2020年03月15日
うつ病治療〜うつ病とセットになりやすい不安障害について〜
今回はうつ病に合併しやすい不安障害についてお話しします。
うつ病患者はその約半数という高い割合で不安障害を合併することが知られています。
また、不安障害を合併したうつ病は重症化、慢性化しやすく自殺率も高くなると言われています。
不安障害とは明確な対象を持たない恐れの感情が長期にわたり継続し、日常生活に支障をきたす状態を言います。
不安障害には強迫性障害、パニック障害、社会不安障害などがあります。
強迫性障害とは、馬鹿げていると理解しているものの繰り返し頭に浮かぶ不快な考え、強迫観念を回避するため、自分の意思に反して同じ行動を繰り返してしまう強迫行為がみられます。
強迫観念とは例えば、動物の糞やゴキブリなど不潔なものを目の前に見て頭から離れなくなり、自分の手や服が汚れているのではとの想いを抱き続ける。といった具合のものです。さらには、自分が伝染病にかかるのではないかと考えが及んでしまっているような、こだわりの考えです。
そして、この強迫観念による不安を打ち消すために脅迫行為として手洗いを必要以上に繰り返す、衣服を何度も着替えて洗濯するなどといった行為がみられます。
重症になるとこの脅迫行為が1日に数時間にも及び、家事や仕事などの日常生活に支障をきたすようになります。
パニック障害は突然何の前触れもなく胸がドキドキする締め付けられる息が苦しいなどの自律神経症状が複数現れ、同時に死の恐怖を抱くなどのパニック発作を起こします。
このパニック発作は発症してから10分以内でピークに達し10分から1時間以内に収まりますがその後も繰り返し起こります。そのため、外に出るとまた恐ろしい発作が起こるのではないかと強い不安を抱くようになり、発作を恐れて家に閉じこもり、2年間にわたって一人で外出できなくなるなど日常生活に支障をきたすようになります。
社会不安障害は人前で話す、電話に出る、初対面の人に挨拶するなどの社交的場面で自分は恥をかき恥ずかしい思いをするのではないかと強い不安を感じて心や体に様々な症状が現れる病気です。
例えば、結婚式のスピーチで依頼された時点から強いプレッシャーを感じて苦しい日々を過ごし、結婚式の当日ではマイクの前に立ったものの恐怖感により極度に緊張して手足が震える、声が震える、顔が赤くなる、動悸がする、口が渇くなどの症状が現れスピーチができなくなってしまうというようなことです。
そして、次第に人目を浴びるような社交的場面を避けるようになり日常生活にも支障をきたすようになります。
次に、うつ病の受診状況と自殺との関係について見てまいります。
うつ病は早期発見、早期治療が早期回復のもとになります。
しかし、うつ病は患者自身や周囲の人が症状に気がつかないことが多いため、うつ病を発症していながら医療機関への受診率は27%と低く、7割以上の患者は医療機関を受診していないと言われています。
また、うつ病を発症している患者が初めて受診した診療科についての調査では、患者が専門家である心療内科や精神科を受診した頻度は合わせて約10%にすぎず、ほとんどが専門家以外の内科でありその他に婦人科、脳外科、耳鼻科、整形外科などといったところに受診しています。
このように十分な診療を受けていない患者が非常に多いのが現状です。
そのため、患者の多くは病状が悪化して日常生活に支障をきたし挙句は自殺に追い込んでしまうことになっています。
平成21年度警察庁自殺の概要によると自殺の原因として健康問題が15867件65%と他の問題に比べて最も高い頻度を示しています。その中でうつ病によるものが6949件44%と圧倒的に高い頻度を占めています。
また、自殺した人の数は1997年頃まで年間2万人代前半でしたが1998年から現在では3万人を超え、高い水準で推移しています。
さらに、自殺が未遂に終わった人の数は少なく見積もっても自殺死亡者の10倍は存在すると推定されていることから、自殺を試みた人の数は年間約20万人以上にのぼることが予想されています。
自殺を防止する観点から考えると自殺の原因として最も頻度の高いうつ病への対策が重要な課題と言えます。
以上でうつ病の治療についてのお話しが終わりになります。自殺についても少し摘もうと思いまして最後に載せておきました。
文字数が多くて読みづらいかと思いますので今後徐々に修正、校正していきますね。画像も入れていきます。
次回は「うつ病治療薬の効き方・使い方」についてお話ししていきます。
お読みいただきありがとうございました。健康でいられることを祈りつつ。
