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「ボクのインプット&アウトプット法ー1日に10冊の本を読み3日で1冊の本を書く」 千田琢哉 (12/23)
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2013年12月16日
「殉死」 司馬遼太郎  後半「腹を切ること」編
 書評は一冊につき記事一本にすべきだが「殉死」に関しては前半・後半で区切るべきだと思い記事を分けた。

 司馬が乃木のことを生理的に嫌悪していることは前半部「要塞」や「坂の上の雲」を読めばすぐにわかる。しかしこの後半部「腹を切ること」を読むと乃木への批判がやや薄れたかのように感じられる。あたかも、自分の首を切った恨み尽くしても足りない上司についてふと彼の立場を思い、押し黙るようなものである。

 「腹を切ること」は@乃木夫妻の交流A日露戦後の乃木B乃木の内面思想C殉死の経緯、が内容となっている。乃木とその妻静子の結婚生活は現代ならば週刊誌で騒がれるであろうほどに奇妙なものだ。乃木の悪所通いや、軍隊生活を家でもし家族をそれに従わせる点などは、とうに愛想を尽かされてもいいほどである。日露戦後の乃木は学習院の院長となる。そして彼は陽明学徒でもあったと、乃木の精神描写が多くなる。乃木と明治帝、昭和天皇の交流譚や殉死前に彼が終わらせたかった仕事が描かれる。

 乃木が日露戦の復命書を読み上げる場面は象徴的である。他の司令官と違い、乃木は自身の手で誰のものよりも名文で、感動的な復命書を書き上げ、奏上する。途中、彼はうなだれ、嗚咽し始めたため明治帝と乃木そして児玉を残して他の将官たちは退室する。凱旋後、服を着かえる余裕は十分にあり宮中ということで他の者どもはみな華麗な礼服を着用していた。その中で乃木だけが泥と硝煙の染みついた戦闘服のまま参加した。司馬は言う「希典はつねに劇的であった」。この明治帝と郎党・乃木との劇的場面にいた児玉は日露戦の疲労により、泣いたり座を外す気根も心の弾みもなくなってしまっていた。明治帝は日露戦で陸軍最大の功労者と言ってもいい児玉ではなく、希典の劇的なたたずまいの方を好まれた。

 劇的性格の人間はある母体があれば否応なく存在するものだ。大方の場合は承認欲求や実現欲求を変に拗らせている場合が多いものだが乃木はどうか。司馬が乃木の内面を描くに持ち出した材料は陽明学(さらに狭めれば山鹿素行の系譜)である。司馬作品では「峠」「世に棲む日日」でおなじみの思想であるが司馬は今回乃木の自律のみならず国家観への言及でこれを持ち出している。乃木が日露戦で時折見せた自殺的行動や劇的行動は、「陽明学的体質」の者に「陽明学」が触れたために起こったと彼は言う。

 「旅順のときも大石橋のときも、死は美であるとしか希典には考えられなかったのであろう。そのことは、陽明学的な純粋発想からすれば正しいのであろう。動機が美でさえあれば結果をさほど重視せずともよいということであろう」

 現実問題としての彼の死は戦局の混乱を招くばかりか、外国にも伝えられ戦費調達を阻害し、戦争自体の遂行・成否にかかわるものである。しかし彼の心にはあまり関係がなかった。と司馬は書く。

 このような人間がどうやって出来上がるのか。司馬は陽明学についてやや安直に解釈をしがちだが、乃木に関してはその強引な解釈で充分合うように思われる。さらに初めの方で「乃木自身がそうである以上に彼を見る周りの人々の目がいっそうにその風姿を劇的に仕立てようとした。」この文はかなり良い。これのおかげで個人的にはすんなりと読了できた。

 自身を劇中に動かす乃木。彼の劇は相方の明治帝を中心に成り立っている。その相方が居なくなった以上、幕切れしかない。

 乃木が妻にさえ殉死の決意をぎりぎりまで伝えない所と言い、彼は変なやつである。三島の「憂国」、進化生物学、深層心理などを絡めて考えても面白いかもしれない。

 「殉死」ジャンルがあるならばトップ2には入るであろう良作。

乃木希典 明治天皇 軍神






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