2015年06月14日
【ゲノムハザード ある天才科学者の5日間】出演者・感想・完全ネタバレ
本日の映画紹介。
【ゲノムハザード ある天才科学者の5日間】
【出演者】
石神武人(オ・ジヌ):西島秀俊
カン・ジウォン:キム・ヒョジン
美由紀:真木よう子
ハン・ユリ(原西由梨):中村ゆり
伊吹克彦:浜田学
警察を名乗る男:パク・トンハ
佐藤博士:伊武雅刀
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【感想】
面白かった〜
あんな結末だったとは〜
裏切りに裏切りの連続の映画ですね♪
最近見ていたドラマ「アルジャーノに花束を」
に少し似た部分があったような・・・
科学って落とし穴があるんですね〜
でもやっぱり西島さんの演技うまいです!
感情表現の仕方が独特ですが、
伝わってきますよね〜
西島さんの映画は結構見てますが、
心に響いてくる映画多いです!
この映画は是非見てほしい!
久しぶりに良く出来たストーリーだと感じました。
【あらすじ】(ネタバレあり)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
きっと信じられないと思います。
僕だってそうでしたから。
石神はボロボロの姿で公園を歩いていた。
そんな石神にすれ違いざまに手を触れた美由紀。
名前は石神武人。34・・・
今日で35歳になりました。
僕は普通の人間です。
今まで生きてきて人に危害を加えた事も、
大きな罪を犯した事もありません。
僕の妻もそうです。
デザイン会社でイラストレーターをしています。
去年会社の公募展で入選したおかげで、
就職も出来、それから妻にもであって。
結婚してまだ1ヶ月しかたってません。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ある日、石神のもとに届いた小箱。
中には一枚の手紙とレコード。
ルービックキューブのキーホルダー。
手紙には韓国語で
『再び巡ってきた誕生日。
あなたも帰ってくることが出来たのに。
妻より。』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ここ数日何かおかしな感じがしていましたが、
特に気にはしていませんでした。
幸せだったので・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
家に帰った石神。
家の鍵は空いたまま。
帰る前にかけた電話にも妻は出なかった。
家に帰ると床には大量の蝋燭。
石神は今年は最高の誕生日だ。
そう言って家の中にいるはずの妻を探した。
初めてデートしたときの話をする石神。
妻を久しぶりにデートに誘った。
その時倒れこんできた妻の美由紀。
美由紀の体は血だらけだった。
その時一本の電話が入る。
相手は美由紀。
「実家に来ているの。」
「お母さんが調子悪くて。」
「だから今日は実家に泊まるね。」
そう言われて電話が切れた。
しかし家に倒れているのも美由紀。
あわてた石神は直ぐに
再び美由紀の携帯に電話するが、
美由紀は出なかった。
その時玄関から物音が・・・
石神は玄関に向かった。
すると2人の男が家に入ってきた。
そして男は警察手帳を出した。
「近くで殺人事件があったもので。」
「捜査に協力してくれませんか?」
その時部屋のほうから物音が・・・
警察と石神は部屋へ戻った。
石神は驚いた、死体がない!
「死体と血痕が消えたんです。」
部屋中の蝋燭を見て警察は言う。
「ここで1人で何していたのですか?」
「本当にこの家の方ですよね?」
「石神武人さんで間違いないですか?」
石神武人は言った。
「私を疑っているんですか?」
警察は返した。
「署までご同行願いますか?」
韓国人で報道局で働くジウォン。
合わせたい人がこの町にいる。
そう言われて取材のため日本に来ていた。
石神は2人の男と車に乗っていた。
男たちは石神に聞いた。
「お名前は?あなたの名前ですよ。」
「オ・ジヌと言う男覚えてますか?」
すると片方の男が韓国語で言った。
「本気か芝居かどっちだ?」
石神は2人の男が警察ではないと悟った。
「車を止めてくれ。」
その瞬間1人の男は石神に銃を向けた。
「オ・ジヌ知っているな?」
石神は男たちに言った。
「美由紀もお前らの仕業だろ。」
そう言って隙をつき反撃した石神。
石神は車から降りて逃げた。
その頃ジウォンは、
運転しながら誰かと電話していた。
「すぐに放送できない理由は?」
「情報提供者と連絡がつきません。」
「そんなことより、
明日帰国してすぐに編集します。」
「何としても放送しますから。」
「できないなら、今回のネタを検察に・・・」
その時突然飛び出してきた石神をひいてしまう。
車を止めて焦るジウォン。
その時後部座席のドアが空き、石神が入ってきた。
「早く出してください。」
「お願いします。助けてください。」
石神の手にはさっきの男から奪った銃。
必死な石神を見てジウォンは車を発進させた。
「僕の妻が死にました。」
「いや。生きているのか、
確認しなければならないのです。」
ジウォンは石神を乗せ美由紀の実家に向かった。
実家についた石神はインターフォンを鳴らす。
しかしインターフォンに出たお母さん。
「間違えていますよ。」
家が違うらしい。
「おかしいな。この家のはずなのに。」
「急に何も思い出せない。」
「家も電話番号も・・・」
そんな石神を見たジウォン。
「コーヒーでも飲みに行きますか?」
2人は近くのファミリーレストランへ。
ジウォンは石神の話を聞いた。
その時、先ほどの男たちが追ってきた。
運転できないはずの石神だが、
車に乗って男たちから逃げた。
自然と運転していた・・・
肩を擦り剥き怪我をしていた石神。
気がつくと知らない大学で勝手に薬品を調合し、
自分の肩の消毒を始めていた。
そんな石神をジウォンは追ってきた。
「この大学に通っていたのですか?」
石神は首を横に振った。
「じゃあ何でここまで?」
「運転も出来ない人が・・・」
石神が置いてきたジャケットを持ってきた。
そのポケットには追跡装置が入っていた。
「あの人たちは怪しすぎる。」
「あなたはもっと怪しいですけど。」
「行くところも財布もないんでしょ?」
「一緒にいましょう。朝まで生きていたければ。」
2人はラブホテルで朝まで過ごす事にした。
部屋で光る不思議な証明。
石神はどこで覚えた知識か話し始めた。
「ストロンチュウム炎。」
「電球の中で発光しているんです。」
普通の人間は知らないような知識。
ジウォンはそんな石神を取材し始めた。
成り行きを聞いたジウォンは言う。
「消えた死体なんですけど、
本当に奥さんだったと思いますか?」
「実家から電話してきた人は?」
「事前に録音して聞かせたとか?」
「私が言いたいのはあなたの頭が、
おかしくなったんじゃないかと言う事です。」
石神は答えた。
「むしろその方がマシだ。」
「僕だって信じたくない。」
「愛する人が目の前で死んでいたんです。」
「警察に任せたら、
その全てが真実になってしまいそうで嫌なんです。」
ジウォンとはまた会う約束をして別れた。
翌朝目を覚ますと、
テレビでアルツハイマーについて語る佐藤博士。
石神のポケットには大量の薬品が入っていた。
石神は自分の働く会社に電話しようとした。
しかし会社名も電話番号も思い出せない。
ホテルを出た石神はあるマンションに向かった。
ドアを開けると男が迎えた入れた。
その男は石神の知人、伊吹。
「昨日は予定があったから早めに店閉めたんだ。」
「美由紀ちゃんも実家に用事あったようだし。」
石神は男に言った。
「伊吹。家に行ってきてくれないか?」
そして家の地図を描く石神。
地図を描く姿を見た伊吹。
「右手使ってる。」
