ライトノベル街道

りゅうおうのおしごと！９巻の感想(ネタバレあり)です。
※ネタバレ注意！ストーリーや内容を『あらすじ』として説明した後で、『感想』を書いています。
つまりネタバレ前提での感想記事です！

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りゅうおうのおしごと！ ９巻　/　白鳥 士郎
・『りゅうおうのおしごと！』の関連記事へ

・いつも通り面白かったです
・天衣の大躍進！

＜作品の特徴(５段階評価)＞
おすすめ度：　　　★★★★
読みやすさ：　　　★★★★★
ラブコメ量：　　　■■■■■
戦闘・バトルの量：■■■(将棋)
男女比：　　　　　男：女＝１：３
・ハーレム系・将棋・小学生・タイトル戦


☆――(あらすじ)――☆
まだ小学生である天衣(あい)が、供御飯万智(くぐい まち)、そして月夜見坂燎(つきよみざか りょう)を倒し、女流タイトル『女王』の挑戦者となりました！
(※『女王』というタイトルは現実には存在しません。この作品の中だけの架空のタイトル戦です)
☆――(感想)――☆
作中の将棋界において、空銀子(そら ぎんこ)は女性最強です。
しかしナンバー２は誰かというと、月夜見坂燎、供御飯万智、祭神雷(さいのかみ いか)あたりが候補に上がりますが、その実力は拮抗しています。そのナンバー２候補の二人を、小学生の天衣が倒したというだけで素晴らしい快進撃です!!
しかもそれが本題ではなく、その先の銀子に挑むのがこの９巻のメインとなっています。天衣の飛躍が止まりません。
少し前まで夜叉神天衣は『期待のスーパールーキー』という印象でした。しかし急に一人前になってしまいました！
(子供の成長が早すぎる)

八一(やいち)の二人の弟子、あいと天衣を比べると、才能はあいの方が上のように思われますが、この９巻では一気に天衣が先へと進んでしまった印象。あいは精神面で不安定なところもありますし、追いつくのは大変そうです。
しかし二人はまだ小学生！
今後いくらでも成長する時間が残されているのは大きな強みです。二人の将来が楽しみです。

☆――(あらすじ)――☆

＜天衣が銀子に挑む、タイトル戦前の検分にて＞
八一：「ここまで大きい盤だと大人の男が指しても疲れるし……ましてや天衣、じゃなかった、挑戦者はまだ身体も小さいですからね。もうちょっと小さな盤の方がいいんじゃないかな？」
銀子：「駒にも文句があるみたいだし、いっそ子供用の盤駒を用意してもらったら？『どうぶつしょうぎ』とかちょうどいいんじゃない？」

天衣は銀子に煽られ、小さな体には明らかに不釣り合いな大きい将棋盤で対局をすることになってしまいました。
そしてこれが災いし、対局中に天衣が着ていた着物の袖が触れ、香車が駒台に落ちてしまいました！
やがて対局が進み、天衣はその香車を盤上に打ってしまい、反則負けとなってしまいました。
☆――(感想)――☆
私自身も将棋をやっています。しかしまだ弱いため、この作品を読んでいてプロ棋士や女流棋士の感覚や思考が分からないことがあります。
例えばですが今回、作中で天衣が反則負けをして、『私ってこんなに弱かったの？』と言っていました。(プロ棋士がつい二歩などの反則をした時も同じような感覚らしいです)
しかし私からすると、誰でもウッカリはあるでしょうし、反則をして『自分の弱さに落胆する』というのがどうにもピンと来ません。
弱さとかではなくて注意力の問題だと思うのですが……そういう部分も含めて『棋力』なのでしょうか。
将棋のプロ棋士独特の感じ方・考え方と言うものがあって、おそらくこの作品の作者さんは将棋の世界で綿密な取材をするうちに、プロ棋士に近い感覚を身につけたのでしょう。
何気ないキャラの言動の中に、プロ棋士ならではの感性が入り込んでいることがあって面白いです。

なにはともあれ、天衣は今回、とても不本意な負け方をしてしまいました。
一瞬の油断で全てが終わってしまう勝負の非情さ、そしてまだ幼い天衣が打ちひしがれている姿は胸に来るものがありました。

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☆――(あらすじ)――☆
女王戦。
天衣は銀子とうまく戦えていませんでした。
八一がアドバイスをしたいところですが、高飛車で跳ねっ返りの天衣が素直に聞いてくれるとは思えません。
そこで八一は天衣の将棋にヒントを与えるべく、振飛車の名手として知られる生石充(おいし みつる)玉将に振飛車で挑みました！
この対局は天衣が行き詰っていた『角頭歩戦法』を躍進させる大きな手掛かりとなり、また、振飛車を辞めてしまっていた生石充に再び喝を入れる結果となりました。
☆――(感想)――☆
今回の主役は天衣ですが、その裏で八一の成長も凄まじいです！
自分が勝つだけで必死だった主人公は、人のために構想を練り上げ、盤上で弟子にメッセージを伝えるまでに成長しました。
自分にとって大事な対局中に、弟子のためにここまでするのは驚きです。八一なりの強い愛情が見られました。

☆――(あらすじ)――☆
八一に対して反発することが多かった夜叉神天衣。
しかし今回の女王戦を経て、天衣は八一に対して熱い思いを寄せるようになりました。
☆――(感想)――☆
相変わらず小学生が、本気でヒロインをしているこの作品。
一番弟子のあいは、とある女流棋士が子供を産んだ時の話に興味津々。自分の将来と重ね合わせて聞いているようでした。
そして天衣は今回、なんとウエディングドレス姿をお披露目！両親が亡くなって以来、黒い服しか着なくなったという天衣が見せた、まさかの一手でした。
小学生たちが結婚を意識して八一を狙っています！

今回、少しだけ素直になって、八一にお礼を伝えることができた天衣。
個人的には今後天衣がデレ期に入るのか注目です！

(「りゅうおうのおしごと！」９巻の感想・ネタバレあり)

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