2015年05月15日
【かずら】出演者・感想・完全ネタバレ
本日の映画紹介。
【かずら】
【出演者】
森山茂:三村マサカズ
大和田:大竹一樹
牧田涼子(茂の会社の人):芦名星
豊田あさみ(茂の会社の人):井森美幸
宮内徹平(茂の会社の人):載寧龍二
富岡部長(茂の会社の人):ベンガル
森山盛夫(茂の父):麿赤兒
森山加代子(茂の母):丘みつ子
森山律子(茂の妹):入来茉里
森山明(茂の弟):永岡佑
森山三男(茂の弟):篠山輝信
田村洋平(カツラ友の会):田中要次
レイコ(田村の愛人):安藤玉恵
山中誠(カツラ友の会):正名僕蔵
幸田雄一郎(カツラ友の会):酒井敏也
OL:手島優
女子高生:板野友美
〜〜〜Sponsords Link〜〜〜
【感想】
くだらない?
面白い?
でも現実こうなのでしょうね〜
薄毛に対してとても恐ろしく感じます。
全て実話に基づいているところが怖い!
結果としては、牧田(芦名)さんが素敵。
こんな女性と結婚すると幸せでしょうね〜
外見など一切気にせずに、
中身だけで人を見てくれる人。
最初はコメディ全開なのだろうな〜
と思ってましたが、ストーリーしっかりしてる。
まあ大竹さんは完全にコメディですが・・・
面白く拝見させていただきました。
【あらすじ】(ネタバレあり)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・田村洋平の体験談
三年前のことなんだけどね。
あの夏僕は出張って言う名目で、
レイコとグアムに行こうとしていたんですよ。
それがね〜
あんな事になるなんてね〜
海外に向かおうとしていた
空港の金属検知器に引っかかった。
原因はカツラのホックだった。
警備員は言った。
「はずしていただけませんか?」
仕方なくカツラを外した。
もちろんレイコには言っていなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜これは実話に基づく物語である〜
社会人の森山茂は薄毛に悩んでいた。
そんな茂は本社への転勤を命じられた。
皆に見送られて東京へ向かった茂。
俺なんかが東京でやっていけるのか?
最初は不安で一杯だった。
東京に着いた茂。
出社は明後日から。
人生を変えるチャンスと考えた茂は、
カツラショップへ足を運んだ。
しかし時間とお金もかかる事を知った。
初出勤にはどうやっても間に合わない。
諦めかけていたその時、
電信柱に張られた一枚の広告。
「早い。安い。うまい。」
「あなたのカツラ作ります。」
茂は最後の頼みと、広告の住所へと足を運んだ。
そこは錆びれた一軒屋。
これが僕の、
嬉しくも悲しいカツラ人生の始まりだった。
出迎えてくれたのは大和田。
「王手なら出来上がるまで1ヶ月以上かかるよ。」
「でもうちは即日渡し。」
「こういうのは思い立ったが吉日って言うでしょ。」
「かぶりたいと思ったら直ぐかぶる。」
そして専門用語と情で攻めてくる大和田。
茂はカツラを作る事を決意した。.