「左利きって自慢していた奴が・・・」
ジウォンは石神の過去を追っていた。
石神が1年前まで働いていた場所。
石神を知っている人間に会い、
会社に飾られた写真を見ていたジウォン。
「この中にはいませんね。」
会社の人は言った。
「いますよ。この人。」
全然の別人だった・・・
伊吹の家で寝ていた石神。
すると玄関で物音がした。
のぞき穴から外を見る石神。
そこにはまたしても男たちが・・・
どこで覚えたのか、即興で爆弾を作り爆発させ、
時間を作りマンションから逃げた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
伊吹も誰も信じられない。
信じられるのはこの記憶だけだ。
どうして俺はこうなってしまったんだろう。
全てが狂い始めている。
このまま自分の家さえも忘れてしまうんじゃないか。
その前に帰りたい。そこで死んでしまったとしても。
美由紀に一度会えるのなら。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
逃げる石神はある新聞の記事を目にした。
ラブホテルで見たアルツハイマーに関する記事。
自分の家にたどり着いた石神。
そこには見たことのない家族が・・・
半年前から住んでいるんですけどと言われる。
自分の家のはずだった場所から、
逃げるようにひき帰す事になった石神。
美由紀の顔を思い出して泣き崩れる。
『あなたが言うとおり僕は頭がおかしくなりました。』
そこへ現われたジウォン。
「ご飯は食べました?」
そうして友人の家に招きいれたジウォン。
「韓国ラーメンでもいいですよね?」
そう言ってアルミの鍋で茹でたラーメンを出した。
それを見た石神はいう。
「アルミの鍋がアルツハイマーの原因となる。
という説がありました。」
それを聞いたジウォンは聞いた。
「一体そういうことどこで学ぶのですか?」
ジウォンは調べた石神の過去を話した。
「あなたの家だと教えてくれた住所には、
平沢と言う夫婦が住んでいました。」
「6ヶ月くらい前から。」
「昨日一緒にた町には、
久保田さんと言う家はありませんでした。」
「つまり美由紀さんの実家はないと言うことです。」
「名波さんですよね?」
「石神と言う人は知らないといってましたよ。」
「一番仲のいい友達なんでしょ?」
石神は言い返した。
「伊吹って言いませんでしたか?」
言っていたことがチグハグは石神に対し、
「人をだますか馬鹿になるのかどっちかにして下さい。」
石神は真剣な顔で答えた。
「僕の記憶が変わったんです。」
悲壮感漂う石神にジウォンは、
「食べましょうアルツハイマーなんか忘れて。」
すると石神は話し始めた。
医学的用語を使って記憶の伝達の話を始めた。
どこで学んだか分からない、専門知識・・・
ジウォンは再び聞いた。
「アルファー広告ではいつから働いていたんですか?」
それを聞いて自分の会社を思い出した石神。
続けて聞いたジウォン。
「その前は?鳥山アートスクール?」
「行きましょう。あなたの家。」
まったく答えられない石神。
「もともと記憶力は良くありませんでした。」
「交通事故にあってから途切れ途切れで。」
そんな石神にジウォンは言う。
「起きた事全て覚えている人はいないです。」
「辛い記憶は無理やりにでも忘れたほうがいい。」
「問題なのはありもしない記憶を覚えている事です。」
「あなたみたいに・・・」
そしてジウォンと家に向かった石神。
「もし僕に何かあったらそのまま逃げてください。」
そう言ってマンションへと入っていく石神。
追いかけるように石神の家に入ったジウォン。
昨日あったはずの蝋燭はなかった。
「蝋燭は?」
「もしかして美由紀さんが?」
石神が答えた。
「昼間に伊吹に変わりに着てもらったんです。」
しかし疑問点が・・・
「昼間に来て変わりに電気まで直した?」
石神は何かを思いついたように、
家にあった薬品を混ぜ始めた。
そして出来た薬品を床に振り掛けた。
「ルミノール反応。」
「血を拭いても血痕は残る。」
確かにその家には血痕の反応があった。
その作業を見ていたカン・ジウォン。
「あなた本当にイラストレーターですか?」
そう言いながらベランダにでたジウォン。
落ちていた携帯を見つけた。
そのときだった。家に入ってきた男たち。
石神を力でねじ伏せた。
間一髪でジウォンは逃げるが、
石神は男たちに連れて行かれた・・・
石神は男たちに言った。
「いつまで猿芝居しているんだ?」
男は言う。
「私達はあなたを守ろうとしているんです。」
「あなたに何かあったら俺たちが殺される。」
「あなたに会いたがっている人がいます。」
「その人のもとへ、
あなたを無事に連れて行ったら終わりです。」
そのときだった。
車に近寄るワゴン車。
そしてワゴン車が通り過ぎると後方から煙が上がる。
様子を見に行く男たち。
その間にポケットに忍ばせた薬品を取り出す石神。
石神はその薬品を男たちにかけて逃げ出した。
逃げ切った石神はジウォンと合流した。
そして伊吹のもとへ向かった。
新聞記事に載っていた男を見せて聞く。
「お前もグルなのか?」
「お前が知っていて俺が知らない事を全部言え。」
伊吹は素直に答えた。
「その人がお前の事訪ねてきたんだ。」
「お前が何かの病気にかかっているって。」
「ウイルスにかかっていて、
死ぬかもしれないって。」
それを聞いて怒鳴るように石神は言う。
「病気?何の?」
伊吹は静かに答えた。
「知らないんだ。」
冷静になった石神は伊吹に話した。
「お前にはいろいろ悪かったな。」
伊吹は聞いた。
「美由紀ちゃんのことは?」
石神は血痕のことを伊吹に話した。
そして石神は言った。
「もう自分が何を思っているか信じられない。」
ジウォンは石神を待っている間に、
石神の家で見つけた携帯を見た。
そして発進履歴から電話を鳴らすと・・・・
ジウォンの携帯がなった。
車に戻った石神にジウォンは言う。
「あなたの奥さんのものですか?」
携帯を見た石神は答えた。
「いいえ。」
ジウォンは続けた。
「日本に来て会うことになっていた、
ある情報提供者がいました。」
「その人のものなんですけど。」
「あなたの家のベランダにありました。」
「その女性は行方不明になった韓国人の夫について、
伝えたい事があると言ってました。」
そしてジウォンは自分の推測を話した。
「あなたは2つの家庭を持っていた。」
「だから奥さんが2人いた。」
「その1人が死んでいるのを見て、
ショックを受けて記憶が混乱したんです。」
「2人の女性を1人の女性と勘違いしたんです。」
「あなたは韓国人じゃない。」
「でもあなたがもともと別人だとしたらあり得る。」
「記憶は自分なのよ。自分自身なのよ。」
「記憶が変わったって言う事は、
自分が別人になったって言う事。」
「いったいあなたは誰なんですか?」
それを聞いて声を荒げる石神。
「俺だってこの状況説明してほしいくらいだ。」
その後も混乱した状況を話し続ける石神の言葉には、
節々に韓国語が発せられた。
それを聞いたカン・ジウォン。
「韓国人だったんですか?」
翌日目を覚ました石神。
そこに1枚の写真がジウォンからFAXで届いた。
「その人知っていますか?」
石神は知らないと答えたが、
「知っていないといけない人なんです。」
「石神武人 」
「この人は左利きであなたは右利きだった。」
「整形したとしても聞き手までは変わらない。」
「どちらが本物の石神さんなんでしょう?」
「もし公募展に応募した石神と、
受賞した石神が別人だとしたら?」
「鳥山アートスクールを辞めて、
受賞するまで2週間なんです。」
「その間にあなたは石神武人になって、
就職して美由紀さんと結婚したんです。」
「自分がその男だと思いながら・・・」
それを聞いた石神はある場所に向かった。
