悪阻の酷い奈々をベットへ運んだタクミは、
「寂しいとすぐに飛んで行っちゃうし、
ガキまで出来てどうにもならねえな。」
「父親は誰でも、母親は間違いなくお前なんだ。」
「しっかりしろ。」
そう言って微笑んで手を握ってくれた。
ノブはすぐに駆けつけた。
タクミはノブに言った。
「選ぶのは奈々だ。」
「父親は2人もいらないだろ。」
そう言うと部屋を後にした。
ノブに顔を合わせることが出来きない奈々。
「ごめんなさい。」
と言い泣き続ける奈々にノブは誤解した。
「切れてなかったのかよあいつと。」
「俺とは向き合えないのかよ。」
「弁解してくれよ。」
更に泣き、顔を合わせない奈々。
ノブは話も出来ず家を後にした。
一方でナナはヤスに相談していた。
「こんなとき友達ならどうするの?」
「私ハチと普通の友達になりたいのに・・・」
ヤスは何も答えずにタバコを差し出した。
銘柄は『BLACK STONES』
翌朝目を覚ました奈々。
ベットの隣ではタクミが寝ていた。
〜奈々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私は本当は、
ナナやノブが思っているほど純粋じゃない。
でもタクミだけがこんなどうしょうもない、
カラッポな私を知っている。許してくれる。
自分の子供がお腹にいるんだって分かって、
とにかくしっかりしなきゃって思った。
おろして何事もなかったようになんて絶対したくない。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そして奈々は決意する。
「タクミの子として産んで育てたいと思っている。」
「迷惑じゃなければ。」
タクミの目は真っ直ぐ奈々を見ていた。
そしてタクミは奈々に言った。
「結婚するか。」
予想外のタクミの言葉。
嬉しさとタクミの優しさに奈々は泣いた。
そして2人でナナに報告することにした。
タクミはナナに言った。
「結婚することにしたんだ俺たち。」
「新居見つけて引越しさせるから。」
それに対してナナは強がり言った。
「丁度良かったよ。」
「私もレンのところに引っ越す予定だったから。」
どう対応してよいのか分からないナナ。
1人になったリビングで思いっきり机を叩いた。
その拍子で机から落ち割れるグラス。
それは奈々とナナが、
共同生活の最初に買ったペアのグラス。
ナナは割れたグラスの上に、
もう一つのグラスを落として割った。
〜ナナ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
良かった。
綺麗に重なった。
もう悲しくない。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翌日結婚の話をノブに伝えたナナ。
ノブはナナに言った。
「当事者なのになんで蚊帳の外なのかな?」
「そんなに頼りなかったのかな?」
ナナは言った。
「私はあんたに出会うまで、
人間なんて嫌いだったけど、
あんたに出会って初めて、
世の中捨てたもんじゃないって思ったんだ。」
「あんたは頼りなくなんかないよ。」
泣くのを我慢して強がるノブを、
ナナは泣きながらノブを強く抱きしめた。
その夜ナナが家に帰ると既に奈々はいなかった。
奈々のナナ宛の手紙だけ残して・・・
〜奈々の手紙〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ナナはもう私を許してくれはしないと思うけど、
ナナと暮らした半年間の事、
私は絶対に生涯忘れません。
このままナナに会えなくなるのは寂しいけど、
どうすればいいのか分かりません。
だからせめて一日も早くメジャーデビューして
いっぱいテレビに出て
いっぱい歌う姿を見せてください。
私は誰に恋をしていても
私にとってのヒーローはナナだけだよ。
今でもこれからもずっと・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ナナを心配して現われたレン。
手紙を読み泣き崩れるナナに言った。
「何がそんなに悲しい?」
「これは別れの手紙じゃなくて、
熱烈なラブレターだ。」
「会いに行ってやれ。ハチ公に。」
「泣いて喜ぶ顔が見たいだろ?」
レンに言われて奈々に会いに行ったナナ。
手には新たに買ったペアグラスを持って。
しかしタクミの指示で、
来訪者を受け入れてもらえない。
その日は奈々に会えないまま帰った。
〜ナナ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
明日バイトの帰りにまた来ればいい。
別にこのまま一生会えないわけじゃない。
明日がある。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
数日後。
奈々に電話を入れたシン。
気遣う気持ちを分かった奈々は言う。
「ごめんねシンちゃん。」
「私裏切り者だからみんなに会わす顔ないの。」
そう言う奈々にシンは返した。
「僕は何があってもハチの見方だよ。」
それから数日後・・・
テレビのワイドショーは、
レンとナナの熱愛を報道していた。
ナナの家には報道陣が集まり、