価格は本人の希望で決めると言う大和田。
茂は言う。
「頑張れば25万くらいなら・・・」
大和田は言った。
「何歳?」
茂は答えた。
「35歳。」
大和田は返す。
「じゃあ35万だ。」
カツラは直ぐに出来上がった。
そして着けてみた。
ピッタリだった。
素直に喜ぶ茂に大和田は言う。
「今日からキミもカツラーだ!」
茂は言う。
「その何とかラーって言うの、
あんまり好きじゃないですけど・・・」
大和田は言った。
「じゃあカツラッチ。」
「カツラは万能じゃないが、
うまく付き合えば、
あんたを自由にしてくれるはずだ。」
自信満々に言って茂の背中を叩く大和田。
そして東京本社の初出勤。
もちろん茂はカツラをしていった。
大和田のアドバイスどおりに・・・
「カツラの最大の敵は人だ。」
「額の生え際が目立たないように、
人前ではあごをグッと引く。」
「人前では髪を触らない事。」
自己紹介を終えた茂。
すると女性社員の豊田から質問が。
「森山さんは独身なんですか?」
周りの社員は笑い出した。
その笑いがカツラに向けられているように感じた茂。
直ぐにトイレに駆け込んだ。
トイレでカツラにした事を悔やんだ茂。
カツラを外そうとしたとき、大和田から電話が来た。
「あんたカツラ外すつもりでしょ?」
「大丈夫誰も気づいていないから。」
「安心して。深呼吸して。」
その夜は茂の歓迎会。
女性社員は違う部長の噂話。
その内容は部長がカツラだと・・・
茂は敏感だった。
「なんでカツラだと思ったの?」
豊田は答えた。
「なんとなく。」
茂は更につっこんだ。
「なんとなくで分かっちゃうもんなの?」
豊田は答えた。
「なんか不自然なんですよね。」
茂は更に突っ込んだ。
「どこが不自然なの?」
あまりにしつこい茂に場が凍った。
その時居酒屋の店員が運んできたメニュー。
店員は足を滑らしメニューをぶちまけた。
しかも茂の頭に・・・
店員は直ぐに拭こうとした。
「直ぐにお拭きいたします。」
茂は拒んだ。
「やめて。」
近くで見ていた大和田。
茂をトイレに呼び込んだ。
そして茂に、
「スペアカツラ。」
「これさえあればもう安心。」
「今なら大特価28万6千800円。」
「リボ払いも出来るよ。」
茂は言った。
「買います。リボ払いで。」
カツラッチデビューの日。
俺は心にも体にも自由がないことを知った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・山中誠の体験談
カツラの人間にとって風って恐怖じゃないですか。
でも普通思うみたいに、
風でづれちゃうとか飛んじゃうって事はなくて、
着けて初めて分かったのは、
乱れる事の怖さでしたね〜
それなのに新婚旅行で香港に行ったとき、
妻が言い出したんですよ。
ヘリコプターで夜景が見たいって。
妻には着けていることを隠してますよ。
あの激しくプロペラが回っている乗り物に、
どうやって乗り降りすればいいんですか?
残こされた道は1つしかありませんでした。
それは絶対に飲んではいけないと、
注意されていた生水でした。
生水を飲んでお腹を壊して、
ヘリコプターの難を逃れたのであった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
茂は風と戦っていた。
大和田のアドバイスどおりに・・・
「風に向かうとき大切なのは、
ポジショニングだ。」
「F1カーのようにピッタリ前の車の背後につけ、
風の抵抗を避ける。」
「風を防ぐものがないときは受けて流す。」
「どうしても避けられない風が来たときは、
分け目の中心で風を捉え風と一体となるんだ。」
そんな時道でぶつかった女性、牧田涼子。
その女性が仕事のパートナーになった。
茂は会社でデザインを書いていた。
そのデザインを見た牧田。
「デザインは現場から。」
「それがこの仕事の基本です。」
茂は風の恐怖で外には出ていなかった。
牧田は続けていった。
「優秀で情熱的なデザイナーの方と一緒に、
新しい絵を造れるって聞いてたのに・・・」
「がっかりです。」
その日の帰宅中。
「ようラッチ。」
大和田さんだった。
「カツラッチからもうラッチになったの?」
大和田さんは何でも屋を営んでいた。
そして大和田さんの家に招かれた・・・
「で、何?」
「もう好きな女できた?」
その時店内にお客さんが来た。
その女性客を店内に招いた。
「カツラのお客さんの相談を受けているから待って。」
そして話の続きを始める。
「で、彼女がハゲ線って事は?」
「やっぱり付き合いたいの?」
「彼女名前なんていった?」
茂は答えた。
「涼子さんです。」
大和田は言った。
「涼子さんと付き合いたいですって言ってみて。」
「確認だよ。」
動揺したときにカツラが動かないかのチェック。
茂は大和田に言われた通りに言った。
「僕は涼子さんが・・・」
その時新たな客が来た。
女子高生だった。
大和田はその女子高生も招きいれた。
「カツラのお客さんの相談を受けているから待って。」
2人の客が見守る中で話は進んだ。
「僕は涼子さんと付き合いたい。」
つぎの日、現場に足を運んだ茂。
そこには牧田が待っていた。
「来てくれたんですね。」
牧田は的を得た茂のアドバイスで、
仕事のパートナーとして信頼していった。
・次の問題は天。
上からの視点に注意。
不自然に光を反射して、天使の輪に見える事がある。
バスに乗った2人、席を勧める牧田。
席に座ろうとした茂。
しかし、
「って俺が座れるわけないじゃないですか。」
「座ってください。」
そう言って席を豊田に譲った。
・次の問題は水。
濡れると地盤が透けて見えてしまう。
特に生え際の割れ目。
突然の雨だったが、茂は準備万端。
折り畳み傘を持ち歩いていた。
・次の問題は火。
汗には気をつけろ。
皮膚はしっとり髪はサラサラ。
不自然だよね?