それは以前追われたときに行った大学。
その大学には自分の写真と、
新聞に載っていた男が握手している写真があった。
そこを通りかかった男が声をかけた。
「ジヌ!」
「1年ぶりだ。ここにお前が現れたのは。」
「みんなお前が死んだか、
拉致されたと思っていたんだ。」
大学の研究員で、石神とは過去同僚だった。
石神ではなくジヌという男と・・・
石神は聞きた。
「俺がここでやっていた仕事は?」
同僚は答えた。
「以前のお前は俺の名前は忘れても、
研究の事は忘れなかったはずだ。」
ジウォンも大学に駆けつけた。
そして元同僚に石神の研究を聞いた。
石神が研究していたのは、記憶を消すウイルス。
そのウイルスを記憶を保存する事ができる、
ウイルスへ変化させる開発していた。
それが出来ればアルツハイマーを治すことが出来る。
アルツハイマーになる前に人間にウイルスを投入し、
そのウイルスをアルツハイマーになってから注入する。
すると以前の記憶を思い出すという研究。
石神は天才科学者であった。
「アルツハイマーを治そうとした奴が、
アルツハイマーになって戻ってくるとは。」
石神は聞いた。
「俺の家はどこか知っているか?」
同僚は言う。
「由梨さん引っ越したのか?」
石神が始めて聞く名前だった。
「由梨さん?」
同僚は驚いて言った。
「奥さんの名前も思い出せないのか?」
石神は何かを思い出しつぶやいた。
「西原由梨?」
ジウォンは聞いた。
「どうですか?自分を取り戻した気分は?」
石神は無言だった・・・
石神とジウォンは由梨の家へと向かった。
そこには石神をつけている男がいた。
それに気付いたジウォンは男に声をかける。
男は由梨の依頼で石神を追っていたと言う。
浮気調査で・・・
石神は聞いた。
「なぜ俺の居場所が分かった?」
探偵は言う。
「1ヶ月前奥さんにバレただろ。」
石神は思い出した。
1ヶ月前に見知らぬ女が自分を追いかけてきたことを。
そしてその女は言っていた。
「ジヌさん」と・・・
探偵は言った。
「名前を変えて仕事まで変えて、
結婚までしていたから捜せなかった。」
「目の前で妻を無視するとはな。」
そして由梨のアパートへ入った石神。
そこには息のない白い顔の由梨が・・・
その部屋には数多くの医学書。
もちろんアルツハイマーに関するものだ。
そして由梨が好きだった蝋燭の山。
由梨はあの石神の誕生日の日、
昔の記憶を思い出してほしくて蝋燭に火をつけた。
しかし事件は起こった。
石神のアパートに忍び込んで蝋燭をつけた由梨。
そこにいた何者かが由梨を殺害した。
その直後に石神が帰宅。
まだ部屋にいた犯人は、石神も殺そうとしていた。
しかし警察を名乗る男たちが現れて、
犯人は遺体だけを処理したのだった。
時間がなかったのか遺体と血だけを処理し、
石神が家から出た後に、
由梨の遺体だけをアパートに運んだ・・・
ジウォンは言った。
「遺体を処理しなかったのを見ると、
普通の殺人者じゃない。」
石神は言った。
「僕の事を良く知っている人間。」
「研究所の人間。」
その時石神へ美由紀から連絡が入った。
「オ・ジヌって誰なの?」
「本当にあなたがその人なの?」
「私本当にあなたのこと愛していたのに。」
石神は答えた。
「愛している。本当だ。」
その時電話口に石神を追いかけていた男が・・・
「そういうことは会ってから・・・」
「それより可愛いお嬢さんは、
これからも一緒に動くんですか?」
石神は察したジウォンも危ないと・・・
「今行ったら戻って来れないかもしれない。」
「由梨のことお願いします。」
ジウォンは返した。
「私は一度も自分のネタを逃した事がないの。」
「連絡待っていますから。」
石神は1人で美由紀のもとへ向かった。
そこには石神を追いかけていた男たち。
そして美由紀もいた。
美由紀に話しかけようとするが、
目の前で美由紀は車でどこかへ連れて行かれる。
男は石神に言った。
「奥さんも今は状況を理解するのに時間がかかる。」
「数時間後には全て理解できますよ。」
自分と美由紀を取り戻したい石神。
男たちに連れられ石神はソオルへ行った。
そこで待っていた1人の男。
石神は男へ聞いた。
「僕たちに何でこんな事をするんだ?」
「何が目的だ?」
男は言った。
「1年前のキミに魅力的な提案をしよう。」
石神は聞いた。
「あんたたちは何者だ?」
男はアメリカ3大製薬会社に出資している人間。
その男はなぜ石神になったのか聞いた。
答える事のできない石神。
男は石神に1年前の研究所の防犯カメラを見せた。
そこに映っていたのは、
本物の石神を抱きかかえて運んできた佐藤博士。
佐藤博士は新聞に載っていた、
大学でジヌと握手をしていた写真の男。
それを見た石神は全てを思い出した・・・
〜1年前〜
物音に気がつき研究室に入ると、
倒れた石神と佐藤博士がいた。
助けようとしたジヌに佐藤博士は殴りかかった。
そしてその日からジヌは石神になった。
ジヌの作ったウイルスで石神の記憶を吸収して、
ジヌの脳に移したのだ。
しかしウイルスには人間の脳より容量が少ない。
なので石神の過去の記憶が残っていないのだ。
最近の記憶しか残ってなかった理由だった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その頃ジウォンは佐藤博士を追っていた。
記憶を取り戻した石神は言った。
「僕はモンスターを作りだした。」
この1年ジヌは石神の記憶で埋め尽くされていた脳。
しかしここに着て急激に過去の記憶が戻ってきた。
石神は投資家の男に言った。
「研究員は記録を残す。」
「ほしいのはそのファイルだろ。」
アルツハイマーの特効薬。
それが出来れば莫大な金になる。
投資家の男は石神の意見に賛同し、
東京の研究所へ向かった。
研究所へ向かう車の中石神は言った。
「ウイルスは組みかえる前の状態へ戻ってしまった。」
「人為的に遺伝子を操作したせいだろう。」
「不老不死の夢は一年限りだったという事だ。」
「石神の記憶を移したウイルスが、
もとの状態に戻ったから俺の記憶も戻ってきた。」
「覆っていた記憶は消えたんだ。」
「この研究は完全に失敗している。」
投資家の男は言った。
「ふざけた事を言うな。」
「研究ファイルをよこせ。」
石神は続けて言う。
「お前たちが諦めなきゃいけない理由は他にある。」
「俺に問題が起きた。」
投資家の男は再び聞いた。
「お前はどうなる?」
石神は答えた。
「死ぬか。誰でもなくなるか・・・」
そして薬品を取り出した石神。
それは石神が合成させた薬。
一瞬で車を吹き飛ばす事ができる薬。
「俺には死ぬ覚悟がある。」
「お前たちはどうだ?」
投資家の男を脅して車から降りた。
男たちから逃げた石神だが、
追いかけてきた男たち。
男は銃を石神に向け聞いた。
「一体何がお前をそうさせるんだ?」
石神は答えた。
「明らかにしなきゃいけないことがあるんだ。」
「それまで俺は死ねない。」
男は石神の決意に追うことを辞めた。
石神は佐藤博士のもとへ向かった。
石神を見た佐藤博士は言った。
「今までどうしていたんだね?」
石神は言った。
「良くご存知でしょう。」
佐藤博士は言った。
「記憶が戻ったのか?」
佐藤博士と石神は研究の話をした。
石神が研究したウイルスは未完成。
ウイルスを投与すると一次的に記憶が戻る。
しかし1年経つともとの状態に戻る。
つまり記憶を記憶を消すウイルスになる。
今の石神の体内にあるウイルスは、
この後記憶を消すのである。
この先記憶がなくなるであろう石神に、
佐藤博士は言った。
「悪くなる前に研究記録を渡してくれるか?」
「君が作ったものだ、君だけのノウハウがあるはずだ。」
「研究記録を渡してくれれば、
私が発病をとめてやろう。」
石神は答えた。
「自分で始めた事です。」
「自分で終わらせます。」
「これ以上悪くなる前に、