うつ病患者はその約半数という高い割合で不安障害を合併することが知られています。
また、不安障害を合併したうつ病は重症化、慢性化しやすく自殺率も高くなると言われています。
不安障害とは明確な対象を持たない恐れの感情が長期にわたり継続し、日常生活に支障をきたす状態を言います。
不安障害には強迫性障害、パニック障害、社会不安障害などがあります。
強迫性障害とは、馬鹿げていると理解しているものの繰り返し頭に浮かぶ不快な考え、強迫観念を回避するため、自分の意思に反して同じ行動を繰り返してしまう強迫行為がみられます。
強迫観念とは例えば、動物の糞やゴキブリなど不潔なものを目の前に見て頭から離れなくなり、自分の手や服が汚れているのではとの想いを抱き続ける。といった具合のものです。さらには、自分が伝染病にかかるのではないかと考えが及んでしまっているような、こだわりの考えです。
そして、この強迫観念による不安を打ち消すために脅迫行為として手洗いを必要以上に繰り返す、衣服を何度も着替えて洗濯するなどといった行為がみられます。
重症になるとこの脅迫行為が1日に数時間にも及び、家事や仕事などの日常生活に支障をきたすようになります。
パニック障害は突然何の前触れもなく胸がドキドキする締め付けられる息が苦しいなどの自律神経症状が複数現れ、同時に死の恐怖を抱くなどのパニック発作を起こします。
このパニック発作は発症してから10分以内でピークに達し10分から1時間以内に収まりますがその後も繰り返し起こります。そのため、外に出るとまた恐ろしい発作が起こるのではないかと強い不安を抱くようになり、発作を恐れて家に閉じこもり、2年間にわたって一人で外出できなくなるなど日常生活に支障をきたすようになります。
社会不安障害は人前で話す、電話に出る、初対面の人に挨拶するなどの社交的場面で自分は恥をかき恥ずかしい思いをするのではないかと強い不安を感じて心や体に様々な症状が現れる病気です。
例えば、結婚式のスピーチで依頼された時点から強いプレッシャーを感じて苦しい日々を過ごし、結婚式の当日ではマイクの前に立ったものの恐怖感により極度に緊張して手足が震える、声が震える、顔が赤くなる、動悸がする、口が渇くなどの症状が現れスピーチができなくなってしまうというようなことです。
そして、次第に人目を浴びるような社交的場面を避けるようになり日常生活にも支障をきたすようになります。
次に、うつ病の受診状況と自殺との関係について見てまいります。
うつ病は早期発見、早期治療が早期回復のもとになります。
しかし、うつ病は患者自身や周囲の人が症状に気がつかないことが多いため、うつ病を発症していながら医療機関への受診率は27%と低く、7割以上の患者は医療機関を受診していないと言われています。
また、うつ病を発症している患者が初めて受診した診療科についての調査では、患者が専門家である心療内科や精神科を受診した頻度は合わせて約10%にすぎず、ほとんどが専門家以外の内科でありその他に婦人科、脳外科、耳鼻科、整形外科などといったところに受診しています。
このように十分な診療を受けていない患者が非常に多いのが現状です。
そのため、患者の多くは病状が悪化して日常生活に支障をきたし挙句は自殺に追い込んでしまうことになっています。
平成21年度警察庁自殺の概要によると自殺の原因として健康問題が15867件65%と他の問題に比べて最も高い頻度を示しています。その中でうつ病によるものが6949件44%と圧倒的に高い頻度を占めています。
また、自殺した人の数は1997年頃まで年間2万人代前半でしたが1998年から現在では3万人を超え、高い水準で推移しています。
さらに、自殺が未遂に終わった人の数は少なく見積もっても自殺死亡者の10倍は存在すると推定されていることから、自殺を試みた人の数は年間約20万人以上にのぼることが予想されています。
自殺を防止する観点から考えると自殺の原因として最も頻度の高いうつ病への対策が重要な課題と言えます。
以上でうつ病の治療についてのお話しが終わりになります。自殺についても少し摘もうと思いまして最後に載せておきました。
文字数が多くて読みづらいかと思いますので今後徐々に修正、校正していきますね。画像も入れていきます。
次回は「うつ病治療薬の効き方・使い方」についてお話ししていきます。
お読みいただきありがとうございました。健康でいられることを祈りつつ。
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