暖房の中で熱論を繰り返す茂。
突然暖房をとめた茂。
「なるべく自然と同じ条件の中で、
イメージを作りたいんだ。」
何とか切り抜け続ける茂だった。
・半径70pの人の動きに注意してください。
そして取引先との接待。
もちろん牧田も一緒だった。
取引先の社長は牧田にちょっかいを出す。
連れの男は茂に言った。
「東京はこんな感じだよ。」
「そんなこと気にしている余裕あったら、
頭下げて仕事もらわないと・・・」
そう言って茂の頭に手をかざした男。
茂はそれを振り払った。
取引は不成立。
しかし牧田は守ってもらったと勘違いし株が上がる。
その帰りに牧田は言う。
「ずっと気になっていたことがあるんです。」
「森山さんって・・・」
茂は思った。
もしかして俺のカツラばれてる?って・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・幸田雄一郎の体験談
女の子との距離は縮まる。
そりゃあ嬉しいですよ。
でもそれは新しい苦難の始まりでもあります。
ディズニーランドに行きたいって言われたら、
どうします?
金具でカツラをとめた頭で、
ビックサンダーマウンテンなんて乗れますか?
水に弱い頭で、
スプラッシュマウンテンなんて乗れますか?
なんとかディズニーはかわしましたよ。
この年でそんなとこ行けないよって。
すると彼女が言うんです。
じゃあお泊りで温泉連れて行ってって。
いつばれるかと思うと気持ちいい所じゃなくて、
ムレムレになった頭を乾かすところは、
個室のトイレしかありません。
カツラを乾かすドライヤーもありません。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そんな時牧田が遊園地に誘ってきた。
茂は言う。
「俺苦手なんだよね。」
「ジェットコースターとか絶叫マシン。」
悲しそうに諦めかけた牧田。
その顔を見て茂は決心した。
「行こう。遊園地。」
「冗談だよ。苦手なわけないじゃん。」
早速大和田に相談に行った。
話をきいた大和田は言った。
「じゃあ強化するか。」
「カツラと地肌の密着を強化する、
ボンドと両目テープ。」
「覚悟してもらわなければならない事がある。」
「接着剤がつきやすくなるように、
金具の内側の毛をそらなくてはいけない。」
「地肌とカツラの密着度を高めるって事は、
地肌へのストレスを高めるってことになる。」
「だから残りの地毛が抜けてしまう事もある。」
「どうする?」
「地毛を捨てるか彼女を捨てるか?」
「地毛か彼女か?」
茂をまくし立てる大和田。
茂は決意した。
「地毛を捨てる!」
そしてデートの日。
意を決して密着させたカツラ。
茂を見た牧田は言った。
「なんか今日の森山さんいつもと違う。」
「自信で満ち溢れている感じ。」
そしてジェットコースターへ・・・
大和田が渡してくれたボンド。
それは時速150qまでは耐えられる。
ジェットコースターは150qを超えた。
カツラは吹き飛ぶ。終わった・・・
そしてジェットコースターが終わって、
茂の顔を見る牧田。
茂は泣いていた。
「何ですか、その顔?」
茂は聞き返した。
「顔?」
そして頭に手をあてるとカツラがついている。
ジェットコースターの後ろの席には大和田が。
そして伝票を茂に渡した。
スペアカツラと出張費。
あわせて36万円の伝票だった。
そしてデートはうまく言った。
仕事も順調に進んだ。
より親密になっていく茂と牧田。
茂は悩んでいた。
その悩みを大和田に相談した。
「カツラだって隠している事が、
彼女をだましているみたいで、
後ろめたいって言うか・・・」
大和田はあっさり答えた。
「じゃあさっさと告白しちゃえばいいじゃん。」
それに対して茂は言った。
「出来るもんならしたいですよ。」
「でも出来ないです。」
大和田は言う。
「じゃあ着いてきて。」
向かった先は小さなスナック。
中にいたのはカツラ友の会のみんな。
大和田が作ったカツラをかぶる人たち。
同じ境遇の人間と話すことで気持ちが晴れると・・・
そこにいたのは会社の同僚宮内。
宮内はずっと茂を見守ってくれていた。
田村や山中、幸田もこの会の人たち。
みんな揃って牧田へは隠すことを進めた。
数日後、牧田とやってきたプロジェクト。
コンペを見事に勝利し仕事を勝ち取った。