石神武人について教えてください。」
佐藤博士は話した。
1年目運転をしていた佐藤博士。
偶然石神武人をひいてしまった。
全てが終わると考えた佐藤博士。
痕跡さえ残らなければと研究室に運んだ。
そこで偶然にもジヌに見つかった。
そしてウイルスを使用して、
本物の石神武人を処分した。
ジヌは石神武人になり生活を始めたのだった。
佐藤博士は言った。
「私達は偉大な研究をしていたのだ。」
それを聞いた石神は言う。
「それはあなたの研究だ。」
「俺たちの研究はアルツハイマー治療薬だった。」
「忘れたのか!」
そう言って銃を発砲した石神。
「俺の妻が殺された。」
「俺の記憶が戻る事を望んでいない人間がいた。」
「ハン・ユリは自分の夫の記憶を取り戻そうとした。」
「それで殺されなければならなくなった。」
「お前は全てを失いたくなかっただけだ。」
佐藤博士は返した。
「永遠に死なない方法を見つけたんだ。」
「成功すればもっと偉大な科学者として、
この世に名を残す事ができる。」
「ここで辞めるわけには行かない。」
「発病したら忘れる記憶。」
「ただの事故で死んだ人間のために、
偉大な業績を棒に振るわけにはならない。」
「君には撃てない。」
石神は言った。
「できない理由なんてどこにもない。」
「どうせ記憶する事も出来ないんだ。」
そして銃を発砲した・・・
しかし銃は佐藤博士の横を打ち続けるだけ。
石神はビビって倒れこむ佐藤博士に言った。
「お前を殺さない理由は、
妻が復讐を望んでいないと思うからだ。」
そういい残して研究所を後にする石神。
外にはジウォンが待っていた。
全てはジウォンが仕組んだもの。
一部始終をレコーダーに録音していた。
ジウォンの車に乗った石神。
ジウォンは言った。
「打つ手はないの?」
石神は答えた。
「体に免疫反応が起こり、
ウイルスを防ぐ事ができたら。」
「ある意味本当の臨床試験はこれからです。」
そしてジウォンは石神を降ろした。
「私が何を言ったって1人でいたいんでしょう?」
石神は言った。
「あなたに出会えた事が、
僕の人生で最後の幸運でした。」
ジウォンは言う。
「ただネタにあると思ったから一緒にいただけです。」
そんなジウォンに石神は、
「責任の取れない言葉ですが、
忘れられないと思います。」
ジウォンも返した。
「私もこの状況にふさわしいか分かりませんが、
元気でいてください。」
「記憶は消えても、
思い出はどこかに残っているものです。」
そう言って車に乗ったジウォン。
友人に電話して言った。
「帰る前に渡したいプレゼントがあるの。」
「特ダネよ!」
一方石神はなくなっていく記憶の中で、
由梨からもらったレコードを手にして、
蝋燭に火をつけようとしていた。
そしてあることに気がついた。
石神の前には伊吹がいた。
「記憶を取り戻すためには、
石神武人の記憶を全て消えなきゃいけない。」
「そうすると自分が誰かも分からなくなります。」
「ここにメモしておかなければ、
あなたが誰なのかもわからなかったと思います。」
「誰かがこの蝋燭に火をつけた人を殺しました。」
「蝋燭をかたずける時間がなかったから、
そのままにしたのだと思っていました。」
「蝋燭がこのくらいになる前に1時間はかかります。」
「その間に何をしていたのか教えて下さい。」
伊吹は言った。
「何で俺に?」
石神は続けた。
「私が書いた地図は、
オ・ジヌと言う人間が住んでいた家です。」
「あなたがこの家で地球の絵を見たのは、
あの夜しかないのです。」
「どうしてそんな事を・・・」
「真実を知ったとしても、
私は記憶を残す事は出来ません。」
「石神として生きる最後の日かもしれない。」
「お願いです。」
あの事件の夜、部屋に飾られた絵。
それは石神が書いた絵であり、
特殊な塗料で描かれた絵。
普段は海の絵であるが、
電気が消えたときに現われる地球の絵。
それを知っているはずがない伊吹。
その事に気がついたのであった。
伊吹は答えた。
「俺が殺したんだ。」
「美由紀はその人が死んだ事も知らないんだ。」
事件の真相を知った石神。1人公園へ向かった。
公園で美由紀とすれ違う石神。
石神の記憶はなくなり美由紀の存在がわからない。
『あたしあなたの事愛していたのに・・・』
そんな記憶を思い出して振り向く。
すぐさま抱きしめる美由紀。
美由紀はあの夜の話をした。
家に帰った美由紀は、
蝋燭に火をつけて床に座る由梨を見た。
「初めは頭のおかしい人だと思ったの。」
「勝手に人に家に忍び込んで・・・」
「蝋燭なんてつけて・・・」
「とにかく夫を返せって・・・」
そして由梨はジヌの写真を見せたという。
そして口論となって誤って殺してしまった美由紀。
美由紀は伊吹に頼んで処理をお願いした。
その時はまだ、
頭を打って倒れていたと思っていた美由紀。
伊吹は死んだ由梨を運んだ。
そして美由紀とアリバイ工作をした。
美由紀が実家にいたことにして・・・
伊吹は美由紀に言った。
「お前は何も知らないんだ。」
美由紀と伊吹は幼い頃施設で育った。
その後見人が佐藤博士だった。
佐藤博士は美由紀に、
2年間だけ妻として石神と過ごしてほしいと頼んだ。
伊吹は反対したが、美由紀がやろうと言った。
そして家と金と店を手に入れた。
しかし美由紀は石神を本当に愛してしまった。
美由紀は石神に言った。
「今となっては行き場のない感情だけど」
石神は亡くなる記憶の中で言った。
「ありがとう。」
「僕は幸せだ。」
「本当に申し訳ない・・・」
そして倒れた石神。
石神の記憶は完全に消えたのであった・・・
〜1年後〜
韓国で働くジウォンに一枚の手紙が届く。
待ち合わせ場所に向かったジウォン。
そこに現われたのはジヌ(石神)。
ジヌは韓国語で言った。
「はじめまして。手紙を書いたものです。」
「1年前の記憶がなくて・・・」
ジウォンは言った。
「食事しませんか?」
「話はいつでもできるけど、
夕食は週に7回だけよ。」
「話は食べながら・・・」
「食事もせずに分かれるのは嫌なの。」
そんなジウォンにジヌは言った。
「以前どこかでお会いしましたか?」
ジウォンは答えた。
「いいえ!」
「記憶は消えても、思い出は残る。」
頭の片隅に残った思い出が蘇り、
ジヌは止まった・・・
そんなジヌにジウォンは、キーホルダーを渡した。
逃走中に石神がジウォンに渡したもの。
そのキーホルダーはUSBメモリーだった。
関係者が探していた石神の研究ファイル・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
きっと信じられないわ。
私もそうだったから。
あなたの記憶はここから始まるのよ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(終わり)
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・RIKUの映画感想館
・「携帯・スマホゲーム」DORAKENを実際に攻略して・・・
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【ゲノムハザード ある天才科学者の5日間】
【出演者】
石神武人(オ・ジヌ):西島秀俊
カン・ジウォン:キム・ヒョジン
美由紀:真木よう子
ハン・ユリ(原西由梨):中村ゆり
伊吹克彦:浜田学
警察を名乗る男:パク・トンハ
佐藤博士:伊武雅刀
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【感想】
面白かった〜
あんな結末だったとは〜
裏切りに裏切りの連続の映画ですね♪
最近見ていたドラマ「アルジャーノに花束を」
に少し似た部分があったような・・・
科学って落とし穴があるんですね〜
でもやっぱり西島さんの演技うまいです!