家から出る事のできないナナ。
ナナを家に迎えに来たのはヤスだった。
ヤスに連れられ家を出たナナ。
報道陣に囲まれたナナはカメラに向って言った。
「ハチ公見てなよ。」
「あんたの望みは絶対叶えてやるから。」
その話題で人気が出たブラスト。
早速レコーディングの話が各社から来た。
それに便乗しようとしたナナとヤス。
「どんな手使っても大物になってやる。」
こうしてデビューの話はトントン拍子に進んだ。
急遽東京5箇所でのゲリラライブも決定した。
デビュー間近のある日。
ナナはノブに言った。
「ごめんね迷惑ばかりかけて。」
「私に関わらなきゃあんたはもっと、
平和な毎日を過ごせたはずなのに。」
それに対してノブは言う。
「いいんだよ。」
「俺はきっとナナという名に、
翻弄される物語で生きているだよ。」
「ちょっと泣ける位、
素敵な音楽が生まれそうな気がするんだ・・・」
一方トラネスはレコーディングでイギリスへ。
家でタクミの帰りを待つ奈々。
満月の夜空を見上げていた。
〜奈々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
たぶんあの満月の夜が、
人生で一番幸せなひと時だったのかもしれない。
でも私が全部自分で決めたんだ。
〜ナナ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ブラストのデビュープロジェクトには、
名前を覚えきれないくらい大勢の人が関わっていたけど、
苦手だった人間関係が全然苦痛じゃなかった。
今ならハチに会っても笑って話せる気がした。
タクミと子供の話にも耳を傾けてあげられる気がした。
だけどそんな時間は微塵もなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ブラストのデビューゲリラライブ当時。
奈々にヤスからメールが入った。
『ナナから伝言。
新宿アルタ前で7時に待ってます。』
それを手にアルタ前に向う奈々。
奈々はタクシーの中渋滞につかまっていた。
タクシーを降りて歩き出す奈々。
向かった先はブラストのゲリラライブ会場。
7時になった瞬間ステージに現われたブラスト。
ブラストのデビューゲリラライブは開演した。
歌うナナとメンバーを奈々は遠くから見ていた。
〜ナナ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ねえハチ。
ちょっと遠いけどさ、そこが一番安全な特等席だよ。
あんたのお腹の子にも私の歌は聞こえるのかな?
どんな逆流にも踏ん張り続けることが、
人生なんだと私は思っていたけど、
流されて生きることはそんなに馬鹿なことじゃないよ。
前に進めるなら。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『あの頃世間を騒がせた、
2大バンドの売り上げは、
今も誰にも破られていない。』
会場から出てきたブラストを囲むファン。
そこに一台の車が止まる。
降りてきたのはレン。
レンはナナの腕をつかみ車に乗せ走り去った。
一方、奈々のお腹の子は成長していた。
奈々はシンにメールを送っていた。
『今夜多摩川で、
夏に台風で流れた花火大会があります。
みんなで過ごしたあの夏の日を、
もう一度取り戻せたらいいなと、
思わずにはいられません。
でもそんなのやっぱり夢だよね。』
そのメールはシンからナナへ転送された。
ナナは奈々へメールを送った。
『夢じゃねえよ。ハチ。』
その日の夜。
奈々は久しぶりにアパートへ行った。
アパートではナナが待っていた。
部屋の窓から見える花火を見て・・・
「ノブはあんたの幸せを思って身を引いたんだ。」
「あんたが幸せじゃなきゃ報われないよ。」
以前のように話してくれるナナに奈々は返す。
「ありがとうナナ。」
「絶対に幸せになって・・・」
そう言って泣き出した奈々をナナは抱きしめた。
〜奈々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ねえナナ。
夢が叶う事と幸せになる事は、
どうして別物なんだろう?
それは未だに分からないよ。
でもあの夜誓った思いは今もこの胸にあるよ。
私達が描いていた夢も輝きも忘れない。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜 一色 〜〜
また一片 花びらが千切れる
風を止める力はない
向こう岸で泣き崩れる君に
せめてもの餞になれ
あの日の約束は忘れていいよ
ただ一足乗り過ごした愛が
何故こんなに全て引き裂く
また一筋星屑が流れる
時を止める力なんてないから
祈りを捧げなよ一つでいいよ
自分の幸せを願えばいいよ
同じ色の痛みを許し合って
違う色の過ちを責めた
同じ色の明かりを灯し合って
違う色の扉を隠した
今君の為に色褪せた花が散る
今君の為に色褪せた星が散る
その夢の中でおやすみ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(終わり)
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