状況も助けてとても良い雰囲気になる。
2人きりでキスのチャンス。
そんな状況でも嘘を突き通したくない茂。
「ダメなんだ〜。」
そう言ってその場を去った。
そしてカミングアウトすることを決意した。
一方牧田は同僚の豊田に誘われていた。
豊田はなんとなく気がついていた。
そしてカツラだと牧田に進言した。
牧田も意を決した。
思い切って温泉旅行に茂を誘った。
茂は実家に行くと断った。
しかし牧田も引かなかった。
じゃあ実家についていくと・・・
茂は焦った。
そして実家に電話した。
親父にもカツラをかぶってもらおうと・・・
しかし父親は猛反対。
家族は全員が薄毛の家系。
親父は無理だったが兄弟は協力してくれると。
そして家に到着した。
家族で出迎えてくれた。
親父も兄弟も皆カツラをしてくれて・・・
母は気を効かせて、
牧田を山菜取りに連れて行った。
そして牧田に言った。
「あの子は優しい子ですから、
見捨てないで下さい。」
「これからもっと悪いとこ見つかると思いますから。」
家では親父と茂が喧嘩をしていた。
「お前のやっている事は嘘の上塗りだ。」
茂は言った。
「分かったよ。言えばいいんだろ。」
そしてその夜。
茂は牧田を呼んだ。
「話があるんだよ。」
「俺さ、ないんだよ。」
「頭に全然ないんだよ。」
「今まで嘘ついていてごめん。」
牧田は言った。
「結婚する気なかったんだ。」
「最低。」
そして家を飛び出した牧田。
茂は家族に言った。
「どうして頭の毛が薄いって言うだけで、
こんなに苦しまなければいけないんだよ。」
すると大和田も現われた。
カツラをつけるために現われたそうだ。
大和田は茂に言った。
「言ったんだろカツラですって。」
茂は答えた。
「そういう言い方してないよ。」
「頭に全然ないって・・・」
一同は気がついた。
行き違いがあったことを・・・
茂も自分の言い方の間違いに気がつき、
すぐに牧田を追っかけた。
家族は心配していた。
カツラ友の会のみんなも心配していた。
もちろん大和田も・・・
そして駅にたどり着いた茂。
しかしそのタイミングで電車は発車した。
「涼子さ〜ん。」
その時声が聞こえた。
「何ですか?」
「そっちは逆方向です。」
牧田は反対の路線で電車を待っていた。
茂は意を決して話した。
「涼子さん。俺の気持ちを聞いてください。」
「俺は臆病者です。」
「ごめんなさい。」
「さっきは嫌な思いをさせてごめんなさい。」
「もう1つ誤らなければいけないことがある。」
「キミに隠し事をしてました。」
「俺は本当はカツラなんです。」
牧田は答えた。
「知ってた。」
「初めて会ったときから知ってた。」
「だから何?」
驚いた茂。そのまま話を続けた。
「こんな俺だけど、俺と結婚してください。」
「いきなりすぎますが、絶対幸せにします。」
「俺とあったかい家庭つくろう。」
牧田は答えた。
「よろしくお願いします。」
そして抱擁する2人。
茂は聞いた。
「これどうしようか?」
牧田は答えた。
「カッコいいからかぶってて。」
「なくても好きだけど、
もう茂さんの一部なようなもんでしょ。」
そして2人はキスをした。
『カツラが僕に幸せを運んでくれた。』
尻目に大和田は言う。
「あれっ!200万超えてるな。」
(終わり)
〜〜RIKUのサブブログ〜〜
・RIKUの映画感想館
・「携帯・スマホゲーム」DORAKENを実際に攻略して・・・
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【かずら】
【出演者】
森山茂:三村マサカズ
大和田:大竹一樹
牧田涼子(茂の会社の人):芦名星
豊田あさみ(茂の会社の人):井森美幸
宮内徹平(茂の会社の人):載寧龍二
富岡部長(茂の会社の人):ベンガル
森山盛夫(茂の父):麿赤兒
森山加代子(茂の母):丘みつ子
森山律子(茂の妹):入来茉里
森山明(茂の弟):永岡佑
森山三男(茂の弟):篠山輝信
田村洋平(カツラ友の会):田中要次
レイコ(田村の愛人):安藤玉恵
山中誠(カツラ友の会):正名僕蔵
幸田雄一郎(カツラ友の会):酒井敏也
OL:手島優
女子高生:板野友美
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【感想】
くだらない?