感情表現の仕方が独特ですが、
伝わってきますよね〜
西島さんの映画は結構見てますが、
心に響いてくる映画多いです!
この映画は是非見てほしい!
久しぶりに良く出来たストーリーだと感じました。
【あらすじ】(ネタバレあり)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
きっと信じられないと思います。
僕だってそうでしたから。
石神はボロボロの姿で公園を歩いていた。
そんな石神にすれ違いざまに手を触れた美由紀。
名前は石神武人。34・・・
今日で35歳になりました。
僕は普通の人間です。
今まで生きてきて人に危害を加えた事も、
大きな罪を犯した事もありません。
僕の妻もそうです。
デザイン会社でイラストレーターをしています。
去年会社の公募展で入選したおかげで、
就職も出来、それから妻にもであって。
結婚してまだ1ヶ月しかたってません。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ある日、石神のもとに届いた小箱。
中には一枚の手紙とレコード。
ルービックキューブのキーホルダー。
手紙には韓国語で
『再び巡ってきた誕生日。
あなたも帰ってくることが出来たのに。
妻より。』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ここ数日何かおかしな感じがしていましたが、
特に気にはしていませんでした。
幸せだったので・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
家に帰った石神。
家の鍵は空いたまま。
帰る前にかけた電話にも妻は出なかった。
家に帰ると床には大量の蝋燭。
石神は今年は最高の誕生日だ。
そう言って家の中にいるはずの妻を探した。
初めてデートしたときの話をする石神。
妻を久しぶりにデートに誘った。
その時倒れこんできた妻の美由紀。
美由紀の体は血だらけだった。
その時一本の電話が入る。
相手は美由紀。
「実家に来ているの。」
「お母さんが調子悪くて。」
「だから今日は実家に泊まるね。」
そう言われて電話が切れた。
しかし家に倒れているのも美由紀。
あわてた石神は直ぐに
再び美由紀の携帯に電話するが、
美由紀は出なかった。
その時玄関から物音が・・・
石神は玄関に向かった。
すると2人の男が家に入ってきた。
そして男は警察手帳を出した。
「近くで殺人事件があったもので。」
「捜査に協力してくれませんか?」
その時部屋のほうから物音が・・・
警察と石神は部屋へ戻った。
石神は驚いた、死体がない!
「死体と血痕が消えたんです。」
部屋中の蝋燭を見て警察は言う。
「ここで1人で何していたのですか?」
「本当にこの家の方ですよね?」
「石神武人さんで間違いないですか?」
石神武人は言った。
「私を疑っているんですか?」
警察は返した。
「署までご同行願いますか?」
韓国人で報道局で働くジウォン。
合わせたい人がこの町にいる。
そう言われて取材のため日本に来ていた。
石神は2人の男と車に乗っていた。
男たちは石神に聞いた。
「お名前は?あなたの名前ですよ。」
「オ・ジヌと言う男覚えてますか?」
すると片方の男が韓国語で言った。
「本気か芝居かどっちだ?」
石神は2人の男が警察ではないと悟った。
「車を止めてくれ。」
その瞬間1人の男は石神に銃を向けた。
「オ・ジヌ知っているな?」
石神は男たちに言った。
「美由紀もお前らの仕業だろ。」
そう言って隙をつき反撃した石神。
石神は車から降りて逃げた。
その頃ジウォンは、
運転しながら誰かと電話していた。
「すぐに放送できない理由は?」
「情報提供者と連絡がつきません。」
「そんなことより、
明日帰国してすぐに編集します。」
「何としても放送しますから。」
「できないなら、今回のネタを検察に・・・」
その時突然飛び出してきた石神をひいてしまう。
車を止めて焦るジウォン。
その時後部座席のドアが空き、石神が入ってきた。
「早く出してください。」
「お願いします。助けてください。」
石神の手にはさっきの男から奪った銃。
必死な石神を見てジウォンは車を発進させた。
「僕の妻が死にました。」
「いや。生きているのか、
確認しなければならないのです。」
ジウォンは石神を乗せ美由紀の実家に向かった。
実家についた石神はインターフォンを鳴らす。
しかしインターフォンに出たお母さん。
「間違えていますよ。」
家が違うらしい。
「おかしいな。この家のはずなのに。」
「急に何も思い出せない。」
「家も電話番号も・・・」
そんな石神を見たジウォン。
「コーヒーでも飲みに行きますか?」
2人は近くのファミリーレストランへ。
ジウォンは石神の話を聞いた。
その時、先ほどの男たちが追ってきた。
運転できないはずの石神だが、
車に乗って男たちから逃げた。
自然と運転していた・・・
肩を擦り剥き怪我をしていた石神。
気がつくと知らない大学で勝手に薬品を調合し、
自分の肩の消毒を始めていた。
そんな石神をジウォンは追ってきた。
「この大学に通っていたのですか?」
石神は首を横に振った。
「じゃあ何でここまで?」
「運転も出来ない人が・・・」
石神が置いてきたジャケットを持ってきた。
そのポケットには追跡装置が入っていた。
「あの人たちは怪しすぎる。」
「あなたはもっと怪しいですけど。」
「行くところも財布もないんでしょ?」
「一緒にいましょう。朝まで生きていたければ。」
2人はラブホテルで朝まで過ごす事にした。
部屋で光る不思議な証明。
石神はどこで覚えた知識か話し始めた。
「ストロンチュウム炎。」
「電球の中で発光しているんです。」
普通の人間は知らないような知識。
ジウォンはそんな石神を取材し始めた。
成り行きを聞いたジウォンは言う。
「消えた死体なんですけど、
本当に奥さんだったと思いますか?」
「実家から電話してきた人は?」
「事前に録音して聞かせたとか?」
「私が言いたいのはあなたの頭が、
おかしくなったんじゃないかと言う事です。」
石神は答えた。
「むしろその方がマシだ。」
「僕だって信じたくない。」
「愛する人が目の前で死んでいたんです。」
「警察に任せたら、
その全てが真実になってしまいそうで嫌なんです。」
ジウォンとはまた会う約束をして別れた。
翌朝目を覚ますと、
テレビでアルツハイマーについて語る佐藤博士。
石神のポケットには大量の薬品が入っていた。
石神は自分の働く会社に電話しようとした。
しかし会社名も電話番号も思い出せない。
ホテルを出た石神はあるマンションに向かった。
ドアを開けると男が迎えた入れた。
その男は石神の知人、伊吹。
「昨日は予定があったから早めに店閉めたんだ。」
「美由紀ちゃんも実家に用事あったようだし。」
石神は男に言った。
「伊吹。家に行ってきてくれないか?」
そして家の地図を描く石神。
地図を描く姿を見た伊吹。
「右手使ってる。」
「左利きって自慢していた奴が・・・」
ジウォンは石神の過去を追っていた。
石神が1年前まで働いていた場所。
石神を知っている人間に会い、
会社に飾られた写真を見ていたジウォン。
「この中にはいませんね。」
会社の人は言った。
「いますよ。この人。」
全然の別人だった・・・
伊吹の家で寝ていた石神。
すると玄関で物音がした。
