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2015年07月20日

スラムダンク その後 〜Another Story 国体編 Part29 様々な思い

神奈川代表 84

大阪代表  70


清田「神さん、ナイスーー!14点差。これはこのままいけそうですね。」


清田は、自分もプレーをしたくて、さりげなく高頭の顔を見た。


高頭は少し涙ぐんでいた。


高頭「(神の奴、スタメンから外れても落ち込まず毎日のシューティング練習を


    今までの倍をこなしていたからな。決めるのは当然だが、よく落ち込まなかった。)」
    
    
北野「寸分の狂いもないな。一瞬背筋がゾクっとしたぞ。」


安西「彼は、フリーになる技術にたけている。しかも天性ではなく練習で培った技術だ。


   調子が出てくると、外さない。」
   
   
北野「南たちはちょっとやべぇな。残り3分半で14点差か。ちょっと厳しいが、大阪も


   爆発力はあるからな。ちょっとした流れの変化があれば、まだわからんぞ。」
   
   
安西「・・・、うん。だけど、神奈川は、そう簡単に崩れるチームじゃない。


   牧君が体調不良で退いたけど、それでも選手層は厚い。」
   
   
そんな中、土屋から南へボールが渡った。


マークについたのは藤真。



藤真「エースキラーって名前がついたんだってな。」



南「・・・。あの時は、すまないことをした。今日は実力で勝たせてもらう。」



そういって南は、ノールックでゴール下に紛れ込んだ土屋へボールを回した。


宮城「なにっ!アイツは付け焼刃のガードだったはずなのに。」


そう、南のセンスの良さがここにきて開花し始めていた。チームの勝ちのために自己犠牲をするという


気持ちが芽生えたのと、土屋ならここにいるはずという感覚を信じて。


ボールを受け取った土屋は、すかさずレイアップに向かった。


赤木「そうはさせんぞ。」


と赤木のハエタタキが炸裂するかと思いきや赤木をかいくぐってリバースレイアップを決めた。



神奈川代表 84

大阪代表  72


北野「なんとか一本返したか。ギリギリだな。」


桜木「ゴリーーーー。情けないぞ。そんなヒョロキチ(土屋のこと)に負けんなー。」


赤木「くそっ。彦一が言ってたみたいに本当に仙道みたいだ。ここぞというときのプレーが全く読めん。」


三井「赤木、心配するな。すぐに決めてやるからボールをよこせ。」


そういって赤木から三井へボールを渡した。


三井「さあ、ここで一本決めて神奈川の勝利を決めるぞ。」


そう、三井は感じていたのだ。大阪がかろうじて息を吹き返そうとしていることに。


ただ、残り時間から考えてここで1本決めれば、神奈川の勝ちは動かないだろうことに。


かつてスタミナ切れが心配された三井の姿はここにはなかった。


落ち着いて、藤真にボールを回した。


土屋「ここは止めるぞ。神には南がつけぇ。三井は俺が止める。」


そう、土屋もここで決められたら万事休すということを理解していた。


そしてこのクォーターのキーマンである神と三井に大阪の中心の二人をマークにつけた。


藤真のマークは、板倉。体の大きさを活かして藤真に積極的にチャージング気味に体を寄せる。


藤真「ここだ。」


一瞬、後退し、板倉のバランスを崩した。


そしてその隙を逃さず中に切れ込んだ。


土屋「まずい!!」


そういって土屋が藤真につこうとした瞬間、


三井「このスーパースターをフリーにするとは。」


逆方向に走り出した三井に対して藤真からボールが出た。


しかし、大阪も勝負どころなので集中を切らしていなかった。岸本が三井にくらいついてきた。


そこで三井が魅せたのは紅白戦で花形の技をまねして行ったフェイダウェイ3Pだった。


岸本「な、なにぃ!入るわけあらへん。スクリーンアウトや!!」


誰もが無茶だと思った体制から放たれた3Pは大きな弧を描いてリングを通った。



彦一「うわぁああああ。入ったぁあああ。3Pやぁーーーー」



神奈川代表 87

大阪代表  72


田岡「決まったな!」


そう発した直後、背中に冷たい汗が流れたことに気づいた。


田岡「(あのシュートは止められん。マークがついていてもそれをフェイダウェイで交わしながらの


    3Pとは。なんというセンスだ。)」
    
    
同じようにチームメイトの花形も感じていた。


花形「あれは俺のフェイダウェイとは全く違う。あのスピードの中であの距離で決めてくるとは。


   末恐ろしい。翔陽の高さも殺されてしまう。冬の選手権では要注意だ。」
   
   
土屋「くっそ。めんどくさいやっちゃな。あきらめんなよ。まだまだだ。」



そういいながら土屋自身の体力も限界に来ていた。攻撃から守備まで急造の大阪の穴を少しずつ埋めながら


チームをコントロールして、最後は点取り屋までこなしていたからだ。


南も流川のマークで精一杯で体力を消耗していた。


南「流川の奴、前より無駄な動きがなくキレが鋭くなっている。


  この短期間でなぜあそこまで成長できる。」
  
  
答えは簡単だった。仙道とのマッチアップを練習でかなりこなしており、普段よりかなり濃い練習をこなしていたからだった。


この試合は目立たなかったが、チームのバランスを取りながら、ポイントとなるところでは点を取っていた。


結局その後も徐々に差が開き最終的には、19点差の大差で神奈川が勝利を収めた。


神奈川代表 95

大阪代表  76




(続く)
posted by だんす at 22:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 国体編
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