面白い?
でも現実こうなのでしょうね〜
薄毛に対してとても恐ろしく感じます。
全て実話に基づいているところが怖い!
結果としては、牧田(芦名)さんが素敵。
こんな女性と結婚すると幸せでしょうね〜
外見など一切気にせずに、
中身だけで人を見てくれる人。
最初はコメディ全開なのだろうな〜
と思ってましたが、ストーリーしっかりしてる。
まあ大竹さんは完全にコメディですが・・・
面白く拝見させていただきました。
【あらすじ】(ネタバレあり)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・田村洋平の体験談
三年前のことなんだけどね。
あの夏僕は出張って言う名目で、
レイコとグアムに行こうとしていたんですよ。
それがね〜
あんな事になるなんてね〜
海外に向かおうとしていた
空港の金属検知器に引っかかった。
原因はカツラのホックだった。
警備員は言った。
「はずしていただけませんか?」
仕方なくカツラを外した。
もちろんレイコには言っていなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜これは実話に基づく物語である〜
社会人の森山茂は薄毛に悩んでいた。
そんな茂は本社への転勤を命じられた。
皆に見送られて東京へ向かった茂。
俺なんかが東京でやっていけるのか?
最初は不安で一杯だった。
東京に着いた茂。
出社は明後日から。
人生を変えるチャンスと考えた茂は、
カツラショップへ足を運んだ。
しかし時間とお金もかかる事を知った。
初出勤にはどうやっても間に合わない。
諦めかけていたその時、
電信柱に張られた一枚の広告。
「早い。安い。うまい。」
「あなたのカツラ作ります。」
茂は最後の頼みと、広告の住所へと足を運んだ。
そこは錆びれた一軒屋。
これが僕の、
嬉しくも悲しいカツラ人生の始まりだった。
出迎えてくれたのは大和田。
「王手なら出来上がるまで1ヶ月以上かかるよ。」
「でもうちは即日渡し。」
「こういうのは思い立ったが吉日って言うでしょ。」
「かぶりたいと思ったら直ぐかぶる。」
そして専門用語と情で攻めてくる大和田。
茂はカツラを作る事を決意した。.