のぞき穴から外を見る石神。
そこにはまたしても男たちが・・・
どこで覚えたのか、即興で爆弾を作り爆発させ、
時間を作りマンションから逃げた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
伊吹も誰も信じられない。
信じられるのはこの記憶だけだ。
どうして俺はこうなってしまったんだろう。
全てが狂い始めている。
このまま自分の家さえも忘れてしまうんじゃないか。
その前に帰りたい。そこで死んでしまったとしても。
美由紀に一度会えるのなら。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
逃げる石神はある新聞の記事を目にした。
ラブホテルで見たアルツハイマーに関する記事。
自分の家にたどり着いた石神。
そこには見たことのない家族が・・・
半年前から住んでいるんですけどと言われる。
自分の家のはずだった場所から、
逃げるようにひき帰す事になった石神。
美由紀の顔を思い出して泣き崩れる。
『あなたが言うとおり僕は頭がおかしくなりました。』
そこへ現われたジウォン。
「ご飯は食べました?」
そうして友人の家に招きいれたジウォン。
「韓国ラーメンでもいいですよね?」
そう言ってアルミの鍋で茹でたラーメンを出した。
それを見た石神はいう。
「アルミの鍋がアルツハイマーの原因となる。
という説がありました。」
それを聞いたジウォンは聞いた。
「一体そういうことどこで学ぶのですか?」
ジウォンは調べた石神の過去を話した。
「あなたの家だと教えてくれた住所には、
平沢と言う夫婦が住んでいました。」
「6ヶ月くらい前から。」
「昨日一緒にた町には、
久保田さんと言う家はありませんでした。」
「つまり美由紀さんの実家はないと言うことです。」
「名波さんですよね?」
「石神と言う人は知らないといってましたよ。」
「一番仲のいい友達なんでしょ?」
石神は言い返した。
「伊吹って言いませんでしたか?」
言っていたことがチグハグは石神に対し、
「人をだますか馬鹿になるのかどっちかにして下さい。」
石神は真剣な顔で答えた。
「僕の記憶が変わったんです。」
悲壮感漂う石神にジウォンは、
「食べましょうアルツハイマーなんか忘れて。」
すると石神は話し始めた。
医学的用語を使って記憶の伝達の話を始めた。
どこで学んだか分からない、専門知識・・・
ジウォンは再び聞いた。
「アルファー広告ではいつから働いていたんですか?」
それを聞いて自分の会社を思い出した石神。
続けて聞いたジウォン。
「その前は?鳥山アートスクール?」
「行きましょう。あなたの家。」
まったく答えられない石神。
「もともと記憶力は良くありませんでした。」
「交通事故にあってから途切れ途切れで。」
そんな石神にジウォンは言う。
「起きた事全て覚えている人はいないです。」
「辛い記憶は無理やりにでも忘れたほうがいい。」
「問題なのはありもしない記憶を覚えている事です。」
「あなたみたいに・・・」
そしてジウォンと家に向かった石神。
「もし僕に何かあったらそのまま逃げてください。」
そう言ってマンションへと入っていく石神。
追いかけるように石神の家に入ったジウォン。
昨日あったはずの蝋燭はなかった。
「蝋燭は?」
「もしかして美由紀さんが?」
石神が答えた。
「昼間に伊吹に変わりに着てもらったんです。」
しかし疑問点が・・・
「昼間に来て変わりに電気まで直した?」
石神は何かを思いついたように、
家にあった薬品を混ぜ始めた。
そして出来た薬品を床に振り掛けた。
「ルミノール反応。」
「血を拭いても血痕は残る。」
確かにその家には血痕の反応があった。
その作業を見ていたカン・ジウォン。
「あなた本当にイラストレーターですか?」
そう言いながらベランダにでたジウォン。
落ちていた携帯を見つけた。
そのときだった。家に入ってきた男たち。
石神を力でねじ伏せた。
間一髪でジウォンは逃げるが、
石神は男たちに連れて行かれた・・・
石神は男たちに言った。
「いつまで猿芝居しているんだ?」
男は言う。
「私達はあなたを守ろうとしているんです。」
「あなたに何かあったら俺たちが殺される。」
「あなたに会いたがっている人がいます。」
「その人のもとへ、
あなたを無事に連れて行ったら終わりです。」
そのときだった。
車に近寄るワゴン車。
そしてワゴン車が通り過ぎると後方から煙が上がる。
様子を見に行く男たち。
その間にポケットに忍ばせた薬品を取り出す石神。
石神はその薬品を男たちにかけて逃げ出した。
逃げ切った石神はジウォンと合流した。
そして伊吹のもとへ向かった。
新聞記事に載っていた男を見せて聞く。
「お前もグルなのか?」
「お前が知っていて俺が知らない事を全部言え。」
伊吹は素直に答えた。
「その人がお前の事訪ねてきたんだ。」
「お前が何かの病気にかかっているって。」
「ウイルスにかかっていて、
死ぬかもしれないって。」
それを聞いて怒鳴るように石神は言う。
「病気?何の?」
伊吹は静かに答えた。
「知らないんだ。」
冷静になった石神は伊吹に話した。
「お前にはいろいろ悪かったな。」
伊吹は聞いた。
「美由紀ちゃんのことは?」
石神は血痕のことを伊吹に話した。
そして石神は言った。
「もう自分が何を思っているか信じられない。」
ジウォンは石神を待っている間に、
石神の家で見つけた携帯を見た。
そして発進履歴から電話を鳴らすと・・・・
ジウォンの携帯がなった。
車に戻った石神にジウォンは言う。
「あなたの奥さんのものですか?」
携帯を見た石神は答えた。
「いいえ。」
ジウォンは続けた。
「日本に来て会うことになっていた、
ある情報提供者がいました。」
「その人のものなんですけど。」
「あなたの家のベランダにありました。」
「その女性は行方不明になった韓国人の夫について、
伝えたい事があると言ってました。」
そしてジウォンは自分の推測を話した。
「あなたは2つの家庭を持っていた。」
「だから奥さんが2人いた。」
「その1人が死んでいるのを見て、
ショックを受けて記憶が混乱したんです。」
「2人の女性を1人の女性と勘違いしたんです。」
「あなたは韓国人じゃない。」
「でもあなたがもともと別人だとしたらあり得る。」
「記憶は自分なのよ。自分自身なのよ。」
「記憶が変わったって言う事は、
自分が別人になったって言う事。」
「いったいあなたは誰なんですか?」
それを聞いて声を荒げる石神。
「俺だってこの状況説明してほしいくらいだ。」
その後も混乱した状況を話し続ける石神の言葉には、
節々に韓国語が発せられた。
それを聞いたカン・ジウォン。
「韓国人だったんですか?」
翌日目を覚ました石神。
そこに1枚の写真がジウォンからFAXで届いた。
「その人知っていますか?」
石神は知らないと答えたが、
「知っていないといけない人なんです。」
「石神武人 」
「この人は左利きであなたは右利きだった。」
「整形したとしても聞き手までは変わらない。」
「どちらが本物の石神さんなんでしょう?」
「もし公募展に応募した石神と、
受賞した石神が別人だとしたら?」
「鳥山アートスクールを辞めて、
受賞するまで2週間なんです。」
「その間にあなたは石神武人になって、
就職して美由紀さんと結婚したんです。」
「自分がその男だと思いながら・・・」
