ライトノベル街道

「りゅうおうのおしごと！」４巻の感想(ネタバレあり)です。
ネタバレ注意！ストーリーや内容を『あらすじ』として説明した後で、『感想』を書いています。

りゅうおうのおしごと！ ４巻　/　白鳥 士郎

りゅうおうのおしごと！4 （GA文庫） [ 白鳥 士郎 ] 価格:671円 (2023/11/3 09:57時点) 感想(2件)

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・いつも通り面白かったです。
・ネットの生中継にJSたちが乱入するシーンが楽しかったです。
・あいちゃんがちょっとクールになってきた？
・逆に天衣ちゃんはデレてきたかも。

＜作品の特徴(５段階評価)＞
おすすめ度：　　　★★★★
読みやすさ：　　　★★★★(星５を付けたいところだが、将棋の描写はどうしても難しい)
ラブコメ量：　　　■■■■■
戦闘・バトルの量：■■■(将棋の対局)
男女比：　　　　　男：女＝1：3
・将棋・女流棋士・ロリコン・小学生・ハーレム系


――(あらすじ)――
『帝位』という女流タイトルの保持者・祭神雷(さいのかみ いか)が登場！
彼女は八一がプロ棋士になる前からの知り合いで、八一に交際を申し込んだこともあります。　銀子やあいちゃんに『元カノ』だと疑われますが、八一にその気はありません！雷との交際を八一は今も断り続けています。

――(感想)――
また濃いキャラが出てきました！
あいちゃんと雷(いか)が対局するシーンでは、あいちゃんが椅子の上に座布団を敷いて正座。雷は椅子の上に立って狂言をまくしたてながら将棋を指すという、現実ではありえない対局になりました！
前から気になっていたんですが、この作品では対局中に、普通に対局者同士でのお喋りが入ります。現実の対局ではマナー違反になることもあるので気を付けましょう……

今になって思うと、この作品の登場人物は、意外と常識人ばかりだったのかもしれません。(神鍋歩夢以外)
そんな中でザ・狂人ともいうべき祭神雷は異質な存在。キャラが際立ってます！『りゅうおうのおしごと！』というシリーズがまた別の一面を見せてくれました。


――(あらすじ)――
マイナビ女子オープンという女性の将棋大会に、桂香さん、あい、天衣の3人が参加しました。

女性の場合、将棋の研修会でC1クラスまで上がると女流棋士になることができます。ここでまず『女流3級』になるのですが、二年間のうちに公式戦で規定の成績を上げて『女流二級』に昇級できなければ、また研修会からやり直さなくてはいけません！
そんな厳しい女流棋士への道ですが、マイナビ女子オープンで勝ち上がると一気に女流棋士になる権利を獲得することができます！
年齢的に後がない桂香さんにとって、ここは大きなチャンスの舞台です。

桂香さん：「マイナビ女子オープンで、今日のチャレンジマッチとその次の一斉予選を抜けると、女流二級になれる資格を得ることができるの」
「けどそれは女流三級の資格を持ってる場合よ。アマチュアはまず女流三級にならないといけないんだけど……そのためには予選の次にある本戦で一勝する必要があるわ」

あい「それってつまり、ええと……チャレンジマッチと一斉予選を勝ち抜いて、それで本戦でも一回勝てば、研修会に行かなくてもじょりゅう棋士になれるってことです？
桂香：「そう！　あいちゃんよくわかりました」
あい「えへへー♪」

桂香：「このマイナビはね？　女流棋士に繋がる最短ルートなの。だからみんな必死で戦ってくる……私みたいにね」
　「「ッ……！」」

――(感想)――
前の巻で、桂香さんの女流棋士への道が遠くなったかと思いきや、まさかの大チャンス到来！『マイナビ女子オープン』。もしかしたら桂香さんと一緒に、あいと天衣も女流棋士になってしまうかもしれません！
八一の弟子たちが女流棋士になるのはまだまだは先だと思っていたのですが、どうやら実力的にはそうでもない様子。次の5巻では誰が女流棋士になっていてもおかしくありません！期待です。
(作中では架空のタイトル戦なども出てきますが、『マイナビ女子オープン』というのは実在する大会のようです)

この作者さんは桂香さん推しのようですが、私は断然あいちゃん推しですので、あいちゃんに頑張って欲しいです。若い才能がベテランたちをなぎ倒し、鮮烈なデビューを飾る……そんな姿が見てみたいです！


――(あらすじ)――
八一が将棋の解説をしている生放送中に、雛鶴あいちゃんがゲストとして乱入！　『内弟子』として八一と一緒に暮らしていることをカメラの前でバラしてしまいました！
更にJS研の３人と夜叉神天衣ちゃんも登場！番組の視聴数は急上昇！
小学生の女の子５人に囲まれている様子が全世界に中継され、八一のロリコン疑惑は揺るぎないものとなってしまいました。
――(感想)――
遂に内弟子の存在が世間にバレてしまいました！
このシーンでのネットのコメントが面白かったです(笑)

『いま一緒に住んでるって言った？』『JSと同棲……だと!?』『やっぱロリコンじゃねえか』

『かわえええええええ!!』『天　使　降　臨』『なんだこの奇跡……』『将棋界始まったな』

『弟子が増えたぞ!?』『新キャラか』『第二夫人キター！』

八一の社会的な立場が崩壊していく様がリアルタイムでネット上に現れていて、主人公の絶望感が伝わってきました！
これまでも『クズ竜王』などと呼ばれていた主人公ですが、全世界に小学生女子と同棲していることが公開されてしまいました！ 世間からの風当たりは強くなりそうですが、いつかはバレてしまうことなので仕方ありません。
将棋界で最も権威のある『竜王』がロリコンという、将棋界の面目や体裁が丸潰れになりかねない状況！八一にはこれからも強く生きて欲しいです。


今回は天衣、あい、桂香さんの3人の、女流棋士を巡っての話が主でした。しかしもうすぐ八一の保持するタイトル、『竜王』の防衛戦が始まりそうです！
挑戦者は『名人』に決まりました！
(「名人」と言われるだけでキャラクター名は出て来ないのですが、おそらく現実のプロ棋士、羽生善治九段がモデルだと思われます。この作品内でおそらく最強のプロ棋士です)

タイトル戦は毎年行われるので、八一が竜王になってから１年経てば、当然また次のタイトル戦が行われます。この作品のタイトルが『りゅうおうのおしごと！』なので八一が竜王位を奪われる展開は無いと思いますが(メタ的思考)、それでも間違いなく激戦になるでしょう！
注目です。


タイトル戦などの大きな対局で、プロ棋士の対局を見ながら記事を執筆する、『観戦記者』という職業があります。
作者の白鳥士郎さんが見たという観戦記者さんの対局中の気遣いに、じんわり暖かい気持ちになりました。

(「りゅうおうのおしごと！」４巻の感想・ネタバレあり)