価格は本人の希望で決めると言う大和田。
茂は言う。
「頑張れば25万くらいなら・・・」
大和田は言った。
「何歳?」
茂は答えた。
「35歳。」
大和田は返す。
「じゃあ35万だ。」
カツラは直ぐに出来上がった。
そして着けてみた。
ピッタリだった。
素直に喜ぶ茂に大和田は言う。
「今日からキミもカツラーだ!」
茂は言う。
「その何とかラーって言うの、
あんまり好きじゃないですけど・・・」
大和田は言った。
「じゃあカツラッチ。」
「カツラは万能じゃないが、
うまく付き合えば、
あんたを自由にしてくれるはずだ。」
自信満々に言って茂の背中を叩く大和田。
そして東京本社の初出勤。
もちろん茂はカツラをしていった。
大和田のアドバイスどおりに・・・
「カツラの最大の敵は人だ。」
「額の生え際が目立たないように、
人前ではあごをグッと引く。」
「人前では髪を触らない事。」
自己紹介を終えた茂。
すると女性社員の豊田から質問が。
「森山さんは独身なんですか?」
周りの社員は笑い出した。
その笑いがカツラに向けられているように感じた茂。
直ぐにトイレに駆け込んだ。
トイレでカツラにした事を悔やんだ茂。
カツラを外そうとしたとき、大和田から電話が来た。
「あんたカツラ外すつもりでしょ?」
「大丈夫誰も気づいていないから。」
「安心して。深呼吸して。」
その夜は茂の歓迎会。
女性社員は違う部長の噂話。
その内容は部長がカツラだと・・・
茂は敏感だった。
「なんでカツラだと思ったの?」
豊田は答えた。
「なんとなく。」
茂は更につっこんだ。
「なんとなくで分かっちゃうもんなの?」
豊田は答えた。
「なんか不自然なんですよね。」
茂は更に突っ込んだ。
「どこが不自然なの?」
あまりにしつこい茂に場が凍った。
その時居酒屋の店員が運んできたメニュー。
店員は足を滑らしメニューをぶちまけた。
しかも茂の頭に・・・
店員は直ぐに拭こうとした。
「直ぐにお拭きいたします。」
茂は拒んだ。
「やめて。」
近くで見ていた大和田。
茂をトイレに呼び込んだ。
そして茂に、
「スペアカツラ。」
「これさえあればもう安心。」
「今なら大特価28万6千800円。」
「リボ払いも出来るよ。」
茂は言った。
「買います。リボ払いで。」
カツラッチデビューの日。
俺は心にも体にも自由がないことを知った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・山中誠の体験談
カツラの人間にとって風って恐怖じゃないですか。
でも普通思うみたいに、
風でづれちゃうとか飛んじゃうって事はなくて、
着けて初めて分かったのは、
乱れる事の怖さでしたね〜
それなのに新婚旅行で香港に行ったとき、
妻が言い出したんですよ。
ヘリコプターで夜景が見たいって。
妻には着けていることを隠してますよ。
あの激しくプロペラが回っている乗り物に、
どうやって乗り降りすればいいんですか?
残こされた道は1つしかありませんでした。
それは絶対に飲んではいけないと、
注意されていた生水でした。
生水を飲んでお腹を壊して、
ヘリコプターの難を逃れたのであった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
茂は風と戦っていた。
大和田のアドバイスどおりに・・・
「風に向かうとき大切なのは、
ポジショニングだ。」
「F1カーのようにピッタリ前の車の背後につけ、
風の抵抗を避ける。」
「風を防ぐものがないときは受けて流す。」
「どうしても避けられない風が来たときは、
分け目の中心で風を捉え風と一体となるんだ。」
そんな時道でぶつかった女性、牧田涼子。
その女性が仕事のパートナーになった。
茂は会社でデザインを書いていた。
そのデザインを見た牧田。
「デザインは現場から。」
「それがこの仕事の基本です。」
茂は風の恐怖で外には出ていなかった。
牧田は続けていった。
「優秀で情熱的なデザイナーの方と一緒に、
新しい絵を造れるって聞いてたのに・・・」
「がっかりです。」
その日の帰宅中。
「ようラッチ。」
大和田さんだった。
「カツラッチからもうラッチになったの?」
大和田さんは何でも屋を営んでいた。
そして大和田さんの家に招かれた・・・
「で、何?」
「もう好きな女できた?」
その時店内にお客さんが来た。
その女性客を店内に招いた。
「カツラのお客さんの相談を受けているから待って。」
そして話の続きを始める。
「で、彼女がハゲ線って事は?」
「やっぱり付き合いたいの?」
「彼女名前なんていった?」
茂は答えた。
「涼子さんです。」
大和田は言った。
「涼子さんと付き合いたいですって言ってみて。」
「確認だよ。」
動揺したときにカツラが動かないかのチェック。
茂は大和田に言われた通りに言った。
「僕は涼子さんが・・・」
その時新たな客が来た。
女子高生だった。
大和田はその女子高生も招きいれた。
「カツラのお客さんの相談を受けているから待って。」
2人の客が見守る中で話は進んだ。
「僕は涼子さんと付き合いたい。」
つぎの日、現場に足を運んだ茂。
そこには牧田が待っていた。
「来てくれたんですね。」
牧田は的を得た茂のアドバイスで、
仕事のパートナーとして信頼していった。
・次の問題は天。
上からの視点に注意。
不自然に光を反射して、天使の輪に見える事がある。
バスに乗った2人、席を勧める牧田。
席に座ろうとした茂。
しかし、
「って俺が座れるわけないじゃないですか。」
「座ってください。」
そう言って席を豊田に譲った。
・次の問題は水。
濡れると地盤が透けて見えてしまう。
特に生え際の割れ目。
突然の雨だったが、茂は準備万端。
折り畳み傘を持ち歩いていた。
・次の問題は火。
汗には気をつけろ。
皮膚はしっとり髪はサラサラ。
不自然だよね?