それを聞いた石神はある場所に向かった。
それは以前追われたときに行った大学。
その大学には自分の写真と、
新聞に載っていた男が握手している写真があった。
そこを通りかかった男が声をかけた。
「ジヌ!」
「1年ぶりだ。ここにお前が現れたのは。」
「みんなお前が死んだか、
拉致されたと思っていたんだ。」
大学の研究員で、石神とは過去同僚だった。
石神ではなくジヌという男と・・・
石神は聞きた。
「俺がここでやっていた仕事は?」
同僚は答えた。
「以前のお前は俺の名前は忘れても、
研究の事は忘れなかったはずだ。」
ジウォンも大学に駆けつけた。
そして元同僚に石神の研究を聞いた。
石神が研究していたのは、記憶を消すウイルス。
そのウイルスを記憶を保存する事ができる、
ウイルスへ変化させる開発していた。
それが出来ればアルツハイマーを治すことが出来る。
アルツハイマーになる前に人間にウイルスを投入し、
そのウイルスをアルツハイマーになってから注入する。
すると以前の記憶を思い出すという研究。
石神は天才科学者であった。
「アルツハイマーを治そうとした奴が、
アルツハイマーになって戻ってくるとは。」
石神は聞いた。
「俺の家はどこか知っているか?」
同僚は言う。
「由梨さん引っ越したのか?」
石神が始めて聞く名前だった。
「由梨さん?」
同僚は驚いて言った。
「奥さんの名前も思い出せないのか?」
石神は何かを思い出しつぶやいた。
「西原由梨?」
ジウォンは聞いた。
「どうですか?自分を取り戻した気分は?」
石神は無言だった・・・
石神とジウォンは由梨の家へと向かった。
そこには石神をつけている男がいた。
それに気付いたジウォンは男に声をかける。
男は由梨の依頼で石神を追っていたと言う。
浮気調査で・・・
石神は聞いた。
「なぜ俺の居場所が分かった?」
探偵は言う。
「1ヶ月前奥さんにバレただろ。」
石神は思い出した。
1ヶ月前に見知らぬ女が自分を追いかけてきたことを。
そしてその女は言っていた。
「ジヌさん」と・・・
探偵は言った。
「名前を変えて仕事まで変えて、
結婚までしていたから捜せなかった。」
「目の前で妻を無視するとはな。」
そして由梨のアパートへ入った石神。
そこには息のない白い顔の由梨が・・・
その部屋には数多くの医学書。
もちろんアルツハイマーに関するものだ。
そして由梨が好きだった蝋燭の山。
由梨はあの石神の誕生日の日、
昔の記憶を思い出してほしくて蝋燭に火をつけた。
しかし事件は起こった。
石神のアパートに忍び込んで蝋燭をつけた由梨。
そこにいた何者かが由梨を殺害した。
その直後に石神が帰宅。
まだ部屋にいた犯人は、石神も殺そうとしていた。
しかし警察を名乗る男たちが現れて、
犯人は遺体だけを処理したのだった。
時間がなかったのか遺体と血だけを処理し、
石神が家から出た後に、
由梨の遺体だけをアパートに運んだ・・・
ジウォンは言った。
「遺体を処理しなかったのを見ると、
普通の殺人者じゃない。」
石神は言った。
「僕の事を良く知っている人間。」
「研究所の人間。」
その時石神へ美由紀から連絡が入った。
「オ・ジヌって誰なの?」
「本当にあなたがその人なの?」
「私本当にあなたのこと愛していたのに。」
石神は答えた。
「愛している。本当だ。」
その時電話口に石神を追いかけていた男が・・・
「そういうことは会ってから・・・」
「それより可愛いお嬢さんは、
これからも一緒に動くんですか?」
石神は察したジウォンも危ないと・・・
「今行ったら戻って来れないかもしれない。」
「由梨のことお願いします。」
ジウォンは返した。
「私は一度も自分のネタを逃した事がないの。」
「連絡待っていますから。」
石神は1人で美由紀のもとへ向かった。
そこには石神を追いかけていた男たち。
そして美由紀もいた。
美由紀に話しかけようとするが、
目の前で美由紀は車でどこかへ連れて行かれる。
男は石神に言った。
「奥さんも今は状況を理解するのに時間がかかる。」
「数時間後には全て理解できますよ。」
自分と美由紀を取り戻したい石神。
男たちに連れられ石神はソオルへ行った。
そこで待っていた1人の男。
石神は男へ聞いた。
「僕たちに何でこんな事をするんだ?」
「何が目的だ?」
男は言った。
「1年前のキミに魅力的な提案をしよう。」
石神は聞いた。
「あんたたちは何者だ?」
男はアメリカ3大製薬会社に出資している人間。
その男はなぜ石神になったのか聞いた。
答える事のできない石神。
男は石神に1年前の研究所の防犯カメラを見せた。
そこに映っていたのは、
本物の石神を抱きかかえて運んできた佐藤博士。
佐藤博士は新聞に載っていた、
大学でジヌと握手をしていた写真の男。
それを見た石神は全てを思い出した・・・
〜1年前〜
物音に気がつき研究室に入ると、
倒れた石神と佐藤博士がいた。
助けようとしたジヌに佐藤博士は殴りかかった。
そしてその日からジヌは石神になった。
ジヌの作ったウイルスで石神の記憶を吸収して、
ジヌの脳に移したのだ。
しかしウイルスには人間の脳より容量が少ない。
なので石神の過去の記憶が残っていないのだ。
最近の記憶しか残ってなかった理由だった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その頃ジウォンは佐藤博士を追っていた。
記憶を取り戻した石神は言った。
「僕はモンスターを作りだした。」
この1年ジヌは石神の記憶で埋め尽くされていた脳。
しかしここに着て急激に過去の記憶が戻ってきた。
石神は投資家の男に言った。
「研究員は記録を残す。」
「ほしいのはそのファイルだろ。」
アルツハイマーの特効薬。
それが出来れば莫大な金になる。
投資家の男は石神の意見に賛同し、
東京の研究所へ向かった。
研究所へ向かう車の中石神は言った。
「ウイルスは組みかえる前の状態へ戻ってしまった。」
「人為的に遺伝子を操作したせいだろう。」
「不老不死の夢は一年限りだったという事だ。」
「石神の記憶を移したウイルスが、
もとの状態に戻ったから俺の記憶も戻ってきた。」
「覆っていた記憶は消えたんだ。」
「この研究は完全に失敗している。」
投資家の男は言った。
「ふざけた事を言うな。」
「研究ファイルをよこせ。」
石神は続けて言う。
「お前たちが諦めなきゃいけない理由は他にある。」
「俺に問題が起きた。」
投資家の男は再び聞いた。
「お前はどうなる?」
石神は答えた。
「死ぬか。誰でもなくなるか・・・」
そして薬品を取り出した石神。
それは石神が合成させた薬。
一瞬で車を吹き飛ばす事ができる薬。
「俺には死ぬ覚悟がある。」
「お前たちはどうだ?」
投資家の男を脅して車から降りた。
男たちから逃げた石神だが、
追いかけてきた男たち。
男は銃を石神に向け聞いた。
「一体何がお前をそうさせるんだ?」
石神は答えた。
「明らかにしなきゃいけないことがあるんだ。」
「それまで俺は死ねない。」
男は石神の決意に追うことを辞めた。
石神は佐藤博士のもとへ向かった。
石神を見た佐藤博士は言った。
「今までどうしていたんだね?」
石神は言った。
「良くご存知でしょう。」
佐藤博士は言った。
「記憶が戻ったのか?」
佐藤博士と石神は研究の話をした。
石神が研究したウイルスは未完成。
ウイルスを投与すると一次的に記憶が戻る。
しかし1年経つともとの状態に戻る。