暖房の中で熱論を繰り返す茂。
突然暖房をとめた茂。
「なるべく自然と同じ条件の中で、
イメージを作りたいんだ。」
何とか切り抜け続ける茂だった。
・半径70pの人の動きに注意してください。
そして取引先との接待。
もちろん牧田も一緒だった。
取引先の社長は牧田にちょっかいを出す。
連れの男は茂に言った。
「東京はこんな感じだよ。」
「そんなこと気にしている余裕あったら、
頭下げて仕事もらわないと・・・」
そう言って茂の頭に手をかざした男。
茂はそれを振り払った。
取引は不成立。
しかし牧田は守ってもらったと勘違いし株が上がる。
その帰りに牧田は言う。
「ずっと気になっていたことがあるんです。」
「森山さんって・・・」
茂は思った。
もしかして俺のカツラばれてる?って・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・幸田雄一郎の体験談
女の子との距離は縮まる。
そりゃあ嬉しいですよ。
でもそれは新しい苦難の始まりでもあります。
ディズニーランドに行きたいって言われたら、
どうします?
金具でカツラをとめた頭で、
ビックサンダーマウンテンなんて乗れますか?
水に弱い頭で、
スプラッシュマウンテンなんて乗れますか?
なんとかディズニーはかわしましたよ。
この年でそんなとこ行けないよって。
すると彼女が言うんです。
じゃあお泊りで温泉連れて行ってって。
いつばれるかと思うと気持ちいい所じゃなくて、
ムレムレになった頭を乾かすところは、
個室のトイレしかありません。
カツラを乾かすドライヤーもありません。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そんな時牧田が遊園地に誘ってきた。
茂は言う。
「俺苦手なんだよね。」
「ジェットコースターとか絶叫マシン。」
悲しそうに諦めかけた牧田。
その顔を見て茂は決心した。
「行こう。遊園地。」
「冗談だよ。苦手なわけないじゃん。」
早速大和田に相談に行った。
話をきいた大和田は言った。
「じゃあ強化するか。」
「カツラと地肌の密着を強化する、
ボンドと両目テープ。」
「覚悟してもらわなければならない事がある。」
「接着剤がつきやすくなるように、
金具の内側の毛をそらなくてはいけない。」
「地肌とカツラの密着度を高めるって事は、
地肌へのストレスを高めるってことになる。」
「だから残りの地毛が抜けてしまう事もある。」
「どうする?」
「地毛を捨てるか彼女を捨てるか?」
「地毛か彼女か?」
茂をまくし立てる大和田。
茂は決意した。
「地毛を捨てる!」
そしてデートの日。
意を決して密着させたカツラ。
茂を見た牧田は言った。
「なんか今日の森山さんいつもと違う。」
「自信で満ち溢れている感じ。」
そしてジェットコースターへ・・・
大和田が渡してくれたボンド。
それは時速150qまでは耐えられる。
ジェットコースターは150qを超えた。
カツラは吹き飛ぶ。終わった・・・
そしてジェットコースターが終わって、
茂の顔を見る牧田。
茂は泣いていた。
「何ですか、その顔?」
茂は聞き返した。
「顔?」
そして頭に手をあてるとカツラがついている。
ジェットコースターの後ろの席には大和田が。
そして伝票を茂に渡した。
スペアカツラと出張費。
あわせて36万円の伝票だった。
そしてデートはうまく言った。
仕事も順調に進んだ。
より親密になっていく茂と牧田。
茂は悩んでいた。
その悩みを大和田に相談した。
「カツラだって隠している事が、
彼女をだましているみたいで、
後ろめたいって言うか・・・」
大和田はあっさり答えた。
「じゃあさっさと告白しちゃえばいいじゃん。」
それに対して茂は言った。
「出来るもんならしたいですよ。」
「でも出来ないです。」
大和田は言う。