つまり記憶を記憶を消すウイルスになる。
今の石神の体内にあるウイルスは、
この後記憶を消すのである。
この先記憶がなくなるであろう石神に、
佐藤博士は言った。
「悪くなる前に研究記録を渡してくれるか?」
「君が作ったものだ、君だけのノウハウがあるはずだ。」
「研究記録を渡してくれれば、
私が発病をとめてやろう。」
石神は答えた。
「自分で始めた事です。」
「自分で終わらせます。」
「これ以上悪くなる前に、
石神武人について教えてください。」
佐藤博士は話した。
1年目運転をしていた佐藤博士。
偶然石神武人をひいてしまった。
全てが終わると考えた佐藤博士。
痕跡さえ残らなければと研究室に運んだ。
そこで偶然にもジヌに見つかった。
そしてウイルスを使用して、
本物の石神武人を処分した。
ジヌは石神武人になり生活を始めたのだった。
佐藤博士は言った。
「私達は偉大な研究をしていたのだ。」
それを聞いた石神は言う。
「それはあなたの研究だ。」
「俺たちの研究はアルツハイマー治療薬だった。」
「忘れたのか!」
そう言って銃を発砲した石神。
「俺の妻が殺された。」
「俺の記憶が戻る事を望んでいない人間がいた。」
「ハン・ユリは自分の夫の記憶を取り戻そうとした。」
「それで殺されなければならなくなった。」
「お前は全てを失いたくなかっただけだ。」
佐藤博士は返した。
「永遠に死なない方法を見つけたんだ。」
「成功すればもっと偉大な科学者として、
この世に名を残す事ができる。」
「ここで辞めるわけには行かない。」
「発病したら忘れる記憶。」
「ただの事故で死んだ人間のために、
偉大な業績を棒に振るわけにはならない。」
「君には撃てない。」
石神は言った。
「できない理由なんてどこにもない。」
「どうせ記憶する事も出来ないんだ。」
そして銃を発砲した・・・
しかし銃は佐藤博士の横を打ち続けるだけ。
石神はビビって倒れこむ佐藤博士に言った。
「お前を殺さない理由は、
妻が復讐を望んでいないと思うからだ。」
そういい残して研究所を後にする石神。
外にはジウォンが待っていた。
全てはジウォンが仕組んだもの。
一部始終をレコーダーに録音していた。
ジウォンの車に乗った石神。
ジウォンは言った。
「打つ手はないの?」
石神は答えた。
「体に免疫反応が起こり、
ウイルスを防ぐ事ができたら。」
「ある意味本当の臨床試験はこれからです。」
そしてジウォンは石神を降ろした。
「私が何を言ったって1人でいたいんでしょう?」
石神は言った。
「あなたに出会えた事が、
僕の人生で最後の幸運でした。」
ジウォンは言う。
「ただネタにあると思ったから一緒にいただけです。」
そんなジウォンに石神は、
「責任の取れない言葉ですが、
忘れられないと思います。」
ジウォンも返した。
「私もこの状況にふさわしいか分かりませんが、
元気でいてください。」
「記憶は消えても、
思い出はどこかに残っているものです。」
そう言って車に乗ったジウォン。
友人に電話して言った。
「帰る前に渡したいプレゼントがあるの。」
「特ダネよ!」
一方石神はなくなっていく記憶の中で、
由梨からもらったレコードを手にして、
蝋燭に火をつけようとしていた。
そしてあることに気がついた。
石神の前には伊吹がいた。
「記憶を取り戻すためには、
石神武人の記憶を全て消えなきゃいけない。」
「そうすると自分が誰かも分からなくなります。」
「ここにメモしておかなければ、
あなたが誰なのかもわからなかったと思います。」
「誰かがこの蝋燭に火をつけた人を殺しました。」
「蝋燭をかたずける時間がなかったから、
そのままにしたのだと思っていました。」
「蝋燭がこのくらいになる前に1時間はかかります。」
「その間に何をしていたのか教えて下さい。」
伊吹は言った。
「何で俺に?」
石神は続けた。
「私が書いた地図は、
オ・ジヌと言う人間が住んでいた家です。」
「あなたがこの家で地球の絵を見たのは、
あの夜しかないのです。」
「どうしてそんな事を・・・」
「真実を知ったとしても、
私は記憶を残す事は出来ません。」
「石神として生きる最後の日かもしれない。」
「お願いです。」
あの事件の夜、部屋に飾られた絵。
それは石神が書いた絵であり、
特殊な塗料で描かれた絵。
普段は海の絵であるが、
電気が消えたときに現われる地球の絵。
それを知っているはずがない伊吹。
その事に気がついたのであった。
伊吹は答えた。
「俺が殺したんだ。」
「美由紀はその人が死んだ事も知らないんだ。」
事件の真相を知った石神。1人公園へ向かった。
公園で美由紀とすれ違う石神。
石神の記憶はなくなり美由紀の存在がわからない。
『あたしあなたの事愛していたのに・・・』
そんな記憶を思い出して振り向く。
すぐさま抱きしめる美由紀。
美由紀はあの夜の話をした。
家に帰った美由紀は、
蝋燭に火をつけて床に座る由梨を見た。
「初めは頭のおかしい人だと思ったの。」
「勝手に人に家に忍び込んで・・・」
「蝋燭なんてつけて・・・」
「とにかく夫を返せって・・・」
そして由梨はジヌの写真を見せたという。
そして口論となって誤って殺してしまった美由紀。
美由紀は伊吹に頼んで処理をお願いした。
その時はまだ、
頭を打って倒れていたと思っていた美由紀。
伊吹は死んだ由梨を運んだ。
そして美由紀とアリバイ工作をした。
美由紀が実家にいたことにして・・・
伊吹は美由紀に言った。
「お前は何も知らないんだ。」
美由紀と伊吹は幼い頃施設で育った。
その後見人が佐藤博士だった。
佐藤博士は美由紀に、
2年間だけ妻として石神と過ごしてほしいと頼んだ。
伊吹は反対したが、美由紀がやろうと言った。
そして家と金と店を手に入れた。
しかし美由紀は石神を本当に愛してしまった。
美由紀は石神に言った。
「今となっては行き場のない感情だけど」
石神は亡くなる記憶の中で言った。
「ありがとう。」
「僕は幸せだ。」
「本当に申し訳ない・・・」
そして倒れた石神。
石神の記憶は完全に消えたのであった・・・
〜1年後〜
韓国で働くジウォンに一枚の手紙が届く。
待ち合わせ場所に向かったジウォン。
そこに現われたのはジヌ(石神)。
ジヌは韓国語で言った。
「はじめまして。手紙を書いたものです。」
「1年前の記憶がなくて・・・」
ジウォンは言った。
「食事しませんか?」
「話はいつでもできるけど、
夕食は週に7回だけよ。」
「話は食べながら・・・」
「食事もせずに分かれるのは嫌なの。」
そんなジウォンにジヌは言った。
「以前どこかでお会いしましたか?」
ジウォンは答えた。
「いいえ!」
「記憶は消えても、思い出は残る。」
頭の片隅に残った思い出が蘇り、
ジヌは止まった・・・
そんなジヌにジウォンは、キーホルダーを渡した。
逃走中に石神がジウォンに渡したもの。
そのキーホルダーはUSBメモリーだった。
関係者が探していた石神の研究ファイル・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
きっと信じられないわ。
私もそうだったから。
あなたの記憶はここから始まるのよ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(終わり)
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