「じゃあ着いてきて。」
向かった先は小さなスナック。
中にいたのはカツラ友の会のみんな。
大和田が作ったカツラをかぶる人たち。
同じ境遇の人間と話すことで気持ちが晴れると・・・
そこにいたのは会社の同僚宮内。
宮内はずっと茂を見守ってくれていた。
田村や山中、幸田もこの会の人たち。
みんな揃って牧田へは隠すことを進めた。
数日後、牧田とやってきたプロジェクト。
コンペを見事に勝利し仕事を勝ち取った。
状況も助けてとても良い雰囲気になる。
2人きりでキスのチャンス。
そんな状況でも嘘を突き通したくない茂。
「ダメなんだ〜。」
そう言ってその場を去った。
そしてカミングアウトすることを決意した。
一方牧田は同僚の豊田に誘われていた。
豊田はなんとなく気がついていた。
そしてカツラだと牧田に進言した。
牧田も意を決した。
思い切って温泉旅行に茂を誘った。
茂は実家に行くと断った。
しかし牧田も引かなかった。
じゃあ実家についていくと・・・
茂は焦った。
そして実家に電話した。
親父にもカツラをかぶってもらおうと・・・
しかし父親は猛反対。
家族は全員が薄毛の家系。
親父は無理だったが兄弟は協力してくれると。
そして家に到着した。
家族で出迎えてくれた。
親父も兄弟も皆カツラをしてくれて・・・
母は気を効かせて、
牧田を山菜取りに連れて行った。
そして牧田に言った。
「あの子は優しい子ですから、
見捨てないで下さい。」
「これからもっと悪いとこ見つかると思いますから。」
家では親父と茂が喧嘩をしていた。
「お前のやっている事は嘘の上塗りだ。」
茂は言った。
「分かったよ。言えばいいんだろ。」
そしてその夜。
茂は牧田を呼んだ。
「話があるんだよ。」
「俺さ、ないんだよ。」
「頭に全然ないんだよ。」
「今まで嘘ついていてごめん。」
牧田は言った。
「結婚する気なかったんだ。」
「最低。」
そして家を飛び出した牧田。
茂は家族に言った。
「どうして頭の毛が薄いって言うだけで、
こんなに苦しまなければいけないんだよ。」
すると大和田も現われた。
カツラをつけるために現われたそうだ。
大和田は茂に言った。
「言ったんだろカツラですって。」
茂は答えた。
「そういう言い方してないよ。」
「頭に全然ないって・・・」
一同は気がついた。
行き違いがあったことを・・・
茂も自分の言い方の間違いに気がつき、
すぐに牧田を追っかけた。
家族は心配していた。
カツラ友の会のみんなも心配していた。
もちろん大和田も・・・
そして駅にたどり着いた茂。
しかしそのタイミングで電車は発車した。
「涼子さ〜ん。」
その時声が聞こえた。
「何ですか?」
「そっちは逆方向です。」
牧田は反対の路線で電車を待っていた。
茂は意を決して話した。
「涼子さん。俺の気持ちを聞いてください。」
「俺は臆病者です。」
「ごめんなさい。」
「さっきは嫌な思いをさせてごめんなさい。」
「もう1つ誤らなければいけないことがある。」
「キミに隠し事をしてました。」
「俺は本当はカツラなんです。」
牧田は答えた。
「知ってた。」
「初めて会ったときから知ってた。」
「だから何?」
驚いた茂。そのまま話を続けた。
「こんな俺だけど、俺と結婚してください。」
「いきなりすぎますが、絶対幸せにします。」
「俺とあったかい家庭つくろう。」
牧田は答えた。
「よろしくお願いします。」
そして抱擁する2人。
茂は聞いた。
「これどうしようか?」
牧田は答えた。
「カッコいいからかぶってて。」
「なくても好きだけど、
もう茂さんの一部なようなもんでしょ。」
そして2人はキスをした。
『カツラが僕に幸せを運んでくれた。』
尻目に大和田は言う。
「あれっ!200万超えてるな。」
(終わり)
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